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  [No.274] その9前編 マイコの大事なオルゴール〜勝率予想するエリート〜 投稿者:マコ   投稿日:2011/04/09(Sat) 18:34:25   45clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

マイコには、チャオブー、ワシボン、ムンナ、フシギダネ、ミズゴロウの5匹のポケモン以外に、とても大切にしているものがある。それは、クリスタルでできたオルゴール。
なんでも、マイコの故郷であるキュウシュウのとある名工が1年のうちにたった1個しか作らない名品なのだという。成人祝いに親がくれたもので、10万円はするらしい。
さらに、そのオルゴールには秘密が隠されているのだ。
「これには、安らぎの鈴っていう道具と同じ効果があるみたいなの」
マイコは自分の家で、劇場での友人のうちのひとりである、トキにこう言った。
「そもそも、安らぎの鈴の効果自体わからへんねんけど」
「鈴の方は、ポケモンに持たせて連れ歩いていると懐いてくれるっていうものだよ。で、このオルゴールは、鳴らすと懐いてくれるのよ」
「それは1匹だけやなくて、聴かせたやつら全体に効果がでるん?」
「当たり。だからとても貴重で、喉から手が出るくらい欲しい、って人もいるのよ」
「ふーん。ほんなら、マイコのポケモンと俺のポケモンを出してみんなに聴かせると、それぞれに効果があんねや」
「そういうことかな」
そう二人が話していると、いきなり窓が開き、ドガースが出てきたのだ。
マイコもトキもボールを投げようと構えたが、投げる前にドガースが煙幕を吐いてきたのだ!
「ゲホ、ゴホッ……」
「見えへんやんなにも、ゲホゲホッ」
目と喉にくる煙幕が消え去った後、(あの後二人とも視界不良に苦しみながら窓を開けた)呆然とした。
「「クリスタルオルゴールが、ない……!」」
さっきまで置いてあったはずのオルゴールがそっくりそのままなくなっていた。
そして置き手紙があったので、マイコが読んだ。
「悔しかったら俺らを見つけてみろ そう遠くには逃げてないぜ ロケット団エリートズ」
「明らかな宣戦布告やな、挑発的やんけこいつら」
トキはそう言った。少し怒りを感じているようだ。
「空から探そう。空からなら、きっとわかるはず……!」
マイコはそう言った。盗ったやつへの怒りで腸は煮えくりかえっていた。


マイコはワシボンを、トキはヒトモシを出し、ワシボンの背にヒトモシが乗る形となった。
「ワシボン、上空から怪しい奴らを追ってね」
「ヒトモシはそいつらを見つけ次第、鬼火を放って、俺らを案内してくれ」
雛鷲ポケモンは蝋燭ポケモンを乗せて、空へと力強く羽ばたいた。

ほどなくして、10人ほどの黒ずくめの集団がオルゴールを大事に抱えて逃げるのを発見できた。
すると、蝋燭ポケモンは、頭の上の紫の炎から、報告を待つ二人の元に鬼火を放った。
小さな炎はふよふよと浮き、二人の元へ届いた。
「マイコ、走るで」
「え!?嘘でしょ、トキ君!?」
マイコはあせったが、無駄なあがきである。
「お前のオルゴールやろ。盗られてもええもんなん?」
マイコは首を横に振った。
「嫌やろ?そうと決まったら行こうや」
実はマイコ、走るのがかなり苦手なのだ。しかし、そんなことを言ってられる状況ではない。意を決して走った。呼吸が乱れるということが待っていても。


黒ずくめの集団、つまりロケット団はオルゴールを持って逃げていた。
「これを売り飛ばせば、めちゃめちゃ大儲けできるぞ!もっと早く逃げ……」
「ヒトモシ!弾ける炎!!」
逃げようとした時、不意に上空から降ってきた炎により、彼らは足止めされた。しかもその炎、着弾したと同時にたくさん火の粉を飛ばしたのだ。
「「「あちっ!あちっ!!」」」
ヒトモシに指示が飛ぶ、ということは、つまり、マイコとトキがようやく追いついたということだ。ただし、マイコは息がだいぶ切れていた。
「お前ら、もう逃げ場はないで。大人しくマイコにオルゴールを返せ!」
「フフッ、フフフフフ」
「何がおかしいのよ。オルゴールは私の、早く返してよ!」
「お前ら、ただの落ちこぼれのくせに、有名大学を卒業したロケット団エリートズの俺らにたてつこうなんぞ100万年早いんだよ!!」
団員の一人はそう言って挑発したが、
「エリートズってだっさいで。頭ええんやったらもっとええネーミングあったやろ」
トキに一蹴された。さらに、
「少なくとも、エリートって言うのならこんなことしてないで頭を活かしたら?あんたたちろくでもないね」
マイコにまで一蹴された。しかし、めげないのがロケット団である。
「お前らはポケモンを1匹しか持ってない新米トレーナー。ヒトモシとポカブしか持ってなかったから、勝率は……」
何やらゴーグルみたいなもので計算し始めた団員。しかし、何か大事なことが抜けている気がする。
「5%。せいぜい5%で足掻くんだな!」
ここでマイコが食いついた。
「あんたさっきさあ、ポカブしかって言ってなかった?」
「そうだ。ポカブしか持ってないんだろ?」
「いつのデータよ!」
そう言うと、マイコはすでに場にいるワシボン含め、5匹のポケモンを出した。
「お前らデータあるってくせに、不正確なもんでようやってけたな!後、俺に関するデータも古いで!」
トキもポケモンをすべて繰り出した。こちらはヒトモシ含め、4匹である。
チャオブー、ワシボン、ムンナ、フシギダネ、ミズゴロウ、ヒトモシ、コジョフー、タマザラシ、コリンク。9匹揃った。
「隊長!勝率があがっております!」

勝率 60%

「やばいぞお前ら、一斉に攻撃しろおおっ!!」
ポケモンたちが次々と、ロケット団側から出されていく。
「チャオブーは火炎放射!ワシボンは燕返し!ムンナはサイコキネシス!フシギダネはマジカルリーフ!ミズゴロウは熱湯!」
「ヒトモシはシャドーボール!コジョフーは飛び膝蹴り!タマザラシは冷凍ビーム!コリンクは10万ボルト!」
的確に、きびきびと指示を与える二人。

勝率 85%

二人だけで勝負の流れを引き寄せられて、エリートのプライドが激しくなった。
「こうなったら……フローゼル、ヒトモシの火にアクアジェット!」
公式バトルでは、危険攻撃は反則となっている。しかし、相手はエリートとはいえ、ロケット団。ルールはないのだ。一瞬のうちに、むき出しの火に向かって水をまとった海イタチポケモンが一直線に激突したのだ。火は小さくなってしまった。
マイコとトキは動揺した。特にひどい動揺を見せたのはトキの方だ。
「ヒトモシ!!!火が、小さく……」
フローゼルはムンナのチャージビームおよびコリンクのスパークで仕留められた。

勝率 55%

さらにやばいことに、ボールポケモンまで迫っていた。
「追い打ちをかけてやる!マルマイン、大爆発!……ん?」
しかし、爆発は不発に終わった。煙だけ出して目を回している。
マイコがニヤリとしていた。
「残念でしたっ。ミズゴロウがいるから、爆発は起こせないよ」
「何でミズゴロウごときにっ」
「この子は少し変わってて、湿り気の特性を持っているのよ。だから爆発はどうやっても無理ね」
少しだけ優勢を取り戻したかに見えたマイコたち。しかし……、
「ドリュウズ、地割れ!」
鋼のモグラの出してきた攻撃は、一撃戦闘不能を狙ったわけでなく、マイコとトキを引き離すのが目的であった。思惑通りに引き離される。

勝率 32%

「ユンゲラー、金縛り!」
見えない力で、マイコも、トキも、彼らのポケモンたちもみんな動けなくなってしまった。ヒトモシはまだ回復できていない。傷の治療はしたのだが、炎が大きくならないのだ。

勝率 0%

そして、あろうことか、エリートズは、ヒトモシを抱いたままで無防備なトキに向かって総攻撃をやろうとするではないか!
「これで終わりだ!勝率はもはやゼロだ。落ちこぼれはいつまでたっても落ちこぼれなんだよ!!」
「やめてえっっ!!トキ君に攻撃しないでえっ!!!」
マイコが叫ぶも、無駄であった。

そして、一斉に攻撃が降りかかってきたのだ……!!!


後編につづく


マコです。ポケリア史上最大級のピンチ場面で切ってしまいました。
トキ君とのタッグはなかなかの腕ですが、ピンチを迎えると若干弱さが見えるんです。若いから。
でも、私のモットーとして、「主人公側はどんなに危機を迎えてもハッピーエンドに収める」というのがあります。
だから、なんとかして勝利にもっていきたいと思います。
人を見下すものは報いを受けます。マイコちゃんと、トキ君がどうエリートズに逆襲するのか、そこらへんを楽しみに。
【書いてもいいのよ】
【人を見下しちゃダメなのよ】


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