マサラのポケモン図書館 カフェラウンジ
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  •   [No.3700] お試し 投稿者:鳥野原フミん   投稿日:2015/04/08(Wed) 23:15:34     65clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
    タグ:企画


    ▲進化【http://masapoke.sakura.ne.jp/lesson2/wforum.cgi?no=3059&reno= ..... de=msgview

    【3】梗概(793文字)

    青年は、スポーツも勉強も得意な文武両道を突きとおす裕福な男である。容姿もそれなりに良く、異性から想いを告げられたこともしばしばある好青年でもあった。

    そんな彼が小学校の頃に捕まえたランクルスは非常に頭の良いポケモンだった。青年はそのランクルスからあらゆる勉強を教わり、同級生達よりも高度な知識を付けて優秀な大学へと進学し、仕事に励みながら趣味であるモノ作り(発明)に没頭する毎日を送る。青年の父親は青年の発明に目をつけ、それらを利用する。父親の経営者としての目は正しく、父親の企業は多くの利益を得ることになる。青年は更に趣味であるモノ作りに集中する為に会社を辞め、父親の会社に所属することで、大好きな発明に没頭する日々を送る。

    ある日、ランクルスに、あるモノを作って欲しいと頼まれる。しかし、渡された設計図を読んでも、それが何なのかは青年には理解できない。不思議に思いながらも、今までで一番の努力を積み重ねて完成させた機械、それは、「生物の頭脳を発達させる機械」だった。

    青年はランクルスを信用しその機械を使用する。ランクルスの言っていることは真実であり、彼はこれまで以上に頭が良くなり、人間以上の脳みそを所持することになる。

    最高の頭脳を手に入れた青年は、ランクルスが示すデータを見て、世界が少しずつ滅びつつあることを知る。ランクルスは、この危機を救う為には、多くのデータを元に、偏見なく全ての生き物から優秀な遺伝子を選び抜き、厳しく厳選し、世界が滅びるその時にどこか安全なところへ避難しなければならない。
    青年は、ランクルスと共に、この無謀な計画を実行することを決意する。その為には家族も捨てることも躊躇わない。ランクルスは、自らの家族が壮大な計画に協力してくれることを喜んだ。
    しかし、その無謀な計画にある「優秀な遺伝子」に青年が含まれていないことに気が付くのは、全ての事が終わった後である。


    ―――――――――――――

    便乗しました。しっかしこれ難しいですね。


      [No.3205] ミーが陶器でしゅ! 投稿者:No.017   投稿日:2014/01/05(Sun) 11:46:17     88clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
    タグ:フォルクローレ】 【つくってみた】 【写真撮影予定
    ミーが陶器でしゅ! (画像サイズ: 640×452 89kB)

    ミーが陶器でしゅ! という事で、

    記事137 http://masapoke.sakura.ne.jp/stocon/kiji137.html のシェイミ陶器をオーブン陶芸で作りましたよ。

    ええ、大晦日から深夜にかけて粘土を練ってですね、
    元旦から2日にかけて焼きました。
    上手に焼けました。

    スカイフォルムも作ってみたよ!!!

    鉢にブーケ乗せるとシェイミになる予定。


      [No.2718] Re: 訂正 投稿者:フミん   投稿日:2012/11/12(Mon) 22:42:34     90clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
    タグ:77の質問 】 【質問

    今更冷静に見返したら訂正したい箇所があったので、変更しておきます。


    ●17.あなたの持っているポケモンソフトを教えて!→ポケダンでしょうか

    本家ポケモン(ルビサファ以外全部、エメラルドはやった)、ポケダン。

    ●49.この人の本が出たら絶対読む! この人の影響を受けている! 好きなプロ作家さん・同人作家さんっています? 愛読書でも可。→向水遙(4コマ漫画家)←作家じゃないね 時雨沢恵一(ライトノベル作家) 秋山瑞人(ライトノベル作家) 安部公房(小説家) 森博嗣(小説家) 村上春樹(小説家) ついでに言うと、星新一はあまり読んでいないです。 愛読書は『猫の地球儀』『ダンス・ダンス・ダンス』『村上春樹堂』『キノの旅』

    『村上春樹堂』ではなく『村上朝日堂』でした。


    他にも誤字はありますが、上記2つは明らかに誤解を招くので訂正します。


      [No.2244] わたしたちが見たもの【超今さら書いてみた】 投稿者:砂糖水   投稿日:2012/02/15(Wed) 01:03:48     146clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

     あそこをくぐり抜ければNがいる。ゲーチスが何か言っていたけれど、関係ない。わたしはただ、Nに言いたいことがあるだけ。
     心臓が暴れまわり呼吸が乱れる。パートナーの入っているモンスターボールを握りしめて、わたしは覚悟を決めた。

     行こう、Nのもとへ。


     Nが、ゼクロムを呼んだ。呼びかけにこたえて、玉座の向こうから黒い竜が現れる。黒い竜は力を誇示するように吠え、電気のエネルギーを撒き散らす。圧倒的な力。あれが、伝説の竜。
     体が震える。勝てるだろうか。違う、何をしてでも止めるって決めたんだ。
     大きく息を吸う。若草色の目を見据えて、わたしは告げる。





     N。わたしはきっと英雄なんかじゃない。だってそうでしょう? ゼクロムが現れても、ライトストーンは反応しなかった。
     わたしは、あなたに言いたいことがあって来たの。わたしには求めるべき真実なんて分からないよ。この世界のことをほとんど知らないもの。
     あなたは多分戸惑っているよね。わたしがこんなに喋るところを見たことがないだろうし。ベルもチェレンも、今のわたしを見たら驚くだろうね。でも、わたしにだって言いたいことがたくさんあるんだ。

     聞いて、N。
     
     わたしには分からなかった。なんでわたしが英雄なのか。どうしてNはわたしにこだわるのか。これは、今でも分からないよ。
     あなたは何度も接触してきては、一方的に喋り、勝負を仕掛けてきた。電気石の洞穴では、勝手にわたしをニュートラルだと決めつけた。たしかに理想も、真実も知らなかったけど。それに、わたしの意思なんかお構いなしにわたしを選んだなんて言う。竜螺旋の塔でもそう! わたしにライトストーンを探せと言った。
     なんで! どうしてわたしなの!
     あなただけじゃない。みんな、みんなそう。わたしにやれと言う。わたしの気持ちなんて知ろうともせずに、英雄になることを強制した。流されるままのわたしも悪かったよ。でもさ、だんだん、言えなくなった。言える雰囲気じゃなかった。
     みんなわたしに期待して……押しつけて。わたしは、まだこどもなのに。大人たちも、アデクさんくらいしかあなたに挑もうとはしなかった。そのアデクさんだって、わたしにライトストーンを持てと言った。正直怖かった。なのに、受け取れって。押し付ける形になってすまない? だったらやめてほしかった。でも、受け取る以外の選択肢なんてなかった。
     あはは、こどもだよねえ。わたしもみんなに負けず劣らず自分勝手だよねえ。でも、もうやめるわけにはいかなかった。わたしだって、ポケモンのいない世界は嫌だったから。わたしがやるしかないって、言い聞かせてた。
     ねえ、N。わたしね、あなたの考えには少し共感しているの。傷つくポケモンがいるのはやっぱりいい気はしないよ。たとえば、ずっと一緒にいるこの子たちが誰かに傷つけられるのは、嫌。でもさ、方法が間違っていると思う。たしかに、ポケモンと人間を引き離せば、人間に傷つけられるポケモンはいなくなるよ。でもその代わり、新しい悲しみが生まれると思う。
     N。あなたは言ったよね? わたしたちみたいな人ばかりだったら、ポケモンの解放なんてしなくていいって。あなたは迷っているんじゃない?

     あなたの部屋を見せてもらったよ。ずっとあの部屋の中で過ごしていたんだってね。
     あの部屋を見て、ずっと迷っていたけど分かったんだ。言ったでしょう? 自分がどうして英雄なのか分からないって。ここに来るまであなたと戦うことに踏ん切りがつかなかった。英雄であるだけの、理由なんてなかった。でもこの城に入って、あなたの部屋を見て、あなたの過去を聞いて、自分がどうしたいか分かった。

     あのね、N。あなたの見ていた世界はすごく狭くて小さいよ。
     わたしも似たようなものだけど。わたしだってカノコタウンから外に出たことがなかったから。

     ねえ、あなたは「外」で何を見た?

     わたしはポケモンをもらって、外に出ていろんな経験をした。トレーナーとはポケモンバトルをしたし、ポケモンを交換することもあった。ミュージカルに参加したこともあった。人の仕事を手伝っているポケモン、ううん一緒に働いてた。みんな、楽しそうに笑ってた。ポケモンの言葉は分からないけど、見ていてそう感じた。
     たくさんの人たちと、ポケモンたち。お互いがお互いを思いやっていた。

     N、あなただって見たでしょう?

     うん、そう。あなたがあの部屋で見てきたことも本当のことだよ。実際、人間に苦しめられているポケモンもいる。でも、ね。わたしが見たのはたいていプラズマ団のせいだったよ。ムンナの煙が必要だからって、蹴ったりして煙を出させようとしていたことがあったんだ。あの時はすごくびっくりした。この人たちはポケモンを大切に思ってないんだって、口先だけだったんだなって思った。あなたとはずいぶん違っていた。思えば、あれがあったからわたしはここにいるのかもしれない。
     それから、ポケモンを解放するんだと言って、ポケモンと人を引き離していたよね。でもポケモンたちは、大切な人と引き離されてつらそうだった。ベルがムンナをプラズマ団に奪われたとき、ベルもムンナも、両方とも悲しんでた。やっぱりそういうのを見ると、こんなのは違うって思ったんだ。

     ポケモンと人が出会って、たしかに悲しみが生まれたと思う。でも、それ以上に喜びが生まれたんじゃないかな。あなたは今ある喜びを、幸せを、すべて悲しみに変えるの?
     それがあなたの『理想』なの? 目指すべきなのは、今ある幸せを壊すことなんかじゃなくて、悲しみを減らすことなんじゃないの?
     わたしはこの子たちと出会えてすごく嬉しかった。喧嘩することもあったけど、一緒にいられて幸せだったよ。
     ねえ、N。あなたはポケモンと一緒にいて幸せじゃなかったの? 幸せだったはずだよね?
     それはあなたもわたしも、そして他の大勢の人も一緒なんじゃないの? あなたはきっとそれを見てきたはず。

     なのに、あなたは自分が見てきたものを否定するの? 
     あなたがしようとしていることは、今まで見てきたことを否定してまでやるべきことなの?

     わたしたちが見たのは、『真実』じゃないの?





     そこまで言ったとき、バッグがもぞもぞと動いた。はっとして、バッグを開ける。


     ライトストーン、が――――。








    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――


    超今さらですが書いてみました。
    書く書く言ってから大分たったのでわたしが言ったこと自体、皆様忘れてると思いますw
    ぶっちゃけプレー中は、電気石の洞穴あたりから完全に置いてきぼりされてたので、こんなことは考えてないですw
    これを書くためにプレー動画見てみたんですが、ゼクロム登場からレシラム登場までほとんど間がなく、思わずずっこけました。
    もうね、明らかにゼクロム現れたから出てきただけだろ状態。
    実際にプレーしてたときはあんまり気にならなかったんですけど。
    というわけで、こんな感じのことがあったんじゃないかなあという妄想でした。
    今更過ぎてごめんなさい!




    【書いてみたのよ】【今さらでごめんなさい】


      [No.2243] 塔と鐘 投稿者:櫻野弥生   投稿日:2012/02/14(Tue) 00:59:47     100clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    ガサ、ガサ。

    子供はおろか、背の低い大人ならすっぽりと隠れてしまうような草むら.
    その湿った中を掻き分けて進む一人の男がいた。
    彼が背負っている革色のリュックはリズムよく踊る。
    空にはどんよりとした雲が浮かび、今にでも大きな雨粒を落としてやろうと言っているかのようである。
    男は、煙たい匂いが鼻の奥を刺激するのを感じた。

    お香か。
    男は、思う。
    匂いの風上を頼り、草むらを抜けると、その元はあった。
    高く聳える塔。


    タワーオブヘブン。


    イッシュ地方最大の、ポケモン用の墓地だ。
    各地のポケモンの御霊がこの塔で供養されている。
    塔の頂上には大きな鐘があり、それを鳴らすことでポケモンたちが安らかに眠ることが出来るといわれている。
    内部の各フロアごとに墓石があり、お参りへ来る人が毎日いる。
    しかし、天気があまりよくないからか、あたりに人の気配はなさそうだ。
    男はキョロキョロとあたりを見回すが、薄暗い影の中の草木しか視界には入らない。


    男は、この塔に鐘を鳴らしにきた。
    ただ、鳴らしたいと思っただけだ。
    それ以外に理由なんてない。


    漠然とした理由で来た男は塔を眺めた。
    見上げ、霞の向こうにある頂上が透けて見えるかのようにじっと見つめる。
    その先の、なんとも形容しがたい魅力を感じる。
    男は、すっかり心を奪われていた。


    「あの」


    という透き通った声が聞こえるまでは。
    その刹那、男は体を震わした。
    何者なんだろう?
    声の主に意識を向けた。
    「はい?」
    男は振り向いて、その姿を瞳に焼き付ける。


    少女が、いた。


    ぴゅう、と吹いた風に栗色の髪はさらりとなびく。
    栗色のワンピースを着た少女は男をじっと見つめていた。


    「おにいさん、塔にのぼるの?」


    透き通って、消えてしまいそうなその声は、どこか悲しげだと男は思った。


    「そうだね、今から塔の頂上に行くんだ」
    ふぅん、と少女は言った。


    「あのさ、あたしも、ついて行っていいかな?」
    「君もかい?」
    「うん」
    少女はうなずいた。
    「一人で行くの、こわいから」




    塔の中は昼間だというのに薄暗い。
    壁にかけられた蝋燭の灯はぼんやりと光、墓石を、床を橙に染めている。
    中には人はいないようだ。


    だが、何かが見つめている。
    そんな感覚に襲われた。


    「おにいさん、きをつけて。このあたりはヒトモシがすんでいるの」
    「そういえば、そんなことを聞いたことがあるよ」
    この塔にはヒトモシが生息している。
    彼らは人の魂を好んでいるため、下手な行動をすると命取りになりかねない。
    そんな話を昔聞いた覚えがあった。
    「あの蝋燭もヒトモシよ」
    「えっ?」
    男は壁の蝋燭を見つめた。
    ゆらゆらと炎が燃えている。


    蝋がにやりと笑った。


    「!?」
    男は正体の顔を見たと同時に、腕を引っ張られる感覚に襲われた。


    右腕をつかんでいたのは、少女だった。
    「はやく行きましょう。こわいでしょ」
    少女は足早に歩き始めた。
    男は崩しかけた体勢を整え、付いていく。
    「危なかった……。しかし、よく知ってるね。ここ何回か来たことあるのかい?」
    男の質問に症状はビクッと体を震わした。
    もしかして、聴いちゃいけなかったかな。と男が考えていると、
    「……うん、何回か」
    消え入るような声が答えた。
    「一人で来たら危ないから、だれかいないかさがしていたの。そしたら、あなたが来たからたすかった」


    少女の手はひんやりとしていた。
    塔の薄暗さがそのまま体に出ているかのように。
    少女に引きつられて、螺旋階段までたどり着いた。
    一段踏み出すごとに、こつん、こつん、と音を響かた。
    ヒトモシの灯に映し出されたひとつの影は、鐘へと近づいていく。




    長い長い階段の先を超えると鐘があると期待した男は墓が並ぶフロアが続いたことに肩を落とした。
    「まだまだ先よ」
    少女の発した言葉に重なって、
    「……ぼう……」
    という声が聞こえた気がした。
    「なんだ?」
    と男は振り返ったが、人がいる様子は無い。


    「ヒトモシのしわざよ。はやくしなきゃせいめいりょくをすい取られるわ」
    少女は声の方向に目もくれず、次の階段に向かっていた。
    「おにいさん、いそぐわよ」
    少女は、駆け出した。
    おおっと、と男は声を漏らした。
    駆ける少女に引っ張られながら、次の階段へと向かっていく。
    彼女の冷え切った手につかまれながら。




    幾段もの階段を上り、規則的に並ぶ墓石を目にし、進んだ。
    そして、最後の階段にたどり着いた。
    「もうすこしで頂上よ」
    「ああ、そうかい」


    最後の階段の先から光が屋内に差し込んでいる。
    一歩、一歩階段を踏みしめる。
    外気は少女の手のようにひんやりとしてきていた。
    間違いなく、頂上が近いんだ。
    男は思った。
    「君のおかげでヒトモシに襲われることもなかった」
    「そうね……ありがとう」
    少女はぽつりとつぶやいた。


    階段を踏みしめるごとに、体の重みが男を苦しめた。
    ずっと歩き続けたからだろう、男は痛みを堪える。
    視界は次第に明るくなっていく。
    そして、最後の一段を踏んだ。




    頂上は、ぼんやりと霞がかっていた。
    その中にうっすらと大きな鐘が見えた。
    「これが、頂上か…」
    男は鐘へと歩み始めた。
    一歩足を踏み出すたびに重くのしかかる感覚を堪える。
    そして、鐘の前に立った。
    鐘から垂れた紐を手に取り、引っ張った。


    ごおおん、ごおおん。


    鈍い音がん響き渡った。
    遠く、深くまで。
    男の心の奥底にまで染み込む。
    重い体から何かが離れていくような、そんな感覚に包み込まれた。


    目的を達成してすっきりした男が鐘に背を向けると、少女が立っていた。
    「もう、かえるの?」
    「ああ、やりたいことは終わったしね」
    少女は拳を握った。


    「……つまんない」


    少女は、拳を振り上げた。
    「つまんないつまんないつまんないつまんない! もっとあそぼうよ!」
    「お、おい……落ち着け!」
    少女は体を震わせて睨み付けた。
    「あそびたいんだよ? この子たちもあそびたいんだよ?」


    刹那、男の肩に重みを感じた。
    視線を右肩に向けると、いた。


    白い体に、赤いともし火。
    ヒトモシだ。


    「なっ……」
    男は、意気揚々としたヒトモシの姿を見て、頭にぐるぐると何かがめぐり始めた。
    「なっ、なんで……ヒトモシがいるんだ……?」
    渦の中から拾い上げた言葉を発した。
    「あそびたいんだよ? ミ……ンナ、アソビタ……インダ……ヨ?」
    少女の顔は、ゆがみ始めていた。
    口は左頬の位置まで伸び、鼻は斜めに、目は右頬に傾いている。
    口から、目から、鼻から、緑色の液体が流れ始めた。
    男は、息を呑んだ。
    瞬きをすると、歪んだ少女は消えた。
    そこに、一匹のポケモンがふわふわと浮かんでいた。


    灰色の体に大きな頭。お腹の4つのボタン。
    オーベムである。


    「あ、あぁ……」
    そこに、少女などいなかったんだ。
    最初から幻影だったんだ。


    男は、体中の力が抜けきってしまった。
    ぺたり、とつめたい地面に尻をついた。
    肩のヒトモシはぴょこん、と降りた。


    ……遊びたいんだよ?


    「……やめてくれ……頼む……」
    男の体はすっかり冷え切っていた。
    次第に近づいてくるオーベムが大きく、そして恐怖に感じられた。


    ……なんで、遊んでくれないの……?
    「やめろ……やめるんだ……この化物……!」


    ぴたっと、オーベムの動きが止まった。
    ……化、物……?
    体をぶるっと震わせた。


    ……ボクって、化物なの……?
    悲しそうな瞳で男を見つめた。
    潤んだ瞳の奥には何か、淋しげな感覚があるように見えた。


    ……そうだよね、怖いよね。
    オーベムはがっくりとうな垂れた様子だった。
    さっきの一言が重くのしかかったらしい。


    ……ボク、ただ遊びたいだけだったんだ……
    「オーベム……」
    男は膝をついた。
    「酷いこと言っちまってごめんな」
    男はオーベムの頭をなでた。
    オーベムは驚いた様子で男を見つめる。
    潤んだ瞳に男の顔が映りこんだ。


    ……許してくれるの?
    「こっちこそ酷いこと言ったしな。お前はただ遊びたかっただけなんだろう」
    オーベムはコクリと頷いた。
    「そうだな、ちょっとだけ遊んでもいいぞ?」
    ……え? 本当に?
    オーベムは目を丸くした。
    男はああ、と言った。
    オーベムは踊るように喜んだ。
    ……やった、ありがとう!
    その姿を見ながら、男はにっこりと笑った。
    後ろから、ヒトモシがぴょこんと肩に乗った。
    そして、にやりと笑った。


    「次のニュースです。フキヨセシティ郊外のタワーオブヘブンそばで男性の遺体が発見されました。
    遺体は死後数週間が経過したものと思われ、警察が身元の確認を行っています。
    近辺には革色のバッグがあり――」



     ――――――――――――――――――

    お久しぶりです。名前のとおりのものです。
    最近ご無沙汰だったので、リハビリがてら。
    ところで、書いていくうちにオーベムが可愛く見えてきたんです。
    あのくりっくりとしたおめめ。なにこれ可愛い。
    もっと怖いってイメージだったんですが、気づいたら抱きしめたくなってました。
    そんなノリで無理やり乗り切りました。


    【好きにしていいのよ】【オーベム抱きしめてもいいのよ】


      [No.2242] 次のページを見る→ 投稿者:きとら   《URL》   投稿日:2012/02/13(Mon) 20:39:17     110clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    回答8:
    色違いのゾロアークなら、この前借金を返しにきた。
    子供手当が出たからやっと返せるー!ルーピー・ポッポ大統領万歳とかいいながら団子も食ってたな。

    回答9:
    私の友達が青いブラッキーを持ってました。
    普通のブラッキーとは違って、夜に見ると青く光って綺麗でしたが、迫力はやっぱり黄色い方がよかったと思います。

    回答10:
    (この発言は当局によりスナイプされました)

    回答11:
    この前、ラブカスを釣ろうとしたら、変な色のホエルコつり上げちゃったよ。一瞬目がおかしくなったのかとおもった。

    回答12:
    色違いのゾロアークがこの前お店にきました。
    先輩と親しいようだから、試作品を食べてもらったら全部まずいって言われた;;
    それから口直しに賞味期限が近いやつを食われたけど、小さい子がいるっていうから包んであげたら喜んで宣伝してくれた。いいやつだったよ

    回答13:
    >12
    貴方なにをいってるんですか?ゾロアークが喋るわけないじゃないですか。半年ロムってろ

    回答14:
    >12
    お前ポケモンかよwwwwwwwwwwうぇwwwwwwwwwいいやつwwwwwまじwwwwwwwwステマwww

    次のページを見る→


      [No.2241] 【知恵袋】色違い目撃情報募集! 投稿者:門森 輝   投稿日:2012/02/10(Fri) 22:55:15     210clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

     知恵袋に寄せられた相談:
     5日程前、エンジュシティの南の方で良い雰囲気なゾロアークのカップルを見かけたんですが、何と片方が色違いだったんです!
     色違いなんて初めて見たので物凄く印象に残っています。そこでふと気になったのでお聞きします。皆さんが見た色違いのポケモンを教えて下さい!
     
     回答1:
     私も4ヶ月程前にヤドンの井戸の辺りで色違いのゾロアークを見掛けました。ロコンと一緒に歩いてました。
     ロコンが鬣を触りたそうに見てました。実際少し触ったりしてました。微笑ましかったです。

     回答2:
     先月の下旬にキキョウシティの西の方で同じく色違いのゾロアークを見ましたね。
     確かコジョンドと手を繋いで歩いていたと思います。紫色の鬣が綺麗でした。

     回答3:
     クチバシティに色違いのゾロアークと通常色のキュウコンの夫婦がいました。可愛いロコンの子供もいてとても幸せそうでした。
     ゾロアークがキュウコンに一途なのが凄く伝わって来たっす。あれこそ夫の鑑っすね。
     あと、質問者さんのゾロアーク達は絶対カップルじゃないです。決して良い雰囲気でもないです。

     回答4:
     うちのイーブイが色違いです! 銀色でもっふもふで超かわいいです! 
     この子タマゴから生まれたんですが最初見た時汚れてるのかと思って洗いそうになりました(笑)
     進化させるか悩んでますがそれは別の話ですね。

     回答5:
     いつだったかは忘れましたがウバメの森で色違いのゾロアークを見た事があります。
     キュウコンの尻尾を枕にして気持ち良さそうに寝てました。羨ましかったです。……羨ましかったです。
     あの時からいつかキュウコンを手に入れて同じ事をするのが私の夢になりました。羨ましかったです。

     回答6:
     ゾロアーク大杉ワロタwwwwwwまあ俺が見たのもゾロアークなんだがwww
     確か2ヶ月位前にヨシノシティの北辺りで普通のゾロアークと一緒に鬣を梳かし合ってたな。ゾロアークたんカワユス。
     まぁ何が言いたいかって言うと、リア獣末永く爆発しろ。

     回答7: 
     僕もこの間ラジオ塔の入り口付近でゾロアを抱いてる色違いのゾロアークを見掛けました。
     ゾロアは普通の色でしたが非常に可愛かったです。
     それにしてもゾロアークの目撃情報多いですね。同じ個体だったりして(笑)

     回答15:
     去年の冬頃だったかな、どこだったかは忘れたけど私も色違いのゾロアークを見かけました。
     確かフォッコと焚き火囲んでたと思います。言うまでもなく可愛かったです。両方共。
     それで確かゾロアークが振り向いた拍子に火が鬣に燃え移っちゃって2匹共焦ってたっけ。あれは笑った。 

    ――――――――――――――――

     どっかの誰かに似てますねぇ、フヒュヒ。本人じゃないと良いですねぇ、ニヤニヤ。
     という訳で某ゾロアークをお借りしたかも知れませんしお借りしてないかも知れません。どっちでしょうねぇ、ニタニタ。
     知恵袋のスレは既にありますが、これは毛色が違うので別で立てました。
     とりあえずキュウコンの尻尾を枕にしたいです。

    【書いてもいいのよ】
    【描いてもいいのよ】
    【回答してもいいのよ】
    【浮気してもい……浮気はだめなのよ】
    【回答3はベストアンサーにはならないのよ】
    【尻尾を枕にしたいのよ】

    3/24追記: 回答15を追加しました


      [No.2240] 携帯をいじっていたらわらわっちが飛び出してきた。 投稿者:巳佑   投稿日:2012/02/10(Fri) 02:36:09     90clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

     携帯をいじっていたらテキストフォルダからプロットらしきものが飛び出てきましたので、折角だからこっそりあげることにしました。後書きのページにも色々書きましたが、こちらも良かったぜひ(ドキドキ)


    【以下、携帯のメモ帳からそのまま抜粋】

     ポケモンストーリーコンテスト案を出していこうページ1

    ★タイトルは?
     
     こちら鏡屋メタモンでありんす。


    ★主人公は?

     メタモン。
     殆どのポケモンを知っており、その知識を活かして、その者が知りたい姿を見せる鏡屋というモノを始める。昔、お礼にもらったというキセルをいつも身につけている。一人称はわらわっち。その辺の説明も入れておく。


    ★どんな話?

     イーブイの進化の悩みから可能性の広さを説く【未来編】
     ルージュラの恋の悩みから、今というものと向き合う【現在編】
     トレーナーが捨てた卵から変えられない過去を説く【過去編】


    ★流れは?

     最初はメタモンの紹介で1000文字以内。
     後は未来編、現在編、過去編の順番で各3000文字以内。


    ★それぞれの性格

    ・メタモン
     古風な喋り方が特徴的。甘いモノに目がない。冷静にモノを見る。

    ・イーブイ
     好奇心旺盛なイーブイで、メタモンに将来のことを相談しに来る。

    ・ルージュラ
     恋に生きているポケモンで、もっと美しくなりたいと思っている。
     進化することはできないかとメタモンに相談しに来る。

    ・トレーナー
     卵を孵して、個体値が低いと見るや、そのポケモンを捨てる人。
     間違えて高個体値のポケモンを捨ててしまう。

    ――――
     
     ポケモンストーリーコンテストの案を出していこう。ページ2

    ★一人称は?
     
    ・メタモン…わらわっち
    ・イーブイ…ボク
    ・ルージュラ…わたくし
    ・トレーナー…俺様


    ★実は。

     イーブイは実はトレーナーに捨てられていたポケモン。
     後にエーフィに拾われ、育っていく。
     
     話の終わりはイーブイがエーフィに進化して、メタモンが「願わくば、この子のように強く生きて欲しいでありんす」と呟いて終わり。


    ★セリフ。

    ・わらわっちはあくまでお主の見たい姿を写したにすぎん。

    ・未来を決めるのは最終的にお主なんじゃ。
     決めて、その先を進んだら、戻ることはできん。
     だから自分に責任を持つのじゃ。
     それが今というやつでありんす。

    ・鏡はあくまで表面を映しているだけでありんす。
     中身までは映せん。
     どんなに姿を変えようともわらわっちはわらわっち。
     お主はお主なんじゃ。
     中身を変えること……それも進化の一つじゃないかのう?

    ・知っておるか?
     捨てられたポケモンはな、成長すると、やがて捨てられた意味をというものを知って、捨てた人間に復讐するのだそうじゃ。


    【このプロットらしきものに関する補足説明】

    ・現在編にて初期案はルージュラでありましたが、進化しないポケモンにするはずだったのに、ルージュラはムチュールから進化していたことを忘れていました。
     ポケスコに提出後、それに気がつき、急いで他の進化しないポケモンを検索。
     唇が気に入ったのでマッギョに決定。

    ・このプロットらしきものを打ち出したのは第二回ポケスコの募集が始まったときで、このプロット(?)を打ち出す前にこの案は薄らと浮かんでいました。
     要するに温めていたのであります。
     ちなみに、そのときに浮かんだタイトルは『メタモンが語る!』

    ・ページが二つに分かれているのはメモ帳が500文字までしか入らなかったからです(汗)

     
     このような感じでわらわっちストーリーが生まれたわけですが、実際に物語を書いてみると、オムニバス形式で四つのお話を書かなければいけなかった上に、それぞれの字数目標を破ったりしてしまいましたから、全体で軽く10000字オーバーが起こって調整が大変でした。(汗)

     それでは失礼しました。


      [No.2239] 地下鉄に揺られて 投稿者:きとら   《URL》   投稿日:2012/02/07(Tue) 23:47:58     93clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    「ライモンシティ行き、間もなく発車します。駆け込み乗車はおやめください」


     帰りのバトルサブウェイが動き出す。ここから帰る人たちはいろんな事情を抱え込んでいた。途中で負けたもの、区切りをつけて帰るだけのもの。ただこの時間は人が少ないのか、広い車両に一人だ。
     途中の駅で買い込んだキャンディを一口。そして真っ暗な窓の外を見る。
     夜のように真っ暗だ。ここは地下鉄、景色なんて見えない。時々、反対方面に向かうサブウェイが見えた。それ以外は何の変わりもない、ただの暗闇である。

    「パスを拝見します」
     車掌の言葉に顔をあげる。首からぶら下げていたスーパーシングルトレインの許可証を見せた。
    「あれ、さっきのサブウェイマスターの……サガリさん!」
    「僕はクダリ!」
     名前を間違えられて一気にフォーマルな表情から、プライベートな子供っぽい表情へと変わる。
    「クダリさんですか、すいません」
     シングルトレインにいたノボリと良く似た人だ。親戚なのかもしれないが、性格がだいぶ違う。
    「クダリさんもバトルサブウェイ好きでこの仕事してるんですか?」
    「ノボリと一緒にしないでよ!僕はバトルが好きなの!」
     同じじゃないか。そう思っても言葉には出せなかった。苦笑いでやり過ごし、荷物から残ったキャンディをクダリに渡す。
    「お疲れ様です。青リンゴ味ですよ。よければどうぞ」
     サブウェイの窓は相変わらずの暗闇だ。ダイヤが違うのか、他のサブウェイともすれ違わない。
    「お仕事は?」
    「君で終わり。……さっきから外ばかり見て、何が面白いの?」
     クダリがつまらなそうに言う。確かにそうかもしれない。彼にとって見慣れた暗闇。
    「クダリさん。誰かが私に言ったんですよ。電車って人生に似てるって」
    「なにそのいきなり哲学。僕に解るよう説明してよ」
    「受け売りなんで上手く解釈できないんですが、電車は乗り遅れたら二度と乗れない。人生も、チャンスの電車に乗り遅れたら二度と乗れない」
     クダリはとてもつまらなそうだった。相づちの声からしてもう話を聞いてる態度ではない。
    「クダリさん、私、過去に一人、すれ違ったままの人がいます」
    「その人は、ポケモンを人間から解放するといった信念で突き進みました。私は違うといって対決したままいなくなりました。その他にも私には友達がいます。二人とも、途中迷ったりしてましたが今では自分の道をいってます」
    「その時、私は何をしていたんでしょうか。みんなより人生の特急に乗った気分で、二人に勝った気でいたんです。二人とも、普通列車に乗って、乗り換えで迷っても自分の行き先を見つけたのに私は乗り換え駅でどの電車にのっていいか解らないんです」
    「で?」
     今まで黙ってたクダリが口を開く。
    「で、って、私が今思ってることですよ」
    「何を迷ってるか知らないけど、乗り換え駅なら来た電車に乗ればいいじゃん」
     クダリが飴を嚼んだ。
    「これだから子供は嫌いだ。迷ってる自分がかっこいいとか思ってるんだもん。乗り換え駅にいて迷ってるっていう自覚あるなら最初に来た電車に乗ればいいだけじゃん。君つかれる」
     クダリが立ち上がる。座ってる時とは違って、その背丈は大きい。クダリを目で追うと、窓の外に灯りが見える。
    「もうライモンシティに着くよ。それじゃ」
    「あ、クダリさん!」
    「何?」
    「また勝負してくださいね」
    「君が勝ち抜ければね。……直接申し込むんだから腕には自身あるんだろ」
     クダリは車両のドアに手をかけた。そしてもう一度振り返る。
    「君、名前は?」
    「私ですか?私はトウコです」
    「ふーん、そう。じゃ」
     そのままクダリは白いコートと共に消えて行く。トウコはその方向に頭を下げた。

    ーーーーーーーーーー
    バトルサブウェイの帰り。今まで辿ってきた道は何だったのか。見えない窓を見て主人公は何を思うのか。
    幼なじみはそれぞれ目標をみつけたのに、主人公だけぽーんと放り投げられたようで、エンディング後はもしかしたら

    クダリにはまだ会ったことないけど下りだからクダリさんにした。

    【好きにしていいのよ】【最近サブマスが気になるのよ】


      [No.2238] わー 投稿者:きとら   《URL》   投稿日:2012/02/07(Tue) 23:32:16     87clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    メッセージありがとうございます!
    ポケモン嫌いは結構好きな題材でした。

    「私」側からの一方的な視点の話であったのに、タブンネの気持ちを汲んでもらえてとても嬉しいです。
    他者と暮らすにはある程度の知識が必要ということですね。
    親は自分が世話するんだから「私」は知らなくていいと思ったのか、両親もあまり知識がないか。
    どちらにせよ些細なズレでこんなになってしまったのです。
    それは現実の人間関係でもそうなんじゃないかなあと思います。

    切ないっていう感想もらえて嬉しいっす!
    ありがとうございました!
    【タブンネの半分は優しさでできています】


      [No.2237] うおおおお…… 投稿者:ラクダ   投稿日:2012/02/06(Mon) 23:10:20     89clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    久しぶりにマサポケを覗いたら、なんとまあ「ポケモン嫌い」を書いてくださっていた……! ありがとうございます!

    なんだかもう……切ないなあ。
    タブンネに対する誤解で嫌悪を募らせる“私”と、嫌われながらも“私”と家族を気遣うタブンネの姿が……うわああああ orz
    愛玩用として可愛がられていたが為に、父親の変調に気付いてもどうしようもなくて。母親までもが同じ変調を抱えてしまって……それもどうしようもなくて。見守り続けることしか出来なかった上に、“私”からは殺されそうになるほど憎まれて……うおおおおお orz

    でも、“私”が悪いのかといえばそうじゃないんだろうなあ、と。情操教育の為に子供に生き物を与える、というのは割と聞く話ですが、子供が全て生き物に興味を持つかと言えばそんなことは無いわけで。当然興味を持てない子だっているし、そんな子からしたら突然現れた「家族の一員」なんて煩わしいだけなんでしょうね。
    ただ、もし両親が“私”とタブンネを引き合わせる時にきちんとした説明をしていたら。もし“私”が自分でタブンネの事を調べようとしていたら。
    誰が悪い、という訳でなく、無知故に起こった思い込みによる悲劇だと思うと……悲しいなあこれ……。

    > 「タブンネってポケモン知ってる? 倒すとたくさん経験値をくれる、優しいポケモンよね!」

    相手を瀕死に追い込まないと経験地が貰えないという事を考えると、この一言はなかなかキッツイですね……。願わくば、いつか彼女に真実を知る日が訪れますように……。

    面白かった、という表現はそぐわないかもしれませんが、この作品を読めて良かったと心より思います。読了後も残る切なさが半端ないです。
    書いてくださったことにお礼を申し上げます。本当にありがとうございました!

    【げしげししていいのよ……だと……? とんでもねえ!!】


      [No.2236] 【書いてみた】優しいポケモン 投稿者:きとら   《URL》   投稿日:2012/02/04(Sat) 23:42:16     161clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

     私が物心ついたときから、そいつはいた。ピンク色のタブンネというポケモンだった。

     私の情操教育に、と大人しいポケモンを知り合いからもらってきたという。そのタブンネは両親の願いにそぐわず、私に触覚のような耳を押し当ててはどっかへ行くようなやつで、私も特にタブンネを好きじゃなかった。気に入らない時には叩いたりした。その度に両親はタブンネをいじめるんじゃないと怒っていた。私はますますそれが面白くないので、タブンネの耳を引っ張って遊んでいた。小さなタブンネは私のおもちゃだったと思う。
     そのタブンネが最も懐いているのが父親だった。毎日触覚を背中に押し当てては父親のまわりで何かやっている。父親を取られた感覚もあって、私は本当にタブンネが好きじゃなかった。父親と遊んでる時に、ちらっとこっちを見てくるのも不快だった。
     私の誕生日、こたつでケーキを食べていると、いつも一番に父親のところへ行くのに、触覚を押し当てただけで私の隣に来た。お祝いしてるよと両親は言ったが、私はタブンネにケーキを取られると思った。だから耳の触覚を引っ張った。タブンネはいつものような高い声で鳴いた。母親が私を叩く。タブンネがかわいそうだと。私はかわいそうじゃないのか。タブンネは母親のところに行った。何度も父親を振り返った。
     次の日もタブンネは父親に近づこうとしなかった。肩が凝り過ぎて痛いと言えばタブンネはいつもならさする。けれどお気に入りのソファーに座ってても、父親が来るとこたつの下に潜る。ついに嫌われたんじゃないと母親は笑っていたが、正直タブンネがいなくてすっきりした。
     
     数日後、父親は死んだ。心筋梗塞。心臓の血管が詰まる病気だといった。
     原因なんて解り切っている。タブンネがやったんだ。ポケモンだから、人を病気にすることなんてできる。あんなに懐いていたタブンネがぱたっと懐かなくなった。そのあたりから具合が悪くなったんだ。
     母親に訴えてもタブンネはそんなポケモンじゃないとしか言わない。絶対に嘘だ。タブンネはそんなことをするポケモンだ。誰も信じない。
     タブンネは父親がいなくなると、私によってきて耳の触覚で触って来た。あれに触られたら殺される。いつも以上にタブンネを叩いた。しばらくタブンネは遠巻きに私を見て、それからまた近寄ってくる。叩かれることが解っててそれでもタブンネは近づいて来た。気持ちが悪かった。
     私に近づかなくなったタブンネは、母に近づいた。けど私の姿を見るとそこで止まる。私が怖いらしい。
     そうして母と私とタブンネは一緒に暮らしていた。タブンネの姿を見るだけでもむかついてくるが、母親はかわいがっている。私の背が大きくなり、タブンネを見下ろす形になって、ますますタブンネは私に近づいて来なくなった。

     私は遠くの大学に進学することになり、実家に母と悪魔のタブンネを一緒にしておくわけにはいかないといった。けど母親は相変わらずタブンネはそんなポケモンではないとしか言わない。タブンネはじっとこちらを見ている。その青い目が小さな頃の思い出と重なってむかついた。あいつさえいなければ父親は死なずに済んだのに。
     タブンネのことで母親とモメたのもあって、その日は早く寝た。
     朝早く起きると、タブンネは耳の触覚で母親の背中を触っている。またあいつやっている。またあの時と同じことをやっている。今度は両手を添えて、背中をさするように触ってる。けがらわしい。
     タブンネの耳を引っ張ると、いつもと違って散々抵抗する。短い手を振り回して私をつかみにかかる。突然の反抗に戸惑った。母親もタブンネを怒らすんじゃないとしか言わない。タブンネは母親の方しか見てない。

     数日後、母親が倒れた。父親と同じ心筋梗塞だった。
     もう間違いない。タブンネは二人も殺した。葬儀の間、ずっと私の隣から離れなかった演技も全てお見通しだ。お前のせいだ。お前がうちにいるから二人とも死んだ。私の両親を返せ。
     私の後にくっついて、何のつもりだタブンネ。もうお前を庇う人間はいない。私は台所から包丁を取り出した。タブンネの目がおびえる。
     一歩前に出た。タブンネが一歩下がる。命乞いのつもりか、涙を浮かべてる。ポケモンって泣けるんだ。人の親を殺しておいて、自分は命乞いするんだ。
     包丁を振りかざした。タブンネは一目散に逃げ出した。閉まっていた玄関を開けて、後ろを振り返らずに去っていった。
     悪魔はいなくなった。しかしあのタブンネを逃がしたのは私の気がおさまらない。


    「タブンネってポケモン知ってる? 倒すとたくさん経験値をくれる、優しいポケモンよね!」

    ーーーーーーーーーーーーーーーーー

    他力本願スレより、ラクダさんの「ポケモン嫌い」から頂きました。
    ブラックの図鑑を初めて見て、タブンネって脈で体調を知るんだーって思って、そういえば漢方も脈から診断するはず、そして癒しの波動ってかなりレベル高くないと覚えないんだなー。
    そんなタブンネの妄想から始まり、「無知は虐待へつながる」という言葉をもらい、げしげしにいたりました。
    ずっと前にDV的なものを書きたいと言ってたのがついに投稿できるよ!

    私はゲーム中に出てくるNPCをいじるのが好きみたいです。
    【好きにしていいのよ】【げしげししていいのよ】【げしりかえすから】


      [No.2235] 火鉢 投稿者:音色   投稿日:2012/02/04(Sat) 21:50:35     139clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

     ばあちゃんちに遊びに来たらコ―タスが火鉢の周りでぼんやりしていた。
     丁度あったかくなっていたのでそのまま火鉢にあたる。
     ぺけぺけと呑気な足音をさせてぶちまるが餅の袋を持ってきた。
    「ぷやぁ」
     焼いてくれ、とでも言いたげに差し出してくる。
     しょうがねぇなぁと3個ばかりだして金網の上に乗せる。まだ膨らむまでは時間がかかる。小皿と調味料を取りに行った。
     海苔と醤油と、後はチーズなんかも良いかも。落とすとまずいのでぶちまるにはマヨネーズを持たせた。
     戻ってくるとコ―タスが欠伸をかまして餅を睨んでいる。ふくらみはまだまだといったところか。
     早く焼けろとばかりにぶちまるは耳を揺らしながら餅を眺めている。焦ったって焼けねぇっての。
     餅を見るのに飽きたのか、コ―タスの背中をぱしぱし叩いて反応を見たりしている。遊べ―とばかりにコ―タスまとわりついているが、湯気亀は全くの無反応。
     そうこうしているうちにぷっくら来た。醤油とマヨネーズをあえてソースを作っている間にひとつ、ぽんと弾けてぶちまるが飛びあがった。
     チーズをかけて海苔に挟む。ほら、火傷するなよ。
     猫の手は使えるくせに猫舌じゃないらしいぶちパンダははふはふ言いながらびよよよんと伸びる餅を頬張る。
     コ―タスの分も焼くべきかなぁ、とぼんやり思いながら頬張った。


    ――――――――――――――――――――――――――――――――
    余談 前田くんちのおばあちゃんちには火鉢があります。決してコ―タスの名前ではない。
     マヨ醤油チーズ餅は至高。コレステロール値は保証しません


    【好きにしちまえばいいのよ】


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