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  [No.488] 5日目後編 激突!強敵・チトセとミライ〜メカを使う男・ミライ〜 投稿者:マコ   投稿日:2011/06/03(Fri) 14:03:52   45clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

※残虐な描写があります。注意してご覧ください。





勝負には、確かに決着がついた。しかし、諦めの悪いチトセは、マイコとアキヤマを絡め取って殺害することで敗北という結果を帳消しにしようとしたのだ。
無論、そんなことは許されるはずはない。
「卑怯者!!!負けを認めて2人を解放せえやっ!!!」
キザキがそう言って2人の捕らわれているメタモンの塊に駆け寄ろうとした、が、
「……!?」
足と腕をこれまた別のメタモンに絡められて、身動きができなくなってしまった。
「あんたも反逆するのね。そっちの2人は後回しにして、まずはあんたから殺してやる!!!」
チトセはそう言うと、鋭い爪をキザキに向け、首を絞めようとした。こんな爪で首を絞められると、きっと無事では済まないはずだ。
彼は目をつぶり、そして悪の女の手が首に届こうとした時だった。

バチバチバチッ!!!

「ぎゃああああっ!!腕が、腕があっ!!!」
彼女の手は届くことはなく、焼け焦げて消失していた。ついでに、彼を縛っていたメタモンも逃げ去っていた。
「今、何が起こったん!?」
どんなことが起こったのか、キザキには最初分からなかったが、首元の光を見て納得した。
「ペンダント……!?」
『僕が千年彗星の加護を与えたんだ。あいつらみたいなアンデッドには星の光が効果抜群なんだよ。まあ、直接触れようとした相手限定なんだけど』
「ありがとう、ジラーチ。……それはそうとして、マイコちゃんとアキヤマさんは大丈夫なんかな?」
『その心配はないよ。ほら、』
別方向では、アキヤマが繰り出した緑色の刃ポケモン・エルレイドがサイコカッターでメタモンを切り裂き、マイコもアキヤマも解放されていた。
「ありがとう、エルレイド。……マイコ、大丈夫か?立てるか?」
「大丈夫だよ。それより、どうすればいいか、全然案が出なかった……」
「良かった!2人とも、何とか無事やったんですね!!」
3人は何とか、再会を果たせた。しかし、チトセはまだしぶとく生きていた。
「くそう、よくも、私に、こんな、飛んだ、大恥を……」
だが、彼女の言葉も続かなかった。頭上には虹色の光が迫っていたのだ。
『これは未来予知の攻撃の光。僕が仕掛けておいたんだ。もう逃げられないよ、ハンターさん!』
「う、嘘でしょう!?こんなこと、」
『こんなことを起こした罰は重いよ。光で粛清されてしまってよ!!』
「ぎゃああああっ!!!」
ジラーチの放った未来予知攻撃によって、チトセは微細組織レベルにまで崩壊していった。もうアンデッドとしては蘇らないはずである。


「終わった……もうこれでおとなしく、」
マイコが言いかけたその時だった。
「よくもチトセを葬ってくれたな!!」
明らかにメタボリックシンドロームな男が出てきた。どうやら先程のチトセの仲間のようだ。
「おいデブ!!お前誰や!!」
「俺様は千年流星会のミライ様だ!崇高なジラーチをお前らみたいな野蛮人が持つのは相応しくない!今すぐ俺様に渡せ!」
「渡すわけないやんか!お前らなんかに渡したら悪いことが」
『僕は行くよ』
「えっ、ジラーチ!?何でそんなことを言うの!?」
願い事ポケモンは3人の予想を裏切ることを言った。
しかし、3人の陰でちょっとニヤリ、とした笑みを見せていた。裏があるに違いない。
「よく分かっているなジラーチ!さあ、俺様達とともに、より良い世界をつく」
『嘘だよ。僕がお前達みたいなやつについて行くわけないよ。……ごめん、みんな。騙すつもりはなかったんだ』
3人とも明らかに不安だった。もしついて行ったらどうしよう、とか思っていたからだ。
「良かったあ……」
「一瞬、えっ、ホンマなん!?とか思ってもうたで……」
「あいつについて行ったらどうされるか分からへんから、さ……」
マイコもアキヤマもキザキも安心していたが、引っ掛けられたミライはカンカンだった。
「よくもやってくれたな……カビゴン、あいつらを潰してやれ!!」
悪の男は、ボールから居眠りポケモンを出した。それを見て3人は呆然とした。
出てきたそいつは規格外の大きさだったのだ!


カビゴンというポケモンは、2.1メートルという身長であるものの、体重が460キログラムという、全部のポケモンの中でも最重量級として知られている。
しかし、今3人の目の前にいるカビゴンは、身長が3メートルほどで、まあ普通よりも大きいのだが、体重が700キログラムほどもあった。そういう部分がマスターに似るのかと思うくらいである。
さらに、このポケモン、体重もあれば体力も高く、その上眠ることで多少のダメージなんてなかったことにしてしまうという、味方にいるなら頼もしいことこの上ないが、敵に回すと恐ろしい相手なのだ。
その眠りを封じるために、マイコはある変化技を種ポケモンに指示した。
「フシギバナ、悩みのタネ!いっぱい撒いてあげて!」
背中に背負った巨大な花から紫色の種がたくさん飛び出し、全てが居眠りポケモンにぶつかる。表情もどことなく苦しそうだ。しかし、ミライの表情は、それは分かりきっているという、余裕が感じられた。
「これで、眠ることに関しては解決、ね」
「お前、これでこいつを封じたとでも思っているのか?怖いのはここからだぜ!!」
彼が指示した技は、……腹太鼓だった!!!


カビゴンの無尽蔵にある体力が約半分まで減ったのは、マイコ達にとってプラスなのだが、この技の怖いところは、それと引き換えに攻撃力を最大限まで引き上げる部分なのだ。
種ポケモンめがけて飛んできた炎のパンチは、ターゲットに当たらずに済んだものの、アスファルトにクレーターを起こすくらい強烈なものだった。
マジカルリーフが居眠りポケモンに直撃したのを見計らい、マイコはフシギバナをボールに戻した。
「何やこの威力……えげつない……」
「こんなん喰らったらどんなポケモンでも危ないんちゃいます?」
「これどうしよう、どうすれば止められるんだろう……」
必中の草技がヒットしても、まだカビゴンは元気そうである。そいつにどう立ち向かおうか考えを巡らせていると、
「危ないっ!!!」

ドドドドッ!!!

緑の弾が発射された。3人が見上げると、そこには翼の生えたメカが2機あった。
「これは俺様が発案したメカ、エレメントファイターだ!まだ試作段階で3属性しか使えないが、ゆくゆくは17属性全てを使えるようになる!」

ドドドドッ!!!

今度は赤の弾。次いで青の弾が発射され、3人とも必死で避けた。しかし、そこから属性を割り出すのは案外容易であった。
「草・水・炎の3種ね。弱点属性でたぶん止まるはず……」
マイコの推理は当たっていた。表示された属性が弱点とする攻撃で壊れるようになっているのだ。そのため、タイミングを見計らって攻撃しないといけないわけだ。
「草タイプが表示されたのを見計らって……クロバット、クロスポイズン!」
キザキが繰り出した紫色の蝙蝠ポケモンは高速でメカに接近し、交差させた翼から毒を繰り出した。草タイプが表示されていたメカはその攻撃に耐えきれず、交差の傷を露わにしたまま墜落した。しかし……
「甘いぜ!」
「どういう……って、え!?復活しよる!?」
何と、さっき傷ついたメカが回復しているではないか!
「このメカは2機同時攻撃でないと破壊できないぜ!」
「クロバット、エアカッター!!」
単体攻撃のクロスポイズンではダメなら、全体攻撃のエアカッターの方が同時破壊にいいのだ。しかし、攻撃を当てることには成功したが、これでも復活してしまった。
「1匹のポケモンによる全体攻撃もダメだぜ。壊すなら、同じ技で同時攻撃しねえとな。ハッハッハッハ……」
こいつは先程のチトセとは違う意味で卑怯な奴だった。
「ウォーグル、出てきて!」
マイコは勇猛ポケモンを繰り出し、同時攻撃の方法を考える。
「タロウちゃん、」
「どないした?」
「クロバットはブレイブバードを使える?」
「確か、使えたと思うで。……これでやる気なんやね」
「そう。じゃあ、行くよ!ウォーグル、ブレイブバード!!」
「クロバットもブレイブバード!!」
2匹の飛行タイプのポケモンは、羽をたたみ、ターゲットに向けて突撃していった。
しかし、その攻撃は同時に命中したものの、当たった時のタイプが水だったのだ。そのため、すぐ回復して浮上してきた。


反撃が止まず続く。マイコは少し頭を抱えていた。
「どうにかして、あのタイプ変化を止めないといけないんだけど……いい案が浮かばない……」
「マイコちゃん、ちょっと思いついた案を試してもええかな?」
「うん、今のままじゃどうにも動かないからね……」
キザキに何か策があるようだ。彼はクロバットに指示を飛ばす。
「クロバット、あのメカが草タイプの時に怪しい光!」
あえて変化技をぶつけたのだ!ふよふよとふらつきながら飛んでいく光は2機のメカにしっかりと認識されたわけだ。
「けっ、何かと思えば変化技か!そんなものは効かな……」

ドオオン!!

いきなり、爆発音がした。
「なっ!?」
驚いたのはミライだ。まさか、こんなことが起こるなんて彼も予期していなかっただろう。
「メカに怪しい光が効いて混乱してくれるとは思わんかったで」
「貴様、よくも、」
「あ、タイプ変化の方もバグを起こしてくれたみたいやね」
キザキの策は見事にはまった。本当は反撃をストップさせる目的だったのだが、思いがけずタイプ変化にも異常をきたすことに成功したわけだ。もうタイプが変わることもない。
つまり、今、エレメントファイターの属性は両方とも草。
「ウォーグル、」
「クロバット、」
「「ブレイブバード!!!」」
そして、今度こそ、同時ブレイブバードが炸裂し、メカは木端微塵に破壊されたのだ!!


自慢のメカを壊された形となったミライは狼狽し、そして、憤った。
「くそう、くそう……カビゴン!!みんな潰してしまえ!!!!」
居眠りポケモンは、通常の1.5倍はあるその自慢の巨体で、3人を押し潰してきたのだ!!!
「「「うわああああっ!!!」」」
そのピンチに呼応するように、3人それぞれのパートナーであるジャローダ、フタチマル、チャオブーがボールから出てきて、自分達のマスターが潰されないように踏ん張った。
しかし、相手が悪すぎる。なにしろ、700キロのカビゴンののしかかりだ。考えただけでも恐ろしい。重力に逆らうことができず、もはやこれまでか、と思われたその時!

チャオブーとフタチマルが光に包まれ、最終進化を果たし、それぞれ大火豚ポケモンのエンブオーと貫禄ポケモンのダイケンキとなったのだ!!!


進化したことでパワーが大幅に上昇した2匹は、既に最終進化しているジャローダとともに、巨大居眠りポケモンを弾き飛ばした!
そして、3人はそれぞれ指示を飛ばした。
「ジャローダ、リーフストーム!!」
「ダイケンキ、ハイドロポンプ!!」
「エンブオー、火炎放射!!」
その時、願い事ポケモンが光を飛ばし、それは3匹に当たる。すると……、

巨大な木の根と、赤熱した炎と、猛烈な水流が居眠りポケモンを同時に襲い、跳ね飛ばしたのだ!!!
「え、ハードプラントが……!?」
「ブラストバーンが出てる……」
「こっちは、ハイドロカノンが……」
3人が突然の出来事に驚いていると、ジラーチが話し出した。
『僕が、自分の願いで究極技を開放したんだ。みんなものすごく懐いているみたいだし、本当はもう少し早くみんなに教えたかったんだけど……やっぱり、最終進化しないとダメみたいだったから……』
「「「ありがとう、ジラーチ!!」」」
『どういたしまして』
3人からお礼を言われたジラーチは恥ずかしがっていた。


「何であんな野蛮人に奇跡ばっかりが起こるんだ……こっちは誤算続きだっていうのによ……」
『それは、あの人達が奇跡を起こすに相応しいからだよ。そこまで僕に執着するの?』
願い事ポケモンの頭上に、先程チトセを浄化した未来予知の光があった。
「なあ、ジラーチ、あいつらをその力でメッタメタにしてくれねえか、そして、俺様達と手を組めば平和になるぜ……」
『僕はその手に乗らない。前の1000年でも千年流星会が起こした騒ぎでたくさんの無関係な人が亡くなっているんだ。もうこれ以上犠牲にさせたくないから、君をここで葬るよ』
浄化の未来予知の光がミライの体を貫く時に、彼はこう叫んだ。
「覚えてろ!トワ様はお前ら野蛮人を放ってはおかない!明日、必ず、女、お前は死ぬ!!」
不吉な予言を残したまま、ミライは崩壊していった。


「あいつ、ロクでもない捨て台詞吐いて消えよったな」
「その予言がホンマに起こらんことを願うしかないんやね」
「……私が、そのトワとかいう人と決着をつけなきゃいけないのよね」
その時、ひらひらと手紙が落ちてきた。手紙にはこうあった。

サカモト マイコ様

私のかわいい部下を2人も消滅させるとは、なかなかすごいジラーチの保護者ですね。
明日、16時に、願いが丘で待っています。

千年流星会・総帥 トワ

「果たし状、ねえ……」
マイコは千年流星会のボス・トワと戦う決意を固めたのだった。


6日目へと続く……


マコです。
無事に、千年流星会の幹部2人を撃破したマイコ達。
次は、いよいよボスであるトワとの対峙です。
ラストまではもうすぐです!
【書いてもいいのよ】
【描いてもいいのよ】


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