マサラのポケモン図書館 カフェラウンジ2F(長めの作品用)
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  [No.450] その15前編 ゆうれいこわい〜恐怖の館へいざ潜入!〜 投稿者:マコ   投稿日:2011/05/18(Wed) 14:33:47   44clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

今日は珍しい休日。だから、遊園地に遊びに来たマイコ達。そこに、新しく出来たというお化け屋敷があった。
その看板にはこうあった。

ゴーストポケモンによる最恐お化け屋敷!〜恐怖におののく人100%! 精神を病む人60%! ケガする人30%! 死亡者10%! アナタはこの恐怖に耐えられるか!?〜
※なお、飛行タイプのポケモンか、空を飛ぶことができるポケモン、浮遊の特性を持つポケモンを持っていない方には、入場をお断りしております。

「死亡者出たらアカンやん!!」
「最恐って書いとったら、もう入る気せえへん……」
「マイコ、別のとこ行ってからにせえへん?」
確実に入る前から恐怖感を感じている男性陣を尻目に、マイコはこう言った。
「入ろう!面白そうじゃん!!」
彼女には恐怖心はないのだろうか。でも、逆にそれでみんな腹を括ることができた。


ここにはマイコ、ハマイエ、アキヤマ、キザキの4人がいる。4人でお化け屋敷に入るのもあまりマナーとして良くないし、1人が怖がって逃げた時に、パニックが起こりやすい。そのため、ペアを組んで行くことにした。
ここで、キザキが1つの提案をした。
「マイコちゃんと一緒に行く人をインジャン(じゃんけん)で決めません?」
それに対してハマイエは、
「それええな!」
と、すぐに承諾してくれた。一方のアキヤマも、
「別に構わへんで。けど、お前が提案したってことは……」
承諾したが、後に起きそうなことを若干濁していた。
「多分大丈夫やと思いますんで!マイコちゃん、この方法でええ?」
「私は大丈夫!誰と行くにしても文句はないよ」
そして、運命の勝負である。
「「「イーンジャーン、ホイッ!!!」」」

皆さんは、「言いだしっぺの法則」というのを知っているはずである。何かをやろう、と言った人がだいたい負けることだ。
勘のいい人は何が言いたいか分かるはずである。

「ひゃっはっはっは!!!」
ハマイエはそれを見て爆笑していた。
「言わんこっちゃないで、残念やったなあ」
アキヤマは慰めの口ぶりだが、内心笑いたくてしょうがない。
「い、1発負け……しかも俺だけ……」
案の定、提案者が負ける事態になった。バトルでボロ負けしたようにへこむキザキ。彼の周りに黒いオーラが充満しているようにマイコの目には映っていた。カゲボウズが来ようものなら一瞬で彼のもとに集結しそうな勢いである。
そんな彼を尻目に、残る2人はまた勝負を再開した。
「「イーンジャーン、ホイッ!!」」


「あーあ、アカンかった……」
「でもええやないですか、アキヤマさん。5回もあいこで縺れて。俺なんか1発負けやったんですからね」
「せやなあ、あれはひどかったもんなあ」
「……」
結局、勝ち残った2人の勝負は、ハマイエに軍配が上がった。だから、負けてしまった2人がこうして先にお化け屋敷に入ることになった。マイコ達にも自分達が帰ってきたところで入るようにとは言ってある。
「けど、お前みたいに今運を使ってないやつに、後で幸運が舞い込むってことも考えられるで。過ぎたことをくよくよ言うとったらアカンから」
「ありがとうございます」
そんな会話をしつつ、2人は建物内に足を踏み入れた。
ポケモン検査もあったが、2人ともパスできた。ただ、個人情報を見られているようでいたたまれない気持ちにはなったが。


入ったところでドアが閉じられた。真っ暗だが、手には入口で渡されたチョンチーの頭のライトを模した懐中電灯、チョンチーライトがあるので視界は確保できる。
と、その時だった。

ペチャッ

「うわっ」
「何やねんこれ!?」
2人の頭に何かが触れた。思わずライトを向けると、コンニャクであることが分かった。そして、そんなベタな脅かし方をしたのは、ゴーストであった。ニヤニヤしながら奥に引っ込んでいく。懐中電灯の光は嫌いらしい。
「こんなんに引っ掛かるって何や恥ずかしいです……」
「あんな気持ち悪い感触嫌やな……こんな悪戯がしばらく続くとなると……」
2人とも初っ端から結構ダメージを負っているらしい。


そして、しばらくして、悲鳴が聞こえてきた。
「ぎゃあああっ!!!」
「ひいいいいっ!!!」
ここのお化け屋敷はゴースト以外にもゴーストタイプのポケモンがいっぱいいて、入ってきた人を脅かしたがる。
要石からいきなり体を出して人を怖がらせるミカルゲ。
標本近くに集団でいたヌケニン。
棺桶に擬態して(触ってくださいという看板がご丁寧にあった)いざ触れようとしたら顔を出すデスカーン。
ガラス張りの床を歩くと下からじっと見てくるプルリル、ブルンゲル。ピンクと青の鮮やかな体色も、今はただ怖いだけだ。しかも、歩いた後からガラスをぶち破って浮いてきたので、必死で逃げた。
でも、かわいいやつもいる。
「ぷわー」と鳴いて流れるだけのフワンテ。
脅かそうとするものの体の小ささから、あまり脅かしているようには見えないヤミラミ。
お化け屋敷にいながら何か癒されていた。


そんなこんなで、3階のフロアを歩いていると、急に髪を後ろに引っ張られた。また悪戯の模様だ。

グイッ!!!

「痛いっ!!!」
髪の毛を引っ張られたのはキザキだった。勢いよくやられたのか、まだじんじんと痛む後頭部。
「いたたたた……」
「大丈夫?お前、今日は厄日やな」
今日に限っては幸運も舞い込んできそうにないらしい。
そして、先の悪戯をしたのは夜泣きポケモンのムウマだった。ニコニコしているが、最初のゴーストとは違い、ライトを当てても逃げる様子は微塵もなかった。
促されるように足を進め、着いた部屋のドアを開けた。


そこには、沢山の日本人形があった。じっと見る目つきが怖い。
「寒気がする……」
「良くないものがいっぱい居りそうですね……」
と、次の瞬間だった。青と水色、黄色の3色の目に、赤い目が沢山。
黒いてるてる坊主に恨みの詰まったぬいぐるみ達。つまりカゲボウズとジュペッタだ。しかも其処ら中にいた。
「「うぎゃああああっ!!!!」」
最大級の悲鳴を上げて、アキヤマとキザキは全速力で逃げた。
さらに良くないことに、普通なら引っ掛からないはずのトラップが床にあり、

ガコン!!!

「「うわあああっ!!!」」

3階から真っ逆さまに落下していった……!


中編へ続く



マコです。今回は3回に分けて話を進めます。
言いだしっぺに良くないことが降りかかることは往々にしてあるようです。
落とし穴に引っ掛かったアキヤマさんとキザキくんがどうなるのか!?
そこらへんを次に書きたいと思います。
【書いてもいいのよ】
【描いてもいいのよ】


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