マサラのポケモン図書館 カフェラウンジ2F(長めの作品用)
このフォームからは投稿できません。
name
e-mail
url
subject
comment

[新規順タイトル表示] [ツリー表示] [新着順記事] [留意事項] [ワード検索] [過去ログ] [管理用]

  [No.763] 最終話 すべてが終わって 投稿者:マコ   投稿日:2011/10/04(Tue) 13:55:27   44clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

プラズマ団との激戦が終わって、3日後のことだった。
マイコは、病院の一室でようやく目を覚ました。
彼女の周りには、脱出の際にいたカイトを含め、7人の男性が勢揃いしていた。
「3日も眠り続けとったから、マイコはこのまま起きんかと思ったわ」
「失礼な!私はそんなにヤワじゃないからね!」
「でもこいつらだって1日眠り続けたって看護師さんが言ってたぜ。おあいこじゃねえのか?」
『カイト!!!余計なこと言うなや!!!』
カイトの一言がきっかけで、マイコの目の前で追いかけっこが始まっていた。


「悔しかったら捕まえてみろよ!」
「デンチュラ、クモの巣を張れ!」
「エルフーンは綿胞子で動きを止めろ!!」
「ドレディアは眠り粉を撒いてくれ!」
「クロバットは黒い眼差しで見張って!」
もう、あらゆる手を使ってでもカイトを捕まえようとしている。
そして、ようやくカイトが捕まる、となったその時だった。

ゴオッ!バチドカグサッ!!!

爆音とともに、ベッドを抜け出し、6匹のポケモンを従えたマイコがいた。
その表情は、まるで鬼のようであった。
「誰が追いかけっこを大規模に病院の中でしていいって言った!?病人は大人しくベッドで寝てなさい!!!騒がしすぎるんだよ!!!」
『すみません……』
マイコの恐ろしすぎる説教に、全員が委縮して謝っていた。
しかし、彼らの心中では、
(お前が一番病人やんけ)
(一番騒がしいのはお前やろ)
こんなことが言われていたのを、きっとマイコは知らない。


そもそも、何故、マイコ達が病院にいたか、というと、プラズマ団の城から脱出した際、みんなのたまり場としての劇場に着地点を決め、降り立ったのだが、

ドサドサドサッ!!!

「きゃああああっ!!!」
カイト以外の7人が意識を失い、その場に倒れこんでしまった。当然、目の前でそれを見た女の子達(劇場に来場してきた人)は大絶叫。結局、カイトがユクシーに頼んで彼女達の記憶からそこの部分のみを消してもらい、7人を病院に入院させた、というわけだ。


そういうわけで新聞沙汰になることは避けられたが、全員しばらく眠り続けていたのだ。戦いで削られた精神力を回復させるためには、特殊な薬湯を飲むこと以外には、眠ることくらいしかないらしい。
暇になったマイコは、テレビのニュースをつけた。
するとそこには、ニュース原稿を読むキャスターの姿があった。
「速報です!3日ほど前に失踪した人々が続々と見つかったとの情報が入ってきました!みなさん軽い怪我くらいで済んだとのことです。700人以上の安否がつかめなかった未曾有の大事件が、ようやく終止符を打ちそうです!」
その画面に夢中になっていると、ギイッ、という音とともにドアが開き、みんなが入って来た。
「さっきはゴメンな」
「マイコの気も知らんとワーワー騒いで……」
「……もう怒ってないし、いいよ。元気じゃないと楽しくないし。それより、トウキョウで失踪したって人達、こっちに戻って来れた、ってさ。さっきニュースで言ってたよ」
すぐに仲直りする様子を物陰で見ていたカイトは、7人に聞こえないように、言った。
「……どうやら、僕のサポートはもうなくても大丈夫みたいだな。あのみんななら、どんなことがあってもやっていけそうだし。ひいおばあちゃんもちゃんと生きていけそうだし。邪魔にならないうちに、行くとするか」
そして、テレポートで飛んで行った。


日本を揺るがす大きな邪魔者は消え去った。彼らは、彼女は、日常を生きてゆく。
絆で結ばれたポケモン達とともに。


おしまい



マコです。ようやく完結です。
平和な日常が戻ってきました。
でも、皆さん、病院内では決して騒がないでくださいね。
これにて、ポケリア+(プラス)!はフィナーレです。
また細々と色々書いていくつもりです。
それでは!


- 関連一覧ツリー (★ をクリックするとツリー全体を一括表示します)

- 以下のフォームから自分の投稿記事を修正・削除することができます -
処理 記事No 削除キー