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  [No.525] 第22話「深緑ティータイム」 投稿者:あつあつおでん   《URL》   投稿日:2011/06/13(Mon) 21:11:57   72clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

「さて、ここらで一休みするか」

「賛成ー!わかってんじゃねえかおっちゃん」

 ポケモンリーグを目指すダルマとその一行は、ヒワダタウンを発ち、ウバメの森を歩いていた。緑豊かなジョウト地方で森と呼ばれるだけあり、ウバメの森は木々と水とポケモンで溢れかえっている。例えば、木漏れ日を追ってナゾノクサがまめに動く光景は、この森特有のものである。こうした風景が、旅人の感性をくすぐってきたのだ。

 そうした森の途中のやや開けた場所で、彼らは一息ついた。サトウキビは風呂敷を広げ、湯を沸かし、お茶をいれた。

「ほらよ、飲みな。今流行のナゾノ茶だ」

「な、ナゾノ茶?」

 ダルマは思わず、サトウキビから渡された湯飲みを落としそうになった。

「そうだ。ナゾノクサの葉っぱをむした代物だが、中々いけるぜ」

「……あの、おじさま?何だか、色が葉っぱに見えないですよ」

 ユミが湯飲みのナゾノ茶に目を向けた。通常ナゾノクサの葉っぱは緑色である。しかし、このお茶は明らかに落ち葉の色だ。

「なあに、むした茶にはよくあることだ。男は度胸、何でも試してみるもんだぜ」

 サトウキビは湯飲みを手に取ると、ナゾノ茶を喉を鳴らして飲んだ。飲み終わった彼は、頬を震えさせながらも笑っていた。

「こ、これは『ナゾノカブ茶』じゃねえか。どうりで苦いはずだぜ。誰だこんなもの入れた奴は」

「……どう考えてもサトウキビさんしかいないでしょう、自分のことは自分でやってますし」

 ダルマはため息をつき、自分の肩を軽く揉んだ。旅の荷物は見た目以上に重いので、長時間歩くと肩に痛みが出てくる。だからこうして肩をほぐすのは至って普通である。

「まあそうだがな。ところで、ちょっと聞いていいか?」

「なんですか?」

 突然、サトウキビがじっとダルマ達に注目した。サトウキビはナゾノカブ茶を飲み干すと、こう切り出した。

「お前さん達とはキキョウシティからヒワダタウンへの道のりで出会ったわけだが、何かあったのか?」

「へ?何かあったとは?」

 ダルマは少し拍子抜けしたような表情をとった。サトウキビは続ける。

「キキョウからなら、コガネかエンジュにも行ける。昔は道をふさぐポケモンがいたようだが、今はそういったこともない。なのになぜヒワダのような田舎に行こうと考えたのか、気になってな」

「なるほど。そういえばどうしてヒワダに行こうって話になったっけ?」

 ダルマはゴロウとユミに尋ねた。ゴロウは話を聞いてなかったのか、ナゾノカブ茶に手を出したようである。一方ユミは木漏れ日を浴びながら体を伸ばしている。ダルマはその光景に息を漏らした。

「確か、『色々な地域を回って見聞を深める』はずですわ」

「いや、『ジム線のために後から行くのが面倒だから先に行く』というはずだぞ?」

 ユミとゴロウはそれぞれ答えた。しかし、お互いの答えは全く異なっていた。

「なんだ、何となくこっちに来ただけか?」

「まあ、そういうことになりますね」

「そうか。まあいい、若いうちはそのくらい無謀でなくてはな。俺もお前さん達くらいの頃は……」

 サトウキビは徐々に舌が回ってきた。こころなしか、サングラス越しの目が輝いているように見える。

「へえ、サトウキビのおっさんにもやんちゃな時があったのか?」

「おい、俺はおっさんではないぞ坊主」

「そうですよゴロウ様。サトウキビ様はおじさまですよ」

「……フォローになってねえよ、お嬢ちゃん」

 このやり取りにより、森中に笑いがこだましたのは想像に難くない。彼らの旅は、まだまだ続く。


・次回予告

 門をくぐるとそこは、別の世界だった――。たどり着いた街は、ジョウト地方最大の規模を誇るコガネシティ。そこで見るもの聞くものは、全てダルマ達の常識を覆すものであった。しかし彼らが最も驚嘆した事実、それは……。次回、第23話「栄華の街、コガネシティ」。ダルマの明日はどっちだ!?


・あつあ通信vol.3

今回はメインキャラであるゴロウについて話します。
まず、彼がどうしてこの名前になったかについてです。覚えている方がいるかわかりませんが、GBCのクリスタルバージョンの30番道路に、「コラッタだけで最強になる!」と豪語する短パン小僧がいました。彼の名前がゴロウだったので、そのまま採用しました。現在ゴロウはコラッタ以外のポケモンを持ってません。とても意識しているわけです。

では、なぜたかだかモブ1人に愛着を持つのか。それは単純に「コラッタだけで最強になる」という心意気に感動したからです。ゆえに、「せっかくだから活躍させよう」とメインキャラとして使うのです。

ところで、前回の話では生まれたばかりのカモネギとストライクがバトルをしました。ゲーム的にはカモネギがレベル1、ストライクはレベル17です。本当に勝てるのか?と思った方もいるはずですが、何とかなります。まずコクーンの糸を吐くで負けん気発動、カモネギはコクーンを倒します。これでレベル10まで上がり、タスキ消費からのアクロバットとフェイントを叩き込みます。両方最大ダメージならばギリギリ撃破。ちなみに、経験値の計算はBWの式を使用しております。

それではこの辺で失礼します。ありがとうございました。


あつあ通信vol.3、編者あつあつおでん


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