マサラのポケモン図書館 カフェラウンジ2F(長めの作品用)
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  [No.306] 特別編 CROSS STORY〜大いなる影の力とその代償〜 後編 投稿者:マコ   投稿日:2011/04/22(Fri) 13:41:02   40clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

※人間消失ネタが入っています。少し注意してご覧下さい。


戻りの洞窟に入った4人。そこで、ケンジがこの洞窟の仕組みについて話し始めた。
『この洞窟には、穴が4か所ある。まあ、今いる部屋の場合は入り口を含むから3か所やけど。行先は。で、柱のある部屋を3回見つけたら、その次の部屋でギラティナに会える、という方式やねん。けど、柱を見つける前に行った部屋の数が31を超えると、入り口に戻されんねん。後、4人で固まって行かんと、絶対迷子になるから。みんな理解した?』
3人は大きく頷き、歩き出した。
次とその次の部屋には柱がなかった。4個目の部屋で、入るなりドータクンやゴーストが襲いかかってきたのだ!!柱はなかった。4人はポケモンを出して追い払い、そして次の部屋だった。
天まで届くのではないか、と思わせる大きな柱があったのだ。
「これ、は……」
『これが、柱。まず1個目ね』
その柱にはこうあった。




『これは、柱が1本目、部屋は5個目って意味や。あと柱は2本やな』
「柱見たら、頑張ろう、って意欲が湧いてくるわ」
そして次の部屋に行くと、またしても柱があったのだ!!
『すごい!連続で柱を見つけるなんて珍しいのに!!』
マイコさんは興奮していた。とにもかくにも、あと1本。


しかし、そこからが長かった。行けども、行けども、柱が見つからない。
「ずっと見つからないのかな……」
マイコは落ち込んでいた。悲しいムードに包まれる一行であったが、次の部屋に入った途端に、全員に笑顔が戻った。
「あっ……」
「柱や……!」
『やっとあったわ、3つ目の柱……!』
『いよいよ、次の部屋ね。ギラティナがいるのは』
回復を済ませ、次の部屋に足を踏み入れた、その時だった。

〈グウ……グウウ……〉

ギラティナのうめき声がした。とても苦しそうだ。その傍らには男が1人。ドルビットだ。
『どうしたの……一体何が……』
「くっはっはっは!!財宝とはこういうことか。強力な影の力……!」
ドルビットは高笑いしていた。
『お、お前……!力を使いすぎたらどうなるか分かっとんのか!?』
「え、これは、どういう……?」
「ドルビットは、ギラティナから力を貰って暴走しよるってことちゃう?ひょっとして、それ、人間には扱えへんシロモノなんやろ」
『大方その通り、オオバヤシさん。ここは俺ら4人であいつを止めなアカンね』
4人はフルメンバーを出した。それはとても豪華である。
『みなさん、力を合わせて行きますよ!』
マイコさんの声で全メンバーが一斉にフルパワーの技を放った。
ドルビットの出した、大量のギラティナの形をした影に向かって、火炎放射、ハイドロポンプ、雷、冷凍ビーム、花びらの舞、地震、コメットパンチ……。威力ある大技が次々出され、影を次々掻き消していった。
「なるほど……俺様に立てつこう、ってか。なら、これはどうだ!!」
その瞬間、ドルビットの目が赤く光ったかと思うと、黒い大きな球が4人のポケモンに襲い掛かり、皆瀕死寸前に追い込まれてしまった。
「今の何……?」
「何か飛んできたよな……?」
「これはシャドーダイブのエネルギーを1か所に集めて放出した技だ。ダークダイブと言おうか。しかしお前らしぶといな。全員死なないとは」
『やめなさい!!もう大人しくしてよ!!』
マイコさんは叫ぶが、ドルビットは聞く耳を持たない。
『ドルビット、お前そろそろ死んでまうやろな。かわいそうな奴』
ケンジが意味深なことをボソリと呟いた。
「え、それってどういうことやねん、ケンジ?」
『オオバヤシさん、そのままの意味ですよ』
「ということは……もうすぐあいつは……。けど、こっちも限界ですよ。私も、ばーやんも、マイコさんも、ケンジさん、あなたも……」
しかし、正直、マイコの言う通り、4人が劣勢であることに変わりない。
「ごちゃごちゃうるせえ!お前らまとめて殺してや……」
先程の黒いエネルギー弾をドルビットが放とうとした瞬間だった。

ドプン、ドプン……。

彼の足を影が蝕んでいた。エネルギー弾も消えてしまった。
「え、どういうこと……、どういうことだああっ!!」
ドルビットは絶叫した。その時、ギラティナの声がした。
〈愚かなドルビットよ。我のこの力はお前なんかには扱えない。使ったとしても、大きなデメリットを伴うのだ〉
腰まで影に喰われていた。4人はただ見ることしかできない。
「それはどういうことだあっ!教えやがれえっ」
〈影は非常に暴れたがる性質でな。人間がその力を使うと、その人間を喰うというものになっているのだ。喰われないのは我ぐらいだ〉
「嘘だ!嘘嘘嘘」
ドルビットはすでに壊れかけている。首から上の部分しかもう残っていない。
〈お前は地獄にすら行けない。漆黒の闇の中で、生まれ変われず未来永劫暮らすんだな〉
「そんなのは、嫌だあああっ!!!」
ドルビットは全て影に喰われ、消え失せたのだ……。
4人は何も言えなかった。ただ、マイコがすすり泣く声だけが聞こえた。
そして、その時だった。

ゴオオオオ……

穴が開いていた。
〈我が、この世界とリアルの世界、2つの世界をつないだ。20分は開いている。その前に別れを告げるなり、何か渡すなりをしろ〉
ギラティナなりの気遣いだった。リアル世界から来た2人は、ここでポケモン世界の2人と別れなければいけない。
「マイコさん、ケンジさん、短い間でしたが、ありがとうございました」
マイコがお礼を言う。
「あの時、2人が導いてくれんかったら……俺らはのたれ死んどったから……本当にありがとう」
オオバヤシもお礼を言った。
『いいですよ、そんなお礼を言われるようなことはしてませんし。あ、……そうだ、私からマイコちゃんにプレゼントがあるの』
『俺からはオオバヤシさんにプレゼントを渡すわ』
2人が渡したのはポケモンのタマゴ。マイコのは青く、オオバヤシのは赤かった。
『私のあげたタマゴからは、水タイプのポケモンが孵るってことと、バトルの流れを変えられる特性を持っているってことを教えておくね。ちょっと特別なのよ』
マイコさんはそう教えてくれた。
『俺があげたタマゴは炎タイプのポケモンが生まれんねん。こいつも特別で、遺伝させた技と大きく特性が関わっているってことを言うとくで』
ケンジはそう伝えた。
「「ありがとうございます!!」」
2人は礼を言った。恩をたくさんもらって、返しても返しきれない。
「私達、また会えますか?」
マイコは帰る前にそう言った。すると、マイコさんは少しだけ涙を流しながら言った。
『私達は、あなた達のことを見ていますけど……会おうと思えば、いつか、会えますよ』
「達者でいて下さい。あと、2人とも、ずっと仲良くいて下さいね!!」
オオバヤシはそう言った。
『オオバヤシさんに言われなくっても、大丈夫です!そちらこそ達者で!』
ケンジもちょっとだけ泣いていた。
そして、2人は穴に入り、元の世界へと帰って行った。
こうして、ポケモン世界での冒険は幕を閉じたのだ……。


リアル世界、オオサカ。マイコとオオバヤシはタマゴを抱えたまま、いなくなった場所で倒れていた。そこに、彼らの友人達が集まってきた。
「マイコも、オオバヤシさんも倒れとるやん……」
「ここはちょっとでっかい声で起こすか。出て来い、ガマガル!」
そのうちの1人が、オタマジャクシからカエルになる途中の姿をした振動ポケモンを出した。
「みんな、耳を塞いでて……ガマガル、ハイパーボイス!!」
聞こえてきたのは、起こすというよりは耳を壊すような大音波だった。
「「ぎゃああああ!!!耳が痛いっ!!!」」
2人とも起きた。しかし、方法がいささか荒かったらしい。起きたと同時に怒っていた。特に、オオバヤシが。
「おい、コラァ……」
どす黒い、ヤンキーのようなオーラが立ち上っているようである。
「ひいぃぃぃっ!!!」

しばらくお待ちください……。
(大変お見苦しい映像が流れております……)

落ち着いたところで、タマゴにひびが入り、そして……生まれた。
マイコのタマゴからはミズゴロウが、オオバヤシのタマゴからはヒコザルが。
ミズゴロウの特性は「湿り気」。爆発技及び特性「誘爆」をできなくしてしまう。冷凍ビームや熱湯も覚えている。
一方、ヒコザルの特性は「鉄の拳」。パンチ系の技の威力が上がるのだ。その特性通り、雷と炎、2つのパンチが使用可能となっており、火炎放射も覚えている。
普通じゃできない経験と、すごいプレゼントを貰い、とても貴重で、いろんな意味で充実した1日になったのだった。


おしまい


マコです。無事完結しました。特別編。
ギラティナはこういうこともできるんじゃないか、と考えてキャラ作りを行いました。
本当はもう少し前に公開したかったのですが(いきなりミズゴロウとかヒコザルが出てきてビックリした方もいるでしょうし)、他の話を書きまくったところ公開が遅れた、と……。
両方とも隠れ特性持ちです。
タマゴから孵ったばかりですが、即戦力です。
しかし、まあ、楽しく書かせていただきました、特別編。
今度は本編でお会いしましょう!
【書いてもいいのよ】
【描いてもいいのよ】


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