マサラのポケモン図書館 カフェラウンジ2F(長めの作品用)
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  [No.751] 第12話 ほんとうの決着 投稿者:マコ   投稿日:2011/09/29(Thu) 12:24:04   48clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

ゲーチスとの勝負は、確かに決着がついた。
しかし、そんな彼女を認めないというように、たくさんのポケモン達がいた。
「嘘だ……私……もう……こんなに……たくさん……戦えない……」
先のバトルで精神力をほぼ使い果たしたマイコに、こんな大群と戦うことなんて無理な話である。
そんな彼女を嘲笑うかのように、ゲーチスは冷たく、下賤に笑った。
「動けないアナタをいたぶってあげましょう。みなさん、総攻撃をしてあげなさい!」
ポケモン達から一斉に技が放たれ、マイコに迫ってゆく。
(みんな……ゴメン……折角……ゲーチスを……倒したって……いうのに……)
マイコは死を覚悟した。その時であった。

ズゴバキグシャッ!!!

ドアが粉々に破壊され、それとともにポケモンの大群も1匹残らず瀕死状態になっていたのだ!
こんなことを平気で出来るのは、彼女の知る限りでは、数人しかいなかった。
(まさか……?)
マイコがその音の発生した方向を向くと、そこには、七賢人と戦っていた6人の仲間……オオバヤシ、ハマイエ、トキ、カワニシ、アキヤマ、キザキがいた。そして、その傍らには6人の所持するポケモンが勢揃いしていた。恐らく、ドアを全力の技で吹き飛ばし、後ろの相手すら簡単に打ちのめしたのだろう。
「みんな!来てくれたんだ!!」
マイコは思わぬ助太刀にただただ感激していた。
「ごめんな、思ったより手こずった……」
「マイコちゃん、大丈夫?」
「……結構、限界……。もう、自力じゃ、立てないよ」
「ほんなら、肩貸すわ。……これで大丈夫か?」
「ありがとう。助かったよ」
マイコを助けた6人だったが、実は彼らも立っているのがやっとな状態だった。合流した直後に例にもれずプラズマ団下っ端の大群と一戦交えていたわけだ。しかも、マイコの場合より数が多くなっていたのだ。
「バ……バカな……他の七賢人がアナタ達を倒しているはず……なのに……」
「俺らがここに来れたんは、その七賢人を倒したから、や。分からんのか?」
「……特に、スムラと戦った者は、絶対に再起不能になるはずなのに……どうして誰もそうならない!?」
ゲーチスは動揺していた。七賢人が倒されたこと、そして、その中でも、洗脳を得意とするスムラが倒されたことに。
「よう聞けおっさん。物事に絶対なんてないねん。ほんで洗脳なんてそんな付け焼き刃みたいなもん効くか。今頃はスムラの方が再起不能かもしれへんけど」
その洗脳を破った張本人であるオオバヤシがそう言うと、ゲーチスの顔がみるみるうちに強張る。そして本性むき出しで叫んだ。
「こうなったら……こうなったら、貴様等まとめてあの世へ送ってやるっ!!!」
彼の手には、一つのスイッチがある。
「これは、ポケモンと人をまとめて殺せる、いや……世界を壊せるほどの核爆弾だ。これで反逆者であるアナタ達をまとめて処分してあげましょう」
「そんなことしたらお前らも……」
「負けた下っ端にも、七賢人にも用はない!ワタクシはここから脱出します、アナタ達はこのワタクシを怒らせたことを後悔しながら死ぬがいい!!!」
そして、大群の中の1匹であった念力の小鳥を引っ張りだし、指示した。
「ネイティ、テレポートしなさい!」
しかし……全く動くことができなくなっていた。動揺するゲーチス。
「何故離脱できないのですか!?」
7人はそれを横目に話し出す。
「え?誰かのポケモンが黒い眼差しを使った?」
「いや……使ってへんで」
「使えるポケモンはボールの中やしなあ……」
「影踏みの特性を持っているポケモンは?」
「誰も持ってる人はおらんで。……あっ!!!」
気がつくと、7人の傍にソーナノがいた。ゲーチスの影を踏んで喜んでいる。
さらに、もう一人男が増えていた。
「ったくよお……一度助けてやったっていうのに、また死にかけのパターンか……こりねえよな、あんた達……」
前に会った時の姿とは異なっていたが、彼とマイコ、ハマイエ、カワニシは面識があった。
「博物館での戦いの時に、私達を助けてくれた……」
ポケリアのその5で、博物館にてあわや生き埋めとなるところだった3人を助けた、あの少年である。
「あんたらもかなり強くなったことだしな、もう正体を明かしてやるぜ。僕はカイトっていうんだ……そこの彼女の、ひ孫なんだぜ」
「「「ひ孫!?」」」
「え、え、そうなんだ……」
各々絶句していた。マイコは苦笑するしかなかった。
「アナタ達、ワタクシがいることを忘れてやしませんか?アナタ方の生殺与奪はワタクシが握っているのですよ!」
「てめえは……ゲーチスか。100年も前にこの世界で悪事を働いた大悪党……」
「このボタン1つで世界を壊せるのですから。邪魔者であるアナタも排除できるのです」
「じゃあてめえ、そのボタンを押してみろ」
カイトの発言に怒ったのはマイコ達だ。
「お前、何てこと言うとんねん!」
「押されたら誰も助からへんねんで!?」
「それはやめて!!!」
ゲーチスは下品な笑いをフハハ、と見せた。
「カイト君のお望みとあらば、押してあげましょう!」
「やめて!!!」
「やめろ!!!」
『やめてくれ!!!!!』
7人の願いもむなしく、カチッとボタンが押された。



しかし……何秒待っても、何十秒待っても、一分待っても、何も起きない。
「な、何故だ……何故世界は壊れない!?」
ゲーチスは絶叫した。それを見てカイトが話し出す。
「お前がろくでもねえことを始めようとするから、僕の友達の伝説ポケモンに色々頼んで止めさせたのさ。セレビィには爆弾の設置される時間に飛んで、爆弾をそっと運んでもらった。後、アルセウスには、安全な場所で裁きの礫を使ってそれを壊してもらったのさ。全部、お前の知らない場所でしたんだよ!」
「そ……そんな……」
「後、お前にはそれに相応しい罰を受けてもらおうかな……ギラティナ、出てきてくれ」
すると、床の一部が闇に包まれ、反骨ポケモンが姿を見せる。
「何をする気です!!」
「お前は色々とやりすぎてしまったんだよ。こいつのもとで根性叩き直してきてもらえ。まあ、一生出られねえだろうけど」
霊竜は触手のような影の翼を伸ばすと、ゲーチスを掴み、闇の中に引きずり込んだ。
「うわああああ……」
闇は小さくなり、そして消滅した。
「さてと、あんたら、ここをとっとと出るぜ。ここは危なすぎるからな……」
7人とカイトは手をつないだ。
「行くぜ、ケーシィ、テレポートで安全な場所へ!」
禍々しい場所から全員が脱出に成功する。
そして、その直後、プラズマ団の城は崩壊していった……。


次へ続く……。


マコです。
ゲーチスを完全に倒し、プラズマ団の城からも無事に脱出したみんな。
次はいよいよフィナーレです。


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