マサラのポケモン図書館 カフェラウンジ2F(長めの作品用)
このフォームからは投稿できません。
name
e-mail
url
subject
comment

[新規順タイトル表示] [ツリー表示] [新着順記事] [留意事項] [ワード検索] [過去ログ] [管理用]

  [No.137] 人生と運命[7] 投稿者:5595   投稿日:2010/12/20(Mon) 17:23:38   44clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

18時21分

「やっと着いたぜ…………」
そう。
俺は[運命の塔]に着いたのだ。
しかし、運命の塔は俺が想像していたよりも高い。
雲を突き抜けて、見上げるだけで首が疲れる。
「……あの言葉………何があるんだ……?」
そう、思い出したのは[ムクホーク]が言っていたあの言葉だ。
「いや!ここで引き返す訳にはいかない。」

俺は意を決して中に入った。







「広いな……」
独り言も響く、とても神聖な所だった。
(独り言が響くから神聖なの?ってのはスルーでお願いします。)


ただ、運命の塔にいるのは俺だけじゃない。
老若男女、ポツポツといた。
神聖な場所と言えども、決してキレイという訳でも無い。
どちらかと言うと、古い方。
足場が崩れそうな所もある。




20時43分
広間みたいな所に着いた。
「やっとか…………」
螺旋階段(らせんかいだん)を登り終えてほっとした。






しかし、それもつかの間。



端に階段が続いていた。




「駄目だ…………体力の限界………」
そう言ってその場にヒョコっと転がった。


ここの広間には人、ポケモンがそこそこいて、休憩している。
「俺さ、やっとこの辛い状況から抜け出せるんだ!」

とか、

「あたし、今まで耐えてきたけど……やっと終わりだよ………」

とか、今まで耐えてきた俺の、私の、武勇伝を話し合っている。


「そうだよな………人生をやり直せるって……良いことだもんな…」





11時6分
眠気が差してきた。
寝ようと思ったけれど、他の人、ポケモンは武勇伝をまだ話し合っている。

そこで俺は奥の方にあるベランダみたいな所に行った。


「うわっ………高い………」
まだ雲までは行ってなかったが充分高かった。
あまりの高さに鳥肌が立ってしまった。
都市·町·村の灯りが川みたいに見えた。

「君も人生をやり直そうとしているの?」

「ああ。」

ん?と思って振り向いたら

そこには[オオタチ]がいた。

「………名前は何て言うの?」
名前は自分から名乗れー!と思いながら
「俺はイーブイ。特にちゃんとした名前は無い。お前は?」

俺の目が鋭かったせいか
「あ!えっと、私もちゃんとした名前は無いです………」

少し怖がっているようだ。
「ん?」
オオタチは体が震えていた。
目もうる目だった。


その時、俺が思い出したのは
都市で出会ったワニノコだった。

しかし、人間で言えば年齢は俺と同じ位だ。
精神が傷つけられているのか………それとも
元から泣き性なのか………

もしここで
「ご、ごめんね……」
と言っても逆に泣いてしまうだろう………

けれども、それ以外の方法なんて思いつかなかった。



「ご、ごめんね……」
と言ってしまった。


「い、いや…別にいいんです………ゥッ………」

本当の俺ならここで
「女の涙は重いからそんなに泣いてんじゃねーよ!」

とか、言っていただろう。
しかし、ここの俺は
「はい。一緒に食べようぜ。」
出た!食べ物作戦!
「え?いいん……ですか……?」
俺は自分のバッグからアイスクリームを出した。
「うん。お腹空いているでしょ?」
いかんいかん。しゃべり方が雌っぽくなっている。




前、育成施設の先生から
「あんた、もっと強くなりたいなら「私」じゃなくて「俺」って言ってみな。それだけで自分を強く見せる事が出来る。」
思い出した!俺と言っていたのはその時からだったな……




「イーブイさんは……これからてっぺんに行くつもりなんですよね?」
いつの間にかしゃべり方が敬語になっている事は気にしないで
「ああ。そうだ……それがどうかしたのか?」


と、振り向くとオオタチは緊張していた。

「あ、あの………一緒に行ってもいいですか!?」

!? こんな泣き虫が!?絶対無理!
と言いたかった。しかしオオタチは更に
「あの、この先、敵が出るっていう噂があるんです。」

「うん。」

「でも、私、戦闘能力があまり無いので、一緒に………」


ハァ。断りたかった。しかし俺の口が勝手に





「いいぜ。一緒に行こうか。」
と言ってしまった。
………面倒くさくなりそうだ………

オオタチは目を輝かせて
「あ、ありがとうございます!ありがとうございます!!」

じゃあ、明日からだな。

0時1分
俺とオオタチは広間の隅っこで寝る事にした………


……………本当に敵なんているのか?

やっぱり、不安になってきたが
眠気の方が強かった。



スー…………スー……………


- 関連一覧ツリー (★ をクリックするとツリー全体を一括表示します)

- 以下のフォームから自分の投稿記事を修正・削除することができます -
処理 記事No 削除キー