マサラのポケモン図書館 カフェラウンジ
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  •   [No.3666] 【エイプリルフール】なるほどニュース 投稿者:門森 ぬる   投稿日:2015/04/01(Wed) 15:14:06     121clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
    タグ:書いてもいいのよ】 【好きにしていいのよ】 【テニヌ】 【ハリボテエレジー】 【ババアポカリプス】 【無ッ無ッドニィ】 【33-4】 【にしのみ……日本中の問題じゃないですかぁ!】 【たまげたなぁ……】 【圧倒的問題児

    ※い つ も の

    ワザガミ「なるほどニュースのお時間がやってまいりました。進行はわたくし、ジャーナリスト ワザガミですよぉ。本日は「はなふぶき」について学んでいきましょう。そもそもはなふぶきとはどんな技なのかといいますと、激しい花吹雪を起こして攻撃するめざましく華麗な技なんですよね」

    ゲスト「使う時注意する事はあるのでしょうか?」

    ワザガミ「いいねぇ、いい質問ですよぉ……。じつはね、味方にも当たってしまうんですね」

    ゲスト「なんだか日常でも使えそうな技ですよね?」

    ワザガミ「そうですね。例えば……入学式や卒業式等ですかさずこの技を使うと、感動的な場面を作り出せるわけですね」

    ワザガミ「続いては「あなをほる」について学んでいきましょう。そもそもあなをほるとはどんな技なのかといいますと、1ターン目に地面に潜って2ターン目に相手を攻撃するある意味アンダーグラウンドな技なんですよね」

    ゲスト「使う時注意する事はあるのでしょうか?」

    ワザガミ「いいねぇ、いい質問ですよぉ……。じつはね、地面に潜っている間は相手の技を受けないのですがじしんは当たってしまうんですね」

    ゲスト「なんだか日常でも使えそうな技ですよね?」

    ワザガミ「そうですね。例えば……捕まってしまって脱獄したい事ってありますよね。すかさずこの技を使うと、望んだ結果になる場合とそうでない場合がありますね」

    ワザガミ「続いては「かげぶんしん」について学んでいきましょう。そもそもかげぶんしんとはどんな技なのかといいますと、素早い動きで分身で作り相手を惑わせる、素敵にスピーディな技なんですよね」

    ゲスト「相手を惑わせるとどうなるのでしょうか?」

    ワザガミ「いいねぇ、いい質問ですよぉ……。じつはね、回避率が上がるんですね」

    ゲスト「なんだか日常でも使えそうな技ですよね?」

    ワザガミ「そうですね。例えば……テニスで普段ダブルスに出場する選手がシングルスで出場する事って、ありますよね。すかさずこの技を使うと、一人でもダブルスが出来るわけですね」

    ワザガミ「続いては「なりきり」について学んでいきましょう。そもそもなりきりとはどんな技なのかといいますと、相手になりきって自分の特性を相手の特性と同じにする、明らかに二番煎じな技なんですよね」

    ゲスト「使う時注意する事はあるのでしょうか?」

    ワザガミ「いいねぇ、いい質問ですよぉ……。じつはね、相手の特性がふしぎなまもりの場合は失敗してしまうんですね」

    ゲスト「なんだか日常でも使えそうな技ですよね?」

    ワザガミ「そうですね。例えば……競馬のレースに出たいが段ボールとガムテープと接着剤しか用意出来ない事ってありますよね。すかさずこの技を使うと、コーナーは曲がれませんがレースに出場出来る様になるわけですね」

    ワザガミ「続いては「みだれづき」について学んでいきましょう。そもそもみだれづきとは、どんな技なのかといいますと、相手を連続でつついて攻撃する、激しくアクティブな技なんですよね」

    ゲスト「連続でというとどれ位続くのですか?」

    ワザガミ「いいねぇ、いい質問ですよぉ……。じつはね、2〜5回ほど連続で攻撃出来るんですね」

    ゲスト「なんだか日常でも使えそうな技ですよね?」

    ワザガミ「そうですね。例えば……クッキーが大量に欲しい時って、ありますよね。すかさずこの技を使うと、膨大な数のクッキーが入手出来る効果を発揮するわけですね」

    ワザガミ「続いては「れいとうビーム」について学んでいきましょう。そもそもれいとうビームとはどんな技なのかといいますと、凍えるビームを発射して攻撃するクールに冷たい技なんですよね」

    ゲスト「どれ位冷たいのでしょうか?」

    ワザガミ「いいねぇ、いい質問ですよぉ……。じつはね、相手を凍らせる事もあるほど冷たいんですね」

    ゲスト「なんだか日常でも使えそうな技ですよね?」

    ワザガミ「そうですね。例えば……星を取りたいけど門で遮られていて取れない事って、ありますよね。すかさずこの技を使うと、大変高い効果を発揮するわけですね。この時使用者が死んでも星取得後であれば問題ありません」

    ワザガミ「続いては「しろいきり」について学んでいきましょう。そもそもしろいきりとはどんな技なのかといいますと、白い霧で体を覆って能力を下げられなくする思いの外幻想的な技なんですよね」

    ゲスト「使う時注意する事はあるのでしょうか?」

    ワザガミ「いいねぇ、いい質問ですよぉ……。じつはね、きりばらいを使われると効果がなくなってしまうんですね」

    ゲスト「なんだか日常でも使えそうな技ですよね?」

    ワザガミ「そうですね。例えば……野球の大一番の試合で7回の時点で10対1の時ってありますよね。すかさずこの技を使うと、試合を濃霧によるコールドゲームにする効果を発揮するわけですね」

    ワザガミ「続いては「いのちがけ」について学んでいきましょう。そもそもいのちがけとはぁ! どんな技なのかといいますと! 自分のHPをぉ! 犠牲にして攻撃するー! アーーーー! とてつもなく、身を削った技なんですぅー!」

    ゲスト「どの位ダメージを与えるのでしょうか?」

    ワザガミ「あなたには分からないでしょうけどねぇ! じつはね、誰がねぇ! 誰に攻撃しても自分の残りHPとオンナジヤオンナジだけのダメージを与えるんですわ!」

    ゲスト「なんだか日常でも使えそうな技ですよね?」

    ワザガミ「そうですね゛え! 例えば……少子化問題、高齢ッヘェフハァー! 高齢者問題を解決ジダイガダメニ! この技を使って! 文字通り! アハハーンッ! 命がけでェーッハァー! 取り組むわけですねぇ!」

    ワザガミ「続いては「いかりのこな」について学んでいきましょう。そもそもいかりのこなとはどんな技なのかといいますと、イライラさせる粉を自分に振りかけて注意を引く、あからさまに挑発的な技なんですよね」

    ゲスト「注意を引くとどうなるのでしょうか?」

    ワザガミ「いいねぇ、いい質問ですよぉ……。じつはね、相手の攻撃を全て自分が受ける事になるんですね」

    ゲスト「なんだか日常でも使えそうな技ですよね?」

    ワザガミ「そうですね。例えば……サッカーの試合の帰りに、疲れからか不幸にも黒塗りの高級車に追突してしまう事って、ありますよね。すかさずこの技を使うと、後輩をかばい全ての責任を負うわけですね」

    ワザガミ「続いては「きあいだめ」について学んでいきましょう。そもそもきあいだめとはどんな技なのかといいますと、攻撃に気合いを込めて急所に当たりやすくするいわゆるクリティカルな技なんですよね」

    ゲスト「使いどころはどういった場合なんでしょうか?」

    ワザガミ「いいねぇ、いい質問ですよぉ……。じつはね、相手の防御等が上がっている場合高い効果を発揮するんです」

    ゲスト「なんだか日常でも使えそうな技ですよね?」

    ワザガミ「そうですね。例えば……勉強が嫌いだけど受験する事ってありますよね。川辺に行きましてこの技を使うと、圧倒的問題力を発揮するわけですね。それではみなさま、また来週。さようなら」


    ――――――――――――――――――――――――――――

     えぇ、はい。今年もです。はい。そういう事です。来年はどうなりますかな……

    【なんでや! エレブース関係ないやろ!】


      [No.3135] Re: 【募集】ミアレシティの怖い話【フォルクローレ】 投稿者:奏多   投稿日:2013/11/30(Sat) 16:08:04     74clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    また思いついたので、投稿してみます。

    私、ジュペッタのお話、聞いたことあるよ。ジョーヌ広場には、時々ゴミ箱が置いてあるでしょう? あれ、ポケモンの仕業なんだって。知ってた? いつあのゴミ箱の中を開いてみても、空っぽでしょ? でも、夜にあの中をのぞくと、何か入ってるの!
    何だと思う? それはね、ジュペッタのぬいぐるみなの。沢山つぎはぎされていて、よれよれのぬいぐるみ。このぬいぐるみは人が見つけると、動き出すんだよ。そして、人がそのことに驚いていると、笑い声をあげて、姿を変えるの。
    その姿はまるで、本物のジュペッタがメガシンカした姿にとっても似てるんだって。人が驚いて腰を抜かしているうちに、くすくす笑いながらとんでっちゃうんだって。
    いたずら好きなぬいぐるみさんなんだね。


      [No.3134] 尻尾は何本になるのでしょうか? 投稿者:門森 累   投稿日:2013/11/30(Sat) 15:56:47     155clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
    タグ:A:キュウコンなんだから9本】 【B:3本増えるから(2本失っているから)7本】 【C:1.5倍になるから(全体の2/3あるから)6本】 【D:増えずに4本】 【E:そもそも進化出来ない】 【F:その他

     知恵袋に寄せられた相談:
     ポケモンが進化すると身体の欠損は治るのでしょうか?
     私のロコンは以前事故で尻尾を2本失い、4本しかなくなってしまったのですが、キュウコンに進化すると尻尾は9本になるのでしょうか?
     炎の石は安い物ではないので簡単には手は出せないのですが、もし治るのでしたら何としても手に入れます。
     皆様ご回答宜しくお願い致します。


      [No.2616] 本人の意思 投稿者:フミん   投稿日:2012/09/14(Fri) 00:16:17     117clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    「ブースターだ!」

    「いや、シャワーズ!」
     

    家が敷き詰められた住宅街のある一戸建て。まだ幼く元気のある兄妹が、言い争いをしていた。
    喧嘩の理由は単純だった。二人の家に住むイーブイを、どの種類に進化させるかということである。
    二人はまだ年齢が若すぎるため、自分のポケモンを持っていない。両親に何度もお願いして、漸く家に来たのが一匹のイーブイだった。
     
    イーブイという種族は、様々な種類に進化することができる。住んでいる環境によって様々な個体へ姿を変えることができるため、他のポケモンよりも進化の数が圧倒的に多い。例えば、とても寒い地域に住んでいれば凍えて死なないためにグレイシアに進化する傾向があるし、森に囲まれて育ったイーブイはリーフィアに変化することもあると言われている。
    それ故に、人間が故意的に進化を操作することも多い。理由は、様々だが、大方は人間の都合である。そのため、人間が管理しているイーブイは、環境以外の要因で何に進化するか決まってしまうことが殆どだった。
     
    話は戻るが、兄弟は、イーブイを何に進化させるかで揉めているのだ。


    「ブースターは可愛いじゃないか。赤い体にふわふわした体毛、ずっとぎゅーってしていたくなるんだよ」こう

    言うのは、兄の方。

    「シャワーズにすれば、ひんやりして気持ち良いし、一緒にプールで遊べるもん。だからシャワーズが良いの!」

    そう述べるのは、妹の方。
     
    この二人は、いつも意見が食い違っていた。例えば、兄の方は冬が好きだし、妹は夏の方が好みだった。他にも兄は走るのが好きだし、妹は泳ぐのが好きだったりと、常にこの兄妹はぶつかりあっているのである。
    そのため、今回のことも珍しいことではなかった。


    「シャワーズに進化させたら冬はどうするのさ。冷たくて触っていられないぜ?」

    「ブースターなら冬に抱きしめられるもん。お兄ちゃんだって、真夏にブースターをずっとぎゅってしてるの?」

    「ああ、俺だったら真夏でも真冬でもブースターを抱きしめるもんね」

    「そんなことしたら暑さでお兄ちゃんが倒れちゃうよ。だから、シャワーズにしようよ」

    「そんなこと言ったら、冬に無理にシャワーズを抱きしめたら、お前が風邪引いちゃうじゃないか。だから、ブースターにしようぜ」

    「嫌だ! シャワーズ!」

    「俺だって嫌だ! ブースターが良い!」
     
    お互いに眉間にしわを寄せ、睨みあう兄妹。彼らはまだ、譲り合うということができなかった。両親がいると大人しくなるのだが、生憎、この子達の両親は、まだ仕事で帰って来ない。

    イーブイは、そんな兄妹を毎日見ているのに目もくれずソファーの上で昼寝をしていた。
    散々続いた言い争いが終わったと思うと、兄弟はイーブイの目の前に立ち見下ろしている。
    何事かと顔を上げると、先に兄が言う。


    「ブイルは(イーブイの名前である)、ブースターに進化したいよな?」
     
    妹。

    「ブイルはシャワーズに進化したいよね。私のこと大好きだもんね」

    「ブイルはお前のことなんか好きじゃないって。ブイルが好きなのは俺だよな」

    「そうやって、人のことをいじめるような最低な人間をブイルが好きになるわけないじゃない。ねーブイル」

    「あーあ、やだやだ。強引に姿を変えられるのは嫌だってさ。他人のことを思っているように見せかけて、実は自分の都合を突き通そうとしている人って、タチが悪いんだよな」

    「お兄ちゃん。そろそろ怒るよ」

    「やるか」

    「手加減しないよ」
     
    彼らは拳を握り、今にも喧嘩を始めそうになる。怪我をしたら流石に洒落にならないので、ブイルと呼ばれたイーブイは起き上がり、自分の気持ちを堂々と伝えた。


    「僕は、昔からサンダースになりたいと思っているんだ」
     
    胸を張り、しっかりと自己主張をするブイル。
    すると、二人の表情は一変する。

    「何言ってるんだ。サンダースになったら静電気が大変だろう。それに、ふわふわした体毛が少なくなっちゃうじゃないか」これは兄。

    「そうよ。サンダースだと一緒にプールで泳げないよ? だから考え直そうよ」これは妹。

    「だから勝手に決めるなって。ブースターが良いに決まってるだろ」

    「違うの! シャワーズが良いの!」

    「ブースター!」

    「シャワーズ!」
     
    ついには殴りあいの喧嘩を始めてしまう二人。さすがにここまでくると放っておけないので、ブイルはなんとか止めさせる。


    「これ以上喧嘩するなら、何に進化するかお母さんに決めて貰おうかなあ」
     
    さり気なく呟くブイル。
    お母さん、兄妹にとって大切な家族であり、恐れる対象である。
    兄妹は理解していた。お母さんが主導権を握れば、全ての物事は強引に決定してしまうのである。そのため、ブイルが何に進化するかを母親に頼むということは、自分達の意見が通らなくなることがほぼ確実だった。


    「ごめんブイル、俺達が悪かった」

    「お願いブイル、それだけは止めて」
     
    母に決定権が移ることだけは、何としても阻止しなければならない。兄妹の態度は一変した。

    「もう喧嘩しない?」

    「しないしない。絶対にしない」

    「うん。お兄ちゃんと私は仲良しだもん。喧嘩なんてしないよねー」

    「ああ、しないとも」
     
    ぎこちない笑顔で肩を組む兄妹。それならば、とブイルは言う。
    「僕が何に進化するのか、仲良く決めてね」
     
    兄妹は黙って頷いた。とりあえず、今日の兄妹戦争は回避できた訳だ。
    しかし、明日には同じことを繰り返すのだろう。そう思うと、このままイーブイの姿で一生を終えた方が良いのではないかと思うブイルだった。



    ――――――――――

    地味にお久しぶりです。
    夏コミ82に来てくれた方がもしいたら、ありがとうございました。またちょくちょくイベントには参加していると思います。
    9月のチャレンジャーは他のイベントで売り子を頼まれた為、参加を断念しました。鳩さんの新刊はまた今度になりそうです。

    現在、冬コミに向けてワープロ打っています。こういうネタは直ぐ思いつくのですが、遅筆なのが悩みです。


    フミん


    【批評していいのよ】
    【描いてもいいのよ】


      [No.2615] 【ポケライフ】お客さんの来ない日 投稿者:久方小風夜   投稿日:2012/09/13(Thu) 22:59:08     173clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
    タグ:ポケライフ】 【冥土喫茶】 【何もかも投げ出して喫茶店経営したい】 【|ω・)
    【ポケライフ】お客さんの来ない日 (画像サイズ: 887×682 200kB)

     僕の喫茶店は、通称「冥土喫茶」と呼ばれている。


     別に雰囲気がおどろおどろしいとか、入ったら呪われるとか、ましてや本当にあの世にあるとか、そういうことじゃない。もちろんメイドさんがいるわけでもない。
     赤レンガの壁にアルコールランプの明かりの内装はお客さんたちにも落ち着くって評判だし、庭では奥さんが手入れしている花壇を眺めながらお茶を楽しめる席も用意してある。メニューだって自信がある。コーヒーは自家焙煎だし、甘味も軽食も手作りだ。

     ただちょっと、集まるのだ。ゴーストポケモンが。


     それというのも、僕がこの喫茶店を開いたばっかりの頃だ。
     昔からのささやかな夢で、街の片隅で小さな喫茶店でもやりたいな、って思ってた。
     で、とある町で店舗を借りたものの、喫茶店としてやっていくにはちょっと狭すぎて、しょうがないからもうちょっと広い場所に移ることを夢見ながら数年間、自家焙煎のコーヒー豆を売っていた。
     その頃に後々僕の弟子となる子と会ったんだけど、その時その子が連れていたのがヨマワルだったんだよね。

     しばらくして資金もたまって、長年お付き合いしてた奥さんとも結婚して、晴れて郊外の一軒家に移り住んだわけだ。
     ちょうどその直後、例の弟子が「迷子のヨマワル拾ったんですが育てません?」とか言ってきて。
     まー僕もそれなりにポケモンを育てることには興味を持ってたし? 弟子の様子見てヨマワルかわいいなーとか思ってたし? じゃあせっかくだからってことでもらいうけたわけだ。

     最初は僕と奥さんの2人で喫茶店をやってたんだけど、しばらくして奥さんが妊娠したから、僕ひとりで店をやることになっちゃったんだよね。
     そんなに大きな店じゃないけど、ひとりで注文聞いてコーヒー淹れてお菓子用意して運んで掃除して片付けて、って結構大変なんだよね。自分がまだ慣れてなかったのもあるけど。時期的にもお店を開いてまだそんなに経ってない。常連さんが出来て、お客さんが入るようになって、これからが大事って時だから。

     で、僕は気がついたらヨマワルに「手伝ってくれない?」って聞いてた。ヨマワルの手も借りたいという慣用句はなかったと思うけど、そんな気持ち。
     そしたら意外とあっさり言うこと聞いてくれて、まずは店の掃除を手伝ってくれるようになった。
     教えたら食器を洗ったり、注文されたものを席まで届けたり、注文を取ったり、何かいろいろ出来るようになった。
     しばらくしたらサマヨールに進化して、細かい作業ができるようになって、ケーキをよそったり、ケーキを作ったり、クッキー焼いたり、紅茶を淹れたり、豆を量ったり、豆を挽いたり、コーヒー淹れたり、コーヒー飲んだり、僕のブレンドに文句を言ってきたりした。

     まあ良く働いてくれるもんだから、だんだんお店の評判が広がって、お客さんがたくさん来るようになった。
     で、相方はいつの間にかお客さんたちから「副店長」って呼ばれるようになってた。
     まー確かにそう呼ばれてもしょうがないよね。僕より働いてるような気がしないでもないしね。
     ヨノワールに進化してからというもの、来る人来る人に「店長より副店長の方が威厳ありますよね」とか言われるのが僕としてはちょっと不満だ。


     うん、まあ、ずっと僕と副店長の2人(1人と1匹)体制でお店をやってたんだけど。


     いつの間にか、増えてた。


     いや、僕が新しいポケモン捕まえたとかそういうわけじゃない。
     そもそものきっかけは、副店長が外出した先で、野生のカゲボウズを拾ってきたことだ。
     言葉は話せないし表情も基本ポーカーフェイスだから、身振り手振りで強引に解釈した結果、「何か知らないけどついてきた」……ということらしい。
     まあ別に困るわけじゃないし、暇だったし、せっかくだからとコーヒーを出した。

     そしたら懐かれた。

     いやまあ考えたら野生のポケモンに餌付けするようなものなのかもしれないけど、それを言うならまずは連れて帰ってきた副店長に文句を言ってください。
     ちなみにそのカゲボウズ、進化した今でも常連と化して、よくカウンターに寝転がって新聞読んでます。

     で、それをきっかけに、色んな野生のポケモンがうちに来るようになったんだよね。主にゴーストタイプが。多分副店長が副店長だから。
     勝手に人の店にたむろしてるわけだけど、たまにお店を手伝ってくれることもあるから何とも言えない。
     ゴーストやゲンガーは注文を取りに行ってくれるし、ヤミラミは注文のものを運んでくれる。
     ムウマとムウマージはよくお店の掃除をしてくれる。イトマルやバチュル辺りとは巣の存亡をめぐって仁義なき争いを繰り広げているようだ。
     ユキメノコとその子供のユキワラシは氷が切れた時に用意してくれる。この親子が来るようになってから、夏のメニューにかき氷が増えた。
     ヒトモシの集団は、たまにサイフォンの熱源の代わりになっている。燃料代を節約できるかと思ったら、コーヒーが何だか生気の抜けたような味になったからやめた。
     フワンテはよく、お店に飾る花を摘んでくる。でもこの前店に行ったら花瓶にキマワリが刺さってた。本人(本花?)がまんざらでもない顔だったからそのままにしておいたけど。でも次の日にはいなくなった……と思ったら代わりにチェリムが刺さってた。
     その辺にいっぱいいるカゲボウズやらヨマワルやらゴースやらは……うん、まあ、遊びに来てるんだろうな。気まぐれに手伝ってくれたりするけど、基本的にお客さんにちょっかい出したり、僕にちょっかい出したり、副店長にちょっかい出して追い払われたりしている。
     副店長は副店長で、マイペースかつ確実に仕事をやってくれる。僕はまあ、遊べとせがんでくるちびっこたちを適当にあしらいつつ、適当に仕事をしている。げに頼もしきは副店長だ。全く。


     まあおかげさまで、喫茶店はお客さんたちに「冥土喫茶」とあだ名をつけられ、その筋ではそこそこ有名になっているらしい。
     イーブイやエネコやミミロルみたいな、かわいくて癒されるポケモンと触れ合えるカフェなんかはよく聞くけど、うちはあだ名からして何だか禍々しい気がしてならない。
     話に聞くと、例の弟子の店も僕の店以上にゴーストのたまり場と化しているらしいので、師弟そろってろくでもない店を経営する運命だったようだ。


     さて、と。
     今日は珍しくお客さんが来ないし、ここのところの暑さでだるいし、眠いし、副店長は本読んでるし、相変わらずポケモンたちがいっぱいだし。


     ドアベルが鳴るまで、ちょっと寝かせてもらうとするかね。



    +++++

    「ますたーおきろー」
    「ますたーおきゃくさんきちゃうぞー」
    「どうしたますたー? たいちょうわるいのかー?」
    「どうせ夏バテでしょ。副店長、どうする?」
    「……放っとけ」


    こっそりイラコンに紛れ込ませていただいた1枚。
    塗ろうと思ったところで灰色の色鉛筆が消失していて、別色で無理やり塗った思い出。


      [No.1913] P@SSION☆プリカちゃん 投稿者:   《URL》   投稿日:2011/09/23(Fri) 11:54:05     84clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    「P@SSION☆プリカちゃん」の最初期のメモ。

    -------------------------------------------------------------------------

    ◆リボンちゃんの憂鬱
    ・いろいろな楽器を弾きこなす天才少女「真理香」ちゃんを親にもつプクリンのプリカちゃん
    ・真理香ちゃんと一緒に歌を歌うのが何よりの楽しみ
    ・真理香ちゃんのパートナーを努められるのは自分しかいないと自負していた
    ・が、真理香ちゃんが新しく「ヘンな人形のような楽器」を買ってからご機嫌斜め。真理香ちゃんが人形とばかり歌っているから
    ・ヘンな人形はプリカちゃんとも仲良くしようとするが、プリカちゃんはそっぽを向く
    ・が、その都度ヘンに解釈されて仲良し扱いに
    ・二人の曲を聴くたびに膨れっ面をするプリカちゃん
    ・三月は陰暦で「弥生」だと聞き「三月が消し飛べばいいのに」と呟く
    ・通りすがりのユンゲラーのスプーンを力ずくで捻じ曲げて「腕力>超能力だ!」と宣言
    ・ニョロモが音符マークに見えて「お前ら全員カエルになれ!!」と激高
    ・タブンネを見て「あたしと契約してみろー!!」と叫ぶ
     ・その後本当にタブンネと契約、腹いせにトレーナーを狩りまくり、周囲一帯を恐怖に陥れる
     ・タブンネ達から神と崇められる
    ・ふわふわ飛んでいたフワンテを見て「ふわふわしてんじゃねええええ!!」と発狂
     ・自分がふうせんポケモンであることは当然の如くスルー
     ・ひっつかもうとしたら危うく連れて行かれそうになる「ぷわわー!」「ウボァー!」
    ・タマタマを見かけて脊髄反射で「だんごー!!」と絶叫
     ・※たまごです
    ・何故か教会にある花畑にいたキレイハナを見て「約束の地よ!!」と叫んでダイビングボディプレスを敢行
     ・じゃれてきたと勘違いされてそのまま遊ぶ
     ・アクアブレス(※バブルこうせんです)
    ・ついにはマジックが注射器に、マイクが包丁に見えはじめる
    ・外を散歩している途中に出会ったカモネギを見て一瞬で沸点に達し、いきなりネギをガジガジと食べてしまう
     ・「おまえなんかー! こうしてやるー!!」
     ・「僕の採りたてがー!」
     ・「あたしは生でも構わず食っちまうんだぜー!」
    ・とぼとぼと家に帰る途中、真理香ちゃんは自分がいらなくなったのだろうかと思い、不安に
    ・帰ってみると、真理香ちゃんとヘンな人形がプリカちゃんを待っていた
    ・そして、中央にはプリカちゃんのためのステージが
    ・実は真理香ちゃんとヘンな人形は、プリカちゃんと一緒に新曲を歌う準備をしていた
    ・真理香ちゃんが作曲し、ヘンな人形がコーラスを、そしてプリカちゃんがボーカルを担当
    ・新しい曲を作ったから、三人で形にしよう、ボーカルはプリカちゃんしかいないと真理香ちゃんが言う
    ・ヘンな人形は「プリカちゃんと一緒に歌うために、たくさん練習しました」という
    ・プリカちゃんは自分がいらなくなったわけではなかったと気付き、涙を拭ってステージに立つ
    ・プリカちゃんとヘンな人形が歌い始める
    ・こういうのも悪くない、そう思うプリカちゃんだった
    ・一人寂しくネギを探すカモネギに、スプーンを腕力で捻じ曲げられたユンゲラーが声を掛けて終了

    <メモ>
    ・プリカちゃんの心は千々に乱れ、もはやBlue Noiseの嵐です。
    ・真理香ちゃんだけのPrivate Service。それがプリカちゃんの自慢でした。
    ・二人の雰囲気はin a merry mood。いい感じです。
    ・二人をつなぐKEY WORD。それは歌でした。
    ・こいつは大変助けが必要。さあさあ今すぐQuender Oui。
    ・Navigator不在じゃ歌えない。プリカちゃんの心は沈むばかりでした。
    ・プリカちゃんの不満はFABLED METABOLISM。膨れっ面の日々は続きます。
    ・あーあ、また膨れちゃいました。プリカちゃんはさながらJETの如く、すごい早さで散歩に出かけてしまいました。
    ・心はふわふわFLOATED CALM。あちこちに気持ちが散らばって、考え事もままなりません。

    -------------------------------------------------------------------------

    ポイント:
    ◆キャラクターの名前が全然違う(プリカちゃん→リボンちゃん、マリカちゃん→真理香ちゃん)。タイトルも違う
    ◆後から追記したと思しき<メモ>欄では既に名前が「プリカちゃん」に変わっており、この間に名前をすべてパロディにする方針を固めたらしい
    ◆主人公がプリンではなくプクリン。後に全国図鑑の番号を見て顔面蒼白になり、大慌てで修正を入れる
    ◆ゲロッパが不在
    ◆タブンネのシーンが完成稿とまったく違うが、件の曲のパロディでタブンネを出そうという方針は確定していた
    ◆この段階でどのパロディを盛り込むかは大筋で固まっている
    ◆<メモ>欄の曲名の使い方が完成稿と微妙に違っている
    ◆オチ(カモネギくん登場)が完成稿とまったく同じ
    ◆当初はコメディ一本槍で突き進むはずだったが、恐らく何気なく例の曲を聴いて後からちょっとシリアスシーンを追加したはず


      [No.1912] 参考:俺の場合 投稿者:No.017   《URL》   投稿日:2011/09/23(Fri) 11:32:24     87clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    少年の帰郷とか野の火でようやくブラインドネスレベル。
    最初から書かずに、小説本文を書きながらあの形にもってく感じ。
    もっとメモ書きっぽくて台詞なんかが多いけど、消化した項目から消すので、記録が残らない。

    参考:
    長編のプロットってどうやってまとめていますか? - No.017 [ザ・インタビューズ]
    http://theinterviews.jp/pijyon/1515900


      [No.1911] Re: コットンガード 投稿者:No.017   《URL》   投稿日:2011/09/23(Fri) 11:20:22     94clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    うわああああ、ホントにガッチリプロット組んでるよコイツ!
    エアームドの鋼並にガッチリだよ!


      [No.1910] コットンガード 投稿者:   《URL》   投稿日:2011/09/23(Fri) 11:18:01     90clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    おまちかねのコットンガード。

    -------------------------------------------------------------------------

    <タイトル>
    「コットンガード」

    <テーマ>
    ・苦手な「起承転結」を徹底してみる
    ・とにかくテンポを意識して
    ・ママに当たるエアームドとの対比を入れる

    <起>
    ・ママに毛づくろいをしてもらうチルチルちゃん
    ・チルチルちゃんとママの羽の違い
     →実の親子ではないことをここで明示する

    <承>
    ・ママのようになりたいと願うチルチルちゃん
    ・が、チルチルちゃんはふわふわ羽でママは鋼の翼
     →少ししょんぼりする

    <転>
    ・公園を一人で散歩するチルチルちゃん
    ・そこへ突然上からクヌギダマさんが!
    ・慌ててふわふわ羽でガードするチルチルちゃん
     →ノーダメージで吹き飛んでいくクヌギダマさん

    <結>
    ・飛び跳ねるようにママの下へ帰るチルチルちゃん
    ・新必殺技「コットンガード」を披露する
    ・防御力が大幅にアップしたチルチルちゃんをうれしそうに抱きしめるママ
     →二人は立派な物理受けになってくれることでしょう

    -------------------------------------------------------------------------

    これでもなお完成稿で変更が入り、物理受け云々は(多分作風に合わないとの理由で)筆者コメントに移動されている。


      [No.1909] 爆殺天使キタコレ 投稿者:No.017   《URL》   投稿日:2011/09/23(Fri) 11:10:50     93clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    >  結:やはりあるがままが一番「しあわせ」なのだということに気付き、今日も元気に相手ポケモンを容赦なく爆撃するのであった

    ワロタwww
    個人的にはこっちのが好みだったかもwww


      [No.1908] blindness(ほぼ完成稿) 投稿者:   《URL》   投稿日:2011/09/23(Fri) 11:10:39     107clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    続いてblindness。これは結構練った後のメモ。

    -------------------------------------------------------------------------
    <タイトル>
    ・「向こう見ず」
    ・「ただ私のために」

    <テーマ>
    ・「足跡」

    <コンセプト>
    ・「盲目のドーブル」
    ・「足跡は家紋」
    ・「×の付いた足跡」

    <主人公>
    ・絵描き志望の少女

    <プロット>
    ・スランプに陥った少女
     ・某イラストSNSでランクが伸び悩んでいる
     ・固定ファンはいるが、何か物足りない、本質を見てもらえていない気がする
     ・何もかも中途半端な自分が嫌になる、才能のなさが恨めしい
    ・コンビニから帰ってきた直後、家の塀に落書きしているドーブルを発見
     ・背中の足跡に「×」
     ・絵はセンスこそ感じられるが、ところどころ間違っている
     ・背中の文様も「アートの一種」だと考える
    ・ドーブルについての話
     ・大人になると背中に足跡を付けられる
     ・足跡は「家紋」のようなもので、見ただけで「家柄」がわかる。「家柄」のよいドーブルは絵が上手い
     ・学者の見解では、ドーブルは「家柄」によって厳格に階層化されている
    ・後姿を眺めながら
     ・本当に楽しそうに絵を描いている
     ・呆れるほど楽しそうなのが、少女にとって余計に苛立ちを募らさせる
     ・少女のことは一切気にかけていない
    ・ドーブルに呼びかけると、見当違いな方向を向く
     ・確認する素振りを見せた後、また絵を描き始める
     ・このとき、様子がおかしいことに気付く
     ・よく見ると、ドーブルの目には光が宿っていなかった
    ・ドーブルについての話(2)
     ・ドーブルは絵を描くことを生業にしている。よって、絵の描けないドーブルは差別を受ける
     ・目の光を失うようなことがあれば、即座に爪弾きにされる
     ・このドーブルの家柄は、かなりの上流のようである。成人したばかりだということにも気付く
    ・少女とドーブル
     ・よい家に生まれ、それだけの力を身につけ、成人して活躍するばかりだったという状況から一転、失明して一族を追われたという経緯に気付きショックを受ける
     ・それでもなお、純粋に絵を描くことを楽しんでいるドーブルに、さらにショックを受ける
     ・自分が無駄なこと、くだらないこと、つまらないことに囚われすぎていた事を思い知らされ、呆然とその光景を見つめる
    ・ドーブルとの別れ
     ・ドーブルは描きあげた絵を撫でて慈しんでから、静かにその場を後にした
     ・少女は無意識のうちに携帯電話を取り出し、絵を写真に収める
     ・そのまましばらく、写真を眺め続ける
    ・光を失いながらも楽しそうに絵を描くドーブルの絵
     ・その絵はランク入りこそしなかったが、本質を見極めた一人のファンからコメントがもらえた
     ・吹っ切れた少女が気持ちを入れ替え、絵を描く意欲を取り戻す
     ・傍らには、ドーブルが描いた絵の写真を写す携帯電話が――
    -------------------------------------------------------------------------

    後半に完成稿でカットされたシーンが残っている。確かテンポの都合で削ったはず。
    それ以外は軽微な違い(タイトル含む)はあれど、ほぼ完成稿に準じた形の様子。


      [No.1906] しあわせタマゴ(初期案) 投稿者:   《URL》   投稿日:2011/09/23(Fri) 11:03:14     101clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    初期案を引っ張り出したのでまずこれを。

    -------------------------------------------------------------------------
    タイトル
     「しあわせのカタチ」

    話の骨格
     「幸福とは個人の解釈で異なるもの」

    興味を引くポイント
     「タマゴばくだん」で勇敢に戦う武闘派のラッキー

    主人公
     ラッキーと一緒に周囲のトレーナーをなぎ倒す勝気な少女「さち」

    ポイント
     ラッキーは「たまごポケモン」で、一緒にいるトレーナーに「しあわせ」をもたらす
     個々人の「しあわせ」とは何か
     少女とラッキーの対比・共通化

    起承転結
     起:飛びぬけた腕力と「タマゴばくだん」で無敵を誇るラッキーを引き連れる少女。ラッキーと一緒に戦っていると「しあわせ」だと感じる
     承:妹分の少女もラッキーを連れているのだが、そのラッキーは正反対の技である「タマゴうみ」を使う。妹分のラッキーは「しあわせ」そうだった
     転:悩んだ少女がラッキーにとっての「しあわせ」を考え、「タマゴばくだん」を忘れさせようとする。そして、自分も変わろうと考える。だが……
     結:やはりあるがままが一番「しあわせ」なのだということに気付き、今日も元気に相手ポケモンを容赦なく爆撃するのであった

    -------------------------------------------------------------------------

    人間のトレーナーがいたりタイトルが違ったりしていますが、大筋の方向は見えていた模様。
    ちなみに、よく見ると人間の名前が完成稿で登場する主人公のラッキーにリサイクルされている。


      [No.1905] ■プロットを晒すスレ 投稿者:No.017   《URL》   投稿日:2011/09/23(Fri) 10:56:37     98clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    これはゴーヤロック氏のツイッターの衝撃発言からはじまった。

    586 586
    ゴーヤロック無駄知識:実はコットンガードやミツハニーにもプロットが存在する

    weakstorm でりでり/照風めめ
    @586 な、なんだってー!

    586 586
    @weakstorm どんな一発ネタ/小ネタ/勢いだけに見える作品も、うちの場合前段階のまとめをしないと滅茶苦茶になってしまうのです\(^o^)/

    pijyon No.017
    @586 わけがわからないよ

    586 586
    @pijyon 知ってるかい? プロットがないとあれくらいの一発ネタすら書けない人がいるんだぜ……?



    おーいみんな!
    ゴーヤロックさんがプロット晒してくれるってよー!


      [No.1852] ●豊縁昔語―黄泉人知らず 投稿者:No.017   《URL》   投稿日:2011/09/13(Tue) 00:45:23     131clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
    ●豊縁昔語―黄泉人知らず (画像サイズ: 520×520 30kB)


     昔むかし、秋津国の南、豊縁と呼ばれる土地には異なる色の大きな都が二つございました。
     二つの都に住む人々はお互いに大変仲が悪うございました。
     彼らはそれぞれ自分達の色、信仰こそが正統だと考えておりました。
     今回はその二つの都のうちの一つ、赤の都に住む一人の男の話をすることに致しましょう。


     その男の齢は四、五十ほど。
     今の時代では武士などと呼ばれるのに近い身分で、名をタダモリと申しました。
     若い頃のタダモリは勇猛な指揮官として、名を知られておりました。
     侵略すること火の如し。タダモリ自身も相当な武人です。
     彼の率いる軍勢に攻め入られたら、冷静な青の武人も、抗う獣や土地神も敵うものはなかなかおりませんでした。
     彼らのとれる道は二つに一つ、命からがら逃げ出すか、首をとられるか、です。
     タダモリは都にいくつもの御印――すなわち首を持ち帰ったのでありました。


     ですが、そんなタダモリも次第に歳をとりました。
     ある時、愛馬から落馬してしまったタダモリは、腰を悪くして、戦場をかけめぐることは叶わなくなったのです。
     しかしながら戦をすることにかけては優秀な男でありましたから、赤の都で官職につきますと、様々な遠征の戦略を立てるようになりました。
     次に版図とする土地の情報を集め、火馬や駱駝は何頭、軍用犬は何匹、操り人と戦人は幾人かということを計画し、実行させるのです。
     ある者にはある土地の青からの守護を命じ、ある者には異なる色の国の国盗りを命じました。ある者には土地神の首をとってくるように言いました。
     彼の計画と計算はなかなかのものでした。
     ある者は立派に役目を果たしましたし、ある者は見事に国を盗りました。そしてまたあるものはタダモリの前に土地神の首を差し出したのです。
     
     そのように馬を降りても活躍するタダモリでありましたが、一つだけ苦手とするものがありました。
     都にいる官職の者達は、昼間は昼間でお役所仕事などしておりますが、夜は夜で様々な付き合いがございます。
     宴や五七五七七の歌を詠む歌会がそれでした。
     しかしながらタダモリは夜の付き合いがあまり好きではなかったのです。
     なぜなら和歌を詠むことが大の苦手だったからでした。

     しかし、現代の人々の感覚からは信じられないかもしれませんが、歌会での和歌の出来、勝敗というものは出世に関わりました。
     自分は和歌が苦手だから出席をしないとかそういう訳にはいかないのです。
     戦場では若い武人達がめざましい活躍をしております。
     特にこの間、新緑の国を落とした男などはその筆頭でありました。
     その多くの任命をしたのはタダモリ自身でありましたが、一方で彼は焦っていました。
     いつか彼らに越されてしまうのではないか。
     自分の地位を脅かされてしまうのではないか、と。このように恐れたのです。
     ですからなるたけ高い位に上り詰めたい、とタダモリは願ったのであります。
     そこで彼は人を雇うことに致しました。
     すなわち自分に代わって歌を作ってもらうことにしたのです。

    「次の歌会の題は"夕暮れ"といたそう」

     歌会が終わると、次の歌会の題が告げられます。
     ダダモリはそれを持ち帰り、影の歌人を呼ぶのです。

    「次の題は夕暮れじゃ、九日後には作ってくるのじゃぞ」

     そのようにタダモリは命じました。
     影の歌人はなかなかに優秀でした。
     たまには負けることもございましたけれど、多くの場合、勝ちを拾ってくれたのでありました。
     勝ちを拾った暁には、影の歌人に給金とは別に褒美を与えてやります。
     貧乏な歌人は懸命に仕えてくれました。
     こうしてタダモリは夜の世界でもうまく地位を上げていったのです。



     ところが、次の歌が出来るのを待つタダモリに、とんでもない知らせが届きました。
     タダモリの代わりに歌を作ってくれた影の歌人が突然死んでしまったというのです。

    「馬鹿な、昨日はあれほど元気だったではないか」
    「それが、戦から戻った火の馬だか駱駝だかが突然暴れだしまして、蹴り殺されてしまったと……」

     タダモリは呆然と致しました。
     次の歌会までに二日ほどしかございません。
     影の歌人にはまだ歌を教えてもらっていませんでした。死人に口なしです。

    「急ぎ代わりの歌人を探せ」

     タダモリはすぐにそう命じましたが、そう簡単に代わりが見つかるはずもございません。
     次の日になっても歌人は見つかりませんでし、よい和歌も作れませんでした。
     おおっぴらに探していることを言うわけにも参りません。

    「むうう、困った困った。歌人がおらぬ。歌が出来ぬ」

     歌会を夜に控えタダモリは嘆きました。
     歌会の主催は出世に影響力のある人物です。
     下手な歌を持っていくわけには参りませんでした。
     仕事もろくに手がつかず、日は落ちていき、空が紅く紅く染まりだしました。
     時期に夜になってしまいます。
     そんな時でした。

    「タダモリ様、タダモリ様に目通りを願う者がおります」

     と小間使いの者が言いました。

    「なんじゃ、今はそれどころではない。新しい歌人以外の話は聞きとうないぞ」

     と、タダモリは退けようとしましたが、追い払われる前に小間使いが言いました。

    「は……しかしその者、タダモリ様にぜひ歌を聞いていただきたい、と申しております」


     人払いをさせたタダモリは、彼を尋ねてきたという人物を暗い座敷へと通しました。
     空では日が夜色に溶け出し、境目の時刻独特の色合いを見せております。
    「面を上げい」と、タダモリは言いました。

    「そなたが歌を聞いて欲しいという者か」
    『はい……タダモリ様が歌人をお探しになっているとお聞きまして、馳せ参じました』

     そのように答える男は静かな落ち着いた声でありました。
     年齢はずいぶん若いように見えます。しかし奇妙な風貌の男でした。
     灰色とも土色とも形容しがたい肌の色をしておりますし、長く伸びた前髪が片目を隠しております。粗末な着物の下で身体をぐるぐると巻いた帯のようなものが見えました。
     ふん、怪しい奴、という目でタダモリは見下ろします。
     すると男が言いました。

    『私の風貌を見て、皆そのような目をなさいます。この通り片目はつぶれて髪で隠しておりますし、肌がただれておりますゆえ、このように帯を巻いて隠しているのです。私はどこにも留まることが出来ず豊縁の各地を回って参りました。しかしそれゆえに都人が知らないたくさんの和歌を知っておりますし、私自身も励んでまいりました。どうか貴方様付きの歌人にしてくださいませ』

     一つしか開かぬ目がじっと見上げます。
     しかし、夕日の色が手伝って赤く輝くその瞳には落ち着きと自信のようなものが垣間見えました。

    「ふん、ならば今この場で歌を詠んでみせよ。今宵の歌会に歌が必要なのだ。赤の都の歌会の場に恥じぬ夕暮れの歌を詠んでみせよ」

     タダモリが言いました。
     すると待っていたとばかりに歌人はすらすらと歌を詠んだのでありました。

    『日は溶けて 暗き色へと 落ちぬとも 明けぬ夜なし 暁の空』



     タダモリは夜の歌会でその一首を詠みました。
     それは武人らしい歌として評価されました。
     戦は予想できぬのが常である。太陽が沈んでしまうように暗き色、すなわち青色に劣勢をとることもあろうがそれも一時のことよ、けれどまた日が昇るように勝つのは我々赤である。
     歌の意味をそのように歌人は語り、タダモリは歌会でそのままを語りました。

    「よくやった」

     一つ目の歌人にタダモリは言いました。

    「今日よりお前は私の影の歌人だ。私のために歌を作れ」

     タダモリは歌人に命じました。
     そうして次の歌の題を伝えました。

    『承知いたしました』

     そのように歌人が云い、一晩明けた後には新たな一首を届けたのでございました。
     それは前の歌人よりずっとずっと早い出来上がりでございました。



     その後もタダモリの活躍は目覚しく、戦略を立て、兵を派遣し、豊縁の各地に赤い旗を立ててゆきました。
     土地が赤い色に塗り替えられていきました。それは人や土地神や獣達の血の色だったのかもしれません。
     タダモリの下にはいくつもの首が届きました。
     ある者は牙を剥き出しておりました。ある者にはツノが生えておりました。あるものには鬣がございました。
     それは都のある場所である期間晒されると、首塚に持っていかれます。
     狩り獲られた首達はみんなそこに集まるのでした。
     彼は血のように赤く染まった夕暮れ時になると影の歌人には歌を届けさせました。
     歌人は歌会の題を聞くたびにタダモリに極上の一首を提供いたしました。
     そうしてタダモリはその一首を披露します。彼はほとんど負けなしでした。
     そうしてタダノリは自分の地位をより確かなものにしていったのでございます。
     腰は悪かったものの、老いてますます元気。
     近々新しい位を賜ることになったタダモリもまだまだ歌会に顔を出すことになりそうです。

    「お前が歌を作るようになって何年になるかのう」

     ある夕暮れ時に、タダモリは影の歌人に尋ねました。

    『三年になります。タダモリ様』
    「そうか、もうそんなに経つか。お前のお陰で夜の心配はせんでよくなった。大儀であったの。そのうちに別に褒美をまたとらせねばな。だがその前に、もう一題作ってもらいたい」
    『どんな題でも致しましょう』

     タダノリの命に対して、影の歌人は苦にもしないとばかりに答えます。

    「お前は優秀よ。私が題を与えれば一晩で作ってきよるわ。まったくどのようにすればそのように歌を作れるのだ?」

     めずらしくタダノリが歌に興味を示しました。
     すると歌人の一つ目が怪しく光ったように見えました。
     
    『お知りになりたいですか?』

     と、歌人は聞き返します。
     そうして、タダノリの答えを待たずして続けました。

    『それならばその秘密を教えて差し上げましょう。丑の刻に迎えに参ります』
    「丑の刻?」

     タダモリは首を傾げました。
     丑の刻とは今で言う午前二時。
     世界が暗い色に沈み草木も眠ると言われる時間なのです。

    「一体どういうことなのだ」

     と、タダモリは再び尋ねましたが、歌人はくすくすと笑ってはぐらかすばかり。
     それでは丑の刻に、と告げると下がってしまいました。
     


     そうして夜になりました。
     新月で月は見えません。
     布団をかぶったタダノリはしばらく歌人の言葉が気になり、眠れずにおりましたが、やがてうとうとしだし寝息を立て始めました。
     どれだけ時間がたったでしょうか、襖がすうっと開きました。

    『タダモリ様、タダモリ様……』

     歌人の声が聞こえました。
     意識のはっきりしない目で声の先見ると暗闇に歌人の姿がぼうっと浮かんでいます。
     そう言って歌人は妖しく手招きをいたしました。

    『お迎えに参りました』

     気のせいでしょうか。開いた襖から何やら生暖かい風が吹いているようです。
     それでも歌人の言葉に誘われるようにしてふらふらと起き上がったタダモリはいつのまにか用意された着物に着替えて屋敷の外に出ました。

    『こちらですよ。タダモリ様』

     外で青白く輝く提灯を持った歌人が再び手招きしました。
     都はしんと静まりかえっております。
     青白い光を先頭にして二人は歩いてゆきます。
     首を晒す橋を過ぎました。彼らはどんどん都の外れのほうに向かってゆきます。

    『到着しましてございます』

     ある場所で立ち止まると歌人は言いました。
     歌人は提灯を掲げます。大きな石灯籠に似た石碑を照らしました。

    「……どういうことだ。ここは首塚ではないか」
    『左様でございます。私はここで歌を作るのでございます』
    「貴様、私を愚弄しているのか」

     タダモリが怒りをあらわにします。

    『……愚弄してなどおりませんよ』

     歌人はくすくすと笑いました。

    『ほら、皆々様がいらっしゃった』

     するとどうでしょう。
     闇夜に立つ首塚の形を浮かび上がらせるようにして無数の鬼火が現れたのです。
     それは歌人の提灯の色と同じ色をしておりました。
     タダモリは目を見開きます。
     歌人が鬼火たちに呼びかけました。

    『皆々様、今日もタダモリ様から新しい題をいただきましたよ。どなたか首と身体が繋がっていた頃に題に合う歌を作った方は居りませぬか』

     すると鬼火の一つが歌人の下へやってまいりました。
     そうして炎はぼうっと燃え上がり、首の姿に変容いたしますと、一首を詠んだのでございます。
     その土地神には牙と耳が生えておりました。

    「お、お前は! 先日首塚にしまった土地神の首ではないか!」

     タダモリは驚愕の声を上げました。

    『左様で御座います。これこそが私の和歌を作る秘密なのです。貴方がたが神狩りをすればするほど、私はよりたくさんの歌を詠むことが出来る。私はその中から極上の一首を貴方様にお届けするのです』

     鬼火の冷たい光に照らされた一つ目がにいっと嗤います。

    『私は首を狩られた土地神の皆々様に提案したのです。身体を失った貴方達の代わりにタダモリ様に歌を世に出してもらいましょう。土地や身体を取り戻せないなら、せめて後世に伝わる和歌集の一頁一頁を私達の歌で埋めてやりましょう。私達の生きた証を私達を殺した人の手を使って遺してやりましょう、と』

     タダモリは聞きました。
     くすくすけたけたと無数の笑い声が闇夜に響いたのを。

    『皮肉なことでございますねぇ。貴方が歌会で詠み、多くの赤の都人が耳を傾けている和歌は貴方が滅ぼした土地神達の呪詛なのですよ』

     彼はすうっと血の気が引いていくのを感じました。
     まるで身体を乗っ取られたような面持ちがしたのです。

    『今、赤の大王(おおきみ)の命で勅撰和歌集に載せる歌を選んでいるのだとか。私達の歌は何首載るのか……楽しみなことですね』

     ああ、なんということでしょう。
     自分達が滅ぼした者達、滅ぼしたはずの者達に自分は操られていたのだろうか、と。そんな恐ろしさにかつての武人は駆られたのでございました。
     そうして彼は目に焼きつけました。影の歌人の姿が変わっていく様をその目に焼き付けたのでございます。
     歌人の髪の毛がばっさりと落ちると、着物はみるみるうちに身体を覆う帯に変わりました。
     灰色の帯に隠された顔には大きく光る目玉が一つ乗り、赤々と輝いていました。そうしてもはや人のものではない大きな腕のその指がタダモリを指し、こう言ったのでございます。

    『ご存知ですかタダモリ様、私が仕えているのは貴方様だけではございませぬぞ。歌会のあらゆる場所で私達の歌は詠まれています。貴方がたは夜の宴を開くたびに獣達の、土地神の首を持ち寄って競わせているのです』

     一つ目が赤く爛々と輝きました。
     タダモリはぐらりと視界が揺れて、意識が遠くなったような気がいたしました。

     そうして気がつけば朝でありました。
     タダモリは汗をぐっしょりとかいて、布団の中で横になっておりました。



     権勢を誇ったタダモリ。
     けれど彼はほどなくして政治の一線から退いたと伝えられています。
     噂によると後の日の歌会にて彼は恐ろしいものを見たのだそうです。。
     夜の歌会、自分に相対して並ぶ貴族達、自分の陣営の高貴な身分の者達、その両方の幾人かの持つ短冊が、狩り獲ってきた土地神の首に見えたというのです。
     彼は恐ろしさに震え、それでもなんとか自身の一首を詠もうといたしました。
     けれど歌の代わりに響いたのは悲鳴でした。
     短冊に書かれた一首を読み上げようとした時、手に持つ短冊が一つの首に変じたと云うのです。
     獣の首はタダモリの顔を見て、にたりと嗤ったそうです。


     それは昔むかしのことです。
     まだ多くの獣達が人々と話すことが出来た頃のお話です。






    -------------------------------------------------------

    日は溶けて 暗き色へと 落ちぬとも 明けぬ夜なし 暁の空

    意味:
    戦は予想できぬのが常である。太陽が沈んでしまうように暗き色、すなわち青色に劣勢をとることもあろうがそれも一時のことよ、けれどまた日が昇るように勝つのは我々赤である。

    だが一方でこのような説がある。
    これは赤や青によって蹂躙された土地神の歌である、という説だ。
    それは次のような意味だと云う。

    世は様々な色の神々の時代から、暗き色(=赤と青)によって蹂躙される暗黒の時代へと入った。けれど日が昇るように、明けぬ夜はないように、いつかの日か再び我らの世が訪れるだろう。





    豊縁二巻が出るまで公開しないつもりでしたが、
    マサポケ活性の一助になれば、と。
    どういうことかっていうとみんなストーリーコンテスト出せよ!
    出さないとサマヨールが土地神の首と一緒に化けて出るぞ!!!

    影の歌人ことサマヨールさん「雇ってくれればストコン出しますよ」



    ■豊縁昔語シリーズ
    HP版:http://pijyon.schoolbus.jp/novel/index.html#houen
    pixiv版:http://www.pixiv.net/series.php?id=636

    【書いてもいいのよ】
    【描いてもいいのよ】
    【批評していいのよ】


      [No.1851] 【四コマ風味】 おつきみだんごっ! 投稿者:巳佑   投稿日:2011/09/13(Tue) 00:05:43     84clap [■この記事に拍手する] [Tweet]


    【今宵は満月なのです】

     空を見上げれば、そこにはまん丸なお月様。
     思わずウットリしそうな綺麗な姿に、わたしの足どりは怪しくなる。

    「あ、ミミロップ! ボーッとしながら歩くと危ないって!」
     丸刈りで背の高い殿方――ご主人の声にハッと気がついたわたしは足をピタっと止める。
     
     ふぅ〜危ない、危ない。
     わたしがご主人に「ありがとう!」の意味を込めて一鳴き上げると、ご主人はやれやれといった感じな苦笑いを向けてくれた。

     わたしはミミロップ
     お月様とお団子とご主人が大好きな、茶色いうさぎポケモンです。 



    【やっぱり月より花より団子?】

     今、私とご主人は十五夜の月見をする為に団子の準備をしていまして。
     ご主人がお団子を作って、それを縁側まで持っていってます。

     お供え物などをするときによく使われる木製の台に、お団子がピラミッド状に積み上がっています。
     先程みたいによそ見をすると、手元を狂わせて、お団子を取りこぼしてしまうから注意なのです。

     それにしても、なんて美味しそうなお団子なのでしょうか……。
     流石、ご主人様は器用です……ゴクリと喉を鳴らしてしまって――。

    「あ、コラ! ミミロップ! 勝手につまみ食いするなって!」



    【良い子の皆へ。食べ物で遊んではいけません。その1】

     縁側に団子を乗せた木製の台と、飲み物が入ったグラスが二本。
     それといくつかの小皿がありまして、それぞれしょうゆ、つぶあん、きなこが入っています。

    「好きなものにつけて食べればいいから」
     訝しげな瞳を向けたわたしにご主人はそう教えてくれます。なるほど。

     あぁ……美味しそうな団子なのですが、こう綺麗なまん丸を見ていますと、なんだかウズウズしてきます。
     何故かは分からないのですが……綺麗なまん丸な団子が雪玉に見えてきて――。

     あ、思い出しました! 雪合戦です!



    【良い子の皆へ。食べ物で遊んではいけません。その2】

    「こら! 食べ物を投げるなぁ!」

     わたしが放った最初の投球は見事にご主人の頬に当たりました。
     ご主人がキッとした鋭い目付きでこちらを見ながら口を開いたのと、わたしが手を滑らしたのはほぼ同じでした。

    「まったくぅ!? んむ? ☆%#*%%&!!??」 

     わたしの投げたお団子がご主人の口の中にスッポリ入っちゃいました、てへっ☆  



    【ぴよぴよ】

    「%&#☆!!」
     あれ、ご主人が胸元をたたいてなんだか苦しそうな顔をしていますね。
     もしかして……喉に詰まっちゃったとかですか!?

     あわわ! ど、どうすれば……!? 
     パニック寸前のわたしがとっさに取った行動は――。

     ご主人の胸元にピヨピヨパンチ一発!! 

     重い音が鳴った後、ご主人はうなだれ「あ、ありがとう」と呟いています。
     た、助かって、本当に良かったです……それと食べ物で遊んでしまって、ごめんなさい。



    【ようやく月見】

     ご主人がとりあえず飲み物を飲んで一回落ち着いた後、ようやく月見が始まりました。 
     
     まん丸なお月様を覗きながら、つぶあんをつけたお団子をもぎゅもぎゅ。

     お月様が完全に顔を出しているのも好きですが、途切れ途切れに流れて来る雲に薄らかかる姿も神秘的でとても好きです。

     顔を月に向けながら、手は団子の方に動かして――同じく団子に手を伸ばしたご主人の手に触れました。



    【月のお伽話】

     ドキリとわたしの胸が打ったのとご主人の手が離れるのはほぼ同じでした。
     ご主人は恐らく真っ赤になっているわたしの顔は見えておらず、お団子をもぎゅもぎゅしながら月を眺めています。

    「あ、そういえば月といったらこんな話があるなぁ」
     ご主人は月に顔を向けながら、わたしに語ってくれます。

    「昔ね、俺たちがいる星と月がケンカして、縁が切れそうになったときにミミロルやミミロップといったウサギポケモン達が美味しい団子を作って、二人(?)を仲直りさせたんだって」 

     わたし達の先祖様たちが……今、こんな素敵な夜をくれているんだなぁ……と感謝しながら団子にわたしは手を伸ばしました。



    【お伽話からの】

    「それで、団子は月とこの星を結んでくれたことから、団子……まぁ、餅だけに縁をくっつけるっていう縁起のいい食べ物になったんだよな」

     縁をくっつけてくれる、その言葉にわたしのお団子を持った手が一瞬止まります。

     今、食べているお団子もこうやってご主人との縁をくっつけてくれるものなんだと考えたら、胸の鼓動が早くなってきまして。
     わたしはご主人を呼ぶ為に一声鳴きました。

    「ん? なに? ミミロップ――」



    【月も顔を真っ赤にさせて】

     ご主人がわたしに振り返るのと同時にわたしはお団子を口に入れまして。

     一気にご主人との距離を縮めまして。

     ご主人の唇とわたしの唇が重なりまして。

     わたしはご主人のお口の中にお団子を置きました。
     縁がもっともっと強く結ばれることを願いながら。



    【きっと今夜はお楽しみで(以下略)】 

     ご主人は驚いた拍子にお団子を飲み込み、そして縁側の床に倒れ、わたしがご主人の上を覆う形に。

    「ミミロップ、まさか……」
     顔は真っ赤になってますし、もうばれてますよね。
     わたしのこの気持ち……ご主人と番になりたいほど大好きな気持ち。

    「でも、お前」
    「きゅう?」
    「確かオスだったはずじゃあ……」

     愛に性別なんて関係ありませんわ! とわたしは一声鳴きました。
     今宵はあの満月に見せ付けるほど……うふふ。



    【書いてみました】
     
     
     今夜20時頃、月見しながらみたらし団子でも食うかなと思い、近場のコンビニに行く途中で思いついた物語です。多分……掲載しても(主に後半)大丈夫のはず(汗)
     今宵の月が沈まぬ内に書かねばと思い、筆を急がせた所存でございます。
     最後のオチに驚いた方がいたら、嬉しい限りです。(ドキドキ)

     ちなみに月に関しての昔話は私の想像です。
     お月見団子のことを考えていたら、思いつきました。(ドキドキ)
     

     ありがとうございました。


    【月見団子と月見酒をもぎゅもぎゅして(以下略)】
    【何をしてもいいですよ♪】

         


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