マサラのポケモン図書館 カフェラウンジ2F(長めの作品用)
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  [No.522] その17 大きさパニック! 投稿者:マコ   投稿日:2011/06/10(Fri) 14:22:34   44clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

ある日のことです。オオサカ中に、「パートナーのポケモンの大きさがおかしくなる」煙がばらまかれました。
そして、例外なく、マイコ達のパートナーもその被害に遭ってしまったのです……。

※(1)〜(7)まではパートナー目線で、最後の(8)のみは全員集合の形でお送りします。


(1)エンブオーの場合
ボクの朝はマスターの悲鳴から始まった。
「どーしたのっエンブオー!!!大きすぎるよ!!」
……ボクの本当の大きさは、そこにいるマスター……マイコさんよりも少し低いくらいなんだ。だけど、今は、何故か、ボクの方が、やたらと大きい。
マスターが小さく見える。
仕方がないから、ボクはマスターを腕でなでてあげた。
「エンブオー!?」
なかなかできないよこんなこと。普通はマスターからなでられる方が多いから。
「そういえば、私、エンブオーに、こうされたことってない、なあ」
そういえば、マスターの家に来てから、ボクはマスターにかわいがられてきた、って思えるようになったんだ。仲間もいっぱい増えたし。マスターは優しくていい人。
……でも、大きさだけは、戻りたいなあ。
これじゃあ落ち着けないよ。


(2)デンチュラの場合
ある朝、ボクが起きてみると、何か周りのものが大きく見えた。
ボクが進化する前、うん、ちょうどバチュルの頃の目線くらいかな。っていっても、ボク達デンチュラは人間の大人の半分もいかない大きさにしかならないけれど。
……あ、ケンジさんの手だ。たくましくて、おっきいなあ。そういえば、進化する前は乗っていたんだよね。この手に、よく。懐かしいなあ。
「何か、えらいちっさくなったなあ、デンチュラ……」
あれあれ、ケンジさん、呆れちゃってるなあ。
だから、ボクは、自分が乗っている手に、足先をトントン、と打ち付けて、大丈夫だよ、って伝えたんだ。
「……大丈夫、ってことか、お前が言うんなら、そうやなあ、……分かった。俺も、あんまり、心配せえへんようにしとくわ」
良かった、伝わった。たぶん、大丈夫だよ。きっと戻るはずだから。


(3)エルフーンの場合
もこもこ、もこもこ。
おいらの体は、たっぷりの綿で覆われてるんだ。
もこもこ、ふわふわ。これは相手をジャマすることもできるし、攻撃を防ぐクッションにもなるんだ!
「……うーん……」
あ、リュウイチが起きたみたいだ。おはよう、リュウイチ!
「……エルフーン……、……!?」
どうしたの、そんなジロジロ見て、おいら、何かおかしいところでもあるのか?
「お前、そんなでかかったか?」
え!?そうだったのか!?おいら気づかなかった……。
「やってそうや。お前は確か、俺よりずいぶんとちっさかったはずやで。今、俺と目線変わらへんもん」
あ、本当だ。今気づいたけど、周りが白いなあ。……ってことは……、
「部屋にいっぱい綿が散らばってる……。こりゃあ掃除せなアカンなあ」
そう言うリュウイチだけど、顔がちょっとにやついてた。悪くはないよ。こういうことも。


(4)シャンデラの場合
「うっわー……、シャンデラ、お前、デカなったなあ……」
マスター……つまり、トキさんがボクに闇の石を使って、ボクが進化したちょうど、次の日。
ものすごく大きくなった。
本当は、マスターの大きさの、半分強ってところなんだけど、何があったんだろう?
今のボクの大きさといえば、マスターの倍の大きさだ。だけど、マスターだって小さくないから、かなり大きくなっていることが分かると思う。
でも、マスターはこういうところには、意外と呑気って感じだからねえ。そこまで頭を抱えてうーん、うーん、ってくよくよしてはいないんだ。
だってさ、さっきも、ボクに、
「ここまでデカかったら、俺を乗せて飛べるんちゃう?」
とか言っていたからね。
ちょっと子供っぽいけど、ボクはそんなマスター、嫌いじゃないよ。


(5)ドレディアの場合
あわわ、わたし、どうすればいいのでしょうか?
夕べ、マスターと一緒に寝て、起きてみると、何だか周りが大きく見えているんです。マスターの家のものがみんな、わたしより大きくて。
チュリネのころよりも、更に小さくなって……
どうしましょう……。
「ああっ、ドレディア!泣かんとってや!」
ああ、わたし、マスターを困らせてしまいました……。マスターにまで心配をかけるわたしって、どうしようもなくて、情けなくて……。
でも、そんなわたしを見て、マスター……カワニシさんは、こう言いました。
「ドレディア、俺の手の上に乗ってや」
わたしは言われるままに、彼の手の上に乗りました。
「俺も正直、何でこうなったんやろってビックリしてる。けど、ドレディアが泣くことなんてないから、大丈夫」
彼はそう言うと、わたしの頭をなでてくれました。
わたしの目からは、さっきまでとは違う意味の、雫がこぼれていました。


(6)ジャローダの場合
ワタシを見て、マスターはキョトンとしています。
目を数度、瞬きさせ、こう言いました。
「これって……夢なんか?ジャローダ……めっちゃデカいねんけど」
元々、ワタシみたいなジャローダという種族は、人間よりももっと大きくなるポケモンなのです。ですが、今、ワタシの体は、マスターであるアキヤマさんを遥かに超えるほど大きくなってしまいました。
これでは、マスターに触れ合うこともできません。もし、ワタシがマスターを潰してしまったら、っていうことも十分、考えられます。
でも、その心配は、杞憂のようでした。マスターから近寄ってきたからです。
「ジャローダ、頭を向けて」
言われた通りに頭だけ向けると、マスターがなでてくれました。
「そっちが近寄れへんのなら、俺が近づけばええってことやんか。心配することなんてないで」
マスターの言葉には、説得力があって、ワタシの方が何だか励まされました。


(7)ダイケンキの場合
わたくし達は、主人のために、忠義を尽くしていかなければならないのです。そのために、主人のそばにいて、お守りしなければならないのです、が……。
「ダイケンキ!?お前ちっさいで!!」
主人であるキザキ様が慌てるほどに、わたくしは今、かなり切迫した状況におかれている次第なのであります。
何しろ、人形とも呼べるほどに小さくなっているのですから、慌てないはずがないのです。本来ならば、主人よりもわたくしの方が大きいのですから。
そんな中で、主人はわたくしのところに手を伸ばし、わたくしを手のひらに乗せました。恐れ多くて、主人のお顔を見ることができないのですが、主人はこう言って下さいました。
「ダイケンキ、僕の顔を見てほしい。……僕やって、正直、ちょっとどころやなくパニクッてんねんけど、……、上手く言葉が出えへんけど……、とにかく、大丈夫やから!」
言葉が多少拙くしか出てこなくても、わたくしにとっては大事な、一生をかけてお守り通さねばならない主人なのです。そう言って下さるだけで、わたくしにとってはありがたいのです。


(8)みんな集まって。
7人全員が連絡を取り合い、近くの空き地に集まった。
「完全に、最初に届いたポケモンだけが大きさがおかしいってことなんだね」
被害状況は、ポケモンを見れば一目瞭然、って言う訳で、全員がパートナーをそれぞれ、繰り出した。
「私のエンブオーは見ての通り、大きいの」
「デンチュラはここにおるで。小さくなっとる」
「エルフーンはこっちに。デカいで」
「シャンデラは頭上におる。こっちもデカいねん」
「ドレディアはここに。手のひらに乗ってるで」
「ジャローダはここ。デカなってるから」
「ダイケンキは手の上におりますから、小さいです」
メチャクチャな状態であるのを確認したところに、1人の白衣を着た男が来た。
「すみませんでしたーっ!!!」
彼は膝から滑り込むように土下座をしていた。
「あの、顔を上げて下さい。あなたは……」
マイコが聞くと、男はブルブル震えながら答えた。
「ぼ、ぼ、僕は……、けん、きゅう、い、ん、を、して、おり、まして……、実は、昨晩に、煙、を、ばらまいて、しまったん、です」
「せめて落ち着いて喋ろうや」
「です、から……それ、を、解決、する、薬、を、持って、来ました……」
その大瓶には、「オオキサナオール〜肥大も矮小もこれでバッチリ標準に!〜」とあった。
全員が心の中でこう思った。
(うっわー、胡散臭い……)
しかし、これしか頼れそうな方法はなかった。そのため、ポケモン達に与えた。


すると、みんな元の大きさに戻った。
「それじゃあこれでさよな……」
『待って』
研究員はとんずらを仕掛けようとしたが、7人とも止めた。
「逃げようっていう虫のよい考えをしないでほしいんだ」
そうマイコが言うと、
「じゃあ僕のことを全力で攻撃していいよ。なんてったって僕、すっごくマゾだから」
そのとんでもない告白に全員顔面蒼白だった。
「こいつ、ある意味潔いな……」
「自分でドMって言われへんで」
「じゃあさ、やる?攻撃……」
あまり気は乗らないが、全力で攻撃を行うことにした。
「デンチュラ!雷!!」
「エルフーン!エナジーボール!!」
「ドレディア!花びらの舞!!」
「シャンデラ!オーバーヒート!!」
「ジャローダ!ハードプラント!!」
「ダイケンキ!ハイドロカノン!!」
「エンブオー!ブラストバーン!!」
7種の攻撃(そのうち3種は究極技)を受け、研究員は吹っ飛んでいった……。
とりあえず、1日だけで、猛烈な疲労感に襲われた7人であった。


おしまい


マコです。
ポケリア第1部は一応、ここでおしまいということにします。
第2部「ポケリア+(プラス)!」をこれから、作成しようかな、と思っています。
今度は、全編シリアスチックになりそうです。今回出てきた7人が、新たな悪に立ち向かう、そんなストーリーにしようかな、と思っています。
楽しみに待っていて下さい!
【書いてもいいのよ】
【描いてもいいのよ】


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