シャイニング・ブレイブ

シャイニング・ブレイブ

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以前と変わらぬと思っていた町に漂う、不穏な空気。
薄気味悪いものを感じながらも、一度感じたものを完全に振り払うことなどできるはずもなくて……訊ねる。
その町の暗い過去のことなど知らずに。

暗く、悲しく……そして虚しすぎる過去。
それでも現在とつながっている以上は、切り離すことなどできはしない。

……ただ、過去にとらわれていては明日を見失う。
過去は変えられないが、未来は変えてゆけるのだから。

呪縛から解き放たれた心は、一際強い輝きを放つ。
地平線から昇る太陽のように。

正しいことと、正しくないこと。
それを決めるのは自分であって、他人ではない。
まだ分からないことなら、正しいと信じて突き進むよりほかはない。

いつかは考えなければならないこと。
結論を出すのが今か、それとも少し先のことになるかという違いに過ぎないが、結局のところ、考えなければ答えは出ない。

他の仲間からの反発を受けようとも、その仲間を想うからこそ言わなければならないことがある。
それがどんなに非情なことだとしても、未来の道筋を作るためならば。

真に『思いやる』とはどういうことか。
同じケースが二つとして存在しないからこそ、答えもまた千差万別に異なっていく。

約束を果たすための舞台が幕を開ける。
しかし、約束は常に果されるとは限らない……舞台には、思わぬ魔物が潜んでいるのだ。

守られなかった約束が消えることはない。
形に残らなくても、目には見えなくても。
当事者の間でずっと残り続ける。

歳が近く、実力も拮抗し、なおかつ相手のことを互いによく知っている……
近しい相手だからこそ負けられない。負けたくない。
戦いは序盤から総力戦の様相を見せつつあった。

烈しい総力戦もやがて決着する。
だが、その戦いの後にはさらに大きな壁が立ちふさがっている。

立ちふさがる大きな壁も、乗り越えられないものではない。
今までに培ってきたものを信じて、ただ真正面から戦いを挑むだけ。

祭りが終わり、舞台が日常の平穏を取り戻した後……
果たされなかった約束の代わりに、兄弟はついに相対する。
広大な戦いの舞台（フィールド）で。

始まりと終わりは表裏一体。
切り離して考えられない関係だからこそ、すべては途切れずにつながり続けることができるのだ。
未来のために過去と決別したとしても、過去が決して消えぬことと同じように。

新しい日々のために別れを選ぶこと。
それは決して独りよがりではない。
守るべきものがあるからこそ選んだ決断。

訪れる別れも、それぞれの明日へつながる新しい始まり。
今は別れの悲しみに涙を流しても、次に会う時には笑顔で……

別れの先に、それぞれの未来が待っている。
やるべきこと、守るべきもの……いつかまた笑って出会えるように、それぞれの未来へ向けて歩き出す。

本編終了後のあとがきです。
多少のネタバレが含まれていると思われるので、先に本編をお読みください。

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