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  [No.1603] #131216 「不安定な群れ」 投稿者:   《URL》   投稿日:2017/08/05(Sat) 20:50:45   19clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

Subject ID:
#131216

Subject Name:
不安定な群れ

Registration Date:
2011-08-01

Precaution Level:
Level 2


Handling Instructions:
群体#131216はその性質上継続的な収容が困難であり、確保及び保護の手順は制定されていません。案件担当者は市民から寄せられた群体#131216の発見報告、並びにフィールドワーク中に遭遇した都度、可能な限り群体#131216の生態を観察並びに記録してください。過去に収集された群体#131216の生態に関する記録は、案件別サーバの高セキュリティディレクトリに格納されています。案件担当者は当該ディレクトリへのアクセス権を持ち、必要に応じて関係する局員に情報を展開することができます。

過去に群体#131216が出現した個所をプロットしたマップを文書D-131216-1として作成・管理します。文書D-131216-1は群体#131216の発見の都度更新し、群体#131216の観測地点に関する法則性の解明に使用されます。文書D-131216-1より何らかの知見が得られた場合、案件担当者は速やかに上長への報告を行ってください。文書D-131216-1の更新は本案件の管理終了まで継続されます。

群体#131216における個体#131216への接触は原則として行わないでください。個体#131216について特異な点は観測されておらず危険度は低いものとの推定が成されていますが、当局の接触した個体#131216は例外なく群体#131216としての性質を失うことが確認されています。接触の結果特性を失った個体#131216については、特段の収容措置を執る必要はありません。必要に応じて捕獲することも可能ですが、過去に捕獲された個体#131216に関してはいずれも異常な性質を持たず、短期間で解放される結果に終わっています。


Subject Details:
案件#131216は、ある特定の携帯獣(個体#131216)の集団(群体#131216)が見せる特異な性質と、それに掛かる一連の案件です。

群体#131216の存在を当局が認識したのは、2011年6月上旬のことです。カントー地方トキワシティ第七支局の局員が提出した業務日報に、「異様な動きをするコラッタの群れ」に関する証言を複数の市民から得たとの記載が成されました。局員が証言した市民らにヒアリングを行ったところ、いずれも同一の事象を指している可能性が高いとの見解が示され、案件の立ち上げが提起されました。案件立ち上げは承認され、当該局員が案件担当者にアサインされました。

群体#131216は、携帯獣の「コラッタ」が形成する群れです(以下コラッタを「個体#131216」と記載)。概ね10体から20体の個体#131216によって形成され、具体的な数は群体#131216の観測の都度変動します。過去の事例では最少で5体の、最多で36体の個体#131216による群体#131216が観測されています。群体#131216を形成する個体#131216の数による群体#131216の性質の変化は確認されていません。

群体#131216の顕著な特異性は、一般的なコラッタ個体とはかけ離れた動きをする点にあります。通常のコラッタ個体は、時折ランダムな動きが混ざることはあれど、概ね直進を主体とした規則的な動きをします。しかしながら群体#131216を形成する個体#131216は、ほとんどの場合直線的な移動を行わず、極めて不安定な経路を辿って移動します。特筆すべき点として、群体#131216を形成する個体#131216は例外なく同じ動き方をします。これは群体#131216を形成する複数の個体#131216間の距離が常に一定に保たれていることを意味します。結果として、移動するパスは不安定にもかかわらず、群れとしては極端に統制の取られた動きが観測されます。

群体#131216の移動パスに関する詳細は未だ解明されていませんが、群体#131216は「風にあおられる」ような動き方をしているとの証言が数名の市民から得られています。ある程度の強さの風が吹いた場合、風の方角に向かって群体#131216が歩いていくという光景が複数回確認されています。局員の一部は、群体#131216の移動パスを確定する要素として風が関係しているとの見方を示しています。

もう一つの特異な性質として、群体#131216は突如として消失することが挙げられます。ただし過去の観測事例において、群体#131216が直接消失する瞬間を確認できたケースは存在しません。いずれも群体#131216の観測が何らかの理由で中断された(群体#131216から視線を外した、群体#131216の観測中に瞬きをした等)後、再度の観測を試みたものの該当する群体#131216を発見できなかったという形で顕在化します。案件副担当者より、群体#131216を観測する者が居なくなったことをトリガーとして、群体#131216が瞬時に消失しているとの仮説が示されました。これは逆説的に、群体#131216は自身を観測する外部存在を認識している可能性を示唆しています。

過去に行われた群体#131216に対する調査の過程で、群体#131216を形成する個体#131216を群体#131216から引き離すというテストが行われています。しかしながらこのテストの結果は、個体#131216が特異性を失い、一般的なコラッタ個体と比較して何ら差異の見られない振る舞いのみをするようになるという結果に終わっています。過去に確認された群体#131216は例外なく個体#131216のみによって形成されていますが、個体#131216そのものには何ら特異な点が見当たらないことから、群体#131216の異常な性質がいかなる理由によってもたらされているものかを調査することが困難になっています。現在は個体#131216ではなく群体#131216にフォーカスを当て、異常性の解明に向けたアプローチが続けられています。


Supplementary Items:
本案件に付帯するアイテムはありません。


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