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  [No.1659] 第2話・黒い獣 投稿者:都立会   投稿日:2019/09/23(Mon) 20:24:30   5clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

シャワーズへの進化から1時間が過ぎた。

しかし、ナミは未だに動けずにいた。

自分がポケモンになってしまったというショックもあった上、

シャワーズの体が感じる

音、

におい、

その他さまざまな今まで感じたことのない感覚に

苦しんでいたからであった。

『何でこんな事に…』

彼女は小さくつぶやいた。

イーブイをシャワーズに進化させるつもりが、

まさか自分がシャワーズになってしまうなんて

今でも信じられなかったが、

水色の前足となってしまった自分の手を見ると、

それがまぎれもない現実だと改めて思い知らされるのであった。

『とにかく何とかしなくちゃ…』

やっとのことで気を持ち直したナミは、

どうにかしてこの場を動ける方法を考えた。

もう首をまわして辺りを見わたすことはできるし、

前足もなんとか動く。

だが、

すっかり形が変わってしまった後ろ足と、

新たに授かった

巨大なしっぽはどうする事もできなかった。

『ダメ…、

 これじゃ動けない。

 このまま野生のポケモンに

 襲われたらどうしよう…』

と途方にくれそうになった時である。

ナミは服の腰の部分に付いている

モンスターボールに目が行った。

徐に前足を伸ばすと

一番端のボールに届きそうであった。

それに入っているのは

彼女がトレーナーになった時にもらった

アチャモが進化した、

バシャーモのチャモちゃんであった。

『チャモちゃんを出そう。

 今なら言葉も通じそうだし、
 
 チャモちゃんなら
 
 助けてくれる』

そう思ったナミは

何とか動く前足で

モンスターボールのスイッチを押した。

とたんにボールが開いて

中から真っ赤なもうかポケモン、

バシャーモが姿を表した。

バシャーモの長身から出る

燃えるような熱気と

気迫にある表情、

そしてその強い匂いにナミは圧倒された。

『これがチャモちゃん!?

 ぜんぜん違って見える…』

驚いた顔で見ているシャワーズを、

バシャーモはじっと見ていた。

『こ、

 こんにちは』

いつも見ていたチャモちゃんの

あまりにもの印象の変わりように、

ナミは思わず間抜けな挨拶をしてしまった。

『私よ、

 ナミよ。
 
 分かる?
 
 あなたのトレーナーの
 
 ナミよ』
 
ナミは恐る恐る目の前の大きなポケモンに声をかけた。

『あぁ、分かっている。
 
 水の石でイーブイを進化させようとして、
 
 自分がシャワーズになってしまったんだろ』

そのポケモンは太い男の声でナミに言う。

どうやらポケモンはモンスターボールの中からでも

外の様子が分かるらしい。

『そうよ、

 私よ。
 
 助けて頂戴。
 
 どうしたらいいか分からないの、
 
 とても困ってるの。
 
 すぐに助けて』

と縋るナミに対して、

そのポケモンは一言、

『断る』

と告げた。

『なぜ?

 私のポケモンでしょ。

 あなたトレーナーが

 言っているのよ。

 はやく助けて、

 助けてちょうだい!』

ナミは必死に説得をするが、

『何を言っている。

 もうおまえはポケモンなんだ。

 もういくらなついても

 ポケモンフーズはもらえないし、

 ポケモンセンターにつれていってくれるわけでもない。

 もうおまえといる理由なんて何も無いんだよ』

とバシャーモは冷たく言い切った。

『そんな…

 でも今まで育ててあげたでしょ。

 バトルにも勝てるように強くしてあげたでしょ。

 だから今度はあなたが私を助けなければいけないのよ!』

ナミは戸惑いながらも強い口調で言う。

そう、自分に最もなついているポケモンだから、

自分が一番手をかけてきたポケモンだから、

ナミは優しく助けてくれるものだと思いつつ、

そう言うが、

『ふんっ

 何を言っている。

 私たちは人間のトレーナーだから付いていただけだ。

 ポケモンのトレーナーに用は無い』

バシャーモはやけにかたい表情のまま返事をする。

『そんなぁ…、

 それじゃこれからどうするつもりなの?

 誰がポケモンフーズをあげるの?

 誰がポケモンセンターに連れて行ってあげるの?
 
 そんなこと出来るのってあたししか居ないじゃない』

ナミが居なければバシャーモは何も出来ない事を指摘するが、

それに対してバジャーモは

『そーだな、

 とりあえず、食料は見つけないとな。

 野生では自分で見つけなければならないからな』

と言いながらナミの水色の体に目をやった。

『まさか…。

 わ、

 私を食べるの?』

バシャーモのその返事にナミは怯えながら尋ねると、

『さぁて、

 どうするかな?』

と言いつつバシャーモはニヤッと笑い、

『ま、

 さっきあんたが言ったように

 今までのこともあるから、

 今日はやめにしといてやる』

バシャーモは笑いながら言うと、

それを聞いたナミはちょっとほっとした。

『だが……』

そんなナミに向かってバシャーモは続けると、

『え?』

ナミはギョッとしながらバシャーモを見る。

『……他の野生のヤツらは

 どうか分からないな。

 このままだと本当にたべられでしまうかもしれんぞ』

『ウソ…』

それを聞いたナミの水色の顔がよりいっそう青くなる。

『そういうことだ。

 ではこれで自分も失礼させていただくよ。

 何せ初めての野生でこっちも大変なんでね』

そう言うなりバシャーモは森に向かって飛び上がった。

…と思うとすぐに戻ってきた。

『何?

 もしかして助けてくれるとか?』

ナミは聞いた。

それに対しバシャーモは

『いや、
 
 コイツらのことを忘れていたのでね』

と言いながらナミの服からモンスターボールをとると、

ヤルキモノ・ラクライ・サンドと

中のポケモン達を中から出した。

『さぁ、

 これで終わった。

 それではナミさん。

 お元気で』

と言い残しバシャーモは高くジャンプして視界から消えてしまうと、

他の3匹のポケモンたちも無言で森に入っていき、

すぐに見えなくなった。

『なんでよ。
 
 ウソでしょ、

 チャモちゃーん!』
 
消えてしまったポケモン達の名前を呼びながらナミは嘆いた。

もう絶望的な状況であった。

唯一の頼みであった自分のポケモンにも見捨てられ、

ナミは完全に生きる希望を失っていた。

時刻はもうお昼近く。

高く上がった太陽の光がナミの水色の体に強く降り注いでいた。

水ポケモンであるシャワーズの体には、

それはとても熱く感じられた。

『私このまま

 太陽に焼かれて
 
 死んじゃうのかな。
 
 それともポチエナとかに
 
 襲われるのが先かな…』

ナミは草の上に寝転んだまま、

さっきバシャーモが中のポケモンを出し

開いたままになっている

4つのモンスターボールを見ながら

そんなことを考えていた。

もうどうにもならないという絶望感が彼女を支配していた。

『あぁ、
 
 もうちょっと今日の朝ごはん
 
 いっぱい食べておくべきだったかな…。
 
 もっとポケモンたちと遊んでおくんだったかな…』
 
ぽっかりと

大きな穴があいてしまったような心の中で、

ナミはもうこのまま死んだほうが

楽だと考えるようになっていた。

『どんなふうに私、

 死ぬんだろ…。
 
 できれば楽に死にたいな…。
 
 このまま日の光で干からびるのはつらそうだな…。
 
 野生のポケモンに食べられるのも痛いだろうな…。
 
 そうかこのまま何も食べられずに
 
 お中を減らしたまま死ぬのもイヤだな…』

そう考えていたら急に悲しくなって、

ナミの目から涙が出てきた。

『イヤ!
 
 やっぱりそんなのイヤ!
 
 こんなところで
 
 死ぬのなんてイヤ!
 
 何が何でも
 
 ぜったい生きたい!』
 
そう言って頭を強く振った時、

ナミは頭の上のヒレに

何か硬いものが当たった感じがした。

『え?』

首をひねって見ると、

そこにはモンスターボールが1つ転がっていた。

『これは私の…』

そう思って顔を近づけると中から声がした。

『“おーい、
 
 ナミさん。
 
 やっと気づいたようだね。
 
 ちょっと出してもらえるかな”』
 
ボールの中からきれいな女の声に聞こえた。

どうやら中にポケモンが入っているようだった。

ナミはさっきバシャーモがナミのポケモン達を

連れて行ったことを思い出した。

『バシャーモと3匹が一緒に行って、
 
 4匹。
 
 先に行ったイーブイを入れて5匹。
 
 私が連れてきたのが6匹!
 
 あと1匹残ってる!
 
 えぇっと、
 
 あと残っているのは…』
 
バシャーモと一緒に

行ってしまったポケモン、

それを思い出すと

ボールの中にいるポケモンがだれなのか、

それを予想するのは難しくはなかった。

だが、

『やだ、

 グラエナのエナナちゃんじゃない…』

と分かった瞬間、

ナミの体からは冷や汗が出た。

グラエナ、

通称かみつきポケモン。

獰猛な性格で大きなキバを持ち、

トレーナーになかなかなつかない事で知られている。

そしてさっきナミが襲われるかもと思った

ポチエナの進化形。

今のナミと比べたら

グラエナの方がずっと大きいはずであった。

『どうしよう…、

 出したとたんに
 
 食べられちゃうかも…』
 
そう思いナミは怖くなったが、

日の光で干からびるか

捕食されるか、

それとも餓死するか、

絶望的なこの状況の中に差し込んだ、

一筋の光のような気がした。

保証はどこにもないけどこのポケモンなら

助けてくれるかもしれない。

声もきれいだし、

怖そうなグラエナでもポケモンの目から見たら

とても優しい顔に見えるかもしれない。

下手をしたら襲われるかもしれないが、

いま何もしないよりはマシ。

そうナミは考えた。

そして意を決して、

『出てきてエナナちゃん』

と言って、

モンスターボールを前足ではじくようにして投げた。

とたんにボールが開き、

中から1匹の黒い獣の影が

ナミにしっぽを向けて現れた。

『やぁ、
 
 ナミさん。
 
 ありがとう』

そう言って、

グラエナは振り向いた。

声は綺麗だったが、

しかし、赤い大きな目をしたグラエナ顔は、

ポケモンの目にも今にも自分に噛み付いてきそうな、

そんな怖い顔に見えた。

『本当にシャワーズになってしまったんだね、

 ナミさん。
 
 あの坊やも言ってたけど、
 
 こりゃホントにたまげたね』
 
とそのグラエナは言いながら

近づいてきたが、

ナミは自分より大きな獣が近づいてくる

恐怖で完全に硬直してしまっていた。

そんなナミに向かってグラエナは、

『なんだね、

 ナミさん。
 
 別にあたしはあんたを
 
 取って食ったりはしないよ』

と言った。

それでも目の前のシャワーズは

間近に見る大きなグラエナの顔に

すっかり怯えてしまっている。

『まぁ、

 いい。
 
 他もヤツらも言ってたが、
 
 あたしも野生に戻るんでね、
 
 これからしなくちゃいけない事が
 
 山ほどあるんだが……』

と話始めた。

ナミはやっぱりダメだと思ったが、

『……あんたはどうするんだい?』

というグラエナの言葉に

ハッとした。

初めて自分のことを聞かれたからだった。

『ど、

 どうするって?』

恐る恐るナミが聞くとグラエナは

『どうって、

 もちろんあんたのこれからの事さ。

 いきなり人間様から

 ポケモンになってしまって、

 どうしていいのか

 皆目見当もつかないんだろ。

 あたしが教えてやろうかって

 言ってるんだよ』

と言う、

無論、ナミは戸惑った。

今までの自分のポケモンが冷たかっただけに、

グラエナの突然の申し出には驚き、

そしてとても有難かった。

しかし、

目の前のグラエナの威嚇するような目や、

鋭いキバを見ると

どうしても素直にハイと言えなかった。

『えっっと、

 私…、
 
 なんていうか…』

ナミが決めかねていると、

グラエナは

『あぁもぅ、

 じれったいねぇ!
 
 あたしについてくるか、
 
 ここで餓え死にするか
 
 どっちなんだい。
 
 きまぐれなあたしの気がかわらないうちに、
 
 さっさと決めな!』

と一喝した。

それに圧されるようにナミは意思を固め、

『ハイ…。
 
 お願いします』

と返事をする。

そして、

『私、
 
 どうしたらいいか分からないの。
 
 ほかのみんなはどこか行ってしまったし…。
 
 グラエナさん、
 
 お願い。
 
 助けてください』
 
『よしそれでいい。
 
 それにあたしのことはエナナでいい』

そう言うと、

エナナはナミの首根っこをくわえると、

ナミのしっぽをズルズルと引きずりながら、

まるで猫自分の子供を巣に連れて行くように、

森のそばの木陰まで運んでくれた。

ナミは木陰の湿った土がとても気持ちよく感じられた。

次にエナナはナミが体に巻いている

体型に合わなくなった服を噛み切って脱がせると、

いきなりナミの顔をペロペロと舐め始めた。

『きゃっ、
 
 くすぐったい!
 
 何をするんですか?』

とナミが聞く。

『あんたは今、
 
 自分がどういう姿なのか
 
 まだ分かってないんだろ。
 
 こうして舐めてもらって、
 
 まず自分も体のことを知らなきゃ。
 
 生まれたての赤ん坊だって
 
 まず母親のこうしてもらって
 
 動けるようになるんだから。
 
 まぁ、
 
 かなり大きな赤ん坊だがね』

とエナナは言って、

ナミの頭から首、

前足、

胴体、

お尻から後ろ足、

そしてしっぽの先まで

ナミの全身をくまなく舐めていった。

『うぅ、

 はずかしい…』

ナミは丸裸にされ、

いたるところをエナナに舐められたので

最初は恥ずかしかったが、

次第に舐められたところに

体の感覚が戻ってくることが分かった。

『よし、
 
 これで全部か。
 
 つぎはやっぱり動けないとな。
 
 よしまず立ってみな』
 
ナミの全身を舐め終わったエナナはそう言った。

ナミはとりあえず前足をついて

上半身を起き上がらせた。

そして後ろ足も立たせようと

ひざを伸ばしてみたが、

どうにも踏ん張りが利かず、

ボテっ!

尻もちをついてしまった。

『あ〜、
 
 ちがうちがう。
 
 こう、
 
 足の先っぽで立つ感じだよ。
 
 もう一度やってみな』

エナナにそう言われたので

ナミは長いつま先を地面につけて、

今度は足の先で立つように

足を地面について伸ばしてみた。

そのとたん、

下半身がグイッと

持ち上げられたかと思うと、

バランス良く4つ足で立つ事が出来た。

『あぁ、

 私本当にポケモンに
 
 なってしまったのね…』
 
ナミは地面にしっかりとつけられた

自分の4本の足を見てつぶやいた。

『やれば出来るじゃないか。

 よし。

 次はそのまま歩いてみな』

そうエナナが言うので、

ナミは前へ歩こうとしたが、

2本足で歩いていた時とは違い、

足が4本もあると

どれをどの順番で出せばいいか分からない。

ナミが聞こうとすると、

いつの間にかエナナは

ナミ後ろに廻っており、

いきなりたいあたりをしてきた。

『キャッ!』

と言ってナミは

前のめりに倒れそうになったが、

その時4本の足が自然に動き、

数メートルほど歩く事が出来た。

『よし上出来。

 次は自分でやってみな』

エナナはナミが今の感覚を忘れないうちに指示した。

ナミは目をつむり自分で前に体重をかけると

4つの足は順序よく動き、

しっぽもちょうど地面のすぐ上で

左右に振るように自然と動き、

そのまま原っぱの反対側まで歩いていく事ができた。

エナナはすぐに追いかけてきて

ナミの首根っこを加えて反対側を向かせると、

もう一度やるように言った。

ナミは原っぱの真中あたりまで来たとき、

今度は走ってみようと思った。

体重をもっと前にかけて足を早く動かそうとしたが、

足同士が当たってしまい、

そのままバランスを崩して草の上にこけてしまった。

すると、エナナがすぐに追いかけてきて

『オイオイ、

 走るのはまだ速いよ』
 
と笑いながら注意をする。

ナミはそう言うエナナの目が、

わずかにだが優しく、

暖かく見えた。

『さぁ、
 
 これからはいろいろな方向に曲がるからね。
 
 あたしの動きをよく見ながら、
 
 ついてきな』

そう言うとエナナは先に歩き出した。

ナミもその動きを真似しながらついて行く。

ナミは早く自由に動けるようになるため必死だった。

なれないシャワーズ体では歩くのも大変だったが、

だんだん新しいことが出来るようになっていく喜びも感じていた。

そうこうしているうちにすっかり日も傾いていき、

夕方になった。

そのころにはナミは草の上を自由に歩き回り、

前足と後ろ足を交合に出して跳ぶように

走れるようにまでなっていた。

『よし、
 
 ナミ。
 
 今日はここまでにしようか。
 
 さて、
 
 ディナーといくか』
 
とエナナが言う。

ふぅっと、

ナミは地面に腰を下ろすと、

『ディナーって、

 エナナどうするの?
 
 今日はポケモンフーズも
 
 持ってきてないのよ』

と聞いた。

すると、エナナはあごで原っぱの一角を指し、

『あれだよ』

と告げた。

それはナミが木の実を育てている場所だった。

行ってみると新たにいくつか木の実がなっていた。

『さぁて、

 どれがいいのかね』

とエナナは木の実を品定めするように見ながら言うと、

ラブタの木に前足をつき、

口で毛のはえた実を2つ採ると

1つをナミの前に置いた。

『これってラブタよね…。

 すごく苦いんじゃなかったっけ?』

ナミはエナナに聞いた。

前に一度ラブタの実を味見して、

その苦さが一日中口の中から

とれなかったことがあったからである。

『大丈夫だよ。
 
 かじってみな。
 
 すごくうまいんだから』

そう言ってエナナがラブタの実を食べ始めたので、

ナミも恐る恐るかじってみた。

口に入れると確かに美味しかった。

苦い味には変わりなかったが

その苦さがわずかな酸味と交りあって

口の中でとろけ、

飲み込むと栄養が頭の中まで届き

一日の疲れが全部吹き飛ぶような感じで、

それはナミが今まで食べてきた

どんな料理よりもおいしいものであった。

夢中になって食べるナミの横で、

エナナはじっとその様子を見守っていた。

ラブタの実を全部食べ終わると

ナミはすっかり満腹になり、

今日一日の出来事のからの疲れで、

横になり眠ってしまった。

エナナはナミが眠ったのを見ると

彼女をくわえ、

ゆっくりと運んだ。

そして近くの大木の根元に開いていた

ほら穴の中にそっと彼女を下ろすと、

自分もその前で腰を下ろし、

エナナはそのまま

しばらくは周りを警戒するようにしていたが、

やがてナミに寄り添うように眠りについた。


つづく…


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