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  [No.750] 第11話 最終決戦! VSゲーチス 投稿者:マコ   投稿日:2011/09/29(Thu) 11:00:07   44clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

鈍臭い足を精一杯動かして走り、ようやく玉座の間に辿り着いたマイコ。
そこには、緑の髪を持つプラズマ団の総帥が待ち構えていた。
「アナタがやはり来ましたか。待っていましたよ。途中でくたばってしまったのかと思いましたけどね」
「ゲーチス!私はあんたを倒すために来たの。くたばるわけがないじゃない。これ以上あんたの好きにはさせない!!」
「フフ、孤独のアナタに何ができるのです?仲間の方々はみな七賢人と戦っていて、なおかつみな負けるというのに」
「少なくとも、あんたの手下みたいな奴なんかに、私の友達は負けない。絶対に負けないんだから!!」
「そう言い切りましたか……。マイコさん、ワタクシは……アナタの絶望する顔が見たいのだ!!!」
「絶望の表情を見せるのはあんただっ!!!」
その言葉とともに、バトルは幕を開けた。


ゲーチスの先発は金色の棺桶ポケモン、デスカーン。一方のマイコはウォーグルを出していた。
「ワタクシの攻撃手段を少し封じる作戦に出ましたか……、しかし!それはアナタも同条件。ノーマルの技が通じないのですよ」
「それは知っているよ。じゃあ、ウォーグル、まずは遠距離攻撃で様子を見ようか。岩雪崩!」
勇猛ポケモンの周囲から大きな岩がいくつも飛び出し、棺桶ポケモンに命中していく。しかし、デスカーンの方も守りの障壁を張り、衝撃を軽減していた。
「じゃあ、今度は近距離で!シャドークロー!」
マイコのこの指示をゲーチスは嘲笑う。
「ハッハッハ。アナタはデスカーンの特性《ミイラ》を知らないのですか?押し付けられて困るのはアナタなのですよ」
「そこは大丈夫。心配される必要なんてない。倒すことが優先よ。それより、心配すべきなのはそっちなんじゃないの?」
影でできた爪が棺桶ポケモンに対し、何条もの傷を与えていった。特性が《鋭い目》から《ミイラ》に変わっても構わず攻撃を重ねた結果、堅い守りが特徴のデスカーンは、早くもノックアウトされるに至った。


2匹目にゲーチスが出したのはバッフロンだった。出てきた瞬間から鼻息荒くいきり立っていた頭突き牛は、なんと、マイコに向かって突進してきたのだ!
「あんたの相手は私じゃないわ!お願いムシャーナ、あの牛を止めて!!」
ウォーグルを引っ込め、半分慌てながらも夢現ポケモンを出す。マイコの呼びかけに応じたムシャーナは、バッフロンをサイコキネシスで押しとどめ、逆に弾き飛ばしていた。
「危なかった……。まさか、ダイレクトアタックが来るとは、ね。ありがとう、ムシャーナ」
頭突き牛は体に雷を纏い、突進を見せてくる。ワイルドボルトだ。そして夢現ポケモンに当たる、その瞬間だった。

ガキイッ!!!

すごい音とともに、バッフロンは弾かれた。さらに遠くに弾かれていく。
「アナタ、今一体、どんなトリックを行ったのですか?」
「リフレクターを張った後にサイコキネシスを使ったの。こっちも負けられないから……」
「そうですか。それではバッフロン、地震を行いなさい!」
ゲーチスの指示に応じ、頭突き牛が地面を揺らそうとした、その時だった。
「何故浮き上がるのですか!?」
足をバタバタ、せわしなく動かすバッフロン。そのまま浮いていく様はとても滑稽だ。
「よーし、そのまま破壊光線!!」
目を開いたムシャーナから放たれた極太の光が、テレキネシスによってしっかりと猛牛を飲み込んでいった……。


ゲーチスの手から出された3匹目はキリキザンだった。対してマイコはライボルトを出す。
のっけからとうじんポケモンは鋭い石の欠片を投げていく。ストーンエッジだ。
「電撃波であの石を相殺して!」
耐久力には優れない放電ポケモンは、避けることではなく攻めることで、相手に立ち向かう。「攻撃は最大の守り」を体現した形だ。狙い通りにストーンエッジを壊していく。
「ぐっ、遠距離の攻撃を消されるとは!さらにダメージも与えられるほど育てているとは、ね。ならば今度は接近して見せましょう。辻斬り!!」
腕にある刃でライボルトを仕留めようと向かうキリキザン。しかし、スピード勝負ならば、ライボルトの方に分があるもので、ことごとくかわしていく。
「最初は10万ボルト!」
放電ポケモンの体から鋭い電撃が浴びせられる。それによる痺れでキリキザンの方は思うように体が動かなくなる。マイコは次の指示を出す。
「そして火炎放射!!」
ライボルトは口からエンブオー顔負けの炎を放つ。とうじんの弱点を突くとどめの一撃で、ノックアウトに追い込んだ。


そして4匹目。ゲーチスは振動ポケモン、ガマゲロゲを出す。
「ヘドロウェーブを使いなさい!」
何とマイコが次のポケモンを出す前に、毒の大波によって彼女を亡き者にしようとしたのだ!しかし、彼女は落ち着いていた。
「フシギバナ、出てきて!」
草と毒、二つのタイプを併せ持つ種ポケモンは、主人を庇うように出現し、毒の大波を防ぎきったのだ!毒のタイプがあるために、そこまで大きなダメージも受けていない。
マイコは種ポケモンを撫でてあげた。
「ありがとう、フシギバナ。……ゲーチス!!ダイレクトアタックをしないでほしいわね!2回もそんなことしてさ。あんたにはモラルってものがあるの!?」
2回目ともなると、彼女にも言い返す余裕が出た。
「ポケモンの解放をするためなら、その様なこともいとわないのが、我々プラズマ団のポリシー。アナタみたいな危険ランクAAA(トリプルエー)の方は、抹殺するに相応しいのです!」
「……あんた、相当堕ちているものね。まあいいわ。あんたに痛い目を見せてあげるんだから!!!」
スピード、という点で勝るガマゲロゲは、接地面積の大きいフシギバナに地震をお見舞いする。しかしフシギバナは動じず、青蛙の体にいくつもの種を植え付け、締め上げるように体力を吸っていく。唯一の弱点である草技を決められたガマゲロゲに最早勝ち目はなく、とどめのタネ爆弾によって倒された。


5匹目にゲーチスが出したのは、三つ首の悪竜、サザンドラ。オオバヤシも連れているあのポケモンだ。マイコは次のポケモンをラグラージに決め、場に出した。
凶暴ポケモンはかなり素早く、竜の波動や気合い玉といった大技を次々出していった。それこそ、ラグラージの付け入る隙がないほどに。しかし、沼魚は強靭な耐久力によって、そこまで消耗はしなかった。
さらに、大技の連続使用のツケが回ってきたのか、サザンドラの方が疲労の蓄積が大きく、息を荒くついていた。
マイコはその疲れを見逃さず、指示を発した。
「ラグラージ、チャンスよ!ジャンプして冷凍パンチ!」
沼魚は一気にジャンプを決め、凶暴ポケモンの背に乗り、凍った太い腕の一撃を与える。サザンドラはみるみるうちに凍りつき、浮遊していたはずなのにドスーン、という音とともに地に墜ちた。そして、
「アームハンマー!!!」
力強い腕の一振りで難敵の凶暴ポケモンを倒したのだ!


「さあ、ゲーチス、あんたも残り1匹ね」
「……バトルというものは、最後の最後までわからないものなのですよ。行きなさい、シビルドン!!」
「最後の相手は、一番のパートナーで倒してあげる。行っておいで、エンブオー!!」
浮遊特性によって若干宙に浮く電気魚と、どっしりとした大火豚が対面する。緊張の糸がピンと張り詰める。
最初はお互い火を吹き付けていた。二つの炎がぶつかり合う。
「炎タイプをなめるなあっ!!!」
マイコの絶叫とともに激烈に燃え盛る炎はシビルドンを飲み込む。しかし炎を食らいつつも電気魚はアクロバットを決めようとする。そこに巻き付くいくつもの草。エンブオーは草結びを放っていたのだ。
「マイコさん、アナタは相当ポケモンを信頼しているようですね。しかし!勝つのはこのワタクシなのです!!シビルドン、ワイルドボルト!」
「フレアドライブで迎え撃って!!」
炎と雷がぶつかり合い、大きな煙が巻き起こる。
それが晴れると、お互いのポケモンが肩で息をしていた。
「しぶといですね……。では、次の一撃で決めてあげましょう!全力の雷で葬ってあげなさい!」
「こっちはこれで決める!炎の究極技、ブラストバーン!行けええっ!!!」
猛火特性が発動し、普段の威力よりもさらに強くなった究極技。さらにマイコの「想い」まで乗ったその力は、雷を消し飛ばし、電気魚を一気に飲み込み、倒した。
マイコの勝利は、これで決まった。ガッツポーズをした彼女であったが、もう立っていられなかった。膝から崩れ落ちるように倒れていた。
「ハア……ハア……これで……プラズマ団は……倒した……」
負けたゲーチスは、しかし、不敵に笑っていた。
「クックック……ワタクシをこれほどまでに圧倒しようとは、ね。しかし!『試合に負けて勝負に勝つ』とはよく言いますよね?」
そう言う悪の総帥の後ろには……

たくさんのポケモン達が、ギラギラと目を光らせていた姿があった……!


次へ続く……。


マコです。久し振りの更新です。
とうとうゲーチスを倒したマイコちゃん。
それでもまだ脅威は収まりません。
どうなってしまうのでしょうか!


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