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  [No.714] 第61話「雪辱の戦い中編」 投稿者:あつあつおでん   《URL》   投稿日:2011/09/12(Mon) 10:57:58   72clap [■この記事に拍手する] [Tweet]


「ふん、相変わらずアリゲイツからか」

「あれはキリンリキか。カラシの奴、手持ちが増えているな」

 ダルマの初手はアリゲイツ、カラシの先発は尻尾にも頭を持つポケモン、キリンリキである。ダルマは図鑑を開いた。キリンリキは珍しいノーマルとエスパーの複合で、トリックを自力で覚えられる希少な1匹である。攻守ともにバランスが良いが、どちらかと言えば補助をこなすことが多い。

「まずは小手調べだ。いくぜキリンリキ、こうそくいどうだ!」

「アリゲイツ、まずはアクアテール!」

 戦いの火蓋は、切って落とされた。先手はキリンリキで、辺りを駆け回りだした。一方アリゲイツはゆっくり歩き、キリンリキが付近を通る時に自慢の尾を叩きつける。キリンリキは一端歩を止めて懐から木の実を取り出し、さっと食べた。

「あ、あれはオボンの実か。体力回復したみたいだし2回で倒すのは無理そうだな」

「……1回の攻撃でオボンを使わせるとは、思ったよりはやる。キリンリキ、そのままバトンタッチだ!」

「逃がすな、もう1度アクアテール!」

 ここでキリンリキが動いた。どこからともなくバトンを持ち出すと、急いでボールへ逃げ帰ってしまった。代わりに、2本の足と4本の腕を持ったポケモンが登場。手から玉のようなものが確認できる。アリゲイツのアクアテールはこのポケモンに当たった。この直後、カラシのポケモンが握る玉から毒が吹き出し、そのポケモンは猛毒状態になった。

「か、カイリキーもいたのか。にしても、何故毒々玉を持っているんだ?」

 ダルマは再び図鑑を覗いた。カイリキーはゴーリキーの進化形で、非常に高い攻撃と多様な技を兼ね備える。反面素早さは低い。ノーガードという特性を持ち、爆裂パンチとの組み合わせは強力。また、根性の特性も厄介である。

「なるほど、根性の特性を発動させるために持ってるか」

「……おいおい、良いのか? そんなにちんたらしててよ。カイリキー、インファイトだ」

 カラシの指示の下、カイリキーは瞬時にアリゲイツの眼前まで接近。そのままやたらめったらに殴りまくった。そして、アリゲイツはボロ雑巾のように投げ飛ばされてしまった。

「あ、アリゲイツ!」

「ははは、脆いもんだな。さあ、次はどいつが相手だ?」

「くそっ、こりゃ厄介だな。頼むぞスピアー!」

 ダルマはアリゲイツをボールへ戻すと、2匹目を繰り出した。出てきたのは、きあいのタスキを腕に巻いたスピアーである。カラシは眉1つ動かさずカイリキーを動かす。

「はっ、お決まりの手だな。カイリキー、ストーンエッジ!」

「なんの、おいかぜだ!」

 カイリキーは軽く跳ね、地面を踏みつけた。すると、スピアーの足元から岩の刃が突き出してきたではないか。この不意討ちをもろに受けたスピアーだったが、きあいのタスキでなんとか凌いだ。そこからおいかぜを呼び起こし、辺りに大風が吹き荒れた。

「それくらい計算済み。バレットパンチでとどめだ」

 カイリキーは攻撃の手を緩めない。急加速しながらスピアーの前に躍り出て、軽めのパンチを当てた。ほうほうの体だったスピアーはそのまま地に伏せた。カイリキーは毒が回ってきたようだが、まだ戦えそうだ。ダルマは苦虫を噛んだような表情でスピアーを回収する。

「うぐ、戻れスピアー」

「どうした、さっきまでの威勢は。……晴れにできなけりゃ、お前のパーティなんざ約立たずばかりだろ?」

「う、うるさい! お前の知らない新しい戦い、見せてやるよ。ロコン、出番だ!」

 ダルマは3匹目のポケモンを投入した。現れたのは、今朝仲間になったばかりのロコンである。ロコンの出陣と同時に、夏の暑さと照り返しが周囲を襲った。

「……新しいポケモンか。それよりなんだ、真夜中だってのに日差しが強くなっただと! まるで昼間じゃないか!」

「これこそ俺の隠し玉だ。火炎放射!」

 ロコンはおいかぜに乗って走り、カイリキーの顔面に陽炎を放つほどの炎を放射した。自らが起こす日照りで強化された炎技にアリゲイツのアクアテール。自身の毒のダメージによりカイリキーは地響きを立てながら倒れこんだ。カラシは脂汗を流しながらカイリキーをボールに納める。

「ぐ、速いな。これでこちらは残り3匹か。……いくぜ、次はこいつが相手だ!」


・次回予告

激戦の続く2人の戦い。数で有利なダルマの手持ちは徐々に減り、遂にカラシと並んだ。果たして勝負の行方は。次回、第62話「雪辱の戦い後編」。ダルマの明日はどっちだっ。



・あつあ通信vol.42

カラシは高速バトン、ダルマは追い風。お互いやってることは似ているんですよね。まあ、130族が抜けるポケモンを使うあたりカラシの方が1枚上手でしょうけど。

ダメージ計算は、いつものようにレベル50、6V、アリゲイツ意地っ張りHP攻撃振り、キリンリキ@オボン臆病HP252防御68特攻4特防108素早76振り、カイリキー@毒々玉意地っ張り攻撃素早振り、ロコン臆病特攻素早振り、クロバット陽気攻撃素早振り、カモネギ陽気攻撃素早振り、イーブイ意地っ張り攻撃素早振り、ガラガラ@骨陽気攻撃素早振り、キマワリ@メガネ臆病特攻素早振り。キリンリキは、高速移動で100族スカーフ抜き、プレートメタグロスコメットパンチ耐え、残り特防の調整となってます。一応控え目ボーマンダの流星群も耐えます。で、アリゲイツのアクアテールでオボン発動。カイリキーの根性インファイトでアリゲイツ確定1発。ロコンの晴れ火炎放射とアリゲイツのアクアテール、毒々玉3ターン分のダメージでカイリキーは倒れます。

今更ですが、ストーリーの途中からアリゲイツの性格が無補正のものから意地っ張りになってます。同一個体ゆえにこのミスはまずいと思いますが、見逃してもらえれば助かります。


あつあ通信vol.42、編者あつあつおでん


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