マサラのポケモン図書館 カフェラウンジ2F(長めの作品用)
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  [No.455] その15中編 ゆうれいこわい〜助けてくれたゆうれい〜 投稿者:マコ   投稿日:2011/05/20(Fri) 12:42:28   49clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

「うわあああっ!!!」
このお化け屋敷、ポケモン達のねぐらということだからか、天井が結構高くなっている。だから、3階から落下するといっても、実際の高さ的には普通の建物の6階から落下しているような感じなのだ。そのため、最初に空中に浮かぶ技や能力を持つポケモンが必要だと念を押していたわけだ。10メートル以上の高さから落下して、人間は無事ではすまない。
「ゴルーグ、出て来い!!!」
アキヤマがボールから出した、パッと見はロボットのようにも見える、地面とゴーストのタイプを併せ持つゴーレムポケモンが手を伸ばし、落下を続ける2人をキャッチしたのだ!
「危なかったな、死ぬところやったわ」
「ありがとうございます……。あんな怖いトラップがあるなんて思わんかったです」
落とし穴は3階から地下まで一気に落下するシステムになっていた。ここが一番スリルを味わえると同時に、死人が出やすいスポットでもある。
「うぐっ……」
「吐き気がしそうやな。早よ出たい……」
しかも、下にはとがった骨が大量にあり、さらに猛烈な腐臭も漂っていて、とても降りられる状況ではなかった。


アキヤマはゴルーグに、キザキはフライゴンに乗って地下を進んでいると、紫の池のような水たまりがあった。色からしていかにも毒々しい。人間が入ったら溶けてしまいそうだ。ポケモンでも、この環境で平気なのは毒や鋼のタイプを持つものくらいだろう。そんな場所から、

ぬうっ

「「ぎゃあああっ!!!」」
何か出てきた。それを見た2人とも乗っているポケモンから落下しかねない勢いで絶叫してしまっていた。その正体は、ゴーストタイプでは最強の部類に入るゲンガーであった。要するに、そいつがヘドロの海から出現したわけだ。考えてみれば、ゲンガーはゴースト・毒の複合タイプ。一般には影から出てくるが、そこから出てもおかしくはない。
そして、シャドーポケモンはその悲鳴を聞くと、満足そうに影に帰還していった。


ようやく降りられそうな場所が見つかり、2人で歩いていると目の前に大きな階段が見えた。出口である。しかし、またトラップがありそうな気配がしてならない。
2人が足を踏み入れたその時だった。

ドドドドッ!!!!

沢山のヨマワル、サマヨールが襲来してきた!!どうやら、ここは、こいつらをどうにかしないと通過できないらしい。
幸いなことに、幽霊たちはライトの光が苦手な模様で、影の方向に集まる習性があるらしい。
ライトを当てて影に逃げたところを見計らってアキヤマの指示がとんだ。
「ゴルーグ、シャドーパンチ!」
その逃げ込んだ影、つまり幽霊達に向かって、ゴーレムポケモンの放った影の拳が飛んだ。的確に命中して幽霊を蹴散らす。
「レアコイル、マグネットボム!」
別方向では、キザキの指示により、コイルが3匹くっついた磁石ポケモンが小さな磁石を飛ばし、それらは幽霊の集団にくっついた。そして、彼がパチン、と指を鳴らすと、

ドオオオン!!

それらは爆発した。ポケモンの体内にも含まれる微量の鉄に反応してくっつく磁力爆弾は、先の影の拳同様に的確に敵を狙う性質があるのだ。


必中技を駆使し、何とかその場を凌ぎ切った2人。さあ出口へ、と思ったその時、
「嘘やろ、まだ来るん!?」
「諦めの悪い幽霊達や……何で……」
ヨマワルの残党が群れをなして襲いかかってきた!
と、その時だった。

影の球であるシャドーボールと10万ボルトがヨマワルを蹴散らしたのだ!
その技を放ったのは……

3階にて髪の毛を引っ張る悪戯をした、あのムウマだった!

「え、お前、助けてくれんの?」
「ここは自分に任せて、ってことなんやな」
夜泣きポケモンにその場を任せた2人は階段を上って、出口に向かった。


「はあーっ、やっと出れたー!」
「あんなお化け屋敷、二度と入りたないわー!」
「お疲れ様、2人とも大丈夫?」
「だいぶ疲れきっとるやん!大丈夫ちゃうって!」
久しぶりに見た外の景色。時間経過としては40分くらいのようだが、色んなことがありすぎて、何時間も経過したような心地だ。
「あれ、後ろに何かいるけど、まさか、連れて帰ってきたの?」
そんな時、マイコがキザキの後ろを指さして言った。
「え、マイコちゃん、後ろ?……ホンマや、何でついて来たんやろ?」
後ろにいたのは、先のムウマだった。今度は髪の毛を引っ張るなんてことはせず、おとなしくしていた。
「なんかこのムウマ、タロウちゃんに懐いてるみたいだね」
「いっそのこと、キザキ、お前がゲットすりゃええねん!」
「え、そんな、やってこいつは」
「ぐじぐじすんな!こいつついて来たがってんねん!お前がその気持ちを汲んでやらなアカンねん!分かるか!?」
(俺の周りって強引な人多いねんな……)
みんなに半ば押し切られる形で、キザキはボールを投げた。
ムウマはそれに反応し、自ら開閉スイッチを押し、ボールに吸い込まれていった。
その瞬間、ムウマはキザキのポケモンになったわけだ。
「これからもよろしくな、ムウマ!」
ボールの中の夜泣きポケモンは、心なしか喜んでいた。
「さて、次は……」
「2人の番ですね」
アキヤマとキザキが帰ってきた、ということは、マイコとハマイエが行く番である。
腹を決めた2人はお化け屋敷に足を踏み入れていった。


後編へ続く


マコです。
2人とも無事に帰還しました!
さらに仲間も増えて。最後に幸運が舞い込んできましたね。
さて、次は、マイコちゃんとハマイエくんです。
どうなるのでしょうかね……。
【書いてもいいのよ】
【描いてもいいのよ】


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