マサラのポケモン図書館 カフェラウンジ2F(長めの作品用)
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  •   [No.1291] #121577 「チャックの付いたガルーラ」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/05/16(Sat) 19:46:46     32clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Subject ID:
    #121577

    Subject Name:
    チャックの付いたガルーラ

    Registration Date:
    2008-07-11

    Precaution Level:
    Level 2


    Handling Instructions:
    携帯獣#121577-1及び-2は、捕獲された場所の近郊にあるカントー地方セキチクシティ第三支局にて収容されています。収容に当たっては一般的なガルーラと同じ対応をすればほぼ問題は生じませんが、後述する以下の追加対応を必要に応じて取ることで、収容の安全性と効率を高められることが分かっています。

    対応に当たる局員を含むすべての在籍局員は、携帯獣#121577-1及び-2に対して安全のために保護されている旨の発言(※例1を参照)を不定期に行うようにしてください。また、収容フロア(平原を模しています)を通過する際は、携帯獣#121577-1及び-2を野生のガルーラとして珍しがるような発言(※例2を参照)をするよう心掛けてください。

    ※例1:「あなたは希少な野生動物として保護されています」
    ※例2:「珍しいな、野生のガルーラがいるなんて」


    Subject Details:
    案件#121577は、ある一点において明確な異常性を持つ一組のガルーラの親子(携帯獣#121577-1及び-2)と、それに掛かる一連の案件です。

    カントー地方セキチクシティ北部にある自然公園「サファリゾーン」にて、中を散策していた旅行者の家族が近くの休憩所にいた監視員に「変わったガルーラを見掛けた」との通報を行いました。通報の内容を受けた監視員は、詳細をセンターへ報告しました。センター側で異常事案発生の虞有りとの判断が下され、監視員にガルーラの保護を要請すると共に、当局へ通報がなされました。捕獲されたガルーラは、当局に引き渡され、携帯獣#121577-1及び-2として分類されました。

    携帯獣#121577-1及び-2は、外見上特に不審な点の見当たらない一般的な体格のガルーラの親子です。親個体が携帯獣#121577-1、子個体が携帯獣#121577-2と指定されています。身体能力や知能についても、これまでのところ通常個体と明確な差は見つかっていません。技能や各種特性等についても同様です。後述するある一点を除いては、携帯獣#121577-1及び-2に異常な点はありません。

    通常個体と携帯獣#121577-1及び-2の間に存在する唯一の相違点は、携帯獣#121577-1及び-2の首筋から背中に掛けて、外見上チャックのように見える由来不明の器具が取り付けられていることです。チャックは両個体の尻尾の付近にまで及び、そこ終端を迎えて途切れています。当初旅行者から通報がなされたのも、旅行者の一人が携帯獣#121577-1の背面にこのチャックのような器具を見つけたためでした。

    器具の詳細な性質については不明です。初期調査でチャックを操作、具体的には中を開こうとした局員は携帯獣#121577-1の執拗な攻撃を受け、全治一ヶ月の重傷を負いました。以後数回に渡り、自然な睡眠中や麻酔によって意識を失わせた状態での操作が試みられましたが、それらはいずれも携帯獣#121577-1の即時の覚醒と強硬な反撃を誘発させ、手酷い失敗に終わっています。

    初期調査に際して行われたX線検査では、内部に何らかの未知の生体が存在する可能性が示唆されましたが、その後同じ検査を行う毎に異常性のある結果(内部が空洞になっている/内部に人間らしき影が見つかる/内部に羽毛のようなものが詰まっている/内部に未知の球体が詰まっている)と異常性の無い結果(一般的なガルーラの臓器と骨格が撮影される)が不規則に現れ、統一的な見解は得られていません。携帯獣#121577-1及び-2の詳細について、さらなる調査が実施される予定です。


    [2008-11-27 Update]
    複数回に渡る内部調査の試みにより、携帯獣#121577-1及び-2は非常に強いストレスを感じているとの診断結果がなされました。担当局員は、これ以上携帯獣#121577-1及び-2を刺激するのは管理的にも、また倫理的にも問題があると判断し、少なくとも携帯獣#121577-1及び-2が関知しうる範囲では、彼女たちを一般的なガルーラ個体として扱うことが決定されました。それに伴い、カントー地方セキチクシティ第三支局に所属する局員に対し、携帯獣#121577-1及び-2向けの対応方針が通達されました。


    Supplementary Items:
    本案件に付帯するアイテムはありません。


      [No.1290] #112771 「人間化する団地」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/05/15(Fri) 21:06:55     43clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Subject ID:
    #112771

    Subject Name:
    人間化する団地

    Registration Date:
    2005-09-26

    Precaution Level:
    Level 3


    Handling Instructions:
    エリア#112771と指定された区域内には一切の市民及び携帯獣を立ち入らせず、市民に対しては建造物が老朽化して危険である旨を伝えて退去させてください。制止を無視して立ち入ろうとした者は拘束し、侵入しようとした理由について尋問してください。何らかの認識障害が見られたり、情報災害を受けた形跡があった場合、速やかに最寄りの拠点へ移送の上プロトコルUXに基づくレベル3記憶整理処理を受けさせてください。

    敷地内に居住している者は例外なくナンバリングし、住民#112771として管理します。これまでのところ総計281名の住民#112771が確認されていますが、これは予告無しに増加する可能性があります。住民#112771を装った局員は4ヶ月に一度「町内会」を開催し、新たな居住者が出現していないかを確かめてください。前回調査時に存在しなかった居住者が確認された場合は、例外なく住民#112771としてカウントしてください。


    Subject Details:
    案件#112771は、異常な性質を持つ廃棄された住宅団地(エリア#112771)とそこに居住する住民(住民#112771)、及びそれらに掛かる一連の案件です。

    カントー地方ハナダシティに存在するエリア#112771は、かつて40年ほど前に「ハナダ北ニュータウン」としてカントー住宅公団(現:都市再生機構)により開発された住宅団地ですが、建物の老朽化と居住者の高齢化が進み、6年ほど前に全住民が退去または転居しました。これに伴い建物の取り壊しと土地の再開発が決定されましたが、都市再生機構による調査で現在も居住者がいることが発覚、その後の追加調査により明らかな異常性が認められたことから、当局に対応を依頼してきました。当局は都市再生機構の担当者と協議の上、ハナダ北ニュータウン全域を当局が管理することで合意しました。これに追随する形で案件#112771が立ち上げられ、ハナダ北ニュータウンはエリア#112771として再定義されました。

    旧ハナダ北ニュータウン・現エリア#112771の特性は、敷地内に野生の携帯獣が進入することで発現します。個体によりある程度差は見られますが、概ね6時間程度エリア#112771に留まり続けることで、携帯獣は自分自身がエリア#112771の住民であるという認識を抱くようになります。この時点で携帯獣は住民#112771へと変化し、空いている部屋を自発的に探して「入居」します。以後、携帯獣は死亡するまでエリア#112771の住民として振る舞い続けます。この現象は人間及びトレーナーが使役する携帯獣にはまったく発現せず、該当する人間/携帯獣は本来の意識と性質を保ったままエリア#112771内で概ね安全に活動することが可能です。

    住民#112771は、エリア#112771に居住している携帯獣の総称です。現時点で住民#112771-1から住民#112771-218までの218名が居住しており、住宅管理者に扮した局員が作成した「住民名簿」によって識別/管理されています。住民#112771は外見上特段の異常性が無い携帯獣に見受けられますが、その生態は本来の種族と明らかに合致せず、端的に言えば様々な人間の生活様式に酷似しています。

    以下は、住民#112771を列挙したリストであるリストL-112771-3から抜粋した居住者と各々の特徴です:


    住民#112771-3:
    やや体格の大きな♂のサンド。同じ部屋に居住している♀のクラブ(住民#112771-4と識別)と夫婦の関係にある。平日は毎朝6:50頃になると一般的な会社員向けのカバンを持ち、家を出て「出勤」する様子が観察できる。出勤後に追跡を行うと、エリア#112771の敷地内と敷地外の境界地点で消失する。その後概ね19:20頃か、もしくは23:30頃のどちらかのタイミングで再出現し、居住している部屋へ戻る。23:30頃に再出現した場合は必ず泥酔しており、19:20頃に出現した場合と比べて帰宅するまでに時間を要する傾向にある。休日になると、概ね60%ほどの確率で一般的なタイプのゴルフバッグを持ち、駐車場に停められている車に乗ってどこかへ外出する。この場合も、敷地外へ出た時点で車ごと消失する。残りは35%ほどの確率で外出せず、5%ほどの確率で住民#112771-4及び♂のケムッソ(住民#112771-5と識別)を伴って外出する。外出先は不明であるが、住民#112771-5が住民#112771-3と住民#112771-5の実子として届け出られていることから、小規模な家族旅行と推察される。

    住民#112771-17:
    一般的な体格だが、色素の薄い♀のオーベム。同居者として♀のポポッコ(住民#112771-18と識別)がいる。平日は8:10頃になると手提げ鞄を持って外出し、他の外出する住民#112771と同様に敷地外へ出た直後に消失する。再出現するのは概ね18:50頃で、ほとんどの場合エリア#112771から徒歩5分ほどの位置に存在する食品スーパーのものと一致するビニール袋を追加の所持品として携えて戻ってくる。ビニール袋の中身は、遠くからの観察では食料品及び日用品で占められている。休日になると敷地内にいる他の住民#112771(いずれも♀の個体)と寄り集まり、複数の携帯獣の言語と日本語が入り混じった特異な言語で世間話をすることが多い。

    住民#112771-18:
    住民#112771-17の実子の役割を果たしている♀のポポッコ。平日は7:30頃に徒歩10分程度の距離にある中学校のものとデザイン的に一致する(サイズや形状はポポッコのそれに合わせられている)制服を着用し、中学校のある方面へ向かって歩いていくことが確認されている。16:30頃に再出現し、制服と同様中学校のものとデザイン的に一致するジャージを着用し、同様のジャージを着用したラルトス(住民#112771-112と識別)やジグザグマ(住民#112771-68と識別)と共に帰宅してくる。所持品から、いずれもテニス部に所属しているものと思われる。休日になると住民#112771-17と共に買い物へ出たり、住民#112771-112と共にエリア#112771内でニンテンドーDSで遊んでいる姿が目撃される。

    住民#112771-27:
    小柄な♂のトゲピー。母親の役目を担っているのは♀のサニーゴ(住民#112771-26と識別)。朝8:00頃になると住民#112771-26を伴って北門付近へ移動し、敷地内で前触れ無く出現する幼稚園バスと思しき車両に乗り込む姿が度々見かけられる。バスには住民#112771-78と特定されたパチリスが乗り込んでおり、運転手としての役割を果たしている。住民#112771-78の背丈でどのようにしてバスを運転しているのかは不明。父親は長らく確認されていなかったが、観測開始から185日後、予兆無く出現したケーシィ(住民#112771-78と識別)が父親の役割を果たしているものと判明。

    住民#112771-39:
    相当に年老いた♀のラクライ。同居人は確認されていない。3日に一度ほど、椅子として腰掛けることが可能なキャリーバッグを押して買い物へ出る姿が確認されている。一週間に一度火曜日になると、未知の場所からゴローン(住民#112771-209と識別)の運転するワンボックスカーが現れ、この住民を載せてどこかへ向かうことが分かっている。車体に記されたテキストから、自動車で15分ほどの場所にある老人ホームが運用している車両と特徴が一致することが判明。同日中に帰宅していることから、デイケアサービスを受けているものと推測されている。これまでのところ、家族と推定される住民#112771が確認された事例は存在しない。

    住民#112771-44:
    まだ幼いナゾノクサ。数か月前まで、兄弟と思しきズバット(住民#112771-45と識別)及びソーナノ(住民#112771-46)と識別と共に敷地内にある駐車場で遊んでいる光景が目撃されていたが、最近は住民#112771-45及び-46の姿が見られなかった。局員が住民#112771-44の居室を訪問すると、死亡から2週間程度が経過したと思われる住民#112771-45及び-46の腐乱死体が発見された。司法解剖から、死因は栄養失調による餓死と断定。住民#112771-44の行方は分かっていない。この居室には両親或いは後見人に相当する住民は確認されていない。


    エリア#112771に居住する住民#112771に共通する特徴として、野生の携帯獣及び一般的な人間を「人間」と見なし、親の居る携帯獣を「ペット」のような存在として認識するというものがあります。そのため住民#112771は理論上携帯獣を使役できる携帯獣である可能性が示唆されていますが、エリア#112771は全域が「ペット飼育禁止」に指定されているため(ハナダ北ニュータウンがエリア#112771に変貌する以前から存在した規定です)に、これまでのところ条件を満たす住民#112771は発見されていません。

    エリア#112771が実際に携帯獣に対してどのような効果をもたらしているのかは不明な点が多々あります。また、外出する住民#112771が消失している間どこに存在しているのか、消失中にどのような活動をしているのかについても分かっていません。


    Supplementary Items:
    本案件に付帯するアイテムはありません。


      [No.1289] #126629 「ホーホーのコレクション」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/05/14(Thu) 20:25:48     37clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Subject ID:
    #126629

    Subject Name:
    ホーホーのコレクション

    Registration Date:
    2010-02-16

    Precaution Level:
    Level 2


    Handling Instructions:
    これまでに捕獲した携帯獣#126629は、いずれも本来の生育環境に近いジョウト地方ヨシノシティ第三支局に収容されています。携帯獣#126629の生育担当に割り当てられた局員は、必要に応じて基礎資料リポジトリに存在する携帯獣標準養育手順書の番号163「ホーホー」を参照することができます。

    すべての携帯獣#126629は、不定期に種々の物品であるアイテム#126629を出現させます。これらは収得しないまま時間が経過すると事実上消失してしまうため、必ず回収する必要があります。回収したアイテム#126629はナンバリングし、どの携帯獣#126629がいつ出現させたかを記録してください。アイテム#126629に何らかの異常性が見られるケースも多々あるため、異常性検査も欠かさず実施しなければなりません。

    携帯獣#126629の一覧についてはリストL-126629-1を、アイテム#126629の一覧についてはリストL-126629-2をそれぞれ参照してください。


    Subject Details:
    案件#126629は、特異なホーホー個体群(携帯獣#126629)と、そのホーホーが不定期に出現させる様々な物品(アイテム#126629)、及びそれらに掛かる一連の案件です。

    携帯獣#126629が初めて確認されたのは、2009-01-30のことです。ジョウト地方ヨシノシティ近隣でフィールドワークをしていた局員が、足に携帯音楽プレイヤーのストラップを引っ掛けたホーホーを発見しました。当初は悪質な悪戯/虐待の類と考えられ、局員によって足から携帯音楽プレイヤーが外されました。携帯音楽プレイヤーは拾得物として回収され、ヨシノシティ第三支局に隣接する低異常性拾得物保管庫へ未分類アイテムとして保管されました。

    翌日同じ局員がフィールドワークを実施していたところ、今度は紐付きのメモ帳が引っ掛けられているホーホーが発見されました。不審に思った局員がホーホーを保護した上でメモを回収し、いかなる人物がホーホーの足に物品を結びつけるという行為を繰り返しているかを調査するため、その場で張り込む判断を下しました。

    しかしながら、張り込み開始からわずか2時間後に、ホーホーが瞬時に足を入れ替えたと思しき(実際に入れ替えるシーンを目撃することはできず)仕草を見せ、それまで一切ホーホーへ近づいた人間がいなかったにもかかわらず、今度は腕時計がホーホーの足に引っ掛けられているのを発見しました。局員はホーホー自身が携帯音楽プレイヤー/メモ帳/腕時計を出現させていると判断、ホーホーを保護して最寄りの拠点へ移送しました。移送後に行われた初期調査によりこのホーホーの生態がある程度判明、案件#126629が起票され、ホーホーは携帯獣#126629と分類されました。

    案件立ち上げに当たって各支局に類似の事案が発生していないか調査を依頼したところ、ジョウト地方を中心にホーホーの生息地近隣で類似の事案が複数確認されていたことが明らかとなりました。一部の事案ではホーホーが捕獲され、低異常性物品としてアイテムが回収されていたことも分かりました。案件担当者は各地の局員とテレビ会議を実施して情報を収集、これまでに集められたすべての資産をジョウト地方ヨシノシティ第三支局へ譲渡の上集積することで全員の合意を得ました。

    収集された資料の再検証と生態調査により明らかになった携帯獣#126629の特異性は、12時間ごとに様々な物品であるアイテム#126629を、自身の足に引っ掛けた状態で出現させるというものです。アイテムは回収されなければ12時間後の足を入れ替えるタイミングで未知の原理によりホーホーの体へ吸い込まれるような形で消失し、新たなアイテムと交換されます。足を入れ替えた際に出現するアイテム#126629は、それ以前のアイテム#126629と関連する場合と一切の関連性を持たない場合のいずれのパターンも存在します。

    出現するアイテム#126629について、これまでのところ明確な由来は判明していませんが、一部のアイテム#126629を調査した結果から、アイテム#126629が旅行中に何らかの理由で失踪したポケモントレーナーの所持品であった可能性が示唆されています。以下はこれまでに確認されたアイテム#126629を列挙したリストであるリストL-126629-2からの抜粋です:


    アイテム#126629-7:
    案件担当者が捕獲したホーホーである携帯獣#126629-3が出現させた携帯音楽プレイヤー。Sony社製の「WalkMan」の2005年夏モデル。内部にセットされたMDの解析結果から、2006年頃まで使用されていたものと推測されている。

    アイテム#126629-25:
    携帯獣#126629-2が出現させたA5サイズのノートパッド。中にはおよそ60日分の日誌が綴られているが、2日から180日のランダムな間を空けて日誌が記録されている。後半は遺書のような文体となっており、一部が未完。所有者は2000-09頃に行方不明になった13歳の男子トレーナーである可能性が示されている。

    アイテム#126629-41:
    携帯獣#126629-6が出現させたニンテンドーDSの初期モデル。ゲームカードが挿入されているが、本来カードに貼り付けられているパッケージのシールが剥がされている。本体に電源を投入しゲームを起動すると、黒い画面に白い文字で「You made me die.(お前が私を死なせた)」と表示される。それ以上の動きは見られない。

    アイテム#126629-63:
    携帯獣#126629-3が出現させた折りたたみ式の携帯電話。挿入されていたSDカードに数十枚の写真が保存されており、いずれも風景写真となっている。風景には異常が無いように見えるが、いずれも既知の場所とは合致しない何らかの矛盾点が存在する(本来地理的に「コガネデパート」が存在すべき場所に、未知の高層マンションが建設されている等)。また、写真はいずれもAdobe Photoshop形式で保存されていた。

    アイテム#126629-109:
    携帯獣#126629-9が出現させたマスタリング処理済みのCD-R。内部には低品質の音声ファイルが大量に保存されている。音声は様々な家族間の会話を録音したもので、これまでのところ何らかの法則性があるようには見受けられないという判断が成されている。ただし注目すべき点として、相当数の会話に「ユニティー」から始まる種々の組織名と思しき単語が混ざっている。

    アイテム#126629-126:
    携帯獣#126629-7が出現させた普通自動車の運転免許証。所有者について照会したところ実在し、現在も生存していることが判明。所有者は現在ホウエン地方フエンタウン在住であり、名前と顔写真を除いたほぼすべての情報が矛盾している。免許証についても紛失した形跡は無く、当局の照会でも存在が確認された。


    アイテム#126629の特異性から、局員の一部から携帯獣#126629の性質について「異次元/異空間と言うべき場所からランダムに物品を取り出しているのではないか」という仮説が提唱されています。仮説は現在検証プロセスに入っています。


    Supplementary Items:
    本案件に付帯するアイテムはありません。


      [No.1288] #119356 「気の利くプラスル」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/05/13(Wed) 20:00:59     39clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Subject ID:
    #119356

    Subject Name:
    気の利くプラスル

    Registration Date:
    2007-10-28

    Precaution Level:
    Level 2


    Handling Instructions:
    携帯獣#119356から入手したアイテム#119356については、各支局にある低異常性拾得物保管庫へ他のアイテムと分類して保存してください。これまで回収されたアイテム#119356については概ね異常性の見られない一般的な製品であることが分かっていますが、念のため回収の都度標準的な検査を実施するようにしてください。過去に数件、一般に入手困難か実在しないと推定されるアイテムが回収されたケースが存在します。

    これまでのところ、携帯獣#119356そのものを捕獲する試みは成功していません。過去の事例を参照し、携帯獣#119356を捕獲するための方法を考案することが奨励されています。何らかの方策を考案した局員は、案件担当者に直接コンタクトを取ってください。


    Subject Details:
    案件#119356は、一部地域のプラスルが見せる特異な行動と、それに掛かる一連の案件です。

    本件を当局が知るところとなったのは、個人が開設したインターネット上のブログサイトにて「携帯電話の充電が切れて困っていたら、その場を通りがかったプラスルが充電池を投げ渡してくれた」と要約されるエントリーを投稿していたことがきっかけです。投稿者が充電池を確認したところ、所持している携帯電話のモデルに適合するものであり、また取り替えたところ最大まで充電されていたことが判明しました。投稿者曰く「非常に助かった」と結ばれていました。

    当初は単なる小規模な事案と考えられていましたが、当該記事を契機として「同じような経験をした」「プラスルから充電池を渡された」と証言する市民が多数現れ、最終的に写真週刊誌などにも取り上げられるほどの話題となりました。加えて、事案の発生がホウエン地方キンセツシティ周辺に集中していたことも、当局の注意を引きました。規模が大きくなるにつれて、本件は案件として管理する必要があるとの提言がなされ、案件の立ち上げが決定されました。立ち上げ担当者となった局員は実際にプラスルから充電池を渡されたことがあり、個人的にも調査を進めていたことを付記します。

    案件#119356は、ホウエン地方キンセツシティ近隣にて、交換可能な充電池を動力源とする機器を所有し、かつ対象機器のバッテリー残量が空になるかそれに近い状態となった場合に発生するようです。条件を満たすと近場の草むらからプラスル(以下携帯獣#119356)が出現し、対象者が携帯獣#119356を認識した直後、最大まで充電済みの充電池(以下アイテム#119356)を投げ渡します。アイテム#119356を渡すと携帯獣#119356は直ちにその場から立ち去り、それ以上のアクションを起こすことはありません(ごくまれに、投げ渡した相手に手を振る、ウインクをするといった仕草が見られます)。

    携帯獣#119356の移動速度はかなり速いようで、後を追いかけても姿を見つけることはできません。この性質のため、携帯獣#119356を捕獲する試みはこれまでのところすべて失敗しています。複数の局員が同時にモンスターボールを投擲したり、出現と同時に捕獲行動に出るといった対策が試みられましたが、それらは携帯獣#119356にすべて回避されるという結果に終わっています。携帯獣#119356を捕獲することができないのは単に携帯獣#119356の身体能力が極端に秀でているためなのか、あるいは何らかの小規模な現実改変能力を有しているためなのかは定かではありません。

    携帯獣#119356が投げ渡すアイテム#119356の範囲は非常に広く、一般に「充電池」と認識されるものの大半をカバーしているように見受けられます。以下はこれまでに回収された、または確認が取れたアイテム#119356の一覧です:


    ・フルに充電された単1/単2/単3/単4/単5型のニッケル水素充電池
    ・合計46機種の携帯電話向け充電池
    ・合計105機種のノート型パーソナルコンピュータ向け充電池
    ・近年発売された合計3機種の携帯ゲーム機向け専用充電池
    ・合計78機種のデジタルカメラ向け専用充電池
    ・電子ゲーム用ボタン電池に対応する充電池(※)
    ・電池式腕時計の交換用充電池(※)


    一覧中で「※」の付いたものは、製品としての品質には問題が無く正常に使用可能なものですが、一般に市販されておらず、またこれまでに同一の製品が開発された記録もないアイテムです。

    携帯獣#119356がこれらのアイテム#119356をどのようにして入手しているのかは分かっていません。また、対象者が使用している機器に対応する充電池をどのように判別しているのかについても同様です。現在の案件#119356への対応方針は、主に携帯獣#119356の性質を明らかにすることに焦点が当てられています。


    [2008-03-30 Update]
    2008-03-26、携帯獣#119356が軽自動車向けのバッテリーを投げ渡してきたという報告がなされました。バッテリーは最大まで充電されていました。携帯獣#119356が所持しているアイテム#119356の範囲について、今一度の見直しが必要になる可能性が指摘されています。


    Supplementary Items:
    本案件に付帯するアイテムはありません。


      [No.1287] #102428 「廃棄された月面ポケモンセンター」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/05/12(Tue) 19:45:40     38clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Subject ID:
    #102428

    Subject Name:
    廃棄された月面ポケモンセンター

    Registration Date:
    2002-06-17

    Precaution Level:
    Level 2


    Handling Instructions:
    施設#102428は通常の手段では物理的なアクセスがほぼ不可能な位置に存在し、また天体観測によっても発見することが極めて困難であるため、現状以上の保護措置は必要ありません。ホウエン地方トクサネシティ第三支局に所属する本案件担当の局員は、月面に配備した監視用ドローンから送られてくる情報を日々収集・整理し、異常が無いかを確認してください。施設#102428内の探索結果については、資料R-102428-13に取りまとめられています。


    Subject Details:
    案件#102428は、月面に存在するポケモンセンターに類似した由来不明の施設(施設#102428)と、それに掛かる一連の案件です。

    本案件の中核に位置付けられる施設#102428が発見されたのは、当局とトクサネ宇宙開発事務局が連携して打ち上げた月面探査機「かとれあ」の運用開始直後のことでした。月面にこれまで確認されていなかった施設が確認され、速やかに調査を行うことが決定されました。「かとれあ」を経由して探査用ドローンを展開して一次調査が行われ、その特異性から案件の立ち上げが決定されました。

    施設#102428は、月面のポイント276にて発見された、恐らくかつてポケモンセンターだったと推定される未知の施設です。外装は各地に存在する一般的なポケモンセンターとほぼ同様であり、随所にポケモンセンター特有の意匠が見られます。付近に設置された看板には「ポケモンセンター月面第壱支局」と書かれています。これは地球に存在する特異性の無いポケモンセンターの命名規則とほぼ一致するものですが、唯一漢数字の「一」ではなく「壱」が使用されている点で異なっています。

    内部についても一般的なポケモンセンターと概ね一致する間取りとなっており、長年放置されたことによる経年劣化の兆候こそ見られますが、ほとんどの設備や備品がそのまま残されています。確認されたのは植木10本、小型椅子20個、大型椅子6個、1990年代後半に見られたモデルのデスクトップコンピュータ10台(業務用2台、利用者用8台)、標準的なリカバリーマシン、未知のベンダーのロゴが描かれた自動販売機3台、広報やチラシを積載したカタログラック2台などです。デスクトップコンピュータに付いては、利用者向けに用意された8台分はいずれも電源が入っておらず、現在は稼働していません。残る2台については現在確認中です。

    探査用ドローンの機能不足のために、施設#102428の全貌に付いては未だ明らかになっていません。しかしながらこれまでに数十回に渡って行われた調査により、この施設が明らかにポケモンセンターとしての機能を提供していたこと、何らかの理由によりかなりの長期間(推定で200年ほど)放置されていたこと、そして内部に残された備品が放置された期間と比べて経年劣化のペースが著しく遅いことなどが判明しました。

    これまでに月面にポケモンセンターが建設された記録は無く、また現時点においては将来的に建設するという計画も存在していません。施設#102428の由来と建設された背景、そして廃棄されるに至った経緯についての調査が行われています。


    [2003-03-14 Update]
    月面探査機「かとれあ」に搭載したアイテム転送装置を使用し、現地に最新式の多機能ドローンを送り込みました。このドローンは従来機よりも行動範囲が広く、より精細な操作が可能です。すべての準備が整ったところで、24回目となる施設#102428の探査が実施されました。

    探査セッション24において、これまで詳細が明らかになっていなかった業務用のデスクトップコンピュータ2台が存在するポイントへの進入が行われました。セッション中にドローンが端末の1台に接続されているマウスに誤って接触した際、スクリーンのロックが解除されパスワードの入力を求める画面が表示されました。これは施設#102428で発見された設備/備品の中で、唯一稼働が確認されたものになります。

    端末のパスワードを解読してログインを試みる提案がなされましたが、物理的な試行の困難さから現在は保留された状態になっています。


    Supplementary Items:
    本案件に付帯するアイテムはありません。


      [No.1286] #99983 「YOU ARE PIKACHU」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/05/11(Mon) 20:15:46     41clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Subject ID:
    #99983

    Subject Name:
    YOU ARE PIKACHU

    Registration Date:
    2001-09-07

    Precaution Level:
    Level 3


    Handling Instructions:
    接収したロムカートリッジ#99983は、カントー地方ヤマブキシティ第七支局の中異常性取得物にある耐火性の金庫に保管します。これまでに12本のロムカートリッジ#99983を収容しており、いずれも同一の異常特性を示すことが確かめられています。金庫へのアクセスコードの払い出しを求める場合は、書式F-99983に必要な事項を記入してワークフローを回付してください。アクセスコードは申請ごとに都度変更される運用になっています。

    ロムカートリッジ#99983の元となったビデオゲームの特性上、一般的なエミュレータ上での動作は異常特性を引き起こさないことが確認されています。しかしながら、ロムイメージを何らかの方法を用いて実機にて稼働させた場合はオリジナルのロムカートリッジ#99983と同様に事象#99983が発生するため、発見されたロムイメージは速やかにアクセス遮断の手続きを取るべきです。アクセス遮断については当局の定める標準的な手続きが利用できます。


    Subject Details:
    案件#99983は、異常な性質を持つNINTENDO64用ゲームソフト「ピカチュウげんきでちゅう」のロムカートリッジ(ロムカートリッジ#99983)と、ロムカートリッジ#99983によって引き起こされる事象(事象#99983)、及びそれらに掛かる一連の案件です。

    本案件が立ち上げられたきっかけは、2000年4月になされた「友人の言動がおかしくなった」という児童からの通報を受けてのものです。局員が通報者の元へ向かいヒアリングを行ったところ、通報者の友人である10歳の少年が数日前から携帯獣である「ピカチュウ」の鳴き声のような発声を繰り返し、会話がまったく成り立たなくなっているとのことでした。その後少年の両親にヒアリングを実施し、数日前から明らかに異常な言動を繰り返していることが判明、少年は当局の定める病院へ保護入院の措置が取られ、異常をもたらした原因について調査が行われました。

    少年宅への家宅捜索の結果、自室からNINTENDO64に挿入されたままの状態の「ピカチュウげんきでちゅう」のカートリッジが発見されました。少年の症状から何らかの関連性が疑われ、両親の許可を得てカートリッジが接収されました。この他数本のNINTENDO64向けカートリッジが見つかりましたが、それらはいずれもピカチュウが一切登場しないものであり、また少年に異常が見られる前後に起動された形跡が無いことから、本件との関係は無いものと判断されています。

    接収したカートリッジをNINTENDO64実機へ挿入して起動したところ、通常表示されるタイトルスクリーンではなく、帽子を目深に被った少年(目撃した局員の証言では、これはビデオゲーム「ポケットモンスター」シリーズの主人公であるポケモントレーナーに酷似した姿とのことです)が表示されました。明確に異常な挙動を示したことが確認されたため、実験担当者は即座にNINTENDO64本体の電源を切り、実験を強制的に終了しました。担当者は案件立ち上げの申請を行うと共に、通報者及び両親にさらなるヒアリングを行うことを決定しました。

    このヒアリングの実施に前後して、カントー地方のみで計6件のほぼ同一の通報が成され、それぞれでカートリッジの接収とプレイヤーの保護入院措置が取られました。各事案の関係者からヒアリングを実施し、一連の事案について多くの情報を得ることに成功しました。以下はすべての情報を総合した、当局による事案#99983の詳解です。

    ロムカートリッジ#99983は、外見上異常性の無い製品と同様に見える「ピカチュウげんきでちゅう」のカートリッジです。このオブジェクトの異常な性質は、対応機種であるNINTENDO64に挿入され、電源が投入された際に発生します。実験担当者が目撃した通り、通常表示されるタイトルスクリーンの代わりに由来不明の未知の少年(キャラクター#99983)が出現し、プレイヤーと相対する形になります。キャラクター#99983は赤い帽子を目深に被っており、表情を読み取ることができません。プレイヤーがコントローラを手にすると、画面に表示されたキャラクター#99983が動作を開始します。

    キャラクター#99983はプレイヤーに対し「ピカチュウ、元気にしていたかい?」と抑揚の無い機械音声で訊ねます。プレイヤーがNINTENDO64本体に装着したNINTENDO64 VRS(音声認識システムを実現するNINTENDO64向け周辺機器。「ピカチュウげんきでちゅう」のほぼすべての機能はこの周辺機器を介さなければアクセスできません)を通して何らかの反応を返すと、反応の種類に拠らず次段で述べる事象#99983が開始されます。

    事象#99983は、キャラクター#99983と対話したプレイヤーが、自分自身を携帯獣の「ピカチュウ」であると認識してしまう強度の情報災害です。事象#99983が開始された直後から、プレイヤーは一般的な人間の発話が行えなくなります。代わりに、映像作品やビデオゲームにおけるデフォルメ的表現である「ピカ」「チュウ」といったピカチュウの鳴き声を表現するオノマトペのみを発声するようになります。この時、プレイヤーは自分の状態を異常であると認識していないように見えます。

    ゲームに登場するキャラクター#99983は機械音声でプレイヤーと対話し、異常性の無い「ピカチュウげんきでちゅう」のプレイヤーが一般的にゲーム画面のピカチュウに対して行うコミュニケーションに類似した頼み事や命令を行います。プレイヤー#99983によるコミュニケーション中、画面構成が変化を見せることは無く、一貫してキャラクター#99983のみが映し出され続けます。これまでに確認されたキャラクター#99983のボイスパターンの抜粋は以下の通りです:


    ・ピカチュウ(呼びかける)
    ・おどって
    ・はしって
    ・でんきショックだ
    ・10まんボルトだ
    ・こっちへきて
    ・うたって
    ・でんきねずみ
    ・かわいい


    これらの音声を受けたプレイヤーは、異常性の無い「ピカチュウげんきでちゅう」に登場するピカチュウに酷似した反応を返します。このうち「でんきショックだ」「10まんボルトだ」は、プレイヤーが発電の能力を持たないため失敗します。このことから、事象#99983は対象をピカチュウであると認識させるに止まり、ピカチュウそのものに身体構造や能力を置き換える能力は持っていないことが分かります。

    プレイヤーの情報災害の深度はプレイ時間が長期化する事に深くなっていき、ヒアリングではおよそ6時間のプレイで回復不能な認知障害を負うことが確認されました。深度が低い状態であれば、プレイヤー以外の人間がNINTENDO64本体の電源を落とすことで、事象#99983から回復させることが可能です。ただしその場合も、完全な回復に至るまでの時間はプレイ時間に比して相当に長いことが明らかになっています。

    案件の立ち上げ後、量販店やゲームショップから可能な限りの「ピカチュウげんきでちゅう」が回収され、さらに製造元と連携し「重大な症状を引き起こす可能性がある」として既に販売された製品に付いても回収が行われました。回収された全カートリッジを検査し、さらに5本のカートリッジ#99983が発見されました。これにより、計12本のカートリッジ#99983が当局の管理下に置かれることになりました。これまでのところ、さらなるカートリッジ#99983が発見されたという報告はありません。

    異常性の無い「ピカチュウげんきでちゅう」とカートリッジ#99983の関連性は不明です。両者のロムイメージをダンプして比較した結果は、事前の予想に反して完全一致しています。製造番号についても偏りは見られず、カートリッジ#99983が改造を受けた形跡も見当たりません。カートリッジ#99983の起源を辿る調査は、発売から2年近くの時間が経過していることもあって困難なものとなっています。


    [2001-12-24 Update]
    昨年発売された英語圏版「ピカチュウげんきでちゅう」(ローカライズタイトル:「Hey You, Pikachu!」)についても、これまでに3本のカートリッジ#99983が発見されています。製造工程や流通経路からは、異常性の無い製品との明確な差異を見出すことができていません。製品の回収が開始されました。


    [2002-01-21 Update]
    英語圏版のカートリッジ#99983の回収作業中、プレイヤーがキャラクター#99983に話しかけられ事象#99983が発生している最中の現場に局員が突入しました。その直後キャラクター#99983が「KILL THEM(あいつらを殺せ)」とプレイヤーに命じ、錯乱したプレイヤーが局員に襲いかかるという事案が発生しました。局員は自己の判断に基づき拳銃でNINTENDO64本体とカートリッジ#99983を破壊、プレイヤーに携帯式の鎮静剤を投与して事態を収拾しました。プレイヤーの回復を待って行われたヒアリングでは、プレイヤーから当時の記憶が完全に欠落していることが分かりました。

    この事案での出来事から、カートリッジ#99983またはキャラクター#99983は画面の外での出来事を認識できる可能性が示されました。カートリッジ#99983の起動を無期限に禁止することが決定されました。


    Supplementary Items:
    本案件に付帯するアイテムはありません。


      [No.1285] #73571 「おしゃべりバチュル」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/05/10(Sun) 20:32:02     50clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Subject ID:
    #73571

    Subject Name:
    おしゃべりバチュル

    Registration Date:
    1993-04-25

    Precaution Level:
    Level 1


    Handling Instructions:
    発見した携帯獣#73571は基本的に同一の部屋へ収容し、監視カメラを使用して常に様子を観察してください。部屋には個体の数と同じだけの電話線を引いた上で一般的な家庭用電話機を設置し、自動音声によるランダムに様々な音声番組を流し続けてください。音声番組はどのようなものでも構いませんが、携帯獣#73571はポップミュージックの番組を特に好む傾向にあります。携帯獣#73571の食事が完了したことを確認したら、担当局員は受話器を元の位置へ戻してください。収容中の個体はいずれもおとなしく反抗の意志を少しも示していないため、現状以上のセキュリティ対策は必要ありません。

    携帯獣#73571の性質のため、電話機は受信のみ可能な改造が施されています。過去に携帯獣#73571が通常の電話回線を使用したことで拠点内に小規模な混乱が発生した事案があるため、携帯獣#73571に局内の通常回線を使用させないようにする必要があります。拠点内で固定電話を使用して不審な長時間の電話をしている局員を見つけた場合、携帯獣#73571が収容違反を起こしていないか直ちに確認してください。


    Subject Details:
    案件#73571は、一般的な個体とは異なる特性を持つバチュル(携帯獣#73571)と、それに掛かる一連の案件です。

    当局が携帯獣#73571の存在を確認したのは、1993年2月上旬に当局の電話窓口へ寄せられた「母親がこちらの連絡していない時間帯に『息子と話をしていた』と言っている」という通報によってです。局員が通報者を伴ってジョウト地方ヒワダタウン在住の母親の元へ向かい、双方からヒアリングを実施しました。母親の口ぶりはしっかりしており、認知症などの兆候が見られなかったことから、何者かが実際に母親へ電話を掛けたものと考えられました。後の調査で電話の発信元は通報者の電話であることが分かり、通報者の電話機を監視する措置が取られました。

    通報者の電話機を監視して3日後、一体のバチュルがどこからともなく現れました。バチュルが下から受話器を押し上げて発信状態にすると、前脚を操作して電話帳に登録されていた通報者の母親の電話へダイヤルする様子が確認されました。バチュルは通話口に口から伸びた触手のような器官を挿入すると、以後じっとして動かなくなりました。この段階で母親の家に待機していた局員が母親に確認すると、母親は「確かに孫の声だ」と応えました。代理で応答した局員は、電話機を通して母親の孫に当たる人物が話しかけていることを確認しました。通報者の家で待機していた局員がバチュルを捕獲すると、母親の孫に当たる人物の声は聞こえなくなりました。局員は一連の事案を案件として登録、裁定委員会は案件立ち上げを承認しました。

    携帯獣#73571は、電気エネルギーではなく電話機へ送られてくる音声信号を主食とするバチュルです。食性が異なること以外には、一般的なバチュルと外見的にも内面的にも、後述する一点を除いて大きな違いはありません。身長や体重、身体能力についてもほぼ同じですが、受話器を持ち上げる必要があるためか、同じ総合レベルの一般的なバチュルの個体に比べてやや筋力が発達しているようです。ただし、あくまで一般的なバチュル個体と比較した結果であり、バチュル本来の非力さを補うものではありません。

    音声信号を主食とする食性から、携帯獣#73571には特異な能力が備わっています。架電先の相手が「長く話をしたいと考える人物」の音声信号を精巧に再現することができ、論理的で矛盾の無い会話を行うことができます。これは携帯獣#73571が一般的なバチュル個体と異なり、大きく発達した知能を持っていることを示しています。会話は音声信号を直接電話回線へ流すことへ行われるため、外部へ音として現れることはありません。

    長く会話を行うことで可能な限り多くの食料を得るため、携帯獣#73571は相手が喜んで話したがるような会話を展開します。ある事案では、中学生の少女に対して事故で亡くなった友人を装って電話を掛け、3時間以上に渡って会話を行ったという記録が存在します。この時通話相手になった少女が不審に思った形跡は無く、通話後は高い満足感を示していました。この件は少女の母親から当局へ通報され、局員は食事を終えて休んでいたバチュルを捕獲することに成功しました。担当局員と母親の間に持たれた協議により、少女には本件について秘匿することで合意しました。

    携帯獣#73571が音声信号をエネルギー源としている理由は不明ですが、信号を得るための方法自体は一般的なバチュルが電気エネルギーを摂取するものとほぼ同じであることが分かっています。携帯獣#73571がどのように会話を行っているのか、また会話の相手にどのようにしてなりすましているのかは現在調査中です。


    [1993-11-12 Update]
    携帯獣#73571の模範的な収容姿勢と、特性として持つ高度な会話技術を鑑み、携帯獣#73571を用いたカウンセリングが提案されました。携帯獣#73571を収容している拠点では一人一日一時間を限度として、専用回線を使用して携帯獣#73571に電話を掛けることが許可されます。通話内容については記録されず、どのような会話でも自由に行うことができます。携帯獣#73571には事前に教育を行い、通話相手と近しい人物(家族/友人/恋人等)にはなりすまさず、善意の第三者として振る舞うよう伝えました。すべての携帯獣#73571個体は、この通達を忠実に守っています。

    相手を喜ばせ、また気持ちを落ち着かせる会話を得意とする携帯獣#73571とのやり取りは、局員のストレス軽減に大きく寄与しました。士気と職務効率の顕著な向上が確認され、ほとんどの局員がこのカウンセリングに高い満足度を示しています。携帯獣#73571についても主食となる音声信号を安定して得られることを歓迎しており、また一部の個体についてはこの職務そのものに満足感を持っているとの結果が得られました。携帯獣#73571を正規の局員として雇用すべきという意見が提出され、裁定委員会は前向きな検討を行うとの回答を示しました。


    Supplementary Items:
    本案件に付帯するアイテムはありません。


      [No.1284] #98516 「姿無き携帯獣」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/05/09(Sat) 20:24:47     56clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Subject ID:
    #98516

    Subject Name:
    姿無き携帯獣

    Registration Date:
    2001-03-21

    Precaution Level:
    Level 2


    Handling Instructions:
    携帯獣#98516は特有のデータパターンを持つため、すべてのポケモンセンターに専用の通知用ソフトウェアをインストールすることで対応しています。ソフトウェアから携帯獣#98516発見の連絡を受けた、またはポケモンセンターで勤務するサービスエンジニアから携帯獣#98516に関わると思われる「原因不明のシステム障害」あるいは「起源不明のデータ」などの問い合わせがあった場合は、最寄りの拠点から局員を派遣してください。局員はサービスエンジニアに本案件の概要を説明し、携帯獣#98516を接収します。接収に当たっては、拠点ごとに一台ずつ配備している専用端末を使用してください。

    接収した携帯獣#98516は案件別サーバに構築した仮想ボックスへ保管します。仮想ボックス内は携帯獣#98516が快適だと考える環境に調整されているため、基本的にはこれ以上の対応は必要ありません。仮想ボックス内で何らかの異常を検知した場合は、担当する局員全員に監視センターから通知のメールが届けられます。メールを受信した局員は端末からサーバへログインし、エラーログとインシデントログの確認、及び必要であればハードウェアの検査を行ってください。過去の収容において、携帯獣#98516が意図せずハードウェア障害を発生させた事例が確認されているためです。


    Subject Details:
    案件#98516は、特異な性質を持つ未知の種族の携帯獣(携帯獣#98516)と、それに掛かる一連の案件です。

    携帯獣#98516が確認された最古の事例は、2000年9月中旬のことです。ジョウト地方タンバシティにあるポケモンセンターにおいて、利用者の一人が「預けた覚えの無い奇妙なポケモンがボックスにいる」と申し出てきました。状況を確認したセンターの職員とエンジニアは携帯獣に異常性があると判断、最寄りの支局であるタンバシティ第二支局へ緊急通報を行いました。この時職員は「システム障害」として全端末の利用を一時停止させ、管理センターへ連絡を入れてトレーナーのボックスが存在する仮想サーバをシステムから切り離させる措置を取りました。この事は携帯獣#98516の封じ込めに大きく貢献し、適切な初動対応として後に当局から表彰されました。

    携帯獣#98516は、この事案で接収された携帯獣です。種族情報は破損しているか認識できないため、システム上読み取ることができません。携帯獣を管理するために開発されたソフトウェアを多数テストしましたが、それらは携帯獣#98516を認識しないか明らかに誤った携帯獣と認識し、多くの場合はハングアップします。例外的にポケモンセンターで使用されるリカバリーマシンは携帯獣#98516を処理することができ、「未知の携帯獣」向けのもっとも汎用的な回復処理を選択して実行します。この処理により、携帯獣#98516の回復は正常に完了しているように見受けられます。

    その異常性に反し、一般的な携帯獣と生態に大きな違いは無いようです。携帯獣の身体能力を視覚化する処理は正常に実行でき、携帯獣#98516の能力はほぼ明らかになっています。初期の事案で接収された携帯獣#98516の総合レベルは「36」と判定され、俊敏性は劣りますが防御能力に秀でており、物理攻撃よりも特殊攻撃を得意とします。能力値のパターンは既知のどの総合レベル36の携帯獣の平均とも一致しません。性別はすべてのデバイスで一貫して「♀」と判定されます。このことから、携帯獣#98516は性別を持つ種族であると考えられています。

    携帯獣#98516が持つ最大の特徴は、姿形に関する情報を一切持っていないことです。このため、一般的なビューアでは携帯獣#98516を参照できず、ハングアップするか破損したモデル(表示用情報でないデータを強制的に読み込んだことによるもので、携帯獣#98516の実際の容姿とは無関係)を表示させます。データ化した状態でのスキャンでは、携帯獣#98516が一般的な携帯獣に比べて60%近くサイズが小さいことが判明しました。またこの時の結果で、姿形に関する情報が欠落していることを除外すれば、携帯獣#98516は携帯獣としての要件を完全に満たしていることも分かりました。

    姿形に関する情報を持たないためか、携帯獣#98516は実体化することができません。ボックスからモンスターボールへ移動することはできますが、モンスターボールの外へ出ることはできません。携帯獣を外へ開放するコマンドは常に失敗し、決して成功することはありません。自動記録されるエラーログを参照すると、下記のメッセージが確認できます:


    ・致命的なエラー: 予期しないリソースの終端が検出されました
    ・致命的なエラー: ライブラリはリソースをロードできませんでした
    ・致命的なエラー: モデル構築処理を続行できません。プロセスを終了します


    上記は通常テスト用のダミーデータか、または外的要因により破損した携帯獣のデータでのみ発生するエラーで、モンスターボールの基幹プロセスの一つが停止する非常に深刻なものです。

    ジョウト地方タンバシティのポケモンセンターで携帯獣#98516が初めて確認されてから、これまでに同種と確定された未知の種族の携帯獣を7体収容しています。いずれも姿形を持たないことを除けば携帯獣としての要件を満たしており、完全スキャンで同一の種族であると認められています。携帯獣#98516の性質についてさらなる調査を行う計画は、現在裁定委員会による承認を待っている状態です。


    [2001-08-30 Update]
    局員が携帯獣#98516が収容されている仮想ボックスを確認したところ、前日と比較してボックス使用率がおよそ7%上昇していることに気付きました。障害連絡を行った上で調査を行い、本来23体が収容されているはずの仮想ボックスに、合計で25体の携帯獣が収容されていることが判明しました。増加した2体分のデータが隔離され、仮想ボックスへの完全なスキャンが行われました。スキャンの結果からは、特に異常な点は見受けられませんでした。

    隔離された2体分のデータを精査したところ、携帯獣のタマゴとデータパターンがほぼ一致するという結果が得られました。携帯獣#98516がボックス内で繁殖活動を行った結果と考えられています。このタマゴについても姿形に関する情報が完全に欠落しており、携帯獣#98516と同一の異常特性があることが確認されました。携帯獣#98516と共に、何らかの変化を見せないかの監視が続けられています。


    Supplementary Items:
    本案件に付帯するアイテムはありません。


      [No.1283] #73665 「大破したスクールバス」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/05/08(Fri) 22:00:44     56clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Subject ID:
    #73665

    Subject Name:
    大破したスクールバス

    Registration Date:
    1993-05-06

    Precaution Level:
    Level 2


    Handling Instructions:
    車両#73665はシンオウ地方トバリシティ第三支局に隣接する中異常性取得物保管庫に、乗員#73665-1から-2、及び乗客#73665-1から-26の遺体はシンオウ地方ハクタイシティ近辺にあるバイオリサーチセンターにそれぞれ保管されています。いずれも損壊が非常に激しいため、明確な理由が無い場合は保護状態を解かれるべきではありません。これらから得られた情報については、案件別サーバに保管された資料を参照してください。資料を参照するに当たっては、適切なセキュリティクリアランスを保持していなければなりません。

    現状では事案#73620(この名称は「事案#73665」への変更が提案されています)が再発していないことから、これ以上の対応は不要です。また事案#73620の性質上、事前に何らかの備えをしておくことが困難であるとも推定されています。事案#73620と推定される事案が再発した場合は、さらなる調査と対応手順の確立が行われることになっています。その際の参考資料としては、案件別サーバに保管された「案件#73665取扱い手順候補詳細」が利用できます。


    Subject Details:
    案件#73665は、大破炎上した中型のスクールバス(車両#73665)とその乗員2名(乗員#73665)及び乗客26名(乗客#73665)の遺体、そしてそれらに掛かる一連の案件です。

    1993年5月1日午前7時40分頃、シンオウ地方トバリシティ西部の道路にて、自動車6台が絡む大規模な交通事故(事案#73620)が発生、消防と救急が緊急出動しました。事故現場は見通しの良い直線道路で、事故当時交通量はさほど多くありませんでした。事故車両のうち5台は単なる衝突であり、運転者や同乗者も総じて軽い怪我を負ったのみでしたが、残る中型バス1台は例外的に大破炎上しており、消防隊による消火活動が行われました。火は1時間ほどで消し止められ、交通封鎖の解除のため事故車両はすべて移動させられました。

    警察が事故原因について調査していた最中、著しく損傷した中型バスと、バスに乗車していた28名について不審な点が多数見つかりました。協議の結果、1993年5月6日をもって本件を案件管理局へ移管することが決定されました。当局は即時の案件立ち上げを決定、事故車両を車両#73665、乗員乗客の遺体をそれぞれ乗員#73665及び乗客#73665と指定し、関連する資料の引き渡しを受けました。以後、本件は案件#73665として、当局の管轄に置かれることとなりました。

    本案件の起点となった事案#73620について目撃者及び事故車両の運転者/同乗者にヒアリングを実施し、その過程で事案#73620は単なる車両事故ではなかったことが判明しました。多少の差異(位置に関する証言など。これらは各人の記憶の不正確さに起因するもので、異常なものではありません)が見受けられますが、いずれにせよ「車道に火の玉のようになったバス(車両#73665)が突然出現した」という点で一致を見ています。いくつかの証言、特に間近で車両#73665を目撃した数名の運転手から得られた証言は、車両#73665は未知の理由により道路上へ出現したことを裏付けるものとなっています。

    車両#73665は、事案#73620によって激しく損傷した中型バスです。これまでの調査で得られた情報から、バスはスクールバスとして運用されていたものと判明しています。フロント部分が著しく破壊され、全体が黒く焼け焦げほぼ原型を留めていません。損壊の激しさから調査にやや時間を要しましたが、車両の種類や事故原因については大筋で明らかになりました。車両は既知の中型バスと一見類似していますが、完全に一致するものは見当たりません。また、エンジン部分に一般的なバス車両には見られない多数の相違が確認されています。これらはバスの移動性能及び燃料効率の向上に寄与していたものと考えられています。車体側面には「[判別不能]hool attached to[判別不能]niv.」との記載が見られることから、何某かの大学付属の高校で使用されていたものと思われます。しかしながら市内に大学付属の高校は存在せず、また各地域における調査でも、スクールバスが突如として消失したといった事案が発生した記録は存在しませんでした。

    乗員#73665-1及び-2と、乗客#73665-1から-26は、車両#73665に乗車中に死亡した乗員及び乗客です。乗員#73665は車両前方の運転席付近で、乗客#73665は車両中央部から後方にかけて発見されました。いずれの遺体も損傷が激しく、得られた情報はごく限られたものです。しかしながら、それらの情報はいずれも乗員#73665及び乗客#73665のほぼ全員が特異な存在であることを示唆するものです。


    乗員#73665-1:
    バスの運転手と思われる遺体。40代前半の成人男性。乗員・乗客の中で2名のみ見つかった人間のうちの一人。衝突時のショックで死亡したものと推定される。右足は切断されていたが、車のアクセル部分に置かれていたことが判明。事故の瞬間までアクセルを深く踏み込み、かなりのスピードを出していたと推測されている。火傷の状態から衣服は着用していなかったものと思われる。

    乗員#73665-2:
    バスの添乗員、または教員と思われる遺体。20代後半の成人女性。骨格から腕が四本存在することが確実視されており、得られた体組織からは対象がカイリキーと同じ種族であることを示唆する情報が得られた。焼け跡からはこの乗員が身に着けていたと推定される衣服の残骸が見つかっている。

    乗客#73665-1:
    乗員乗客の中でも特に遺体の損傷が激しく、特徴の識別は困難。しかしながら、遺体の骨格からこの乗客はリザードであった可能性が示唆されている。この乗客が発見された付近は周囲と比較しても一段と燃え方が激しく、車両火災の原因となったのではないかと推測されている。

    乗客#73665-3:
    周辺に残された大量の毛髪とその特徴から、身長が160cm程度の♀のエルフーンであったことがほぼ確実視されている。遺体の状態から衣服を身に着けていた可能性が非常に高い。衣服は一般的な女子用の制服であったと思われる。

    乗客#73665-9:
    恐らくは♀のルカリオであったと思われる遺体。他の乗客と同様、このルカリオも衣服を着用していた形跡が見られる。

    乗客#73665-11:
    ♂のピクシーと推定される遺体。衣服を着用していた形跡が見られるのは他の乗客と同様。付近には僅かに原形を留めたノートが落ちており、取得物#73665-11-1として保管されている。内容に関する調査及び研究は現在保留中。

    乗客#73665-15:
    いくつかの可能性が示唆されているが、特徴的な牙の形状から♂のグランブルであると見られる遺体。

    乗客#73665-26:
    2名の人間のうちの一人。15歳頃の少女と推定される。乗員#73665-1と同様、衣服は着用していなかったものと思われる。


    乗員及び乗客の状態から、車両#73665は事故を起こして大破炎上した状態でシンオウ地方トバリシティに出現したものと考えられています。つまり、車両#73665は出現した時点で既に著しく損壊していたということです。現場の不自然な状況からも、車両#73665が大破した事故とシンオウ地方トバリシティで発生した事故とは区別して考えるべきという意見が多数を占めています。

    車両#73665/乗員#73665-1及び-2/乗客#73665-1から-26についての素性はこれまでのところ一切分かっていません。携帯獣が衣服を着用し、人間が衣服を着用していなかった理由についても不明です。車両#73665が突然出現した理由も含め、現在も調査が進められています。


    Supplementary Items:
    本案件に付帯するアイテムはありません。


      [No.1282] #122259 「あるホーロー看板」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/05/07(Thu) 22:27:41     42clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Subject ID:
    #122259

    Subject Name:
    あるホーロー看板

    Registration Date:
    2008-09-28

    Precaution Level:
    Level 2


    Handling Instructions:
    確認できた看板#122259は随時撤去し、できる限り人目に付かないよう注意を払ってください。対象は違法な広告であるという情報を各種メディアを用いて拡散しているため、市民から「看板が取り付けられている」という旨の通報がなされることがあります。通報を受けた場合は速やかに出動し、看板を取り外してください。看板そのものには異常な特性は無いため、取り外しに際して特に準備は必要ありません。

    看板に記載されている電話番号への架電実験は禁止されています。過去に発生した事案を収集・整理することに止め、新たな実験は行わないようにしてください。これまでに確認された電話番号については、未だすべて有効であることが分かっています。新たな電話番号が判明した場合、あらゆる手段を講じて所有者を調査してください。電話番号の所有者が、本案件の中核を担っている可能性が濃厚です。


    Subject Details:
    案件#122259は、主にジョウト地方及びカントー地方を中心に多数確認されている不審なホーロー看板(看板#122259)と、そこに記載された電話番号へ架電した際に発生する特異な事象、及びそれらに掛かる一連の案件です。

    看板#122259が初めて確認されたのは、案件#120602(「拡張される地図と現実」)について、Google Inc.が提供する地図情報サービスである「Google Maps(グーグル マップ)」を用いて調査を行っていた時のことです。設置されて少なくとも二十年以上が経過しているように見受けられるにもかかわらず、記載された電話番号が近年利用が本格化したIP電話のもの(050-XXXX-XXXX)であったために、当局の注意を引きました。

    看板#122259は、赤と白の2色のみで構成されたホーロー看板です。上半分は赤地に白文字で「タニヤマ」というコーポレートネームと思われるロゴが記載され、下半分は白地に赤文字で、先述したIP電話の「050」から始まる電話番号と共に「ポケット金融・振込ローン」なるキャッチコピーが記載されています。看板自体には異常な特性は無いと考えられますが、設置されたと推定される年代にはIP電話サービスは存在しておらず、顕著な矛盾が見られます。

    その後、局員が看板#122259に記載された電話番号へ架電する実験が数回行われました。局員が架電したところ、記載通り「タニヤマ」と名乗る自動音声による応答がありました。この時点で電話番号が有効であり、何らかのサービス(恐らくは金融・融資に関するサービス)を提供していることは確定しましたが、自動音声は「お電話ありがとうございます。タニヤマ事務センターです。現在電話がつながりにくくなっております。そのまましばらくお待ち下さい」と繰り返すのみで、それ以上の応答は得られませんでした。

    しかしながら、当局による実験終了後からほどなくして、各地から「ホーロー看板に書かれた番号に電話を掛けたら、連れていたポケモンがいなくなった、消失した」と要約できる通報が多数寄せられました。受付担当者によるヒアリングにより、それらがいずれも看板#122259に記載された電話番号へ架電したことによる事案であることが判明しました。当局は明らかに異常な事案と断定、直ちに案件立ち上げを行いました。

    第一通報から3週間以内に受けた通報により、その時点で看板#122259は最低でも全国79箇所に設置されていることが分かり、直後に実施された全国緊急調査により、実に3574枚もの看板#122259が発見されました。これは当局が把握している分のみであり、看板#122259の完全な総数ではないことに注意してください。発見された看板#122259はほぼすべてが過去の時点では存在していなかったものであることが確認されていますが、いずれの看板#122259も設置から二十年前後が経過したような老朽化の状態を見せており、その場所に長らく取り付けられていたもののように見受けられることで共通しています。

    市民からの通報により、当局の実験では判明しなかった看板#122259に関する特異な性質が明らかになりました。記載された電話番号に架電する際、架電者が捕獲した携帯獣が近く(推定で5メートルから6メートル以内)にいた場合、該当する携帯獣が消失します。さらに携帯獣の消失後二時間以内に、架電者が開設している預金口座(複数の口座を持っている場合、もっとも利用頻度の高い口座)に対し、未知の送金者からランダムな金額が振り込まれます。この事象は、管理局により事象#122259と命名されました。

    事象#122259の条件を満たした場合、連絡先である「タニヤマ事務センター」の自動音声は「お電話ありがとうございます。ただいま融資の審査を行っております。電話を切らず、そのままお待ち下さい」と応答します。その後2分から4分の間を置いて「大変お待たせいたしました。お客様の審査が完了しました。これより送金手続きに入らせていただきます」と応答し、その直後に事象#122259が発生、携帯獣が消失します。この時、二度目の自動音声のフレーズが完了するまでに電話を切断しても、事象#122259の発生を止めることはできないことが分かっています。架電した時点で事象#122259の発生が予約され、以後の処理はすべて自動的に行われているものと推定されます。

    携帯獣の消失後に架電者の預金口座へ振り込まれる金額は事案の都度変動しますが、統計情報からある程度の法則性が存在することが判明しています。概ね、携帯獣が戦闘に関する技術や能力に秀でているほど、そして架電者と携帯獣の関係が長く続いているほど高額になる傾向があるようです。これ以上の具体的な金額の決定方法については、サンプルが不足しているため判明していません。

    看板#122259はどのような手段を用いて設置されたのか、「タニヤマ」と名乗る団体がいかなる方法で事象#122259を発生させているのか、消失した携帯獣はどのようになったのかはいずれもすべて不明なままです。一連の事案から、「タニヤマ」が何らかの目的に基づいて携帯獣を収集している可能性が指摘されたため、局内における携帯獣を連れた状態での架電実験は無期限に禁止されることになりました。現在、本案件の中心となる「タニヤマ」に関する情報を得るための調査が行われています。


    Supplementary Items:
    本案件に付帯するアイテムはありません。


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