マサラのポケモン図書館 カフェラウンジ2F(長めの作品用)
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  •   [No.778] [二章]ポモペ 投稿者:ヨクアターラナイ   投稿日:2011/10/17(Mon) 08:31:30     54clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    pocket
    monster
    parent





                 『バリアー・前編』





                  早朝に外出するのはシオンにとって久方ぶりのことだった。
                 傾いた朝日、色の薄い青空、ポッポのさえずり、
                 少し肌寒い春風、新鮮に感じられた。
                 人の見当たらないトキワシティは、ゴーストタウンのように思えた。
                 相変わらず、全ての家が緑色の屋根をしていた。
                 太陽を背にすると、石畳の上に自分の影が濃く映っていた。
                 早足でスニーカーを鳴らし、歩き出した。


                  住宅街を抜けた先に、広葉樹が防壁のようにどこまでも並んでいた。
                 水平に伸びる樹の壁に一か所だけ穴があった。
                 トキワシティの出入り口だと解るなり、シオンは駆け寄った。

                  真っ二つに割れた森の間が一本道となって伸びている。
                 その道を妨げるように突っ立つ人影があった。
                 可愛らしいミニスカート、サラサラの長い金髪、醜く歪んだ顔面、
                 それはベトベトンのような容姿の女性だった。


                 「そこの男子!」


                  シオンは目の前で叫ばれた。不愉快だった。


                 「誰?」

                 「私はヨシノ・ワカバ。ポケモントレーナーよ」

                 「何か用ですか?」

                 「あなたがポケモントレーナーだと証明出来るものを見せなさい。
                 今すぐ!」


                  横柄な態度の女だった。不愉快だった。


                 「どうして俺がそんなことしなくちゃいけないんですか?」

                 「私の仕事だからよ、アルバイト様よ。それに国で決められた規則だし。
                 不審者なら町の外に出すわけにもいかないでしょ? 
                 それとも見せられない理由でもあんの?」


                  上から目線のワカバはシオンを見上げて言った。不愉快だった。


                 「そうじゃないけど……それで、俺は何を見せたらいい?」

                 「例えばポケモントレーナーの証明書」

                 「トレーナーカードは家に置いてきてあるんです」

                 「じゃ、あなたのポケットモンスターを見せて」

                 「俺のポケモンは人見知りなんだよ」

                 「じゃモンスターボール出しなさい」

                 「はい」


                  シオンは金の玉を見せびらかした。愉快だった。


                 「あなた名前は?」

                 「ヤマブキ・シオン」

                 「へぇ……酷い名前」

                 「よく言われます」

                 「今時アンタみたいの珍しいから覚えておくわ。でも、他の街の
                 名前してたってトキワシティから出してあげないから」


                  カッとなって尋ねる。


                 「どうして!」

                 「だって、あなたポケモントレーナーじゃないんでしょ?」

                 「そんなことはない!」

                 「ならそんなだらしない金の玉じゃなくって、トレーナーカード
                 を見せなさい。あなたがトレーナーだって証明できるものを見せなさい」


                  シオンはポケモントレーナーではない。
                 トレーナーだと証明できるものなど持ち合わせてはいない。
                 困ったシオンは、女性を避けて通ろうとした。
                 しかし、右へ行っても左へ行っても、
                 ベトベトンの容貌がシオンの前に立ち塞がった。


                 「お願いです。どいてください」

                 「駄目。もし、それなりに強いポケモン持ってるなら通してあげる」

                 「何で? どうしてトレーナーじゃないってだけで
                 通してくれないんだ? 納得のいく説明をしてくださいよ」


                  ワカバは呆れたと言わんばかりのため息をついた。
                 毒ガス攻撃と思い、シオンは一瞬だけ呼吸を止めた。


                 「いい? よく聞きなさい ここから先には野生のポケモンがいるの。
                 人が襲われんのよ。危険なの。
                 しかもアンタはポケモン扱えない弱者だから超危険なわけ。
                 だから野生のポケモンがいない安全な町の中に戻ってて」

                 「嫌だ、戻らない。
                 俺はこの先にいる野生のポケモンを捕まえに行きたいんだ。
                 町の中じゃ捕まえても許されるポケモンなんて入ってこないから、
                 俺はいつまでたってもトレーナーになれないんだよ」


                  シオンは細い目をじっと睨んだ。
                 何か違和感があった。
                 ふと意見が一致してないと気付いた。
                 シオン自身は事実を述べていたが、
                 ワカバも嘘を吐いているように思えない。
                 おかしな点といえば、目の前にいる女の顔しか見当たらない。


                 「あの、何か矛盾してません?」

                 「何もしてない」

                 「でもポケモン持ってない人は、街の外に出られないんですよね?」

                 「そうよ」

                 「じゃあ、あなたは最初のポケモンをどうやって手に入れたんですか?」

                 「え? 何言っちゃってるの?」


                  ワカバは鼻で笑った。思わず噴き出したようだった。
                 馬鹿にされていた。シオンはムカついていた。


                 「だっておかしいじゃないですか。
                 町に野生のポケモンは来ないんですよ、
                 捕まえていいポケモンがいないんですよ、一体どうやって?」

                 「私は父から貰った」

                 「ああ……なるほど、まぁそうなりますよね」

                 「ええ」

                 「じゃ、あなたの父親はどうやってポケモンを?」

                 「父も親から譲り受けたのよ。
                 でも、私の祖父は野生のポケモンを捕まえてたみたい。
                 昔は法律ってのも厳しくなかったみたいだし、
                 私みたいな仕事する人も少なかったっぽい」

                 「なら今の時代はどうやったら手に入る?」

                 「だからアンタも親に頼みなさいよ」

                 「もしも親がいなかったら?」

                 「しつこい! でも、まぁ、普通は貰うもんでしょ。
                 最初のポケモンは、ナントカ博士から貰ったって話も多いし」

                 「うん、そうだよな。それが普通だ。貰えるもんなんだ」

                 「ええ」

                 「じゃあくれ! 俺の最初のポケモンくれ!」


                  シオンは嬉々として両手を伸ばして見せた。
                 ワカバは眉間にしわを寄せ、汚物を見ているような表情をしていた。


                 「訴えられたいの? 警察に捕まりたいの? それとも死にたい?」

                 「なんだよそれ? 犯罪なのか?」

                 「そうよ死刑よ!」

                 「普通は貰える、って自分で言ったくせに!」

                 「でも普通は赤の他人にあげない。
                 大切な仲間をあげたりなんてしない」


                  ワカバの意見に納得は出来た。
                 そういう反応をすることも予測出来ていた。
                 それなのに怒りがこみ上げる。


                 「自分で言ったくせに。それなら、せめてこの道を通してくれよ」

                 「だから出来ないの。そういう仕事。解ったら帰りなさい」

                 「俺が可哀想だろ!」

                 「別に。全然」


                  シオンの胸の奥で憤怒と興奮が爆発しそうなくらいパンパンに溜まった。
                 ヒステリーを起こして喚き散らしたい衝動に駆られた。
                 こらえる。


                 「なぁ」

                 「しつこい。ストーカー?」

                 「それじゃあさ、他の道教えてくれよ。
                 街の外に出られる道って他にもあるんだろ?」

                 「出入り口なら三つあるわ。でもアンタは街から出られない」

                 「何で」

                 「解らないの? 馬鹿ね。さっきも言ったけど、
                 トレーナーじゃない人間を街の外に出すわけにはいかないの。
                 つまり他の出入り口にも私と同じ仕事の人が見張ってるってワケ。解った?」

                 「いちいち腹の立つ言い方をするよな。
                 それじゃ、その出入り口で俺の邪魔するなら、
                 俺はどこから外へ出ていけばいい?」

                 「そことか、そことか」


                 ワカバは右と左を指して言った。
                 彼女の左右から樹木がどこまでも並んでいる。
                 こんもり茂る常緑広葉樹は、人の入る隙間もない程、
                 ぎゅうぎゅうに敷き詰められて並んでいた。
                 トキワシティを守る樹の城壁のようだった。


                 「通れるワケないだろ!」

                 「そんなこと言ったって私は道を退かないから」


                  渋々シオンは、樹の壁に向かって前進してみた。
                 シオンが樹の壁にぶつかると、
                 ブミュブミュと奇妙な音を鳴らして足踏みをしていた。


                 「やっぱり通れないじゃないか!」

                 「当たり前でしょ? 樹にぶつかってるんだもん。馬鹿じゃないの?」


                  ワカバに頼った自分を反省し、シオンは自力ですべきことを考えてみた。
                 トキワシティの出入り口は、フリーターの妨害によって
                 トレーナーではないシオンは通して貰えない。
                 それ以外の場所は自然の壁によって通り抜けられない。
                 シオンはハッとして言った。


                 「あれ? そういえば俺ってこの町から外に出たことないぞ。一度もだ!」

                 「うーん……まぁ、そうなるわね。ポケモン持ってないワケだし」

                 「何だよそれ! そんな。俺、トレーナーになれないだけじゃなくて、
                 トキワからも出られないのか! 一度だって許されてないぞ!」

                 「だから? それで? 何興奮してんの?」

                 「なんでそこまで露骨にそっけない態度が出来るんだよ!
                  俺、何にも悪いことしてないのに、
                 こんなド田舎の牢獄に閉じ込められて生きてきたんだぞ!」


                  シオンはヒステリーを起こしたように喚き散らした。


                 「自分だけ辛い思いしてるって言いたいんだ?」

                 「そうだ! そのとおりだ!」

                 「……レッド知ってるよね? 伝説のトレーナーのレッド」

                 「うん」

                 「彼ね、マサラタウンに十年間も幽閉されてたそうよ」

                 「……俺は十四年間もだ」

                 「でもマサラっていえば建物が三軒しかないじゃない。
                 図書館の一つだってありゃしないのに」

                 「でもレッドは十年我慢して、
                 その後で色んなところを見て回れたんだろうに。
                 俺は未だにこの街を出ることが出来ない!」

                 「ふぅん。そ、可哀想にね」


                  常に侮辱されている気がして、シオンは常に不愉快だった。
                 顔が熱い。しかし怒鳴る気力も尽きていた。

                  怒りの反面怯えていた。これから永遠にトキワシティという名
                 の牢獄から出られないと思うと末恐ろしくなる。


                 「解ってるだろうけどさ、アンタが何言ったって無駄だからね。
                 どんな目にあってるのかなんて知ったこっちゃないの。
                 私はただ仕事をやってるだけだから。
                 通行したいならトレーナーカード持って出直しなさい」


                  どうしたらポケモントレーナーになれるのか。
                 これからどうしたらいいのか。
                 するべきことが解らず、シオンは困り果てていた。
                 その場に立ち尽くし、ただ途方に暮れるのだった。


      [No.777] 50話 精神戦 投稿者:照風めめ   《URL》   投稿日:2011/10/16(Sun) 09:24:56     63clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    「風見君!」
    「松野さん」
     夜の闇に包まれた駐車場に松野さんが現れた。多少走ったのか肩が上下している。息を整えながら、場を見渡しているようだ。
     俺のサイドは残り五枚で、久遠寺のサイドは残り六枚。俺のバトル場にはギャラドス130/130に、ベンチにはレジアイス90/90、水エネルギーのついたガブリアスLV.X60/140。
     対する久遠寺のバトル場は草エネルギーを二枚つけたハッサム100/100、ベンチポケモンにチェリム60/80。
    「今のところは優勢ね」
    「まだ始まったばかりですけどね。ところで久遠寺が能力者っていうのは?」
     能力者。この前の風見杯で起きた藤原拓哉の例を思い出す。もしかしてやはりまたあのような事が起こりうるのだろうか。
    「やっぱり藤原とかのように……」
     藤原の能力は『相手を消すこと』だった。本人は『次元幽閉』と言っていたが、やはり久遠寺も──。
    「久遠寺さんの能力は『位置検索』よ」
    「は?」
     かなり身構えていたのに帰ってきた答えが意外と小さいことで気が抜けた。しかし位置検索? いや、でも確かに俺の住所を教えていないのに俺の家を知っていたのは説明が行くが……。どうもしっくり来ない。
    「だから、まあ負けたとしても消されたり病院送りとかそんなことはないはずだけど、決して気を抜いちゃダメよ」
     松野さんはグッと目に力を入れてこちらを見る。やはりこの人の目力は恐ろしく強い。思わずシャキンと背筋が伸びる。
    「それに、能力者と戦う事だけで精神的に負担になるんだから。能力者との戦いで一番大事なのは強い心! さあしっかりね」
    「……分かりました」
    「そろそろわたくしのターンを始めてもよくって?」
    「ああ、すまない。始めてくれ」
    「わたくしのターン。ハッサムに達人の帯をつける」
     ハッサムの突出したお腹の辺りに帯が巻かれるが、ちょっと不格好。
     達人の帯は装備したポケモンのHPと与えるワザのダメージを20増やすポケモンの道具だが、達人の帯がついているポケモンが気絶したとき相手が引くサイドは普段より一枚多くなる。久遠寺はそれを承知で打点を増やしに来た。
    「続いてサポーターのハマナのリサーチを発動。このカードの効果はもちろん分かっていらして?」
    「たねポケモンおよび基本エネルギーを合計二枚までデッキから手札に加えるカードだ。馬鹿にするな」
    「ふふっ。その効果でわたくしはストライクとチェリンボを加えますわ」
     しかし加えたところでベンチには出せないはずだ。出したとしても、出した番には進化できないからレジアイスでバトル場に引き出され、俺のギャラドスの餌食になる。久遠寺もそれを分かっているのかポケモンをベンチに出してこない。
    「さ、参りますよ。ハッサムでギャラドスに攻撃。振りぬいてくださって!」
     一つ跳躍してハッサムがギャラドスにハサミを振りぬく。居合切りのような瞬間的な一撃が、ギャラドス30/130の豊富なHPをあっという間に虫の息まで追い詰める。
     振りぬくは自分の場にポケパワーを持つポケモンがいなければ威力が30上がるワザで、更にチェリムのポケボディー、日本晴れによって草タイプであるハッサムの威力が10、達人の帯で20上昇している。よって元のダメージが40のはずの振りぬくが100という強力な威力に変わる。
     気持ちで負けたら飲み込まれる。確かにハッサムの一撃は強力だったが、俺のギャラドスもそれに対して劣らぬ強力な一撃を放つポテンシャルを持っている。焦ることはない!
    「行くぞ、俺のターン!」
     しかし引き札に恵まれない。手札は三枚。まずはあのハッサムをどうするかを考えるんだ。。
     今の俺の場には満身創痍のギャラドス、ベンチには傷を負ったガブリアスLV.Xとレジアイス。レジアイスのポケパワー、レジムーブは手札を二枚トラッシュして相手のベンチの進化していないポケモンをバトル場に出させるモノだ。しかし久遠寺の場にそれに合う条件のポケモンがいないので使えない上、ギャラドスは逃げるエネルギーが多くて逃がすこともできない。
    「俺もハマナのリサーチを発動する。その効果でフカマルと超エネルギーを手札に加え、フカマル(50/50)をベンチに出し、超エネルギーをフカマルにつける」
     これで手札は残り二枚。最低二枚はレジアイスのポケパワーの発動コストとして常にキープしていたいが……。
    「行くぞ、ギャラドスで攻撃だ。テールリベンジ!」
     テールリベンジはトラッシュのコイキングの数×30ダメージを与える変則的なワザ。今のトラッシュにはコイキングが三枚。よって30×3=90ダメージを与えられる。
     ハッサムが両手の鋏でバリケードを作るも、荒々しく振り下ろされたギャラドスの尻尾の一撃に叩きつける。なんとか立ちあがって姿勢を整えるハッサム30/120だが、これで十二分に消耗させてやった。
     調子は悪くない。このまま押し切ってやる。
    「さあ、お前の番だ」



     一見サイドの枚数的にも風見君が有利のように見えるけど、今流れがあるのは確実に久遠寺麗華だ。
     あのハッサム30/120だけで風見君のポケモン二体は気絶させる程のポテンシャルを持っている。
     油断だけはしてはいけない。能力者との戦いは精神戦。先に心が挫けた方が負ける。能力者達は概して強い意思を持っている、もしも油断なんて見せるようでは勝てない。
     とはいえ相手は人間、揺さぶればその強固な意思も崩れるはず。なのだけど、残念ながら風見君はそういった会話能力が無い。力で打ち負かすことを祈るしかない。
    「わたくしのターン。グッズカードのポケドロアー+を二枚発動。このカードは一枚単品で使った時と、二枚同時に使った時で効果が変わるわ。二枚同時に使ったので、わたくしはデッキから好きなカードを二枚加えてシャッフルします」
    「ほう……」
    「そしてサポーターカードのオーキド博士の訪問を発動。山札から三枚引いてその後、手札から一枚デッキの底に戻します」
     手札を増強してきたわね。一気に動いてくるはず。
    「手札からスタジアムカード発動。破れた時空!」
    「破れた時空だと」
     周囲の風景が一変し、禍々しい空と突き出るような槍の柱が現れる。
    「このカードがある限り、互いにその番に場に出たばかりのポケモンを進化させれますわ。私はストライクをベンチに出し、ハッサムに進化させて草エネルギーをつけまして。バトル場のハッサムで攻撃! アクセレート!」
     アクセレートのワザの元々の威力は30だけど、チェリムと達人の帯によって威力は60まで上昇する。加速して踏み出したハッサムがすれ違いざまに一閃、一撃を受けたギャラドス0/130は動きを止め、横に倒れて行く。
    「なんのこれしき! 俺の次のポケモンはガブリアスLV.Xだ」
    「わたくしはサイドを一枚引いてターンエンド」
     久遠寺はギャラドスを倒した、いや、それだけじゃない。
    「風見君! アクセレートの効果に気をつけて!」
    「効果……」
    「アクセレートで相手のポケモンを気絶させたとき、そのハッサムは次の風見君の番ではワザのダメージも効果も与えれないわ」
    「ガブリアスにエネルギーをつけてガードクローをしようとしても、わたくしのハッサムには傷一つ付きませんわ」
    「なるほど、やはりそういうことか。だったらやることは一つだ!」
     風見君の目に強い闘志が宿った。さあ、どんな戦術を見せてくれるのかしら。
    「フカマルをガバイト(80/80)に進化させる。そして俺も破れた時空の効果を使わしてもらうぞ。今進化したばかりのガバイトをガブリアス(130/130)に進化だ! 更に水エネルギーをガブリアスにつける」
     風見君の手札が一気に消費されて残り一枚になる。
    「俺は手札からユクシーをベンチに出す。そしてこの瞬間にポケパワーを発動だ。セットアップ!」
     セットアップは手札が七枚になるまでドローする強力なポケパワーだ。しかし、当のユクシー70/70自体のステータスは乏しく、HPはわずか70
    「手札のスージーの抽選を発動。俺は手札のニドラン♀と不思議なアメをトラッシュしてデッキから四枚ドローする。そしてガブリアスLV.Xのワザを使わしてもらう。蘇生!」
     空いているベンチに白い穴が形成された。そしてその穴の中からギャラドス130/130が、舞い上がるように飛翔して出現する。
    「ガブリアスLV.Xの蘇生は、自分のトラッシュのLV.X以外のポケモンをたねポケモンとしてベンチに出す。俺はその効果によってギャラドスを戻した。ターンエンドだ」
    「一度倒されたポケモンを戻してきたところでどうなるのかしら」
    「どうとでも言え」
     どうやら少しずつ、自分のペースを取り戻してきたようだ。本人に自覚はないかもしれないが、どうも彼は思っているよりも周りに流されやすい。しかしそれは一度だけ。自分のペースを取り戻した彼はもう迷わない。
    「わたくしのターン。手札のポケモン図鑑を発動しますわ」
     ポケモン図鑑は自分のデッキのカードを上から二枚を確認し、片方を手札に。もう片方をデッキの底に戻すグッズカード。グッズなのに新たにカードを手札に加えることが可能という扱いやすさがウリだ。
    「続いてチェリンボ(50/50)をベンチに出します。続いてサポーターのデンジの哲学を発動。手札が六枚になるまで引きます。今のわたくしの手札は0。よって六枚引かせてもらうわ」
     さらに久遠寺は手札を一瞥すると、左から二枚目のカードを抜き取り、バトルテーブルに叩きつける。
    「チェリンボをチェリム(80/80)に進化させます。そしてベンチのハッサムに草エネルギーをつけて、そのガブリアスLV.Xに攻撃をしますわ。アクセレート!」
    「またアクセレートかっ!」
     一気に加速したハッサムが鋏でガブリアスLV.X0/140の腹部を強く打撃するように突進する。わずかに宙に浮いたガブリアスLV.Xは、そのまま受け身も取れずに仰向けに倒れた。
    「サイドを一枚引きますわ。これで追い抜きましたわね?」
     確かにサイドは久遠寺麗華が一枚上回っている。その上、彼女の場には次の番に攻撃を受けないハッサム。ベンチには同じくすぐに攻撃に移れるハッサムがいる。そしてそのハッサムを支援するチェリムが二匹。それに対して風見君のポケモンは、置物と化したユクシーとレジアイス。そして蘇生したばかりのギャラドス、エネルギーが二個ついたガブリアス。状況的には風見君が責められ続けているという感じだ。
     それでも。
    「だったらガブリアスが次の俺のポケモンだ」
     風見君の表情は、どこか純粋なところから来る笑みに包まれていた。



    風見「今回のキーカードはチェリム。
       ベンチにいてこそ活躍するカードだ。
       ポケボディーの日本晴れで炎、草タイプのワザの威力が上がるぞ」

    チェリムLv.30 HP80 草 (破空)
    ポケボディー   にほんばれ
     自分の草ポケモンと炎ポケモンが使うワザの、相手のバトルポケモンに与えるダメージは、すべて「+10」される。
      あまからかふん 20
     自分のポケモン1匹から、ダメージカウンターを2個とる。
    草無無  ソーラービーム 50
    弱点 炎+20 抵抗力 水−20  にげる 1


      [No.776] 4話 サイコカッターを打ち破れ! 投稿者:でりでり   《URL》   投稿日:2011/10/15(Sat) 23:34:39     37clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    「行くぞ、ドロー!」
     喜田のターンが再び始まる。
     俺のサイドは残り四枚、手札は五枚。バトル場には雷エネルギーとエナジーゲインのついたレントラーGL LV.X110/110、ベンチにはガブリアスC80/80と、アグノム40/70。
     一方の喜田はサイド五枚の手札六枚で、バトル場には超エネルギーが一枚、闘エネルギーが二枚、さらに達人の帯がついているエルレイド130/150。ベンチにはペラップ60/60だけだ。サイドでは俺は有利だが、サイコカッターで高火力を弾き出すエルレイドが厄介極まりない。
    「手札のラルトスをベンチに出し、超エネルギーをつける。そしてサポーターのオーキド博士の訪問を発動。デッキからカードを三枚ドローし、手札のカード一枚をデッキの底に戻す」
     四匹目のラルトス60/60が場に現れる。同名のカードは四枚しか入れらないからこれが喜田の最後のラルトスなのは間違いない。
    「更に手札からグッズカード、夜のメンテナンスを発動。トラッシュのポケモンと基本エネルギーを三枚まで選び、デッキに戻してシャッフル。俺が戻すのはラルトス二枚とキルリアだ」
    「ラルトスがデッキに戻った!?」
    「エルレイドでレントラーGL LV.Xを攻撃。サイコカッター! レントラーGL LV.Xの弱点は闘タイプ! 元々の威力80の二倍、160ダメージだ!」
     レントラーのHPは110/110は一撃でやられてしまう。普通は一撃でやられるようなHPちゃうって……!
    「サイドを一枚引いてターンエンド」
    「俺は新しくアグノムをベンチに出す。そして俺の番や!」
     アグノムは壁役だ。あのエルレイドを倒すには犠牲になるポケモンが要る。壁になってもらう間になんとか後続のポケモンを育てなくては。
    「サポーター、アカギの策略を発動。その効果でデッキからハマナのリサーチ、炎エネルギー、エナジーゲインを手札に加え、炎エネルギーとエナジーゲインをガブリアスCにつける」
     今はぐっと耐えるときだ。準備をミスれば勝機はなくなる。
    「ベンチにゴウカザル四90/90を出し、スタジアムカード、ギンガ団のアジトを発動。このカードがある限り、互いのポケモンが手札から進化したときそのポケモンにダメージカウンターを二つ乗せる!」
     ギンガ団のアジトでこの後に立つ喜田のポケモンをある程度妨害出来る。HP満タンのエルレイド二匹目だけは避けたいしな。
    「ターンエンドや」
     準備は整った。さあかかって来い!
    「今度は俺のターン! サポーターカードのミズキの検索を発動。手札を一枚戻してデッキからキルリアを手札に加え、その後デッキをシャッフル。ベンチのラルトスをキルリア(80/80)に進化させる!」
    「スタジアムのギンガ団のアジトの効果によって、進化したキルリアは20ダメージだ」
     これでキルリアのHP60/80。
    「キルリアに闘エネルギーをつけ、エルレイドでアグノムに攻撃! サイコカッター!」
     放たれたサイコカッターの威力は元の威力に加え、達人の帯の効果で20加算され80。残りHPが僅か40のアグノムはもちろん耐えれず気絶してしまう。
     今、喜田がサイドを引いたことによって、これで相手のサイドは三枚になった。
     エルレイドのサイコカッターの効果は攻撃時、自分の伏せてあるサイドを任意の数だけめくり、その枚数×20ダメージを追加出来るものだ。今の喜田のサイドは全てウラだ。つまりサイコカッターでめくれるサイド、加算出来るダメージは最大60。
     エルレイドが最も苦手とする『終盤』へ勝負は差し掛かった。
    「俺の次のポケモンはガブリアスCや」
     今の手札はリョウの検索、ハマナのリサーチ、ポケターン、SPレーダー。
     次のドローがなんであれ、逆転へ繋がるターンとしなければ。
    「俺のターン! 手札のサポーター、リョウの採集を発動。その効果によってトラッシュのゴウカザル四LV.X、炎エネルギーを手札に戻す」
     リョウの採集は、トラッシュのSPポケモン、基本エネルギーを合計二枚まで手札に戻すサルベージ能力を持つサポーターだ。
    「更に手札からSPレーダーを発動。その効果でデッキからガブリアスC LV.Xを手札に加え、バトル場のガブリアスCをレベルアップ! ガブリアスC LV.X(110/110)に炎エネルギーをつけ、エルレイドに攻撃だ。ドラゴンダイブ!」
     ドラゴンダイブの威力は80。このワザを受けたエルレイド50/150のHPはもう少しのところまで削れた。ただ、ドラゴンダイブはエネルギーを二枚トラッシュしなければならないデメリットがある。
    「俺はドラゴンダイブの効果でガブリアスの炎エネルギーを二枚トラッシュしてターンエンドだ」
     ここまでは考えていた通りの流れだ。だが、目の前のエルレイドを倒すための計算が相手の番で狂うかもしれない。大丈夫のはず。とはいえ不安が突っかかる。
    「俺のターン!」
     喜田の表情は変わらない。
    「手札のラルトス(60/60)をベンチに出し、超エネルギーをつける」
     また新しいラルトス。そんなに出してなんのつもりだ。
    「サポーター、ミズキの検索を使う。手札を一枚戻してデッキのエルレイドを手札に加えさせてもらう。そしてベンチのキルリアをエルレイドに進化させる!」
     二匹目のエルレイドがベンチに現れる。一匹倒すのに精一杯なのに、易々と出しやがって!
    「だがスタジアムの効果で、進化したエルレイドに20ダメージだ」
     二匹目のエルレイドのHPを90/130まで削る。俺のささやかな抵抗に、喜田は苦い顔でダメカンをベンチのエルレイドに乗せた。
    「エルレイドでガブリアスC LV.Xを攻撃。サイコカッター! サイドを二枚めくることで計120ダメージだ」
     受けるダメージは60+20+40=120ダメージ。強烈な一撃にガブリアスC LV.X0/110は為す術もなく気絶になる。
    「サイドを一枚引いてターンエンド」
     喜田はサイコカッターによって表側になった不思議なアメを手札に加えていた。
     次のターンにベンチのラルトスを進化させるのかもしれない。
     喜田のサイドは一枚表側(超エネルギー)、もう一枚が裏側。もう俺のLV.Xポケモンが一撃で倒されることはないはずだ
    「行くで、俺のターンや!」
     引いたカードは四枚目のエナジーゲイン。これで俺の手札はエナジーゲイン、炎エネルギー、ハマナのリサーチ、ポケターン、ゴウカザル四LV.X。
    「荒い手やけど、そのエルレイドを今から倒すぜ!」
     俺の宣言に喜田は怪訝そうな顔をする。
     誰だってそうだろう。俺の場にはもうゴウカザル四しか残っていない上に、このまま次のターンになれば喜田のエルレイドにゴウカザル四は一撃で倒されてしまうのだ。だけど手札にはそれを打破出来るカードは揃っている。
    「行くぜ、俺は炎エネルギーとエナジーゲインをゴウカザル四につけて、ゴウカザル四LV.X(110/110)にレベルアップさせる! それだけじゃない。手札のハマナのリサーチを使って俺はデッキのクロバットGを二枚手札に加える」
    「クロバットGを二枚だって!?」
     ただ、デッキからカードを大量に加えたことによって俺のデッキの残量も刻々と少なくなって行ってる。もう三十枚は確実にない、な。
    「クロバットG(80/80)二匹をベンチに出し、この瞬間にクロバットのポケパワーを使うぜ。クロバットのポケパワーはベンチに出した時に使え、相手のポケモン一匹にダメージカウンターを一つのせる。二匹同時にポケパワーを使うことによってエルレイドに二つダメージカウンターを乗せるぜ。フラッシュバイツ!」
    「でもこれだけではエルレイドは……」
     エルレイドの残りHPは30。ゴウカザル四LV.Xのワザでエルレイドを倒すには後、10ダメージ足りない。
    「だからこのカードや。グッズカード、ポケターン発動!」
     喜田の表情にようやく驚きが現れる。
    「ポケターンの効果によって、ベンチのSPポケモンを手札に戻す。戻すカードはもちろんクロバットG」
     わざとらしくクロバットGを喜田に見せてから手札に戻す。まぁ戻すと言っても今の手札はこのクロバットのみだが。
    「そしてもう一度クロバットGをベンチに出してエルレイドにフラッシュバイツ。これで射程圏内や! ゴウカザル四LV.Xで攻撃。爆裂弾! このワザは相手のポケモン二匹に20ダメージを与える。そのエルレイドとベンチのラルトスに20ダメージずつプレゼントや!」
     ようやく苦戦し続けたエルレイドを気絶させることが出来た。今倒したエルレイドは達人の帯がついている。達人の帯がついたポケモンが気絶した場合、相手は二枚サイドを引くことが出来る。よって俺はサイドを二枚引く。
     これで俺と喜田の残りサイドは共に二枚。ようやっとこれで追いついた。
    「暴れた利子はしっかりもろたで!」



    啓史「今日のキーカードはゴウカザル四LV.X!
       ポケパワーで相手のベンチからポケモンを引きずり出し、
       炎の渦で薙ぎ倒せ!」

    ゴウカザル四LV.X HP110 炎 (DPt2-S)
    ポケパワー いかくのおたけび
     自分の番に1回使える。相手のバトルポケモンを、相手のベンチポケモンと入れ替える。入れ替えるベンチポケモンは相手プレイヤーが選ぶ。このパワーは、このポケモンが特殊状態なら使えない。
    炎炎無 ほのおのうず 100
     自分のエネルギーを2個トラッシュ。
    ─このカードは、バトル場のゴウカザル四に重ねてレベルアップさせる。レベルアップ前のワザ・ポケパワーも使うことができ、ポケボディーもはたらく。─
    弱点 水×2 抵抗力 ─ にげる 0


      [No.775] 第84話「ポケモンリーグ準決勝第1試合後編」 投稿者:あつあつおでん   《URL》   投稿日:2011/10/15(Sat) 12:11:36     67clap [■この記事に拍手する] [Tweet]


    「な、なんだ一体……辺りの様子がおかしいぞ」

     ダルマは辺りを見回した。ガラガラが自らの腹部を叩いた途端、雲もないのに雷があちこちに降り注ぎ、大地が唸りだしたのである。ガラガラからは蒸気があふれ、目を光らせ、体が震えている。それを見たカラシは、腹を抱えて笑った。

    「ふふふ……はははははは! はらだいこが決まった。もうお前に勝ち目はないぜ、ダルマ!」

    「どういうことだ!」

    「まあ、そう慌てるなよ。図鑑で調べてみたらどうだ?」

     カラシに促され、ダルマは図鑑をチェックした。はらだいこは、自分の体力の最大値の半分を消費してパワー全開になる技である。例えどれだけ攻撃を下げられても、必ずパワー全開となる。一昔前は非常に強力な技であったが、今ではすっかり見向きもされない。理由としては、ポケモンの耐久力低下によって素の状態でもダメージが大きくなったことが1つ。また、リスクなしで強力な補助技が増えたのも大きい。しかし、中には先制技と組み合わせると言ったポケモンもいるので、油断はできない。

    「パワー全開、か。でも体力が減ったから帰って倒しやすいな。キュウコン、大文字だ!」

    「ふっ、骨ブーメラン」

     キュウコンが再び大文字を放つ。それと同時にガラガラは骨を投げるポーズを取った。だが骨は手に収まったままである。ところがその瞬間、どこかから何かがぶつかる音が2回聞こえてきた。音の1つは破裂音、もう1つは鈍い音である。周囲が騒然とする中、今度は何かが倒れる音が響いた。一同が目を向けると、そこには気絶したキュウコンがいた。審判は慌ててジャッジする。

    「きゅ、キュウコン戦闘不能、ガラガラの勝ち!」

    「ななな、なんということでしょう……。ガラガラ、攻撃してないように見えましたが、実は既に攻撃が終わっていた! つまり、手元にあったのは残像でしょうか。これがカラシ選手の切り札、隠し玉……ダルマ選手、激しく動揺しております」

     実況が言うまでもなく、ダルマは開いた口がふさがらない状態だった。それでもなんとか言葉を絞り出す。

    「くっ。あの音、最初の1回で大文字を打ち破り、もう1回でキュウコンを攻撃したのか。たった1回なのになんてパワーだ……」

    「わかったか、最強は俺だということが」

    「わ、わからないね! 頼むぞキマワリ!」

     ダルマは強がりながらキマワリを投入した。今日もこだわりメガネをかけている。そして焦げている。

    「素直に降参すれば良いものを。骨ブーメランだ」

     ガラガラはまたしても腕を振った。やはり骨は手元に残っているように見える。だが、またしても鈍い音が響いた。先ほどと同じく、そこには伸びているキマワリの姿があった。

    「キマワリ戦闘不能、ガラガラの勝ち!」

    「キマワリ! 半減しても1回で倒されちまっただと……」

     ダルマは力なくキマワリをボールに戻した。彼は何度も深呼吸をし、辛うじて冷静さを保っていた。

    「ようやくわかったか、俺の力が。さて、最後はネギを背負ったカモだったな。せめてもの情けだ、一瞬でかたをつけてやる。そして、決勝に進ませてもらう」

    「……カモネギ、今こそお前に全てを託す!」

     ダルマは最後のボールを全力で投げた。出てきたのはカモネギ。カモネギは出てきて早々ガラガラに襲いかかるが、その圧倒的な力で押し返された。

    「ダルマ選手、最後にカモネギを送り出しましたが……なんと、二刀流です!」

     実況は思わず叫んだ。カモネギの右手にはいつもの茎がある。一方、普段手ぶらの左手には、いつもの茎より一回り長い茎があった。カモネギの闘志を確認したダルマは、カラシを指さしこう言い放った。

    「カラシ、敗れたり! 終わっていない勝負で後のことを考えるなど、負けたも同然! これで終わりだ、リーフブレード!」

    「笑止! つばめがえしで返り討ちだ!」

     カモネギとガラガラは全速力で接近し、互いに剣を構えた。そして、そのまますれ違いざまに斬りつけ合い、駆け抜ける。やがて2匹の足は止まり、背中を向け合った構図となった。どちらが先に倒れるか……全ての視線が2匹に集まる。

    「どうだ……」

     ダルマは両手を合わせて目を閉じた。時間はこれでもかと言う程ゆっくり過ぎていく。カモネギとガラガラは石のように微動だにしない。ダルマとカラシは固唾を呑んで見守り、そして祈る。

     その時、遂にカモネギがふらついてきた。スタジアムは一気にどよめく。カモネギは2本の茎で体を支えた。歯を食いしばり、額から脂汗を噴出するその姿に、一部からすすり泣きが聞こえてくる。

    「……ふん、これで俺の……な、何!」

     カラシが勝利を確信した、まさに最後の瞬間。1匹のポケモンが地に伏せた。ダルマは恐る恐る目を開き、結末を確かめた。ダルマの近くにいるポケモン、すなわちガラガラが倒れている。

    「……が、ガラガラ戦闘不能、カモネギの勝ち! よって準決勝第1試合、勝者はダルマ選手!」

     審判の声が放たれると、スタジアム中から拍手喝采と叫び声が湧き上がってきた。ある者は勝者を称え、ある者は敗者にねぎらいの言葉をかける。涙で顔がくしゃくしゃになった者もいる。全ての者が揺さぶられる戦い……ダルマとカラシはそれを体現してみせたのだ。

    「な、なんという最後だったのでしょうか。スタジアムは静まり返り、実況の私も思わず仕事を忘れてしまいました。これは文句なしで今大会最高のバトルです!」

    「ふううううぅ、終わったかあ。勝てて良かった、本当に良かった!」

     ダルマは腰が抜けたのか、その場に座り込んでしまった。彼はカモネギをすぐさま回収し、カラシに話しかけた。

    「どうだカラシ、あの時勝ったのはまぐれじゃなかったのがわかっただろ?」

    「……ああ、俺の負けだ。だが、不思議と悔しさはない。おそらく、本気で戦って負けたからだろうな」

     カラシはガラガラをボールに収めながら呟いた。これを受け、ダルマは頭をかきむしる。

    「へへ、そう言われると悪い気はしないな。まあ、お前と勝負して負けたからこそ、ここまで来れたと思う。ありがとう」

    「……ふん。その言葉、今回はそっくりそのままもらっておこう。だが次こそは俺が勝つ! せいぜい首を洗って待ってることだ」

    「望むところだ!」

     ダルマとカラシ、2人は再戦を約束した。するともう1度スタジアムからスタンディングオベーションの嵐が起こる。

    「さて、そろそろ故郷に帰らせてもらうぜ。たまには家に顔を出さないとな」

     カラシはそう言い残すと、ボルテージが最高潮の中出口へと歩き出した。そんな彼に、ダルマはこの言葉を送るのであった。

    「か、カラシ! まだ3位決定戦が残っているぞ!」



    ・次回予告

    泣いても笑っても、今度こそ最後の勝負。それはすなわち、ダルマの旅の終わりをも意味する。苦しいことも楽しいこともあったこの旅に、彼は有終の美を飾れるのか。次回、第85話「ポケモンリーグ決勝戦」。ダルマの明日はどっちだっ。


    ・あつあ通信vol.65

    ガラガラとカモネギの戦い……遂に実現しました。まるで宮本武蔵と佐々木小次郎ですね。持ち物とか技とかも意識してみました。しかし素早さ無視をしてしまい、ゲームに忠実なバトルが破綻。2連続で当たらなかったと考えれば良いのでしょうが、いささか違和感が残ってしまう。バトルの難しい点です。

    ダメージ計算は、レベル50、6V、キマワリ@メガネ臆病特攻素早振り、カモネギ@長ネギ陽気攻撃素早振り。キュウコンに対して腹太鼓ガラガラの骨ブーメランが、1発目で626〜738、2発食らうと1252〜1476もの規格外のダメージ。これなんてマダンテ? キマワリは半減にもかかわらず、1発目で198〜233、2発食らうと396〜466で確定1発(キマワリのHPは150)。最後のカモネギのリーフブレードは体力半減ガラガラを中乱数で仕留めます。

    さて、次はいよいよ決勝戦。ポケモンリーグの優勝者は、その後の結末は。そもそも相手は誰なんだ。私も全力を尽くしますので、どうか最後までお付き合いください。

    あつあ通信vol.65、編者あつあつおでん


      [No.774] 幼馴染にバトルサブウェイに強制連行されているんだが 投稿者:久方小風夜   投稿日:2011/10/15(Sat) 04:11:49     115clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    幼馴染にバトルサブウェイに強制連行されているんだが




    1:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 16:21:46.32 ID:OtmR-M@stEr
      正直帰りたい

    2:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 16:22:59.19 ID:be:LL/Oui!]
      これから挑戦?

    3:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 16:24:35.61 ID:OtmR-M@stEr
      そう。スーパーのマルチ
      今幼馴染がポケモン選んでる。俺の手持ちも勝手に決めてる

    4:名無しの王様さん:2011/10/13(木) 16:26:46.04 ID:pUR&In0c_NT
      一緒に戦うトモダチくらい選ばせてほしいよね

    5:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 16:28:30.57 ID:OtmR-M@stEr
      >>4
      戦略があるからとか何とか
      1人でダブルやってろ俺を巻き込むなと

    6:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 16:28:46.08 ID:MgAnE1inCh0
      男? 女?

    7:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 16:30:55.28 ID:OtmR-M@stEr
      >>6
      女
      俺は男

    8:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 16:31:20.04 ID:MgAnE1inCh0
      >>7
      リア充爆発しろ

    9:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 16:31:51.39 ID:be:LL/Oui!]
      >>5
      >>1と一緒にトレイン行きたかったのかなぁ

    10:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 16:30:55.28 ID:OtmR-M@stEr
      >>8
      ないわー
      アイツとだけは絶対ないわー

    11:名無しの王様さん:2011/10/13(木) 16:31:29.42 ID:pUR&In0c_NT
      それにしてもサブウェイに挑戦するにはちょっと遅い時間だね

    12:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 16:32:59.11 ID:OtmR-M@stEr
      >>11
      急に思い立ったんだと
      こっちとしては本当いい迷惑だわ

    13:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 16:33:09.41 ID:OtmR-M@stEr
      あっやべっ

    14:名無しの王様さん:2011/10/13(木) 16:33:31.21 ID:pUR&In0c_NT
      !?

    15:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 16:33:53.39 ID:be:LL/Oui!]
      >>11
      どうしたの!?

    16:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 16:33:56.92 ID:MgAnE1inCh0
      >>11
      何があった?

    17:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 16:34:41.45 ID:OtmR-M@stEr
      ここに書き込んでるのバレたwww

    18:名無しの王様さん:2011/10/13(木) 16:35:43.01 ID:pUR&In0c_NT
      あーあwww

    19:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 16:36:29.10 ID:MgAnE1inCh0
      やっちまったなwww

    20:名無しの外道さん:2011/10/13(木) 16:37:57.21 ID:deAtH_tMo!\
      〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 終 了 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

    19:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 16:39:36.91 ID:OtmR-M@stEr
      「またスレ立てしてるのか。また安価メールとか送ってきたらぶっ殺す」だそうだ
      トレインでのバトルを細かく実況するなら許すって
      本当かわいくねぇこいつ

    20:名無しの王様さん:2011/10/13(木) 16:39:59.81 ID:pUR&In0c_NT
      また?

    21:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 16:41:10.28 ID:MgAnE1inCh0
      おいお前、昔化け物レベルの幼馴染にオタマロ6匹で勝ったことあるだろ

    22:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 16:41:58.29 ID:OtmR-M@stEr
      >>21
      なぜばれたし

    23:名無しの外道さん:2011/10/13(木) 16:42:48.21 ID:deAtH_tMo!\
      >>22
      あいつか!!

    24:名無しの王様さん:2011/10/13(木) 16:42:49.51 ID:pUR&In0c_NT
      >>22
      >>1久しぶりwww

    25:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 16:43:00.18 ID:be:LL/Oui!]
      >>22
      あの人かぁ!
      じゃあもしかして幼馴染って……

    26:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 16:43:55.29 ID:OtmR-M@stEr
      >>25
      おう、あの時の化け物だ

      電車来たから行ってくるな
      仕方ないから実況するわ

    27:名無しの王様さん:2011/10/13(木) 16:44:29.51 ID:pUR&In0c_NT
      いってら

    28:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 16:45:29.51 ID:MgAnE1inCh0
      >>1はオタマロ・マッギョ・モロバレルあたりで挑戦すべき





         ・

         ・

         ・

         ・

         ・





    105:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 21:49:26.21 ID:OtmR-M@stEr
      ライモン帰還ー
      というわけで20戦目で挑戦終了

      幼馴染より「サブウェイクオリティ爆発しろ」とのことです
      まぁ確かに一撃必殺が連続で当たるとやる気なくなるわー

    106:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 21:49:58.27 ID:MgAnE1inCh0
      乙
      すっかり夜も更けたな

    107:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 21:51:37.73 ID:be:LL/Oui!]
      >>1と幼馴染さんお疲れ様ー
      あと1勝でサブマスかー惜しかったねー

    108:名無しの王様さん:2011/10/13(木) 21:52:42.18 ID:pUR&In0c_NT
      >>1乙ー
      2回目の休憩のときに夕飯食べてたデリカはどこにあるんだっけ? 気になる

    109:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 21:53:59.52 ID:OtmR-M@stEr
      >>108
      14勝後のホーム
      あそこのポテトまじ美味い。揚げたて最高
      2人ともひたすらポテト食ってたわ

    110:名無しの外道さん:2011/10/13(木) 21:55:27.49 ID:deAtH_tMo!\
      ポテトなんてどこで食っても同じじゃないか?

    111:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 21:55:38.95 ID:OtmR-M@stEr
      >>110
      屋上

    112:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 21:55:39.26 ID:MgAnE1inCh0
      >>110
      屋上

    113:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 21:55:43.95 ID:be:LL/Oui!]
      >>110
      屋上

    114:名無しの王様さん:2011/10/13(木) 21:55:59.28 ID:pUR&In0c_NT
      >>110
      屋上


    116:名無しの車掌さん:2011/10/13(木) 21:56:39.40 ID:SuPErbR@v0!
      仕事が暇になったので来ました
      あそこのポテトはおいしいですね

      >>110
      屋上

    117:名無しの車掌さん:2011/10/13(木) 21:56:39.40 ID:@LL-Sm\ILe!
      お仕事お休みになっちゃったー
      あそこのポテトおいしいよねえ

      >>110
      屋上

    115:名無しの外道さん:2011/10/13(木) 21:58:56.30 ID:deAtH_tMo!\
      >>111-117
      一体何がお前たちをそこまで駆り立てるんだ

    118:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 21:59:12.19 ID:be:LL/Oui!]
      >>1と幼馴染さんはこれからどうするの? 再挑戦?

    119:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 22:00:59.91 ID:OtmR-M@stEr
      うわもう10時じゃん

      >>118
      俺はもう帰る
      幼馴染は折角だから今からカナワに行くってさ
      ライトアップされてる電車見るんだってよ

    120:名無しの車掌さん:2011/10/13(木) 22:02:52.17 ID:SuPErbR@v0!
      いいですね。今日は確かフリーゲージでしたか

    121:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 22:03:29.14 ID:OtmR-M@stEr
      うわタイミング悪い、電車行ったばっかじゃん
      次のカナワ行き30分後じゃねぇか

    122:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 22:04:58.17 ID:be:LL/Oui!]
      えっもっと頻繁に来なかったっけ電車

    123:名無しの車掌さん:2011/10/13(木) 22:05:23.42 ID:SuPErbR@v0!
      もう夜ですし、日曜以外は本数を減らしていますね

    124:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 22:05:56.41 ID:MgAnE1inCh0
      >日曜以外は本数を減らしていますね
      そうなのか……知らんかった

    125:名無しの王様さん:2011/10/13(木) 22:06:18.50 ID:pUR&In0c_NT
      >日曜以外は本数を減らしていますね
      ちょ、初耳なんだけどそれ

    126:名無しの外道さん:2011/10/13(木) 22:06:21.94 ID:deAtH_tMo!\
      >>123
      何……だと……?

    127:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 22:06:51.30 ID:be:LL/Oui!]
      >>123
      平日ってそんなに本数少なかったんだ……

    128:名無しの車掌さん:2011/10/13(木) 22:07:51.73 ID:@LL-Sm\ILe!
      日曜以外カナワ行かない人多すぎだろオイ

    128:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 22:09:32.85 ID:OtmR-M@stEr
      あれ?

    129:名無しの王様さん:2011/10/13(木) 22:10:53.83 ID:pUR&In0c_NT
      >>1どうかした?

    130:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 22:11:33.44 ID:OtmR-M@stEr
      何か、時刻表にない電車が来たんだけど……

    131:名無しの車掌さん:2011/10/13(木) 22:11:55.77 ID:SuPErbR@v0!
      えっ?

    132:名無しの車掌さん:2011/10/13(木) 22:11:55.77 ID:@LL-Sm\ILe!
      えっ?

    133:名無しの王様さん:2011/10/13(木) 22:12:42.19 ID:pUR&In0c_NT
      なにそれこわい

    134:名無しの車掌さん:2011/10/13(木) 22:13:52.17 ID:@LL-Sm\ILe!
      いやいやおかしいって
      こんな時間に電車ないよ?

    135:名無しの車掌さん:2011/10/13(木) 22:13:55.78 ID:SuPErbR@v0!
      おかしいですね
      今日は臨時の電車もないはず

    136:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 22:15:29.71 ID:OtmR-M@stEr
      しかも何か変な電車だったわ
      妙にレトロと言うか
      中も暗かったし

    137:名無しの外道さん:2011/10/13(木) 22:17:32.84 ID:deAtH_tMo!\
      >>130>>136
      どう考えても罠です本当に(ry

    138:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 22:18:48.26 ID:MgAnE1inCh0
      乗るなよ? 絶対乗るなよ?


      いや振りじゃなくってマジで

    139:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 22:19:52.17 ID:OtmR-M@stEr

      もうあいつ乗って行ったわ……



    140:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 22:20:52.19 ID:be:LL/Oui!]
      >>139
      いやあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ

    141:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 22:20:53.26 ID:MgAnE1inCh0
      ちょ、何で乗ったし

      お前も何で乗せたし

    142:名無しの王様さん:2011/10/13(木) 22:21:05.51 ID:pUR&In0c_NT
      >もうあいつ乗って行ったわ……

      >もうあいつ乗って行ったわ……

      >もうあいつ乗って行ったわ……


      (((((((;゜Д゜))))))

    143:名無しの外道さん:2011/10/13(木) 22:21:15.29 ID:deAtH_tMo!\
      な ぜ 乗 っ た

    144:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 22:23:41.69 ID:OtmR-M@stEr
      >>141
      >>143
      俺だって止めたよ
      だって明らかに怪しいし

      でもあいつ聞かねぇんだもん
      早く来たラッキー☆ とか言って

    145:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 22:24:41.24 ID:be:LL/Oui!]
      やだ怖い怖い怖い怖い

    146:名無しの王様さん:2011/10/13(木) 22:24:43.28 ID:pUR&In0c_NT
      とりあえず電話してみようよ

    147:名無しの車掌さん:2011/10/13(木) 22:25:41.84 ID:SuPErbR@v0!
      安否確認は重要ですね

    148:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 22:27:04.29 ID:OtmR-M@stEr
      駄目だライブキャスターつながらない……

    149:名無しの王様さん:2011/10/13(木) 22:27:19.26 ID:pUR&In0c_NT
      ちょ

    150:名無しの車掌さん:2011/10/13(木) 22:27:20.39 ID:@LL-Sm\ILe!
      えっ

    151:名無しの車掌さん:2011/10/13(木) 22:27:48.21 ID:SuPErbR@v0!
      何ですって

    152:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 22:28:52.39 ID:MgAnE1inCh0
      おいおいどうせ釣りなんだろ
      その辺でやめとけよ



      頼むから釣りだと言ってくれよマジで

    153:名無しの外道さん:2011/10/13(木) 22:29:41.82 ID:deAtH_tMo!\
      さ あ 、 も り あ が っ
                        て
                           ま
                             い
                               り
                                ま
                                 し
                                 た

    154:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 22:29:48.27 ID:be:LL/Oui!]
      ( ゜д゜)ポカーン

      (( ;゜д゜))アワワワワ

      (((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル

      (((((((( ;゜Д゜)))))))ガクガクブルブルガタガタブルガタガクガクガクガクガク

    155:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 22:30:42.10 ID:OtmR-M@stEr
     どうしよう
     さすがに心配になってきた

    156:名無しの廃人さん:2011/10/13(木) 22:30:43.29 ID:Un1r@n/L0vE
      a

    157:名無しの王様さん:2011/10/13(木) 22:30:53.05 ID:pUR&In0c_NT
      !

    158:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 22:31:29.38 ID:be:LL/Oui!]
      ( ゜д゜)!

    159:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 22:31:34.95 ID:OtmR-M@stEr
      おっ

    160:名無しの廃人さん:2011/10/13(木) 22:32:42.19 ID:Un1r@n/L0vE
      えっと、このスレで合ってる?
      オタマロ野郎の幼馴染だけど

    161:名無しの王様さん:2011/10/13(木) 22:32:53.20 ID:pUR&In0c_NT
      キタ―――――(゜∀゜)―――――っ!!

    162:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 22:33:00.28 ID:be:LL/Oui!]
      幼馴染さんキターっ!!
      生きてたーっ!!

    163:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 22:33:06.51 ID:MgAnE1inCh0
      化け物さん生きてたか!
      よかったよかった

    164:名無しの車掌さん:2011/10/13(木) 22:33:16.38 ID:SuPErbR@v0!
      無事で何よりです
      今どちらに?

    165:名無しの車掌さん:2011/10/13(木) 22:33:38.26 ID:@LL-Sm\ILe!
      わーよかったー
      みんな心配してたんだよー

    166:名無しの外道さん:2011/10/13(木) 22:33:59.37 ID:deAtH_tMo!\
      で、化け物……いや、>>160はまだ電車の中なのだろうか

    167:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 22:34:00.05 ID:OtmR-M@stEr
      何だ生きてたのか

    168:名無しの廃人さん:2011/10/13(木) 22:35:49.28 ID:Un1r@n/L0vE
      >>163
      >>166
      誰が化け物だコラ(#^ω^)

      >>164
      電車の中
      でも何か異様な雰囲気

      >>167
      死ね

    169:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 22:36:17.05 ID:OtmR-M@stEr
      >>168
      うるせぇオタマロぶつけんぞ

    170:名無しの廃人さん:2011/10/13(木) 22:36:42.94 ID:Un1r@n/L0vE
      >>169
      黙れあれは私の人生最大の汚点だ

    171:名無しの車掌さん:2011/10/13(木) 22:36:51.28 ID:SuPErbR@v0!
      >>168
      異様な雰囲気とは?

    172:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 22:37:38.74 ID:OtmR-M@stEr
      >>170
      現実から目を逸らせるんじゃない

    173:名無しの廃人さん:2011/10/13(木) 22:38:08.51 ID:Un1r@n/L0vE
      >>172
      お前帰ったら覚えてろ

      >>171
      カナワ行きの特急って半地下だよね? 割と早いところで地上に出るよね?

    174:名無しの車掌さん:2011/10/13(木) 22:38:52.28 ID:@LL-Sm\ILe!
      >>173
      そうだよーほとんど地上だよー

    175:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 22:38:55.62 ID:MgAnE1inCh0
      >>1に死亡フラグが立った





      リア充爆ぜろ

    176:名無しの廃人さん:2011/10/13(木) 22:39:49.30 ID:Un1r@n/L0vE
      とっくに地上に出てるはずだけど暗い
      何か窓の外から黒い布張られてるみたいな感じ?
      電車の走る音もしてなくてすごい静か
      でも時折変な放送がかかる
      多分次の停車駅
      よく聞き取れないけどカナワじゃない

    177:名無しの外道さん:2011/10/13(木) 22:39:49.76 ID:deAtH_tMo!\
      >>1、骨くらいは拾ってやる

    178:名無しの王様さん:2011/10/13(木) 22:39:59.28 ID:pUR&In0c_NT
      >>176
      ちょ、待って

    179:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 22:48:20.17 ID:be:LL/Oui!]
      >>176
      もうやめてよぉ!(´;Д;`)

    180:名無しの車掌さん:2011/10/13(木) 22:49:51.20 ID:SuPErbR@v0!
      >>176
      震えが止まらない
      >>160さんは一体今どちらにいらっしゃるのでしょうか?

    181:名無しの車掌さん:2011/10/13(木) 22:51:42.29 ID:@LL-Sm\ILe!
      カナワ行きの特急って確か他の停車駅ないよね
      直通だよね
      車庫への分かれ道はあるけど、この時間は行かないはずだし

      ……
      >>160何に乗ってるの?

    182:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 22:51:57.55 ID:MgAnE1inCh0
      異次元か
      これが異次元なのか

    183:名無しの王様さん:2011/10/13(木) 22:52:49.46 ID:pUR&In0c_NT
      >>182
      何それ行きたい

    184:名無しの外道さん:2011/10/13(木) 22:53:39.54 ID:deAtH_tMo!\
      >>183
      つ【カナワ行きチケット】

    185:名無しの廃人さん:2011/10/13(木) 22:55:28.22 ID:Un1r@n/L0vE
      あ

      停まった

    186:名無しの廃人さん:2011/10/13(木) 22:55:45.28 ID:Un1r@n/L0vE


      おい ここ どこだよ



    187:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 22:56:49.21 ID:OtmR-M@stEr
      降りたのか?

    188:名無しの廃人さん:2011/10/13(木) 22:56:59.95 ID:Un1r@n/L0vE
      >>187
      降りた

    189:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 22:57:47.53 ID:MgAnE1inCh0
      なぜ降りたし

    190:名無しの王様さん:2011/10/13(木) 22:59:15.02 ID:pUR&In0c_NT
      いや、わからないことを確かめるのは大事

      いやでも怖いねすごく怖い((((((;゜Д゜)))))

    191:名無しの車掌さん:2011/10/13(木) 23:00:35.57 ID:SuPErbR@v0!
      >>186
      駅の様子はいかがですか
      まだ電車は停まっていますか

    192:名無しの廃人さん:2011/10/13(木) 23:01:52.91 ID:Un1r@n/L0vE
      >>191
      すごい静か
      人もポケモンも何もいない
      駅舎はぼろいというか何かレトロ
      いつの時代? って感じ

      電車行っちゃった

    193:名無しの外道さん:2011/10/13(木) 23:03:49.37 ID:deAtH_tMo!\
      一体どこなんだそこは

    194:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 23:05:44.39 ID:be:LL/Oui!]
      >>160さんこっちの世界に帰ってきてー(´;Д;`)

    195:名無しの車掌さん:2011/10/13(木) 23:06:39.21 ID:@LL-Sm\ILe!
      駅名の看板は?
      前後の駅も書いてあるかも

    196:名無しの廃人さん:2011/10/13(木) 23:08:51.22 ID:Un1r@n/L0vE
      看板あった
      「グンチョウ」って書いてある
      誰か知ってる?

      前後の駅名は書いてないなあ

    197:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 23:10:23.92 ID:MgAnE1inCh0
      群鳥?

    198:名無しの王様さん:2011/10/13(木) 23:11:51.62 ID:pUR&In0c_NT
      多分群蝶かな
      群蝶紋様ってあるよね

    199:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 23:12:44.49 ID:be:LL/Oui!]
      えっ何それかわいい

    200:名無しの外道さん:2011/10/13(木) 23:14:55.23 ID:deAtH_tMo!\
      紋様か
      他の町と法則は同じだな
      グンチョウタウン(シティ)……現在にも過去にも記憶にないが

    201:名無しの車掌さん:2011/10/13(木) 23:16:41.08 ID:@LL-Sm\ILe!
      前後の駅名ないってどういうこと?
      その駅名も聞いたことないよ

    202:名無しの王様さん:2011/10/13(木) 23:16:48.39 ID:pUR&In0c_NT
      ランダム配置の紋様って美しさを感じないなあ

    203:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 23:17:30.22 ID:OtmR-M@stEr
      黙れ数式厨

    204:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 23:18:10.49 ID:MgAnE1inCh0
      >>196
      何かバタフリーとかアゲハントとかがわらわらしてそうな名前だな

    205:名無しの廃人さん:2011/10/13(木) 23:20:51.00 ID:Un1r@n/L0vE
      >>204
      まぁいないけどね
      夜だし、そもそもポケモンが全然見当たらない
      いつもなら明かりに群がってくるモルフォンとかガーメイルもいない
      ウルガモスたんに会いたいよう一緒に廃人ロードをかっとばしたいよう

    206:名無しの王様さん:2011/10/13(木) 23:21:56.62 ID:pUR&In0c_NT
      廃人ロードって?

    207:名無しの廃人さん:2011/10/13(木) 23:22:05.27 ID:Un1r@n/L0vE
      >>206
      夢の架け橋

    208:名無しの車掌さん:2011/10/13(木) 23:22:38.36 ID:SuPErbR@v0!
      >>206
      男の浪漫

    209:名無しの車掌さん:2011/10/13(木) 23:22:38.52 ID:@LL-Sm\ILe!
      >>206
      風になる場所

    210:名無しの外道さん:2011/10/13(木) 23:22:49.71 ID:deAtH_tMo!\
      >>206
      勝ち組養成所

    211:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 23:23:00.31 ID:MgAnE1inCh0
      >>206
      プラズマ団ホイホイ

    212:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 23:23:37.21 ID:be:LL/Oui!]
      >>206
      大腿筋のトレーニング場?

    213:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 23:23:57.55 ID:OtmR-M@stEr
      >>206
      やめとけ
      お前にはまだ早い

    214:名無しの王様さん:2011/10/13(木) 23:25:00.38 ID:pUR&In0c_NT
      >>207-213
      (´・ω・`)……。

    215:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 23:27:41.82 ID:OtmR-M@stEr
      おいそんなことより聞いてくれ
      ちょっと調べてきたんだけど

      群 蝶 っ て 不 吉 の 象 徴 ら し い

      何でも昔の人は蝶を人の魂を運ぶものと考えていたとか
      ってことは蝶の群れってのは……

    216:名無しの外道さん:2011/10/13(木) 23:27:52.35 ID:deAtH_tMo!\
      >>215
      おい

    217:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 23:28:18.44 ID:be:LL/Oui!]
      >>215
      やめてよぅ(;Д;)

    218:名無しの車掌さん:2011/10/13(木) 23:29:48.33 ID:SuPErbR@v0!
      >>215
      なるほど……
      ということは>>160さんのいらっしゃるところはまさか……

    219:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 23:30:32.29 ID:MgAnE1inCh0
      わかった
      とにかく優先すべきことはそこから一刻も早く逃げることだな

    220:名無しの車掌さん:2011/10/13(木) 23:30:43.84 ID:@LL-Sm\ILe!
      >>215
      わー何か寒気してきたーgkbr

    221:名無しの王様さん:2011/10/13(木) 23:33:52.10 ID:pUR&In0c_NT
      空を飛ぶか、穴を掘るか、テレポートするか……
      とにかく脱出方法を考えよう

    222:名無しの廃人さん:2011/10/13(木) 23:35:59.53 ID:Un1r@n/L0vE
      とりあえず今の状況ね

      タウンマップ→「???」と表示されて詳しいこと不明
      ライブキャスター→つながらない
      携帯→電波弱いけど何とかつながる。スレ見てるから通話とメールはできない
      手持ち→サブウェイメンバー(ドレディア・ヒヒダルマ)とユニラン

      空も飛べないし、もしかしなくても積んでるかも
      このスレが最後の生命線みたい

      怖くなってきた

    223:名無しの外道さん:2011/10/13(木) 23:36:40.44 ID:deAtH_tMo!\
      その絶望した顔を見たい

    224:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 23:37:16.68 ID:MgAnE1inCh0
      >>223
      黙れ変態

    225:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 23:37:30.22 ID:be:LL/Oui!]
      >>223
      おまわりさんこっちです

    226:名無しの王様さん:2011/10/13(木) 23:37:48.41 ID:pUR&In0c_NT
      >>223
      うわぁ……

    227:名無しの車掌さん:2011/10/13(木) 23:37:55.10 ID:@LL-Sm\ILe!
      どう考えてもユニランが最後の癒し

    228:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 23:38:39.03 ID:OtmR-M@stEr
      (・◇・)

    229:名無しの廃人さん:2011/10/13(木) 23:40:32.22 ID:Un1r@n/L0vE
      ユニランを抱きしめてみた
      ちょっと安心した
      泣きそう

    230:名無しの車掌さん:2011/10/13(木) 23:41:49.06 ID:SuPErbR@v0!
      気をしっかり持って
      皆さんがついていますよ

    231:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 23:41:58.52 ID:be:LL/Oui!]
      >>229
      泣かないでー!

    232:名無しの王様さん:2011/10/13(木) 23:42:23.51 ID:pUR&In0c_NT
      >>160にユニランを山ほど届ける簡単なお仕事
      (・◇・)

    233:名無しの車掌さん:2011/10/13(木) 23:43:01.18 ID:SuPErbR@v0!
      >>232
      なるほど
      (・◇・)

    234:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 23:43:29.30 ID:be:LL/Oui!]
      (・◇・)

    235:名無しの外道さん:2011/10/13(木) 23:43:42.06 ID:deAtH_tMo!\
      (・◇・)

    236:名無しの車掌さん:2011/10/13(木) 23:44:01.60 ID:@LL-Sm\ILe!
      (・◇・)(・◇・)

    237:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 23:44:40.32 ID:MgAnE1inCh0
      (・◇・)

    238:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 23:45:43.21 ID:OtmR-M@stEr
      (・◇・)(・◇・)(・◇・)(・◇・)( ・´ー`・)(・◇・)(・◇・)(・◇・)

    239:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 23:47:08.36 ID:MgAnE1inCh0
      >>238
      おいオタマロ混ぜんなwww

    240:名無しの廃人さん:2011/10/13(木) 23:48:27.33 ID:Un1r@n/L0vE
      >>232-237
      みんなありがとう(;ω;`)

      >>238
      お前後で覚えてろ

    241:名無しの王様さん:2011/10/13(木) 23:50:42.29 ID:pUR&In0c_NT
      もうすぐ日付が変わるね……

    242:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 23:51:10.39 ID:be:LL/Oui!]
      >>160さん大丈夫? 寒くない?

    243:名無しの廃人さん:2011/10/13(木) 23:52:55.30 ID:Un1r@n/L0vE
      >>242
      大丈夫、ありがとう(;ω;`)

      とりあえず、線路をたどって歩いて帰ることにするよ
      怖くなったらみんながくれたユニランたち抱きしめる

    244:名無しの外道さん:2011/10/13(木) 23:53:39.02 ID:deAtH_tMo!\
      このまま駅で夜を明かした方がいいような気もするが

    245:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 23:54:42.20 ID:MgAnE1inCh0
      いやでも>>160は一刻も早く帰りたいだろう
      一晩は怖すぎる

    246:名無しのトレーナーさん:2011/10/13(木) 23:55:09.21 ID:OtmR-M@stEr
      >>245
      そもそも夜が明けるという保証がない

    247:名無しの王様さん:2011/10/13(木) 23:55:42.96 ID:pUR&In0c_NT
      >>246
      ぞわっとした

    248:名無しの車掌さん:2011/10/13(木) 23:56:05.53 ID:SuPErbR@v0!
      暗いでしょうから足元にお気をつけて

    249:名無しの廃人さん:2011/10/13(木) 23:57:35.21 ID:Un1r@n/L0vE
      ここ来るまでにトンネルなんてあったっけなぁ
      窓の外暗かったからわかんない

    250:名無しの車掌さん:2011/10/13(木) 23:59:31.29 ID:@LL-Sm\ILe!
      夜のトンネルは怖いね
      ボクは苦手

    251:名無しの王様さん:2011/10/13(木) 23:59:57.29 ID:pUR&In0c_NT
      トンネルかぁ
      何か嫌な感じだね

    252:名無しの外道さん:2011/10/14(金) 00:00:26.38 ID:SzNDrAin0Ti
      日付超えたな
      ID変わったか

    251:名無しの廃人さん:2011/10/14(金) 00:00:52.28 ID:ILosT/MywAY
      うわトンネルの中暗いなぁ
      怖い

      あ、>>160です

    252:名無しのトレーナーさん:2011/10/14(金) 00:01:48.42 ID:D0.YAa@aaa-
      深夜になると危ないな
      色んな意味で

      >>1は俺です

    253:名無しの廃人さん:2011/10/14(金) 00:02:33.39 ID:ILosT/MywAY
      何かどっかから音楽が聴こえてくる……
      民族的な……太鼓とか……

    254:名無しのトレーナーさん:2011/10/14(金) 00:03:58.20 ID:MuN[nA_Mfmf
      怖いってばー もう怖いってばー(;Д;)

    255:名無しのトレーナーさん:2011/10/14(金) 00:04:20.59 ID:HaGEtk_N@i!
      振り返るなよ
      フリじゃないからなマジで

      マジで

    256:名無しの車掌さん:2011/10/14(金) 00:05:51.19 ID:KdASi/m@sI!
      トンネルを歩いている間に電車が来なければよいのですが……

    257:名無しの王様さん:2011/10/14(金) 00:07:32.05 ID:D@n.0_Ni/!!
      トンネル抜けるまで>>160にユニランを送ろう
      (・◇・)

    258:名無しの車掌さん:2011/10/14(金) 00:08:45.58 ID:kaTec\H@tTa
      支援ー
      (・◇・)

    259:名無しのトレーナーさん:2011/10/14(金) 00:09:18.26 ID:MuN[nA_Mfmf
      (・◇・)(・◇・)

    260:名無しの外道さん:2011/10/14(金) 00:09:47.41 ID:SzNDrAin0Ti
      厳選余りですまないが
      (・◇・)(・◇・)(・◇・)(・◇・)(・◇・)
      (・◇・)(・◇・)(・◇・)(・◇・)(・◇・)
      (・◇・)(・◇・)(・◇・)(・◇・)(・◇・)

    260:名無しのトレーナーさん:2011/10/14(金) 00:10:45.38 ID:HaGEtk_N@i!
      ユニランがゲシュタルト崩壊してきたwww

      (・◇・)(・◇・)

    261:名無しのトレーナーさん:2011/10/14(金) 00:11:22.33 ID:MuN[nA_Mfmf
      (・◇・)(・◇・)(・◇・)(・◇・)

    262:名無しの車掌さん:2011/10/14(金) 00:11:52.29 ID:KdASi/m@sI!
      次はランクルスを育てましょうか
      (・◇・)(・◇・)(・◇・)(・◇・)

    263:名無しのトレーナーさん:2011/10/14(金) 00:11:59.28 ID:D0.YAa@aaa-
      (・◇・)( ・´ー`・)(・◇・)

    264:名無しのトレーナーさん:2011/10/14(金) 00:13:05.57 ID:HaGEtk_N@i!
      >>263
      もはや安定のオタマロ

    265:名無しの廃人さん:2011/10/14(金) 00:16:52.29 ID:ILosT/MywAY
      トンネルの出口が見えてきた
      不思議な音楽まだ聞こえる
      みんなユニランいっぱいありがとう
      >>1は爆ぜろ

    266:名無しの王様さん:2011/10/14(金) 00:20:08.58 ID:D@n.0_Ni/!!
      >>160が早く他の人に出会えますように
      祈念ユニラン(・◇・)

    267:名無しのトレーナーさん:2011/10/14(金) 00:22:44.66 ID:MuN[nA_Mfmf
      >>160がこっちに戻ってくれますように
      (・◇・)(・◇・)(・◇・)

    268:名無しの廃人さん:2011/10/14(金) 00:25:58.30 ID:ILosT/MywAY
      トンネル抜けたら人がいた!

    269:名無しの車掌さん:2011/10/14(金) 00:26:04.48 ID:kaTec\H@tTa
      >>268
      お!

    270:名無しのトレーナーさん:2011/10/14(金) 00:26:52.28 ID:MuN[nA_Mfmf
      >>268
      よかったー!

    271:名無しの王様さん:2011/10/14(金) 00:26:56.62 ID:D@n.0_Ni/!!
      >>268
      祈念ユニランした甲斐があった

    272:名無しのトレーナーさん:2011/10/14(金) 00:27:00.01 ID:D0.YAa@aaa-
      いやちょっと待て
      それは本当に普通の人間なのか

    273:名無しの車掌さん:2011/10/14(金) 00:27:16.69 ID:KdASi/m@sI!
      >>268
      とりあえず一安心ですね

    274:名無しの外道さん:2011/10/14(金) 00:27:59.32 ID:SzNDrAin0Ti

      >>268
      無事で何よりだ

    275:名無しのトレーナーさん:2011/10/14(金) 00:28:55.59 ID:HaGEtk_N@i!
      みんなが安心する中
      1人だけ怖いことをいう>>1

    276:名無しの王様さん:2011/10/14(金) 00:29:47.28 ID:D@n.0_Ni/!!
      >>272
      !!

    277:名無しの廃人さん:2011/10/14(金) 00:30:05.59 ID:ILosT/MywAY
      町まで車で送ってくれるって
      親切な人でよかった

    278:名無しのトレーナーさん:2011/10/14(金) 00:30:51.87 ID:MuN[nA_Mfmf
      >>277
      ちょっと待って

    279:名無しのトレーナーさん:2011/10/14(金) 00:31:37.45 ID:HaGEtk_N@i!
      >>277
      待て! 乗るな!

    280:名無しの車掌さん:2011/10/14(金) 00:31:48.49 ID:kaTec\H@tTa
      >>277
      乗っちゃダメえぇ!!

    281:名無しの廃人さん:2011/10/14(金) 00:33:37.47 ID:ILosT/MywAY
      何か、変な方向に向かってる気がする……
      不思議な音楽まだ聞こえる
      大きくなってる気がする

    282:名無しの外道さん:2011/10/14(金) 00:34:03.39 ID:SzNDrAin0Ti
      >>281
      おい降りろ
      今すぐ降りろ

    283:名無しのトレーナーさん:2011/10/14(金) 00:34:48.94 ID:HaGEtk_N@i!
      >>281
      どう見ても連れ去られてる
      あの世に

    284:名無しの車掌さん:2011/10/14(金) 00:35:47.38 ID:KdASi/m@sI!
      >>281
      蝶の群れの一部になれと
      そういうことなのでしょうか……?

    285:名無しの廃人さん:2011/10/14(金) 00:37:49.57 ID:ILosT/MywAY
      停まってくれない
      降りたい
      助けて

    286:名無しの王様さん:2011/10/14(金) 00:38:51.18 ID:D@n.0_Ni/!!
      (((((((;゜Д゜))))))

    287:名無しのトレーナーさん:2011/10/14(金) 00:40:52.53 ID:D0.YAa@aaa-
      何か除霊できるようなものを
      塩とか煙草とか

    288:名無しの車掌さん:2011/10/14(金) 00:41:37.49 ID:kaTec\H@tTa
      きよめのおふだは?

    289:名無しの廃人さん:2011/10/14(金) 00:43:49.55 ID:ILosT/MywAY
      きよめのおふだない
      のろいのおふだしかない

    290:名無しのトレーナーさん:2011/10/14(金) 00:44:45.54 ID:HaGEtk_N@i!
      >>289
      逆効果そうだな……

    291:名無しの廃人さん:2011/10/14(金) 00:47:25.98 ID:ILosT/MywAY
      どうしよう
      とりあえず、カバンの中にしろいビードロがあったから吹いてみる

    292:名無しのトレーナーさん:2011/10/14(金) 00:48:42.89 ID:D0.YAa@aaa-
      なぜにビードロw

    293:名無しの王様さん:2011/10/14(金) 00:49:42.65 ID:D@n.0_Ni/!!
      魔よけになるのかなぁ

    294:名無しの車掌さん:2011/10/14(金) 00:51:51.25 ID:KdASi/m@sI!
      まさに藁をもつかむ思いですね
      効果がありますように(-人-)

    295:名無しの車掌さん:2011/10/14(金) 00:52:39.54 ID:kaTec\H@tTa
      ペコポコ! ペコポコ!

    296:名無しのトレーナーさん:2011/10/14(金) 00:54:12.50 ID:MuN[nA_Mfmf
      ぺ、ペコポコ! ペコポコ!(;ω;`)

    297:名無しの廃人さん:2011/10/14(金) 00:57:25.39 ID:ILosT/MywAY
      あれ
      何か視界が歪んd

    298:名無しの外道さん:2011/10/14(金) 00:58:02.26 ID:SzNDrAin0Ti
      >>297
      !!?

    299:名無しのトレーナーさん:2011/10/14(金) 00:59:55.38 ID:MuN[nA_Mfmf
      うわあああぁぁぁぁぁぁぁ
      >>160さあぁぁぁぁぁぁん

    300:名無しのトレーナーさん:2011/10/14(金) 01:00:53.39 ID:HaGEtk_N@i!
      おい!
      >>160どこ行った!?
      おおおおおぉぉぉぉぉぉい!!

    301:名無しの王様さん:2011/10/14(金) 01:00:58.55 ID:D@n.0_Ni/!!
      ( ゜д゜)ポカーン

      (( ;゜д゜))アワワワワ

      (((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル

      (((((((( ;゜Д゜)))))))ガクガクブルブルガタガタブルガタガクガクガクガクガク

    302:名無しの車掌さん:2011/10/14(金) 01:01:01.01 ID:kaTec\H@tTa
      え
      どうしちゃったの

      ちょっと

    303:名無しのトレーナーさん:2011/10/14(金) 01:01:29.69 ID:D0.YAa@aaa-
      おいおいマジかよ……
      何があったんだ……

    304:名無しのトレーナーさん:2011/10/14(金) 01:04:49.21 ID:MuN[nA_Mfmf
      もうやだ
      こわい

    305:名無しのトレーナーさん:2011/10/14(金) 01:06:30.39 ID:HaGEtk_N@i!
      正直泣きそうだ
      というかスマン泣いてる

    306:名無しの王様さん:2011/10/14(金) 01:08:20.18 ID:D@n.0_Ni/!!
      何があったんだろう……
      >>160は一体どこへ……

      >>305
      僕も泣いてる

    307:名無しの廃人さん:2011/10/14(金) 01:10:00.00 ID:ILosT/MywAY
      aui


    308:名無しの車掌さん:2011/10/14(金) 01:10:32.29 ID:KdASi/m@sI!
      !?


    309:名無しのトレーナーさん:2011/10/14(金) 01:10:53.35 ID:HaGEtk_N@i!
      <●><●>!?

    310:名無しの王様さん:2011/10/14(金) 01:11:11.11 ID:D@n.0_Ni/!!
      ( ゜Д゜)!!

    311:名無しのトレーナーさん:2011/10/14(金) 01:11:53.72 ID:D0.YAa@aaa-
      まさか

    312:名無しの廃人さん:2011/10/14(金) 01:12:23.34 ID:ILosT/MywAY


      おい ここ どこだよ



    313:名無しのトレーナーさん:2011/10/14(金) 01:12:52.95 ID:HaGEtk_N@i!
      きたああぁぁぁぁ!!

    314:名無しの王様さん:2011/10/14(金) 01:13:31.85 ID:D@n.0_Ni/!!
      お帰りー!!
      >>160お帰りー!!

    315:名無しの車掌さん:2011/10/14(金) 01:13:51.17 ID:KdASi/m@sI!
      >>160さんが戻ってらっしゃった!!

    316:名無しの外道さん:2011/10/14(金) 01:14:22.54 ID:SzNDrAin0Ti
      何だと!

    317:名無しのトレーナーさん:2011/10/14(金) 01:14:39.51 ID:MuN[nA_Mfmf
      うわああぁぁぁぁ>>160さあああぁぁぁぁぁん
      うわあああぁぁぁぁぁ。゜(゜´Д`゜)゜。
      無事でよかったあああぁぁぁぁ

    318:名無しの車掌さん:2011/10/14(金) 01:14:50.59 ID:kaTec\H@tTa
      >>160さん帰ってきた!

    319:名無しのトレーナーさん:2011/10/14(金) 01:15:59.36 ID:D0.YAa@aaa-
      生きてたのか
      それは何よりだな

    320:名無しの廃人さん:2011/10/14(金) 01:17:16.60 ID:ILosT/MywAY
      ビードロ吹いたら視界が歪んで、気がついたらここにいた

      何だろうここ、どっかの駅
      かなり近代的な感じ
      大きな町の中なのかな?
      人いっぱいいるからちょっと聞いてくる

    321:名無しの王様さん:2011/10/14(金) 01:19:56.40 ID:D@n.0_Ni/!!
      今度は大丈夫そうな予感……!

    322:名無しの車掌さん:2011/10/14(金) 01:20:41.12 ID:KdASi/m@sI!
      一体>>160さんはどこへ行ってしまったのでしょうね?
      大きな町の近代的な駅……しかしライモンではなさそうですし

    323:名無しのトレーナーさん:2011/10/14(金) 01:22:41.28 ID:HaGEtk_N@i!
      まだこっちの世界じゃないどこかだったりしたら……gkbr

    324:名無しの廃人さん:2011/10/14(金) 01:25:43.95 ID:ILosT/MywAY

      おい、ちょっと聞いてくれ
      衝撃の事実がわかった


      一体自分が今どこにいるのか、駅員さんに聞いてみたんだ
      そしたら何て返されたと思う?





      ここはジョウト地方のコガネシティ、リニアの駅だってさ



    325:名無しのトレーナーさん:2011/10/14(金) 01:26:01.16 ID:MuN[nA_Mfmf
      ……は?

    326:名無しの車掌さん:2011/10/14(金) 01:26:25.59 ID:KdASi/m@sI!
      え?

    327:名無しの外道さん:2011/10/14(金) 01:26:52.01 ID:SzNDrAin0Ti
      ( ゜Д゜)ハァ?

    328:名無しの車掌さん:2011/10/14(金) 01:27:33.41 ID:kaTec\H@tTa
      ごめん何言ってるかわからない

    329:名無しのトレーナーさん:2011/10/14(金) 01:28:41. ID:HaGEtk_N@i!
      なるほど、釣りか
      すっかりだまされたぜ




      ……釣りなんだよ、な?

    330:名無しの王様さん:2011/10/14(金) 01:29:00.29 ID:D@n.0_Ni/!!
      ( ゜Д゜)

      (゜Д゜)

    331:名無しのトレーナーさん:2011/10/14(金) 01:32:28.42 ID:D0.YAa@aaa-
      ライブキャスターつながった!

      どうやらマジでジョウトにいるらしいです
      俺もわけがわからない
      いくらなんでも遠すぎだろJK

    332:名無しのトレーナーさん:2011/10/14(金) 01:33:35.59 ID:HaGEtk_N@i!
      あ、ありのままに(ry

    333:名無しの王様さん:2011/10/14(金) 01:35:28.53 ID:D@n.0_Ni/!!
      時刻表にない謎の電車に乗る
      →わけのわからない駅に着く
      →どこかへ連れ去られそうになる
      →しろいビードロを吹く
      →ジョウト着

      どこを切り取ってもわけがわからない件

    334:名無しの車掌さん:2011/10/14(金) 01:37:34.64 ID:KdASi/m@sI!
      無事でよかったですが……
      何が起こったのかは謎のままですね……

    335:名無しの車掌さん:2011/10/14(金) 01:38:12.78 ID:kaTec\H@tTa
      ある意味貴重な体験、なのかなぁ……?

    336名無しの外道さん:2011/10/14(金) 01:39:31.26 ID:SzNDrAin0Ti
      ジョウトへ行きたいならダイヤにない列車に乗ればいいのか
      なるほど

    337:名無しの廃人さん:2011/10/14(金) 01:41:53.64 ID:ILosT/MywAY
      みんないっぱいのユニラン本当にありがとう
      無事(?)こっちの世界に帰ってこれました
      とりあえずせっかくだから、オクタン焼きとか食べてのんびりしてから帰るわ

    338:名無しの王様さん:2011/10/14(金) 01:42:45.99 ID:D@n.0_Ni/!!
      >>160乙!
      ゆっくりして疲れをとってきてね

    339:名無しのトレーナーさん:2011/10/14(金) 01:44:44.44 ID:HaGEtk_N@i!
      うん、まぁ



      とりあえず、>>1は今すぐ逃走の準備をすべき










    ネタ元
    「北陸本線の某無人駅」 http://khmb.blog92.fc2.com/blog-entry-3611.html
    「きさらぎ駅」 http://llike.net/2ch/fear/kisaragi.htm


    (執筆:2011/10/15)


      [No.773] 第83話「ポケモンリーグ準決勝第1試合中編」 投稿者:あつあつおでん   《URL》   投稿日:2011/10/14(Fri) 18:21:49     53clap [■この記事に拍手する] [Tweet]


    「ダルマ選手、ブースターを連れ出しました。晴れ下での決定力に定評がありますが、どのような戦いを見せてくれるのでしょうか」

     ダルマが次に繰り出したのはブースターだ。ブースターは体中から熱気を放ち、辺りの空気が揺らぐ。

    「そんな鈍い奴にはこれがお似合いだな、あやしいひかり!」

     勝負が再び動き始めた。まずクロバットがブースターに刺すような光を浴びせた。すると、ブースターの足元がふらついてくる。これに気付いたダルマは、腹から声を出した。

    「ぐっ。負けるなブースター、ほのおのキバだ!」

     ダルマの叫びが通じたのか、ブースターはなんとかクロバットに飛びついた。そして自慢の牙を熱し、クロバットの翼の付け根に噛みつく。クロバットは苦悶の表情を浮かべるが、手がないのでブースターを引き剥がすことができない。故に、クロバットはブースターの攻撃で力尽きた。

    「クロバット戦闘不能、ブースターの勝ち!」

    「ふう、危なかったー」

     ダルマは額の汗を拭った。安堵の表情を浮かべている。一方カラシはやや眉を釣り上げた。

    「ちっ、悪運の強い男だ。キリンリキ、いくぜ」

     カラシは入れ替わりでキリンリキを送り出した。今日2回目の登場である。

    「こうそくいどうだ」

    「仕留めろ、オーバーヒート!」

     先程のように、キリンリキは周囲を駆け回った。そんなキリンリキに狙いを定め、ブースターは全身から熱波を放出。晴れも相まってスタジアムの地面が焦げつく程だ。キリンリキはこれをもろに受けたが、まだ動ける様子である。

    「まだ倒れないのか。ならば電光石火だ!」

    「甘い、バトンタッチ」

     ブースターは急加速してキリンリキに体当たりした。ところが、キリンリキは体を震わせながらも耐えきってしまったではないか。すかさずキリンリキは退場、控えのポケモンと入れ替わる。出てきたのはカイリキー、前回と同じく毒々玉を手にしている。

    「カラシ選手、カイリキーにバトンタッチです。いきなり猛毒を浴びましたが大丈夫でしょうか」

    「カイリキー、インファイトだ」

     カイリキーは有無を言わせずブースターの懐に接近。そこから4本の腕で滅多打ちをした。さすがの攻撃力に、ブースターはたまらず気絶した。

    「ブースター戦闘不能、カイリキーの勝ち!」

    「う、うぐおおお! かなり厄介なことになってきたな。だけど、こいつがいれば逆転できる。スピアー、頼むぞ!」

     ダルマは目をぎらつかせながらスピアーを投入した。今日の試合も、気合いのタスキを持つのはこのスピアーである。

    「無駄無駄、ほのおのパンチ!」

    「なんの、おいかぜだ!」

     先手はやはりカイリキーだ。カイリキーは腕を燃やし、スピアーの腹部に叩きつけた。スピアーはタスキでこらえ、おいかぜを呼び込む。スタジアムに熱を帯びた風が流れてきた。

    「そのままがむしゃ……」

    「遅い、バレットパンチ」

     スピアーが動くよりも先に、カイリキーは弾丸のように飛びとどめのパンチをヒットさせた。スピアーは紙切れの如く地面に落下する。

    「スピアー戦闘不能、カイリキーの勝ち!」

    「へっ、俺の勝ちが見えてきたな。3対3ならこちらが有利、一気にいかせてもらうぜ」

     カラシは左うちわの様子で不敵な笑みを浮かべた。ダルマはと言うと、こちらはふてぶてしく鼻で笑っている。2人の笑い声がスタジアムに染み入る。

    「……今までこんな状況が幾度もあった。いつ負けてもおかしくないシチュエーション。けど、今はピンチじゃない。むしろ俺は今チャンスのまっただ中にいる。もう舞台は整ったからな、出番だキュウコン!」

     ダルマは胸を張ってキュウコンを再登場させた。キュウコンは出てきて早々に行動に移る。

    「大文字だ!」

     キュウコンは大の字の炎を撃った。それはちょうどカイリキーの手足にぴったり命中し、丸焼けにしてしまった。カイリキーは、火が消えると同時に崩れ落ちる。

    「カイリキー戦闘不能、キュウコンの勝ち!」

    「なんだと……どういうことだ!」

     カラシは拳を握り締め、歯ぎしりをした。地面を踏みつけてもいる。ダルマは勝ち誇った顔でこう断言した。

    「どういうことって、最初から俺のチャンスだったんだよ。おいかぜが決まった時点でね」

    「ふん、口だけは達者みたいだな。キリンリキ!」

     カラシはさらに目を釣り上げ、キリンリキを引っ張り出した。ブースターの与えたダメージのせいか、足に力が入っていないように見受けられる。

    「キリンリキはもう虫の息、大文字だ!」

     キュウコンは三度大文字を発射した。キリンリキに避ける力は残っておらず、直撃。キリンリキの姿焼きの完成である。

    「キリンリキ戦闘不能、キュウコンの勝ち!」

    「よっしゃ、あと1匹!」

     ダルマは思わずガッツポーズを取った。おいかぜは止んだが、彼が圧倒的優位なことに変わりはない。この状況で、カラシは最後のボールをじっと見つめる。

    「……遂にこれを使う時が来たか。俺を勝利に導く最後のチャンス、必ず掴んでみせる。ガラガラ!」

     ちょっと間を置いて身を正し、澄ました顔をしながら、カラシはガラガラに全てを託した。これが彼の最後のポケモンである。

    「カラシ選手、いよいよ最後のポケモンです。数々の強敵を蹴散らした力を持ちますすが、この1対3という状況を覆せるのでしょうか」

    「……ここが勝負所、全てに決着をつけよう。キュウコン、大文字で終わりだ!」

    「……甘いぜ」

     キュウコンは渾身の力で大文字を使った。業火はガラガラに迫り、カラシは万事休すと観客の誰もが息を呑んだ。

     ところが、である。ガラガラがひとたび骨を投げつけると、大文字を打ち破ってしまったではないか。溶けんばかりに熱せられた骨が戻ってくると、ガラガラは予想外の動きを見せるのであった。

    「ガラガラ、はらだいこだ!」



    ・次回予告

    ガラガラが使った技により、バトルの状況は一変。ダルマは一気に窮地へ追い込まれてしまった。果たしてこのピンチを切り抜けることができるのか。次回、第84話「ポケモンリーグ準決勝第1試合後編」。ダルマの明日はどっちだっ。


    ・あつあ通信vol.64

    いきなりですがお知らせです。この作品がもうすぐ完結するのは皆さんおわかりだと思います。そこで、たまにはこんなのがあっても良いかなあと考え、以下のような募集をします。

    ・【募集】質問、お便り
    ・【期間】最終話を投稿するまで
    ・【内容】ストーリーのこと、誤字脱字及び技の誤用の報告、作品執筆の過程など、常識の範囲内なら可
    ・【採用したら】後に投稿する総括にて回答
    ・【備考】紙面が最大5000字です。質問数によっては全て答えられない可能性があります。また、質問がなくても総括は投稿します。
    以上。お時間があれば書いてやってください。

    ちなみに、本文の「ちょっと間を置いて身を正し、澄ました顔をしながら」は、某プロ野球監督が発言した「すごいな、カープ。どうやったんだ?」の記事を引用しました。あの監督は前任に比べ散々だけど、ネタ発言はしっかりしてくれる。

    ダメージ計算は、レベル50、6V、ブースター意地っ張り攻撃素早振り、カイリキー@毒々玉意地っ張り攻撃素早振り、スピアー@タスキ陽気攻撃素早振り、ガラガラ@骨陽気攻撃素早振り。ブースターの炎の牙で手負いのクロバットを確定で倒せます。ブースターのオーバーヒートと電光石火をキリンリキは高乱数で耐え、ブースターはカイリキーの根性インファイトで一撃。スピアーはタスキ込みでカイリキーの炎のパンチを耐えます。キュウコンの大文字なら毒々玉込みで倒せます。もちろん後続のキリンリキも1発。なお、ガラガラが骨ブーメランで大文字を打ち破ったのは、「ゲームにおける技が外れる」を表現したものです。

    あつあ通信vol.64、編者あつあつおでん


      [No.772] 第82話「ポケモンリーグ準決勝第1試合前編」 投稿者:あつあつおでん   《URL》   投稿日:2011/10/12(Wed) 14:33:25     59clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    「ポケモンリーグ13日目、今日は準決勝の2試合が行われます。今日勝った選手が、最終日である15日目の決勝戦に参加します。今や、残るトレーナーはたったの4人。しかし、その4人を見ようと今日も観客席は大入り満員です。では、そろそろその期待に応えてもらいましょう。準決勝第1試合、選手入場!」

    「今日勝てば決勝戦か……」

     湧き起こる歓声を浴びながら、ダルマはスタジアムに乗り込んだ。毎回見てきたトーナメント表は敗者の名前が消され、すっかり寂しくなっている。

     そんな中、感傷に浸るダルマに対戦相手が声をかけた。

    「遂に当たったな、ダルマ」

    「カラシ! 準決勝でお前と勝負か、こりゃかなり厳しいな」

    「ふん、まだ残っていたか。俺とぶち当たるまでに負けやしないかと心配した
    が、杞憂だったな」

     ダルマの準決勝の相手、カラシは不敵な笑みを浮かべた。ダルマは苦笑いしながら受け答えする。

    「全くだよ。それより、報酬はもらえたか?」

    「……ああ。想像以上の額だった。しかも正式に四天王候補のオファーまで来た。全てお前のおかげだ、感謝する」

     カラシはダルマに向けて頭を下げた。ダルマは一瞬目を丸くしたが、すぐに落ち着きを取り戻す。

    「はは、どういたしまして」

    「……だが、当然この試合では本気でかかる。手加減なんて考えないことだ。さあ、命を賭けてかかってこい!」

     カラシはこう宣言すると、ボールを手に取った。ダルマも釣られてバトルの準備に入る。2人の様子を確認した審判は、試合開始を叫んだ。

    「これより、ポケモンリーグ本選準決勝第1試合を始めます。対戦者はダルマ、カラシ。使用ポケモンは最大6匹。以上、始め!」

    「キュウコン、いくぞ!」

    「キリンリキ、出番だ!」

     準決勝の幕が、遂に上がった。ダルマの先発はキュウコン、カラシの1匹目はキリンリキである。スタジアムは早速強い日差しが降り注いできた。

    「準決勝が始まりました。カラシ選手はキリンリキ、ダルマ選手はキュウコン。共に各選手の戦術を支えてきたポケモンです。さあ、どちらが先に主導権を握るのでしょうか」

    「キリンリキか、またバトンタッチかな。よし、まずはわるだくみだ!」

    「こうそくいどう!」

     まずはお互い様子見だ。キュウコンは低い笑い声を漏らし、尻尾から熱を噴出した。一方、キリンリキは体の力を抜いて辺りを駆け回る。

    「バトンタッチだ」

    「させるか、大文字!」

     ここで、キリンリキはカラシの元に帰り、別のポケモンと交代した。そうはさせじとキュウコンは大の字の炎を発射。大文字は交代したポケモンに命中したものの、相手は余裕たっぷりの表情である。しかも、とんでもないことが起こった。

    「カラシ選手、素早さを引き継ぎゴルダックに交代してきました。おや……天気が落ち着いてきましたね」

    「な、なんだ? あんまりパワーが出なかったぞ」

     ダルマは図鑑を開いた。ゴルダックはコダックの進化形で、バランスが良いとも中途半端とも言える能力を持つ。このポケモンの特性ノーてんきは天候の効果を無効にするというものである。非常に強力な特性であり、能力差を気にせず使う人も少なからずいる。

    「なるほど、晴れをかき消されたから耐えられたのか。仕方ない、戻れキュウコン。オーダイル!」

    「逃がすな、ハイドロポンプで仕留めろ!」

     ダルマはキュウコンを引っ込めオーダイルを繰り出した。オーダイルは登場早々、ゴルダックの槍の如き水を受けたが、意に介さない様子である。カラシもこれは計算済みなのか、眉1つ動かさない。

    「ふん、その程度で止められるものか。めざめるパワーだ」

    「なんの、つるぎのまい!」

     先手はゴルダックだ。ゴルダックは若草色の光を放った。オーダイルはその顔を苦渋に歪ませるも、懐のオボンで回復。そして戦いの舞いを披露した。

    「もう1発、これで終わりだ!」

    「そうはいくか、地震攻撃!」

     ゴルダックは再びめざめるパワーを使った。オーダイルは脂汗を滴らせたが、踏ん張った。オーダイルは地面を踏みならし、地震波でゴルダックに襲いかかる。ゴルダックはこれを耐えきれず、倒れこんだ。

    「ゴルダック戦闘不能、オーダイルの勝ち!」

    「よし、まずは1匹。……だけど、また日差しが強くなってきたぞ。このままだとやり辛いな。カラシの奴、そこまで見越していたのか?」

     ダルマは額の汗を拭いながら空を見上げた。ゴルダックが倒れたことで、天候はまたかんかん照りになってきている。

    「ふん、俺を舐めたら痛い目見るぜ。クロバット、仕事だ」

     カラシはゴルダックを回収すると、自信に満ちた表情で次のポケモンを投入した。現れたのは、素早さに定評のあるクロバットである。

    「カラシ選手の2匹目はクロバット、さっそうと登場です。オーダイルは激流の特性、つるぎのまいを駆使した攻撃で、数多の強敵を突破してきました。今回はどこまで活躍するのでしょうか」

    「オーダイル、アクアジェット!」

    「無駄だ、アクロバット」

     オーダイルは全身に水をまとい、激流の如くクロバットに攻め込んだ。しかし晴れているせいか、いかんせん火力がない。これを受けとめたクロバットは、華麗に4枚の翼でオーダイルを叩きつける。蓄積ダメージもあり、オーダイルは地に伏せた。

    「オーダイル戦闘不能、クロバットの勝ち!」

    「はっ、これでお前の切り札はいなくなったな。あとは厄介な晴れ使いさえ潰せば俺の勝利は決定的、せいぜいあがくことだ」

    「……おいおい、そんな天狗になったらろくなことにならないぞ。まあ良いか、今はバトルに集中だ。頼むぞ、ブースター!」



    ・次回予告

    準決勝は一進一退の攻防が続く激戦となった。そこでカラシが投入した秘密兵器に、スタジアムが唸りをあげるのであった。次回、第83話「ポケモンリーグ準決勝第1試合中編」。ダルマの明日はどっちだっ。




    ・あつあ通信vol.63

    やはり、カラシは最後の対決を飾るにふさわしい相手です。登場人物が結構のんびりしている中でも、彼はストイックに頑張るのでやりやすいです。

    ダメージ計算は、レベル50、6V、キュウコン臆病特攻素早振り、キリンリキ臆病HP252防御68特攻4特防108素早76振り、ゴルダック控えめHP特攻振り、オーダイル@オボン意地っ張りHP攻撃振り、クロバット陽気攻撃素早振り。キュウコンの悪巧み大文字はノーてんきゴルダックに確定で耐えられます。オーダイルはオボン込みでゴルダックのハイドロポンプとめざぱ草2発を乱数で耐えます。そして剣舞地震でキュウコンの大文字と合わせてゴルダックを確定で倒せます。オーダイルの剣舞激流アクアジェットは晴れ込みでクロバットに耐えられ、返しのアクロバットで落とされます。


    あつあ通信vol.63、編者あつあつおでん


      [No.771] 第81話「ポケモンリーグ6回戦第1試合後編」 投稿者:あつあつおでん   《URL》   投稿日:2011/10/10(Mon) 16:00:10     50clap [■この記事に拍手する] [Tweet]


    「ゆけ、ブースター!」

     ダルマはキュウコンとブースターを交代した。もふもふの体が砂嵐の中でも目立つ。

    「ダルマ選手、次のポケモンはブースターです。このポケモンも大事な場面でさりげない活躍を見せています。今回はバンギラス相手にどう立ち回るのでしょうか」

    「ブースターですか、進化させたのですね」

     ユミは図鑑を開いた。ブースターはイーブイの進化形で、俗に唯一王と呼ばれる。非常に高い攻撃を持つものの、使える物理技が貧弱なことがその由来だ。しかも鈍速低耐久故に動く前にやられることもままある。だが活躍できないわけではない。

    「一気に決めるぞ、馬鹿力!」

     ブースターは機先を制した。素早くバンギラスの頭上に飛び上がり、4本の足で踏みつける。バンギラスは地面にめり込み、たまらず気絶した。

    「バンギラス戦闘不能、ブースターの勝ち!」

    「そんな、バンギラスが1発で倒されるなんて……」
    「へへ、ブースターの攻撃を舐めちゃいけないよ。まあ、馬鹿力はデメリットもあるから連発できないけどね」

    「……油断しましたわ。しかしまだまだ勝負はこれからです、ヌオー!」

     ユミはバンギラスをボールに戻し、ヌオーを繰り出した。相変わらず点のような目が人々を和ませる。もっとも、ダルマにはそのような余裕は見受けられないが。

    「ユミ選手、後続はヌオーです。その耐久から安定した威力のカウンターで、幾多のピンチを切り抜けてきました。ここではどのように動くか」

    「ヌオー、地震攻撃です!」

    「危ない、戻れブースター、キマワリ!」

     ダルマはブースターを回収し、キマワリと入れ替えた。キマワリは出てきて早々地震の衝撃と砂嵐を食らうも、まだまだ元気だ。

    「ダルマ選手、キマワリに交代です。ポケモンリーグではその超火力でここまで無敗、先程もガブリアスをあと1歩まで追い詰めました。既にユミ選手の光の壁は消滅、大活躍が期待できます」

    「キマワリはちょっと不利ですね。戻ってヌオー、メガニウム!」

    「隙あり、にほんばれだ!」

     ここで勝負が大きく動いた。まず、ユミはヌオーからメガニウムにチェンジ。一方キマワリは両手の葉っぱを天に伸ばす。すると砂嵐は収まり、かんかん照りになった。そしてキマワリの体中から煙が立ってきた。

    「日差しが強くなりましたね。しかし、これなら何も問題ないですよ、ひかりのかべ!」

    「チャンスだ、アンコール!」

     メガニウムが再びひかりのかべを使った直後。キマワリは葉っぱで拍手をし、アンコールを促した。メガニウムは照れ笑いをしながらそれに応じる。

    「アンコールが決まったあ! ダルマ選手、大きな好機を手にしました」

    「くっ、仕方ありません。戻ってメガニウム。ヌオー、お願いします!」

    「よし。いくぞ、ソーラービーム!」

     ユミは苦渋の1手を打たざるを得なかった。メガニウムを引っ込め、ヌオーを再登場させたのである。他方、キマワリはお得意の光の束を集め、丸太のような太さの光線を発射した。ひかりのかべで幾分削がれたが、それでも十分な1発がヌオーを焼き尽くす。結果、ヌオーの丸焼きが完成した。

    「ヌオー戦闘不能、キマワリの勝ち!」

    「ふう、あと2匹か。だいぶ楽になってきた」

    「……いけませんね、そろそろ本気を出さなければ。エーフィ、叩き潰してやりな!」

     ユミは次のポケモンを送り出した。出てきたのはエーフィである。スタジアムは急にざわめいてきた。実況も戸惑い気味だ。

    「ユミ選手、5匹目はエーフィです。これで全てのポケモンを使いましたが……何かが変です。まるで別人のような……」

    「つ、遂に豹変したか」

     ダルマは冷や汗を流しながら図鑑をチェックした。エーフィはイーブイの進化形で、高い特攻と素早さを備える。どこかのもふもふより遥かに使いやすいが、攻撃するだけではフーディンに劣る。そのため、補助技を絡めて戦うのが人気である。

     ダルマは豹変したユミをまじまじと見つめた。出会った時から変わらぬ美貌だが、恐怖を感じさせるのが今の彼女である。しかし彼は物怖じすることなく叫んだ。

    「……どんなに変わっても、彼女が俺のライバルであることに疑問の余地はない。だからびびらない。何があっても俺は退かない。かかってこい、ユミ!」

    「はっ、寝言は寝て言いな、サイコキネシス!」

     バトルが再開された。キマワリが動こうとする前に、エーフィはサイコキネシスでキマワリをきつく絞る。ダメージの蓄積していたキマワリはここで倒れた。

    「キマワリ戦闘不能、エーフィの勝ち!」

    「キマワリ、6回戦で遂に土がつきました! 勢いのついたユミ選手を、ダルマ選手は止められるのか?」

    「くっそー、さすがにやるな。ブースター、かたをつけるぞ!」

     ダルマはキマワリをボールに収め、ブースターを投入した。エーフィの攻めは緩むことなく、交代際から攻撃が飛んでくる。

    「雑魚はすっこんでな、サイコキネシス!」

    「あくびで眠らせろ!」

     ブースターはエーフィに雑巾のように扱われる中、なんとかあくびを使った。ところが、なんとブースターが舟を漕ぎだしたではないか。これにはダルマも驚きを隠し得ない。

    「な、なんだ……ブースターがうとうとしているじゃないか!」

    「ふん、何勘違いしてんだい。アタイのエーフィの特性はマジックミラー……そんなちゃちな技なんざ効かないのさ! サイコキネシス!」

     エーフィはブースターを何度も地面に叩きつけた。このたたみかける攻撃に、ブースターはぼろきれのようになってしまった。

    「ブースター戦闘不能、エーフィの勝ち!」

    「まずいな、追いつかれてきた。頼む、スピアー!」

     ダルマはブースターとスピアーをバトンタッチさせた。スピアーにはきあいのタスキが巻いてある。

    「無駄無駄無駄無駄、サイコキネシス!」

    「おいかぜだ!」

     エーフィは思考を停止したかのようにサイコキネシス1本で攻める。スピアーはタスキでこれをしのぎ、おいかぜを辺りに吹かせた。スピアーの動きがにわかに俊敏になる。

    「今だ、シザークロス!」

     おいかぜに乗ったスピアーはエーフィに接近、自慢の針で切りつけた。効果は抜群、無双状態のエーフィを見事に止めた。

    「エーフィ戦闘不能、スピアーの勝ち!」

    「はあはあ……あと1匹、メガニウムだけか」

    「ちっ、いけすかないね。メガニウム、出番だよ!」

     ユミは唇を噛みながら最後のポケモン、メガニウムを呼び出した。

    「ユミ選手、最後に残ったのはメガニウム。ダルマ選手は3匹と、大きくリードしています」

    「シザークロスだ!」

    「甘いね、ギガドレイン!」

     スピアーはさっきと同じくメガニウムを切り裂く。その時、メガニウムはスピアーの針を通じて養分を吸い取った。ほうほうの体だったスピアーは、しなびたキノコのように崩れ落ちる。

    「スピアー戦闘不能、メガニウムの勝ち!」

    「や、ヤバい。あと2匹しかいないぞ。けどおいかぜがあるから大丈夫、オーダイル!」

     ダルマはボールを強く握り締めると、切り札オーダイルを降臨させた。すかさず彼は指示を送る。

    「これで最後だ、冷凍パンチ!」

     オーダイルは右腕に冷気を込め、メガニウムを殴りつけた。これが決定打となり、メガニウムは地響きをあげて倒れこんだ。

    「……メガニウム戦闘不能、オーダイルの勝ち! よって勝者、ダルマ選手!」

    「よっしゃ、準決勝進出だ!」

     勝利が決まったダルマは、思わず雄叫びをあげた。それを受け、テレビカメラが一斉にダルマに注目する。

    「ダルマ選手、見事6回戦も勝利しました。残すところあと2試合、今大会のダークホースは優勝にまた1歩歩み寄りました」

     実況と外野が大騒ぎする中、ユミがダルマに近寄ってきた。ダルマはふと身構える。

    「ダルマ様、さすがでした!」

    「ありがとう。あ、元に戻った?」

    「はい。……ダルマ様、ありがとうございます。ダルマ様がライバルになってくれたおかげで、勝つためになりふり構わず戦えました。もうどんな自分だって受け入れられます」

    「はは、そりゃ良かった。ん、でも試合前は目が泳いでいたような……?」

    「そ、それは関係ありません! では私はこれで失礼します!」

     ユミはさっとダルマに背を向け、そそくさとスタジアムを後にした。ダルマは首をかしげながらオーダイルに尋ねるのであった。

    「なあオーダイル。俺、何か変なこと言ったかな?」



    ・次回予告

    準決勝、ここまで残ったのはたった4人。その中にダルマはいるのだ。ここまで戦いぬいた彼に対抗するのは、あのトレーナーであった。次回、第82話「ポケモンリーグ準決勝第1試合前編」。ダルマの明日はどっちだっ。



    ・あつあ通信vol.62

    今日のポケモン紹介はダルマのオーダイルです。意地っ張りHP攻撃振り、技はアクアジェット、剣舞、何か、何か。作中で何度も戦ってますが、剣舞からの物理エースです。ギャラドスには使えない激流剣舞アクアジェットで並のポケモンをことごとく倒します。進化するまではかませ役も結構ありましたが、今ではキュウコン、キマワリに並ぶ主力に。種族値合計がパーティで1番なだけはある。ブースターもこれくらい活躍させたいです。

    ダメージ計算は、レベル50、6V、ブースター意地っ張り攻撃素早振り、ヌオー意地っ張りHP攻撃振り、エーフィ臆病特攻素早振り、スピアー陽気攻撃素早振り。ブースターの馬鹿力でバンギラスが確定1発。キマワリにヌオーの地震は確定4発、キマワリのサンパワーソーラービームは壁があってもヌオーを確定1発。エーフィのサイコキネシスでダメージ受けたキマワリが確定1発、ブースターが確定2発。スピアーの虫の知らせシザークロスでエーフィが確定1発、メガニウムには耐えられます。そしてオーダイルの冷凍パンチでメガニウムを倒せます。


    あつあ通信vol.62、編者あつあつおでん


      [No.770] ゼクロム&レシラム 投稿者:ヴェロキア   投稿日:2011/10/09(Sun) 17:12:48     24clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    雷×炎の戦い 勝つのはどっちだ!


      [No.769] 49話 二人目 投稿者:照風めめ   《URL》   投稿日:2011/10/09(Sun) 12:28:48     49clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

     松野さんの家まで逃げてきたというのになぜか久遠寺麗華が俺の目の前にいた。それがあまりに衝撃過ぎて、扉を閉めるのも忘れてしまう。
     呆気にとられていると、何事かと様子を見に来た松野さんが玄関にやってくる。
    「風見くん……。折角お料理作って待ってたのに、他の女の人のところに行くなんて」
     非常に嫌な予感がする。俺が言葉を返す前に、ふと横を抜けて俺の前に現れた松野さんが先制する。
    「ふーん。この子が言ってたストーカーね。風見くんも迷惑がってるからやめたら?」
     挑発するような態度で言い寄ると、眉を引きつらせて久遠寺が激昂する。
    「くっ、風見くんはなんでよりにもよってこんなチビを選ぶのよ!」
    「チビィ? 頭の容量の小ささは貴女の方がトップクラスね」
     松野さんは前も触れたが小学生並に身長が低い。そのことがコンプレックスにならざるを得ず、触れられるとどうしてもやや冷静さを欠いてしまう。が、冷静さを欠いたのは久遠寺もどっこいのようだ。
    「何よこのチビ! わたくしと比べたら家柄は確実に下でしょう」
    「家柄とかはどうでもいいの。問題は風見君の気持ちよ」
    「えっ?」
    「私か、彼女か。どっちがいい?」
     悪戯っぽく俺に笑いかける松野さん。ああ、遊んでるんだな。その向こうでは久遠寺のきつい眼差しが光る。
     どちらにせよ俺は久遠寺を選ぶことは出来ないんだから、答えは決まっている。
    「松野さ──」
    「そうね、どうしても私から風見君を引き剥がしたいなら、丁度あなたが持って来てくれてるんだから対戦して決着をつけましょう」
    「対戦?」
     言われて久遠寺の左手を見ると、どこから持ち出したのか俺のバトルベルトと、もう一つ別の黄色のバトルベルトが握られていた。
    「ふふっ。いいわ、それじゃあわたくしと早速勝負よ」
    「そう言ってくれないと。と、いうことで風見くんよろしくね」
    「え、俺ですか?」
    「だって風見君のバトルベルトでしょ? それに風見君の問題だし」
    「いや、俺は──」
     背を向けて部屋へ戻ろうとした松野さんに手を伸ばそうとすると、振り返った松野さんから俺のデッキケースが飛んできた。
    「……」
    「家の中じゃ狭いから、このマンションの駐車場の屋上とかどうかしら。そこなら一番近くてバトルベルトを使う広さがあるはずよ」
    「いいわ、それじゃあ早速行きましょう。風見君」
     俺の話なのに気付けばどんどん勝手に進んでいく。久遠寺は先にエレベーターホールへ向かって行くし、松野さんはキッチンへ戻っていくし。
    「ごめんね、ちょっと食器洗いしてから行くから先に行っておいて」
     観念して自分の革靴を履き、玄関から出ようとした時家の中から松野さんの声が聞こえてきた。
    「ああ、言い忘れてたけど彼女は能力者だから」
     唐突さに数秒固まってしまった。一体、どういう。それ以上問うても有益な事は何も教えてくれなかった。



    「駐車場の屋上、ここだな」
     三月とはいえ夜なのでいくばか寒い。それにしても屋上という立地条件か、停まっている車の台数はまばら。立体映像で対戦しても問題はなさそうだ。
     しかし久遠寺が能力者とはにわかには信じられない。藤原の時は体からいかにもヤバそうな雰囲気を発していたが、目の前のやる気マンマンなお嬢様にはそんな雰囲気を微塵も感じれない。いや、隠しているのか?
     どちらにせよ緊張を高め、下手な失敗を犯さないよう細心の注意を払わなければ。無論負けられない。
    「約束は約束よ!」
    「ああ、分かってる」
     ……PCCでも能力者を倒していかないといけないんだ。そうだ。こんなところで躓いてられない。
    「よし、行くぞ!」
     俺の言葉を合図に、互いにバトルベルトを起動させる。いつもは枚数三十枚のハーフデッキで戦っていたが、今回は本格的に六十枚のスタンダードデッキでの対戦だ。
     スタンダードデッキはデッキの枚数が増えるだけでなく、それに伴ってサイドの枚数も六枚になり、ハーフに比べて長期戦になるがその分より白熱した対戦を楽しめる。
     さてデッキポケットにデッキをセットし、オートシャッフルさせる。バトルテーブルは自動で手札七枚とサイド六枚を割り振り、それぞれセットされる。
     最初の手札となる七枚を手に取るが、やはりこういうときに限って雲行きはあまりよろしくない。
    「先攻はわたくしからよ」
    「いいだろう」
     俺の最初のバトルポケモンはフカマル50/50でベンチはコイキング30/30。相手のバトルポケモンはストライク60/60。ベンチにはチェリンボ50/50。草タイプだろうか。
    「わたくしの番よ。まずは手札の草エネルギーをストライクにつけるわ」
     ストライクのテキストをモニターで確認するが、ストライクが草エネルギー一枚で使えるワザは剣の舞のみ。剣の舞は次の番にストライクの使えるもう一つのワザ、スラッシュダウンの威力を上げるだけだ。威力が上がるのは怖いが、それでも先攻でいきなりフカマルが深手のダメージを負うことはない。
    「ストライクで剣の舞。それにしても風見君がコイキングなんて、堕ちたものね。北海道を飛び出さない方が良かったわよ絶対」
    「ふん。何とでも言え、ただし俺に勝ってからだがな。俺のターン」
     手札に来たのはコイキング。いいタイミングで来た。これなら初期手札の悪さをすぐにでもリカバリーし得る。
    「まずはこのサポーターカードからだ。俺はスージーの抽選を発動。その効果で手札のコイキング二枚をトラッシュし、山札からカードを四枚ドローする」
    「たねポケモンを二匹も捨てるの!?」
    「さらに手札から不思議なアメを発動。その効果でフカマルはガブリアスに進化する!」
     フカマルを光の柱が覆う。光の柱からはその姿を変えて大きく雄々しく成長したガブリアス130/130が雄たけびを上げながら現れた。
    「ガブリアスに水エネルギーをつけ、レジアイス(90/90)をベンチに出す。ガブリアスについているエネルギーが足りないのでワザは使えない。これで俺の番は終わりだ」
    「わたくしのターン。手札の草エネルギーをストライクにつけて、ストライクをハッサム(100/100)に、チェリンボをチェリム(80/80)に進化させますわ。続けて手札のゴージャスボールを発動。その効果で山札から好きなポケモン一体、ストライクを手札に加えます」
     ハッサムの隣にゴージャスボールが現れ、これまた白色の光を吐きだしながらボールが開く。ボールの中からはハッサムとほぼ同サイズの縦幅を持つ拡大されたストライクのカードの絵が現れ、やがてゴージャスボールもろもろ消えていった。
    「さらに新たにストライク(60/60)をベンチに出し、ハッサムでガブリアスに攻撃します。振りぬく攻撃!」
     ハッサムが赤いハサミを大胆にガブリアスに叩きつける。すさまじい衝撃音と共にガブリアスは大きく足を数歩下げ、さらにガブリアスの右下に表示されているHPバーが大きく削られ50/130になる。
    「ハッサムの振りぬくは、自分の場にポケパワーを持つポケモンがいなければ30ダメージ追加で攻撃を与えれますの。更にチェリムのポケボディー、日本晴れによって炎、草ポケモンが相手に与えるワザのダメージも10追加。よって元の威力40に30と10を加え80ダメージですわ」
    「……ほう。中々やるな」
     感心したように言ったが、正直のところそんなことをしている余裕はない。序盤からの80ダメージは想定外のかなりの痛手だ。もっと穏やかな攻撃と思っていたんだが、なかなかどうしてやってくれる。
    「今度はこちらから行くぞ、俺の番だ。まずはガブリアスをレベルアップさせる! そしてこの瞬間にガブリアスLV.Xのポケパワー発動。このポケモンが手札からレベルアップした時に発動でき、三回コイントスをしてオモテの回数分のダメージカウンターを相手のベンチポケモン全員に与える!」
     バトルテーブルのデッキポケット横の赤いボタンを押す。オモテ、ウラ、オモテ。よってオモテの回数は二回。
    「20ダメージを受けてもらおう。やれっ、竜の波動!」
     ガブリアスLV.X60/140が雄叫びを放ちながら口から白い波状の衝撃波を放つ。ベンチにいたチェリムは花弁を閉じようと、ストライクは両手で体をカバーしようと体勢をとるも衝撃波をモロに受けてダメージを負う。これでチェリムのHPは60/80。ストライクは40/60だ。
    「お前はコイキングを見て俺を堕ちたと言ったな? 最初は弱くとも、いずれ信じる力と共に強く成長する証を見せてやる! コイキングを進化させ、現れろギャラドス!」
     力なくベンチで跳ねていたコイキングが白い光に包まれ、より大きく。より力強くギャラドス130/130へとそのフォルムを変えていく。
    「こ、これはっ!」
    「ガブリアスLV.Xは逃げるためのエネルギーが不要だ。ガブリアスLV.Xを戻してギャラドスをバトル場に出す。更にレジアイスのポケパワー、ポケムーブを発動。その効果で俺は手札を二枚トラッシュする」
     俺がトラッシュしたのは四枚目のコイキングとニドクイン。
    「レジアイスのポケパワーによって、お前のベンチの進化していないポケモンとバトル場のポケモンを入れ替えてもらう。どのベンチの進化していないポケモンを選ぶかの選択権は貴様にあるが、残念ながら条件に該当するポケモンはストライクだけだな」
     久遠寺の顔が少し歪んだ。その目の前でレジアイスの発する波動によってストライクとハッサムの位置が一瞬で入れ替わる。
    「でも貴方のギャラドスにはエネルギーが一つもついてませんわよ」
    「こいつにエネルギーなど不要だ! ギャラドスでストライクに攻撃、テールリベンジィ!」
     ギャラドスがその巨大な体躯をうねらすと、長い尻尾でストライクを力いっぱい叩きつけた。ゴム毬のようにストライクの体が宙に浮きながらそのHPバーは0/60を刻む。
    「テールリベンジはトラッシュのコイキングの数かける30ダメージの威力だ。今俺のトラッシュにはコイキングが三枚なので、90ダメージ。受けてもらったぞ、俺の渾身の一撃を! サイドを引いて、これで俺の番は終わりだ」
     そうだ! 俺はこんなところで負けていられない。立ち止まる暇はない!
    「この対戦、必ず俺が勝つ!」



    風見「今回のキーカードはハッサムだ。
       エネルギー二つで最大70ダメージを与えることができる。
       もう一つのワザも、ポケボディーも非常に優秀でオススメ出来るぞ」

    ハッサムLv.47 HP100 草 (破空)
    ポケボディー  ハニカムディフエンダー
     このポケモンにダメージカウンターが6個以上のっているなら、このポケモンがワザによって受けるダメージは、「−40」される。
    無無  アクセレート 30
     このワザのダメージで、相手を気絶させたなら、次の相手の番、自分はワザのダメージや効果を受けない。
    草草  ふりぬく 40+ 
     自分の場にポケパワーを持つポケモンがいないなら、30ダメージを追加。
    弱点 炎+20 抵抗力 ─ にげる 1


    | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 | 39 | 40 | 41 | 42 | 43 | 44 | 45 | 46 | 47 | 48 | 49 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 | 55 | 56 | 57 | 58 | 59 | 60 | 61 | 62 | 63 | 64 | 65 | 66 | 67 | 68 | 69 | 70 | 71 | 72 | 73 | 74 | 75 | 76 | 77 | 78 | 79 | 80 | 81 | 82 | 83 | 84 | 85 | 86 | 87 | 88 | 89 | 90 | 91 | 92 | 93 | 94 | 95 | 96 | 97 | 98 | 99 | 100 | 101 | 102 | 103 | 104 | 105 | 106 | 107 | 108 | 109 | 110 | 111 | 112 | 113 | 114 | 115 | 116 | 117 | 118 | 119 | 120 | 121 | 122 | 123 | 124 | 125 | 126 | 127 | 128 | 129 | 130 | 131 | 132 | 133 | 134 | 135 | 136 | 137 | 138 | 139 | 140 | 141 | 142 | 143 | 144 | 145 | 146 | 147 | 148 | 149 | 150 | 151 | 152 | 153 | 154 | 155 | 156 | 157 | 158 | 159 | 160 |


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