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  [No.489] 6日目 爆発、そして、願い 投稿者:マコ   投稿日:2011/06/03(Fri) 15:10:02   43clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

※死ネタっぽい描写があります。注意してご覧ください。





今日と明日は大学の教授が学会でおらず、完全にオフなので、家で休むマイコ。
昨日、チトセとミライを撃破したことにより、千年流星会の構成員はトワのみになったわけだが、トワの情報が少ないことを気にしたマイコは、ジラーチに少し探りを入れてみることにした。
「ジラーチ、」
『マイコ、何か気になることがあるの?僕が聞くよ』
「トワってどんな相手?」
『確か、大爆発で戦う人だった。1000年前に、チトセとかミライよりも圧倒的な数の死者を作った人なんだ』
「つまり、かなり残虐ってこと?」
『まあね。人当たりはすごくいい人のように見えるけれど、抹殺に関しては容赦ないんだ。マイコは爆発を防止できるポケモンはいる?』
「湿り気の特性を持っているポケモンなら、ラグラージがいるけど」
『分かった。でも油断はしないようにね。爆発以外にも毒の攻撃が容赦ないから』
そう言いながら、約束の16時に備えていくのだ。


そして、約束の時間の5分前。マイコはみんなとともに願いが丘に到着していた。本当だったら1人で行った方が良いのかもしれないが、相手は千年流星会の総帥だ。
何をしてくるか分からない。そのため、ついてきてもらった。もし、自分が倒れてしまったら……とか思ったが、ここで後ろ向きになってもいけない。みんなには離れたところで見てもらい、自分が倒れたところで出てきてもらうように言った。


約束の時間、16時。精悍な顔立ちの男が来た。この男がトワなのか。
「初めまして、マイコさん、」
「は、初めまして」
「トワと申します」
確かに、ジラーチの言う通り、穏やかそうな人だ。情報を何も聞いていなかったら、普通のいい人だと勘違いしてしまいそうだ。
「マイコさん、」
「何ですか、」
「私は、世界を平和にしたいのです。あなたは野蛮な人と一緒に私の幹部と戦ってきたみたいですが、あなたは十分に強い。どうです、私と組んで平和をもたらしませんか?私と一緒なら、ジラーチも一緒にいられますよ」
甘い言葉。大抵の人はついていきたくもなるだろう。しかし、マイコは毅然としていた。
「いやです。あなたと得た平和は、偽りでしかありません。それよりも、今までずっと一緒にいたみんなとともに得る平和の方が、私にとって誇るべきものなんです。ジラーチだって、あなた達の行動を1000年前に見て、拒絶していました。私は、あなたについて行かないですし、ジラーチもあげません!」
しっかりと、トワを見据えて言い放った。それを見た彼は、至極残念そうにこう言った。
「残念です、あなたとは気が合いそうだったのに……」
その瞬間だった。マイコの目の前には6匹ものマタドガスが浮かんでいた。
「ラグラージ……」
爆発を防ぐための切り札となり得る沼魚を出す前に、

ドオオオオオン!!!!!

6匹同時に大爆発を起こしたのだ!!


黒焦げの状態でぐったりと倒れこむマイコ。それを見て、傍観していたみんなが黙っているはずがなかった。
「「「よくもマイコをおおおおっ!!!!!」」」
ジラーチがマイコの元に飛んできた。
『マイコ、ねえ、起きてよ、生きてよ、ねえってば!!』
ポケモン達が一斉に技を繰り出す。マイコのポケモン達もボールから出てきて、ムンナに至ってはカバンから取り出した月の石でムシャーナへと進化した上で攻撃をしていた。
しかし、トワは平然としていた。
「私はポケモンの攻撃を《守る》効果を持つ服を着ているので攻撃なんて受けないのですよ。鉄壁の防御は破れないのです!」
それでも、まだ止まぬ攻撃。
「無駄です!どんなに強い攻撃を放っても、私に効果はないのです!!」
トワは未だに平気そうだった。このままではPP切れでこちらの方が倒れてしまうと思った、次の瞬間だった。

ジラーチのお腹にある、3個目の目が開き始めていた……。



『トワ、よくも、マイコを傷つけてくれたね……』
これまでにないくらい怒っている願い事ポケモン。彼の頭上には、赤熱した隕石が今にも降りかかろうとしていた。
「そうか、ジラーチ、君の選択は、彼女含む野蛮人を全て見捨てて私と一緒について行くことなのですね」
トワが言いかけたのを、ジラーチは止め、言い放った。
『お前の方が野蛮だ!1000年前と同じ過ちを繰り返し、果ては僕を大事にしてくれた彼女を瀕死にして!!お前が裁きを受けろ!』
隕石がトワに迫る。
「おや、ジラーチ、忘れているのですか?」
『何のことを?』
「服ですよ。私の服には《守る》の効果があります。どんな攻撃も効かな」
『もう言っちゃうよ。僕が出す技は《破滅の願い》だ。この技は、守るとか見切りの効果を貫通できる珍しい技だ。普通に使えるのは僕ぐらいだよ。守るの効果なら、もうお前に未来はない』
「やめてくれ!もう殺したりはしないから命だけは助けて」
『お前は光の中で猛省しろ!!!』
隕石が千年流星会の男の総帥を直撃し、焼けながら浄化されていった……。


『マイコは生きているの?』
「息を少しずつしてる。病院に運ばないと……」
生死の狭間を彷徨うマイコ。彼女を救うためにジラーチが出した決断は、こうだった。

体から出た光は、空に向けて飛び、そして、マイコに突き刺さった。
「えっ!!?」
光が突き刺さることに全員が驚愕したが、黒焦げだった彼女の体はみるみるうちに傷がふさがり、やがて元の状態に戻った。そして、彼女は目覚めた。
「うーん……」
『マイコ!!!』
「「「生き返った!!!」」」
「みんな、どうしたの!?」
こと切れていたらどうすることもできなかったが、息がまだ続いていたため、癒しの願いで復活させた、というわけだ。
そして、あの図鑑のデータの続きは、こうだった。

ジラーチ  願い事ポケモン
タイプ 鋼・エスパー
身長 30センチ
体重 1.1キログラム
特性 天の恵み……技の追加効果が出やすい

1000年のうち7日しか目を覚ますことができない、幻のポケモン。
様々な願いを叶える力を持っていることで知られる。
腹にある閉じられた目が開くとき、破滅の願いが発動する。

なんにしろ、これで、もう邪魔者はいなくなった。明日のマイコのバースデーは楽しみだ。


最終日へと続く……


マコです。
破滅の願いでトワを撃破して、ようやく千年流星会を撲滅しました。
次のお話でラストです。
【書いてもいいのよ】
【描いてもいいのよ】


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