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  [No.457] その15後編 ゆうれいこわい〜怖がり大パニック!!〜 投稿者:マコ   投稿日:2011/05/21(Sat) 17:18:10   50clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

「いよいよ私達が入るんだよね。ハマイエ君、大丈夫……?」
マイコが問うも、ハマイエはお化け屋敷を見ているだけで顔色が悪くなっていた。もうこの時点から真っ青である。どうやら、お化け屋敷に向かない怖がりのようだ。
(女より悲鳴あげられたらショックだよなあ、そのうちこの人泣くかも……、ここは私がしっかりしなきゃ!)
マイコはそう、心の中で思っていた。


そして、ポケモン検査もパスし、入った直後である。

ペチャッ

「うぎゃあああっ!!」
(早い早い早い!!!)
ハマイエの悲鳴とマイコの心の中のツッコミが炸裂するのはほぼ同時だった。ゴーストによるコンニャクの悪戯だが、怖がりの恐怖心を煽るにはこれで十分らしい。
「も、もう嫌や……」
「まだまだ序盤だよ。ここでへこたれてどうすんの?」
先程入っていたアキヤマとキザキも、この時点ではへこみこそすれど、悲鳴まではあげていなかったはずだ。相当序盤から堪えているらしい。


「いやあああっ!!」
「ぎゃああああああっ!!!!」
その後は多少お化けに耐性のあるマイコでも、さすがにこのお化け屋敷のクオリティには悲鳴をあげていた。しかし、彼女以上に男性であるハマイエの方が悲鳴のボリュームも回数も多かった。
こんな人と一緒に行くマイコがちょっとかわいそうである。
さらにはフワンテやヤミラミにも怯える始末だ。
「この子達はかわいいんだよ、大丈夫だから」と触ってみるように促しても、ただビビるのみで、もはやペアを組むというよりは介護のような状態だった。
マイコも正直、げんなりとしていた。ハマイエのお化け嫌いは、結構、重症らしい。


色々なトラップを抜けた先の、日本人形の部屋は何だか寒気がした。人形の瞳が怖い。でも、それ以上に周りのカラフルな目の方がもっと怖い。気のせいか、この集団カゲボウズおよびジュペッタは何やら恍惚とした表情を浮かべているようでもあった。怖がる気持ちも、ぬいぐるみ達にとっては良い餌のようだ。
そして、一歩足を部屋の外に出すと、

ガコン!!!

「きゃあああっ!!」
「うぎゃああああああっ!!!」
案の定だった。落下してしまったのだ!


下はやはり骨だったのだが、何とかマイコはウォーグルにつかまり、事なきを得ていた。ハマイエは奇妙な形のエスパーと飛行のタイプを併せ持つポケモン、シンボラーにつかまっていた。どちらも無事らしい。
(落とし穴なんてもうやだ……)
そうマイコが思っていたときだった。

ぬうっ

「ぎゃあああああっ!!!!」
「いやあっ!!」
先も出てきたゲンガーだった。案の定というか、なんというか、ハマイエは大絶叫していた。マイコにとっても怖かったはずだが、カゲボウズ・ジュペッタのエリアに比べると、まだマシだったようだ。そう大きい悲鳴を上げることはなかった。


そして、ヨマワルとサマヨールの大軍勢を相手にしているときに、マイコはあることに気付いた。
ハマイエが出していたのは、サマヨールの進化した姿、ヨノワールだったのだが、彼は指示というものをしていなかった、というより、できないと言った方が正しいだろう。それでも、ヨノワール自体の実力は高く、1匹だけで幽霊の大群を打ちのめすほどであった。
(どうして……?)
お化け嫌いが幽霊のポケモンを持つこと自体驚くべきことなので、マイコにはそれが不思議でしょうがなかった。
しかし、そんな疑問は後でも聞ける。今は目の前のバトルに集中するのが先決だ。
「フシギソウ、マジカルリーフの後に眠り粉を発射して、ラクライは電撃波!」


相手にした数がさすがに多かったのか、ラクライもフシギソウも、それぞれライボルトとフシギバナに最終進化を遂げていた。
「ありがとう、そして、おめでとう、ライボルト、フシギバナ」
2人ともポケモン達をねぎらい、歩き出そうとした、その時だった。

何かハマイエの様子がおかしい。ガタガタと震えている。

「どうしたの、ハマイエく……」
マイコの言葉は最後まで行く前に遮られた。そして次の瞬間、

ぐわん!!!

「きゃあああああっ!!!!」
彼は襲いかかってきたのだ!
「どうして、どうして……!?」
どうも、何かに取り憑かれているらしい。操られているように、的確にマイコを狙ってくる。
攻撃をぎりぎりで避けながら、どうすればいいか彼女は考えた。
(このままじゃ危ない。こうなったら……)
考えた末にマイコはボールを放り投げ、夢喰いポケモンを出し、指示を飛ばした。
「ムンナ、催眠術!!!」
夢喰いポケモンの目が青く光ったかと思うと、ふらりと青年は倒れこみ……


「はあ、はあ、もう、いやだ……こんなアトラクション……」
「マイコちゃん、その様子やったら俺らより大変な目に遭ったみたいやね」
「とりあえず、座って休もうや。こっちの寝てるやつが起きたら、色々聞かなアカンからな」
結局、マイコはハマイエを眠らせた後、ムンナのサイコキネシスで浮遊させて連れ帰ってきたという。時間にして1時間半。アキヤマとキザキの倍はかかっている。
「う、うーん……」
ここでようやくハマイエが目を覚ました。そこで3人は彼に質問を行うことにした。
「おはようございますハマイエさん。ここどこか分かります?」
「え、えーと……お化け屋敷の外?」
「正解。次の質問行くで。自分自身は誰か分かるか?」
「俺はハマイエ リュウイチやけど、大丈夫?」
「当たり。じゃあ、最後の質問。地下で私に何をしたか覚えてる?」
「……覚えてない、です……」
「私を殺す気で襲ってきてたんだよ。怖かったんだからね!」
「……!!!すみませんでしたーっ!!!」
このことは彼のトラウマとして、頭に深く刻まれることだろう。
そしてマイコは思った。
ハマイエのお化け嫌いを治すとともに、ヨノワールにも指示を飛ばせるようにしないと、と。


おしまい


マコです。3回のお話、ようやく完結。
極度の怖がり、ハマイエくんと一緒にお化け屋敷に入ったマイコちゃんの心情。
ご察しします。ご愁傷様です。
さて次回は、あくまでも予定ですが、別スレを立てて特別編をしてみようじゃないか、と。
前に言ってたジラーチのお話。
7〜8話くらいになりそうなので、私のある種の挑戦ですね。
【書いてもいいのよ】
【描いてもいいのよ】


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