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皆様もお世話になっていることでしょう。
え、いきなりなんのことかって?
ボックスですよ、ボックス。正式名→ポケモン預かりシステムのあのボックスですよ
ほら、ポケモンセンターの受付の横にひっそりと置いてあるあのパソコンですよ。
いやー。実はこの前あるトレーナーさんのボックスをたまたま見る機会がありましてねー。そのボックスの光景に思わず目が点になりまして。
びっくりしちゃいましたよ。だって、4つのボックスいっぱいのヤミカラス、ヤミカラス、ヤミカラス!
ふみん・きょううん・いたずらごころ・いろちがい
とわけて、しかも1体1体ちゃんと名前まで付けて……。詰め込んでるなーと思いましたね。いろいろと。いやはや……執念とは恐ろしい。
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ボックスいっぱいのヤミカラスに囲まれてもふもふしてもふもふされて幸せ死するのが私の夢です
ヤミカラス愛を詰め込んでみた。
後悔も反省もしていない。
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ある晴れた日曜の昼前、少年があわてた様子で研究室に駆け込んでくる。少年は目を閉じて動かない怪獣の子供をその腕に抱えている。
「博士。僕は先週博士からいただいたヒトカゲを殺してしまいました」
散らかった研究室。それまで博士は机の下でうたた寝をしていて、少年があまり乱暴にゆさぶったのでとても寝覚めが悪い。
「早くも飼育放棄か。こらえ性のないやつだ」
「違います」少年は目に涙を溜めて、「とても大事にしていました。ちかごろやっと懐いてきたところです。昨日の散歩は弟に押し付けましたけど、それは友達がムリに遊びに誘うので仕方がなかったんです。ところが今日僕が朝ごはんのみそ汁を溢してしまったとき、そこいらでごろごろしていたこいつのしっぽにひっかかっちまったんです。みそ汁の具は大根と豆腐です」
「なあんだ、メシの話かあ……もにょもにょ」
「寝ないでください。博士もご存知のように、ヒトカゲという生き物はしっぽの先にいつも炎を灯していて、特に元気なときにはいきよいよく燃え上がるものだから生命力のあらわれだといいます。みそ汁がひっかかって逃げ出したヒトカゲをやっと見つけたときにはもうこのようにぐったりしていて、しっぽの炎は消えていました。ああ博士、いったい僕はどうしたらいいのでしょう」
「あはあ」とあくびをひとつしてから博士は机の下から這いずり出る。「生命力のあらわれたあ上手い言い方だな。確かにヒトカゲというものは死ぬときにしっぽの炎が消え失せるものだ」
「それはつまりしっぽの炎が消えるとヒトカゲは死んでしまうということですね」
「まあ、そうともいえるな」博士は灰皿に山盛りされた吸い差しからなるべく長めの一本を口にくわえて、「ときに君はタバコをやるのだったかね。火をもっていてくれると助かるのだが」
「僕はまだ十歳ですよ。試したこともありません。ねえ博士、僕は今とても深刻なんですから、ちゃかすことないじゃありませんか、もっと真面目に聞いてくれてもいいでしょう」
「ええい、寝起きの一服くらいゆっくりさせてくれたまえ。まったくこんなにとっ散らかってマッチがどこにあるのか知らん。だいたいこの国では酒もタバコも十歳からやれるのだぞ。ああ、分かった分かった。ちゃあんと診てやるからマアそこに座っていなさい」といって博士は積み上げられた書類の山をごちゃごちゃとほじくりまわす。
「あいかわらず汚い部屋ですね。どこに座る場所がありますか。こんなことだからいつまでたっても研究生が集まらないんですよ」
「おお、あったあった」
博士はようやくマッチ箱を探し当てるとまず一服し、それから「失敬するよ」と少年の抱きかかえた怪獣のしっぽに火をつける。すると怪獣は目を覚まし、少年の顔をひとにらみしてから再び目を閉じる。
「うん、うん。すねて死んだふりをしていたんだな。散歩くらいきちんと連れていってやることだ」
「エッ……」と目をまん丸くした少年が、「僕はこいつを殺してしまったはずではなかったんですか」
「そんなわけがあるめえ、みそ汁くらいのことで。なあに、散らかっているから研究生が来ないのではない、研究生がいないから片付かんというだけの話だ」と博士は煙を吐く。
* * *
はじめまして。殻ともうします。
大根いれたおみそ汁だいすきです。
June,6
「バトルに使うポケモンのタイプ別傾向」などというレポートに使う資料集めのために、ライモンのスポーツ施設に通うようになって早一週間。初めのうちは面倒くさかったものの観てみるとなかなか楽しく、自分も参加したくなってきた。とは言え俺のヨーテリーじゃあすぐに負けてしまうだろうから、もっと鍛えてからだろうけれど。
June,8
今日の目玉は、エンペルトとトロピウスの一騎打ち。タイプ相性からトロピウスが勝つだろうと観客のほとんどが予想していたけれど、タスキで持ちこたえたエンペルトが冷凍ビームを放って逆転した。バトルには色々な工夫があるのだなあ。
June,9
今日はダストダスを連れたトレーナーが来た。あまりの悪臭に初めは何かと思った。毒ポケモンでもあそこまで強い臭いは今までお目にかかったことが無いかもしれない。見た目や臭いから物凄く強く感じたけど、レアコイルと当たったバトルで後少しのところで敗れてしまった。昨日とは違い、タイプが原因となって負けることも勿論あるのだ。
June,10
昨日のダストダスがまた来た。今日の対戦相手は最近カロスで人気に火がついて、ポケモンアイドル界隈で頂点に降臨しているニンフィアだった。フェアリータイプに毒タイプの攻撃は効果抜群、ダストダスの放ったヘドロの塊にピンク色の身体はドロドロにされてしまった。
……俺はあまりポケモンを見た目で判断する方では無いけれど、流石に今日のはニンフィアがかわいそうになった。俺以外にも、観客の若い女の子たちが悲鳴をあげていたりした。
しかし、一撃で倒すなんてあのダストダス、強いんだな。
June,12
いつものようにバトル観戦。と、半ズボンを履いた元気そうな少年からバトルを申し込まれた。昨日は一日トレーニングに当てていたこともあり、応じることにした。
結果は敗北。空を飛べるミツハニーに特訓した穴を掘るは通用しなかったのだ。今日の失敗を糧にして、また頑張ろうと思う。
June,13
大学の講義が長引き、急いで観戦へ。スタジアムに飛び込んだら、ちょうど件のダストダスがバトル中だった。ヤルキモノをげっぷで倒した時には会場が何とも言えない空気に包まれた。
しかし、今日は朝から降っている雨でスタジアムも湿気ていた。おかげでダストダスの臭いが一層気になる。トレーナーの人は大丈夫なのだろうか。というか、あの臭いじゃあ家の中には到底入れられないと思うけれど。
June,14
なんと、あのトレーナーと話すことが出来た。勿論「あの」とはダストダスのトレーナーのことだ。
バトルの空気を掴んでもらうため、俺はヨーテリーをボールから出していたのだけれどもヨーテリーが急に吠え出した。あまりに騒ぐから何かと思ったら、挙句駆け出してしまったので慌てて追いかけると、その先には例のダストダスに威嚇しているヨーテリーがいた。ヨーテリーたちは鼻が利くから、ダストダスの臭いが気になったのだろう。しかしどう見ても失礼な行為だから急いで謝ると、トレーナーは苦笑して許してくれた。
そこからここに通う者同士話が弾み、俺は昨日気になったことを尋ねてみた。どうやら、やっぱり家には入れられないから夜は家の近くのゴミ捨て場で寝かせているらしい。なるほど。
June,15
ダストダスについて少し調べてみた。ゴミを取り込み、自分の身体や毒ガスにしてしまうということがわかった。ゴミなら何でも良いのかな? 流石に、冷蔵庫とかの粗大ゴミじゃ駄目そうだけど。どちらかと言うと生ゴミ系統な気がする。
June,17
昨日、一昨日と行けなかった観戦に行った。ダストダスもいたのだが、対戦相手になったグラエナが異様に唸っていたのが印象的だ。ただ臭いから、と言うよりは一種の興奮状態に見えたけれど……俺にはよくわからない。
それにしてもあのダストダス、見るたびに強くなってないか? 特にダストシュートの破壊力は凄まじく、毒の力だけで無く勢いもすごかった。育て方が良いのか、それとも食べてるものが良いのだろうか? 良質の生ゴミ……なんてな。
June,18
ヨーテリーのトレーニングをすべく、早朝ランニングをしてみた。バトルサブウェイの方を走ったのだけど、近くのマンションのゴミステーションでダストダスが寝ているのが見えた。もしかしなくても、きっと例のダストダスだろう。
June,19
大学前で学生運動が行われていた。急いでいたからあまり内容はわからなかったけれど、ポケモン愛護関連だったと思う。
最近じゃあ、一部の過激なトレーナーがポケモンを『廃棄』するだなんて話もあるくらいだから、それが嘘か本当かはわからないとは言えああいう活動が出てきてもおかしくない。少し前には、ポケモンリーグの優勝者が孵化したばかりのポケモンのうち、弱いものを袋に詰めて捨てていた、などという報道が写真付きで週刊誌に掲載されたこともあったし。
アレはすぐに嘘だということがわかり、いわゆるマスゴミの自演として風化したけれども、ポケモンをそういう風に扱う人は絶対にいないと思いたいものだ。
そう言えば、今日もダストダスが来ていた。相性の悪いゴチルゼルのサイコキネシスにもドわすれで耐え、ギリギリのところで破ってみせた。また強くなっている。
June,20
今日はダストダスはいなかったが、俺自身がバトルをした。また負けてしまったが、もう少しのところだったから次はいけるかもしれない。ヨーテリーの気合も上々だ。
そう言えば、対戦相手になってくれた鳥使いに教えてもらったのだけれど、バトルサブウェイでは人のポケモンを見るのが得意なエリートトレーナーにアドバイスをもらえるらしい。どうやら、何がそのポケモンの良いところか教えてもらえるそうだ。明日行ってみようと思う。
June,21
早速行ってみた。俺のヨーテリーは攻撃力が高いらしく、エリートトレーナーは頭を撫でてしきりに褒めてくれた。ヨーテリーもわかっているのかわかっていないのか、嬉しそうにしていた。
エリートトレーナーによると、俺が来る少し前にポケモンリーグの優勝者が来ていたらしい。メラルバを沢山連れてきたという。後少し早ければ見ることが出来たかもしれないのに、と思うと少し悔しい。
June,22
ダストダスの今日の相手はウインディ。またもや異常な吠え方をされていたけれど、ダストダスとトレーナーはもう慣れきっているようだ。
結果はダストシュートでダストダスの圧勝。本当、見るたびに強くなっていてびっくりしてしまう。特に攻撃力が一段と上がっているような……。今度、強さの秘訣やトレーニングの仕方を聞いてみようと思う。
そう言えば、今日のダストダスの背中のあたりに赤くて尖ったものが刺さっていたけれど、あれはなんだったんだろう? この前までは無かったように思えるけれど。
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あの頃は、何の意味も無い単純な作業が楽しかった。全クリされたポケモンの赤をまだ遊んでいた。何をしていたかというと、自転車と波乗りと使ってぐるぐるとカントー地方を周っていただけだ。何が楽しかったのか、今考えると全く理解できない。
小学校一年生の頃なんて、所詮そんなものである。傍から見て訳が分からないし、自分でも訳が分かってないのだ。
それから一年くらいして、赤のセーブデーターを消した。元々ポケモンはおじから貰ったもので、データーもおじのものだった。一度消して自分で一からやり直したい。そろそろ自分もそう思いはじめたのである。同じ所をぐるぐる周るのは飽きたのだ。
しかし、そうしてみたはいいものの、自分はポケモンを育成するなんてしたことがなく、要領をつかめずにいた。最初の三匹から選んだヒトカゲは、レベル8まで育てることができたのだが、掴まえたコラッタが全然育たない。最初だけ戦闘に登場させ、後は強いポケモンに交代して倒すことで、経験値を半分入れて育てていくなんて方法は知る由もないし、思いつくわけがない。ポケモンが育たないことには、バッチを得ることができず、次の町に進めない。結局自分は同じ所をぐるぐるとしていた。
さて、本筋に入る。m君という子がいた。少し太っていて、けれどもガキ大将とかそういうタイプではなく、まあ少し声の大きい子だった。m君と自分はそれなりに仲が良かった。家が離れていたので、そう何回も遊んだわけではないが、たまに自分の部屋で一緒にゲームをやったりしていた。
そんな彼は自分の家から帰る間際、こう言ったのである。ポケモンを貸してと。
代わりに育ててやる、ということらしい。その言葉に自分の心が動いた。とりあえず、野生のポケモンは倒せる位に強くしてくれれば、後は育てるのは難しくない。そう思ったから、つい頷いてしまったのである。彼はそのままカセットを握りしめ、またねと挨拶して帰っていった。
それから三週間が経過した。
普通ゲームを貸すと言ったら、ニ週間くらいが限度だろう。まだ返ってこないだけでなく、そろそろ返すよ、という話すら無いのは異常である。
二時間目と三時間目の間の業間休みに、m君に聞いた。もっと早くに聞けばいいのに、今更である。
「僕が貸したポケモンどうなった?」
すると彼は、思いっきりわざとらしくぽかんとした顔をした。
「え、俺借りてないよ」
白を切られてしまったわけである。僕は追求した。いや、確かに自分は貸したと。三週間前に。それでも彼は絶対に認めなかった。何度言ってもである。
二十分の業間休みをフルに使って水掛け論をした。彼は己の間違いを最後まで認めなかった。
そんなにNOと言われると、本当に貸したかなと自らを疑い、部屋を確認してしまう自分は阿呆である。どこを探してもポケモンは見つからない。やっぱり貸したのだ。間違いない。
いったい彼は何故返さないのか。まだ遊びたいのか。だったら自分で買えばいいのに。
一ヶ月して、もう一度言った。
三ヶ月して、もう一度言った。
一年して、もう一度言った。
自分はもう諦めていた。いくら返せと繰り返しても、借りてないの一点張り。m君の部屋を確認することを求めても、それは駄目だと厳しく怒る。
いったい自分が何をしたのか。貸したのが間違いなのか。甘い誘いに乗ったのがいけなかったのか。
ゲームには育て屋と言って、ポケモンを預けると育ててくれる施設がある。しかし、そこはポケモンの成長に応じて、お金を払わなくてはいけない。ならば僕も対価を払う必要があるのか。
試しに、千円やるから返してくれと頼んだ。千円なんて持ってない。ただ相手の反応を見てみるだけだ。m君は、そもそも借りてないからお金を出されても困ると言った。やっぱり認めないのか。
そのうちに、周りは金銀を遊ぶようになった。つられて自分も金を始める。徐々に赤のことなんて忘れていった。もう自分はポケモンの育成方法を分かっていた。自分はそれなりに成長していて、だからちゃんと進められた。しかし、氷の抜け道を通過できず、クリアすると関東地方に行けることを知らないままゲームを終えた。
さて、そんなこんなで月日は過ぎる。中学生になった頃、m君は引っ越すことになった。正直クラスも変っていて話してもいなかったし、全然交流がなかったのでふーんで終わった。
しかし引っ越す三日前くらいに、彼が言ってきた。借りていたポケモンを返したいと言ってきた。
もう何年前のことであろう。今更何を言っているのだ、と思った。もうポケモンなんてやっていない。
しかし、自分の手の中にリザードンが描かれたカセットが握られたとき、少しだけ僕の心にノスタルジーに流れ込んだ。
家に帰って、割とドキドキしていた。さっきまでもういい今更かと思っていたが、考えてみるとこれだけ長い時間借りていたのだ。きっと強いポケモンが育っているに違いない。図鑑も完成しているかもしれない。そういえば、図鑑が完成したときの、オーキドの評価の言葉は何になるんだろう。
様々な期待があった。ロード中は少々いらいらした。続きから始めるを押すと、冒険がどこまで進んだのか色々記録が出るのだが、aボタンを連打していたから見れなかった。
そして、ついに主人公が画面に現れた。懐かしい音楽が流れた。しかし、その音楽はトキワの森であった。主人公がいる場所もトキワの森であった。
嫌な予感がした。
selectボタンを押し、手持ちのポケモンを確認してみると……
ヒトカゲ レベル9
コラッタ レベル3
ほとんど変っていなかった。
タグ: | 【4番あたりからおかしくなるのは気のせいです】 【当たったら、結婚しましょう】 |
【001】数葬
数学の嫌いなA君は、宿題を炎ポケモンに燃やさせました。
はっはっは! 見ろ! 数を葬ってやったぞ!
【002】砂漠の神の子
砂漠で遭難した女の人がフライゴンに助けられて、結婚。
結果生まれた子の話。
【003】蜃気楼の中で
蛤が蜃気楼を出すって話があったので、それを元にパールルか何かが旅人に蜃気楼を見せる話だと予想。
【004】ネコイタチと青い空
色違いのザングースの話(色違いザングは赤の部分が青い)、自分の色に自信ががないサング♂はある日、愛しのザング♀にあなたの毛皮の色って青い空みたいで素敵! と言われ調子に乗って一族のバトル大会で優勝。二匹は結婚する。
【005】冷たい刃にうつろ仕掛けを
キリキザン「わしの刃は108式まである! 私に勝てたら結婚してやろう!」と言って、いろいろ刃を変形させて主人公と戦う話。
【006】岩の恩人
大晦日に傘を売りに行ったけどぜんぜん売れなくて、帰り道にノズパスが6体並んでたから、全員にかぶせてきたら、朝家の前にいろいろ置いてあった。そして長い間独り身だった息子も結婚する。
【007】立てこもり
ポケモンセンターに立てこもったロケット団員。
時間が経つにつれてジョーイさんと仲良くなって、出頭。
出所後に結婚する。
【008】意味の羅列
(1)男女が夫婦になること
(2)社会的に承認された、継続的な共同体をつくることを目的とする契約。
(3)社会的に承認された夫と妻の結合。
【009】ポケモン被り
手持ち六匹が全部対戦相手と被る。
この世にこんな人がいるなんて! 結婚しよう!
【010】竜神の花嫁
おにゃのこが生贄になるためにギャラドスの棲む滝壺へ。
でも意外と気があったので結婚することにした。
そうですね、子どもはギャラドスの節の数くらい欲しいですかね。
【011】幻想ミレニアム
2000年(ミレニアム)、私達はポケセンの前で通信交換をしたのがきっかけで時々会うようになりました。時は流れ2013年、ついに結婚しました。
【012】確かに恋でした
そして結婚しました
【013】にめたるえ変を去過
ようよし婚結てえ変を去過
【014】馬鹿ほど愛しい
あんた馬鹿だし、ポケモンバトルも弱いから私がついていてあげなくちゃだめね!
100連敗したら結婚しましょう!
【015】ガラスのオブジェ
やあやあおめでとう! 結婚記念にこれを送ろう!
これは おじさんの きんのたま の ガラスのオブジェ!
だいじにしてね!
なんたって おじさんの きんのたま の ガラスのオブジェ だからね!
気がついたら 結婚エンドになっていた。
たぶん002あたりの所為じゃないかな…
すでに読んだのは捏造してみました。
この世では、夜のとばりが下りて真っ暗になりますと、ルナトーンという月のポケモンが宵の町を照らしていました。
夜道では暗闇に紛れて、野生のポケモンが人間を襲おうかと意図をくるくるとめぐらしますが、全ての悪事はルナトーンの光で明るみになり、人間たちはその光のおかげで宵の世界を生きることができていました。
しかし、ある日のこと。
町でたくさんの酒を胃に流し込み、見事な千鳥足を舞う二人の男が肩組みしながら夜空を見上げました。
二人とも黒ヒゲを蓄えた顔に、鼻は真っ赤に染まっています。
「たしかに、夜はあかるいけどよぉー! 昼間に比べたらぁ、おなごの姿がよく見えねぇことべよー!」
「そうだ、そうだ、ほろ酔いの娘をよく見せろー! 見せろー!」
「おう、相棒、これはあれじゃねぇかべぇ?」
「なんだい兄弟」
「月の野郎は抜けがけしてんじゃねぇのかって思うんだべぇ!」
「なんでい、ひっでぇ話だなぁ。夜を照らしているついでに娘を覗き見かよっ」
「ちっげぇべ相棒。月の野郎はおなごを覗き見しているついでに夜を照らしているんだべぇ」
「そいつはもっとひでぇなっ!」
二人の男はガハハと下品に笑いますと、夜空に向かって、こう叫びました。
やーい!
やーい!
べぇーすけ!
べぇーすけ!
宵の町より
酔いの小町がお好みかぁー!?
おなごや夜道は用心して歩を進め
月の明かりは
鼻の下が長い送り狼の閨(ねや)ぞ
もしも抱かれてしまったら
二度と朝日を拝めないぞ
まずいことに、この男達の歌は大きく響いていき、やがてはルナトーンの耳にまで届く始末に。
もちろん、滑稽にされたことに怒ったルナトーンは二度とこの世の宵を照らすことなどするもんかと断言してしまいました。
さぁさ、大変なことになりました。
このままルナトーンがどこかへと去っていってしまえば、再び、この世の夜は外が真っ暗に染まってしまいます。
これでは夜遊びどころか、おちおち外に出歩くことさえもままなりません。
暗闇に紛れた野生のポケモンがいつ襲いかかってくるか分かったものではなかったからです。
町の人々や、流石に二人の男もどうしよう、いかがしようと困っていたときのことでした。
どこからともなく、たくさんのうさぎが現れました。
茶色の体に、綿あめのようなもこもことした毛を身につけたうさぎポケモン――ミミロルとミミロップです。
そのうさぎ達は木製の杵(きね)や臼(うす)を持っており、臼を地面に置きますと、杵を臼に向かって振り落とし始めました。
臼の中には何かが入っているようで、うさぎ達が杵を振り上げるときに白く伸びるものが現れます。
それは真っ白なお餅でした。
はいやお月さま
ほいやお月さま
そんなに顔を真っ赤にさせたら
爆ぜ(はぜ)てしまいんす
宵を照らすあなたの光は
酒をこぼす盃(さかずき)のよう
うさぎも酔って
ニンゲンも酔って
あなたも酔って
みんなみんな
好い(よい)仲間ではないか
うさぎ達が歌いながら、または踊りながら餅をついていきますと、まずは二人の男が歌いながら踊りだします。
それからこの祭のような賑わいに、町に住まう人間達が引き寄せられ、同じく歌いながら踊りだします。
そして、最後にルナトーンもうさぎ達と人間達の真上で踊りだします。
先程まで、鬼のような顔を見せていたのに、あら不思議。
ルナトーンは笑顔を浮かべていました。
怒りたい気持ちをぺったんこ
みんなの仲をぴったんこ
好い仲間のしるしとして
お団子食べれば
みんな良い笑顔
歌い踊り終われば、ちょうどいい塩梅(あんばい)にお団子ができあがりました。
その味に人間達はほっぺたが落っこちそうになり、うさぎ達は耳が伸びそうになります。
もちろんルナトーンにもお団子が手渡されました。
どうぞとお団子を差し出したうさぎはなんとも美しいミミロップで、顔を真っ赤にさせたルナトーンは爆発しました。
あれま大変と、急いで人間とうさぎ達はお団子を使って、ぴったんぺったんとルナトーンを直します。
「なんだ、やっぱりお月さんもオイラたちと一緒だべな!」
その男の言葉に人間達もうさぎ達も、そしてルナトーンも楽しげに笑いました。
【書いてみました】
(一応)前置き:このルナトーンはスケベクチバシ先生ではありません。
『おつきみだんごっ!』内で出てきたお伽話を作ろうと思って、今回の物語を考えました。
月見団子って、地球と月の縁をくっつける為に供えるものでもあるのかなぁと考えながら書いていき……。
結局、星と月がケンカではなく、悪口を言われた月がグレそうになるといった感じになってしまいましたが、一応、『おつきみだんごっ!』から生まれたということで、こちらの記事に付けさせてもらった所存でございます。
それにしてもお団子って不思議ですよね。
本当に縁をくっつける力がありますよね、きっと。
だって、人間と鳩尾キラーのロコンとかも(以下略)
そうですねぇ、そのロコンにはみたらし団子をあげれば……おや、誰か来たようd(ドカバキャグシャ!)
ありがとうございました。
【何をしてもいいですよ♪】
出張で北海道に行く機会がありまして、小樽でガラスの浮き玉を見ながら妄想した話です。 |
ここに来るまでに糞の跡、尿の跡、そして真新しい踏み跡を探り回っていた二人は、傍目には変人奇人の類に映ることであろう。
「見ろ、オノノクスだ。11時の方向、あの岩場の方だ」
そんな行動の末に、迷彩服に身を包んだ男はお目当てのポケモンを見つけた。彼は、隣の草むらに興奮した様子で話しかける。もちろん隣の草むらにいる者も同じく迷彩服に身を隠し、擬態した人間であり、動かずにじっとしていれば発見するのは難しい。
視覚で彼らを捉えるならば、ハブネークの持つピット器官を使うか、カメラのレンズの反射を視認するしか手は無いだろう。オノノクスの嗅覚は、退化こそしていないがそれほど敏感と言うわけでもないから、まず嗅覚からは見つからないし、聴覚だってここは山。吹き寄せる風に紛れて、足音なんてかき消されてしまう。まず見つかるはずもない。
「おー、本当だ。いるいる」
双眼鏡を覗いて、もう一方は感嘆の声を漏らす。視線の先には、オノノクスが互いの手を掴みながら抱き合っている光景。愛を語らっているわけではない。ましてやオノノクスに社交ダンスの生態は無い。
あれは、メブキジカやオドシシの角と同じ。外敵に対する攻撃手段としても使われるが、メインは相撲を取るためだ。メブキジカならば、角を絡め合わせて押しあいを始める。角の付け根の痛みに負けて押し返される若い雄は、格上の雄に凄まれればすごすごと引き返しては視界から消える。
そうして、ほとぼりが冷めた頃に大きさが同じくらいの雄に挑んでは、勝った負けたを繰り返して、そうして切磋琢磨ともライバル落としとも付かない期間を終えて、繁殖期に至るまでその行為は続けられるのだ。
繁殖期の頃にはもう雌が雄を選んでいる。強い雄は複数の雌を囲み、数日の間はほとんど飲まず食わずで子孫を残す行為に専念するのである。
その斧葉相撲を撮影するには、さすがに最初の位置からでは遠すぎるため、ある程度近づいてから二人は撮影を始める。その際、周囲の景色に紛れる迷彩服は非常に役に立ち、二人とオノノクスの距離は30メートルほどまで縮まった。そのまま追いかけることも考えたのだが、運がいいことに忍び足で近寄って行くうちに、オノノクスはもう一頭の雄と鉢合わせしていた。
「見てください……二頭のオノノクスです」
小さな声だ、ここまで離れていれば、普通に会話をしてもオノノクスの耳に届く前に風にかき消されるであろうが、万が一のことを考えると慎重にならざるを得ない。マイクは顔に固定するイヤホンマイク型。安物ではないが、いかんせん小型であるため機能性は芳しくなく、周囲の雑音も容赦なく拾われていくため、さわさわと木の葉を撫でる程度の優しいそよ風が相手でも、音量を絞った声では太刀打ちできない
「おい、マモル。声小さい……全然聞こえないぞ。大丈夫だって、この時期のオノノクスはまだ温厚だから多少の声なら安全だ」
「あいあい、アマノ。それではー……えー、見てください。アレがオノノクスです」
「……うーん、これはどうなのかなぁ」
言わせておいてなんだが、と言う風にアマノと呼ばれた青年は呟いた。
「やっぱりあれだ、基本的に自然の音だけを録音して、後からナレーションを入れた方がいいかもなぁ……口パクでナレーションを入れる間だけ作って……」
アマノが提案する。
「そうだな……周りの音も邪魔せず入れておきたいし」
そしてその提案にはマモルも納得した。
「じゃ、黙るぞ……」
ポケモン達を刺激しないよう、マモルは黙りこくって撮影を始める。しばらくフィルムをまわしていると、闘争心の強い二頭の雄のオノノクスが雌の争奪戦に向けての斧歯相撲を始めてくれた。
手と手を握り合ったまま、顎の斧歯をガツンガツンと打ち合わせる斧歯相撲。歯の付け根が痛くなるか、ヒビ割れるかでどちらかが降参すれば勝敗のつくこの試合。同族の仲間を殺さないように、かつ必要以上に傷つけないようにどちらが強いかを競い合うにはもってこいである。
繁殖期の前は、斧歯同士を打ち鳴らす音が時折山で響きあうため、オノノクスを恐れるポケモンはその音を聞くとすぐに逃げ出してしまうのだ。
フキヨセの街では、そんなポケモンたちの性質を利用して、オノノクスの斧歯相撲に似た音を出す楽器を打ち鳴らすことで農作物の被害を減らしたという。
そんな、斧歯相撲の力強い音色を間近で聞いていると、その迫力にはナレーションを入れる余裕もないくらいに息をのんでしまう。
双方ともに斧歯の付け根が痛いのか、時折休みを挟みながらもつなぎ合った手は離れない。
痛みで膠着状態に陥っていた時、痺れを切らした僅かに体が大きい方のオノノクスが牙を振り上げる。
待ちの体勢に入っていた小さい方はこれを待っていたのだ。わずかに小さい方は斧歯の中心で、相手の斧歯の中心から外れた部分へ打ち付けた。
斧歯の芯で斧歯の比較的弱い部分を叩いたことで、痺れを切らした大きいオノノクスの斧歯は僅かながらに欠けてしまう。
これには、大きい方も負けを認めざるを得ず、体の大きなオノノクスは自分から手を離して頭を下げた。
鮮やかな勝負の幕引きに思わず撮影者も感嘆の声を上げる一方で、小さなオノノクスの勝利の雄たけびが撮影者の声をかき消す勢いで周囲に響き渡る。
あの雄はいずれ大物になる、そんな気がした。
思ったよりも迫力のある映像を撮れての凱旋帰還の最中の事。
「そういえば、ソウリュウシティのジムリーダーのシャガさん……オノノクスとレスリングをやっているって言うけれど……あの髭の中に金属仕込んで斧歯相撲でもやっているのかなぁ?」
「いやいやいや、アマノ。それはないだろ」
あの圧倒的な力強さの相撲に、人間が太刀打ちできるわけがない。いかにあの逞しいシャガさんでも、それは例外ではないだろう。それでも、ありえそうに思えてしまうあのカリスマが、彼が市長たる所以なのだろうか。
メールでもお知らせしましたが、作者スタッフ分を発送いたしました。
1週間経っても届かない場合はご一報くださいませ。
ドッペルゲンガーという言葉の意味を、ある程度のことは誰もが知っているだろう。
まあしかし、念のために話の流れをスムーズにするためにも、俺が簡単に説明しておくとしよう。ようは自分にそっくりな存在がこの世界のどこかにいて、それを見てしまうと死んでしまうというものだ。
そりゃあ自分にそっくりな奴なんて、この広い世の中だ。どこかに一人くらいはいてもおかしくはないだろう。いや、むしろいない方が変かもしれない。俺と同じイケてる面子を持ってる幸運な輩がいるわけだ。
とはいっても、やはり自分とそっくりな存在がどこかにいるというのは稀なことなのかもしれない。
例えばそこら辺でチョロチョロと駆け回っているコラッタ達だって、僕からすれば全くもってそっくりだ。けれども本人からすれば、どこかしらの違いがあり、やはりそっくりではないのだろう。細かな違いというのは当事者たちにしか分からないものだ。
だから、よくよく探せばどこかしらの違いがあるはずだ。毛並みだとか肌の色だとか、きっとどこかに違いがある。考えてることまで一緒ということはあるまい。双子や三つ子にだって何かしらの違いがあるように。いつかきっとわかるはずだ。おいらたちの違いというものが。ドッペルゲンガーなんてものは存在しないし、それで死ぬなんていうこともない。あるわけがないのだ。
俺は僕はおいらは、隣のドードリオの顔を、じっと見た。
・描いてもいいのよ
・書いてもいいのよ
・批評してもいいのよ
ふぅっと一息ついて、ゾロアークは空を見上げた。
突き抜けるような青い空と、そこだけミルクをこぼしたような雲のコントラストが目に眩しい。
長いこと旅に出ていた。そんなときに浮かぶのは家に残した美しい妻と可愛い子供。そろそろ帰ろう。お土産は何がいいだろう。長いこと開けてしまったから、怒ってるだろうか。子供はどのくらい大きくなったのか楽しみで仕方ない。
ふとゾロアークの鼻に綿雲がはらりと落ちる。払いのけようと鼻先の雲を掴んだ。
「羽?」
誘導されるように空を再び見上げると、青い空に目立つ白い風。数羽の鳥が飛んでる。しかも円を描いたり、宙返りしたり。その都度、羽毛が美しく鳥を飾っていた。
ゾロアークはその鳥を追いかけて走り出していた。もっと見ていたい。その思いだけで走る。鳥たちが着地するあたりに。
「誰!?」
ゾロアークの姿を見つけた鳥たちは一斉に睨んだ。ピジョンが数羽、そしてトゲキッスが一羽。
「えっと、空のダンスを見て、もっと見たいなって思って……」
ピジョンたちは顔を見合わせる。知らないゾロアークがいきなりやってきての申し出に、困惑しないはずがない。けれどトゲキッスがにこりと言った。
「ありがとう、よろこんでくれて」
その言葉はゾロアークに向けられていた。
「ピジョンたちは知り合いの結婚式だと、お祝いに集まってフェザーダンスを踊るんだ」
「つまり、誰かの結婚式……?」
ゾロアークが聞き返すと、トゲキッスが恥ずかしそうに言う。
「ボクたちだよ」
隣にいるのが新婦のピジョンのようだった。
「本当はピジョットになるまで結婚しないつもりなんだけどトゲキッスがいいって言うし」
これにはゾロアークも祝福しなければならない。荷物の中から結婚のお祝いに相応しいものを取り出す。それらを受け取ると、新郎新婦は深く頭を下げた。
「見知らぬゾロアークに祝ってもらえたし、私もちょっくら踊る!」
新婦はその翼を羽ばたかせようとしたが、仲間のピジョンたちに止められる。
「新婦が踊ったら意味ないじゃん!」
「お祝いの踊りじゃないか!」
主役二人に見せる為らしい。しかし新婦のピジョンは止められてつまらなそうだ。よほど好きなのだろう、フェザーダンス。
「一番上手いからってお祝い見せる相手が踊ってたら意味ないから!」
「トゲキッスに見せるからいいのだ!」
それだけ言うと、新婦のピジョンは空へと飛び立つ。仕方ないなという顔をして、ピジョンたちは空を飛んだ。
そして始まる、白い羽と青い空の共演。ふわりふわりと散った羽がゾロアークの頭にそっと乗った。
「ピジョンはね」
空を見上げながらトゲキッスは言った。
「ここに迷い込んだ僕を仲間として扱ってくれてね。何から何まで教えてくれたよ。僕が歌うととても嬉しそうに聞いてくれた」
ぽつりぽつりと昔のことを断片的に思い出すように語る。
「だからね、僕はピジョンがポッポだろうがピジョットだろうが関係ないんだ。型破りのお祝いフェザーダンスだろうが、僕はピジョンが一番だよ」
トゲキッスの言葉に、ゾロアークも妻と出会った頃のことを思い出す。何かが解らないけど、何か特別で一緒にいたいと思った。きっとこのトゲキッスもピジョンに対してそう思うのだろう。
「実は、故郷に妻と子供がいるんだ」
ゾロアークは舞い降りる白い羽を荷物の中に入れた。
「トゲキッスやピジョンを見てると、帰るところっていいなって思う」
年頃の女の子のようにはしゃぎながらフェザーダンスを踊るピジョン。きっと明日からずっとトゲキッスと一緒。ずっとずっと。だから最後にみんなで踊りたいのだ。妻の友達が最後にダンスをやたらと誘って来たように。
「だから、もう帰ろうと思うんだ」
ピジョンのフェザーダンスはまだまだ続く。羽ばたきがリズムを生み、周りのピジョンが風に乗ってさらに高く舞う。白い羽に包まれたピジョンが上昇気流に乗って楽しそうに鳴く。息など切れない。そのまま歌い出しそうな動きで、トゲキッスの目を楽しませる。
「ゾロアークの家はどこなの?」
「んーと、ずっと遠くだよ」
「途中まで送っていくよ。大丈夫、僕はピジョンと違って踊らないから」
「わあ、凄い嬉しい!」
羽音一つさせず、ピジョンがトゲキッスのもとへと戻る。渾身のダンスの後の顔は、とても輝いていた。
「でも、遠慮しておくよ。新妻がいるのに、邪魔するわけにもいかないから」
トゲキッスの羽に黙って嘴をうずめるピジョン。ほめて、と言わんばかりの行為に、トゲキッスはアンコールを送る。
「じゃ、元気で、縁があればまたー」
結婚式の祝福にフェザーダンスを踊るピジョンたち。こんなことも話してやろうと、ゾロアークは家路を急いだ。
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ごめん池月君のつもりで書いたのに池月って名前出すの忘れたごめん
踊るポケモンたちをテーマに短編かいていきたいなと思って、先発はフェザーダンス。
どこかで見た設定?いやいや気のせいです旦那。
【好きにしてください】
グロいです。
ユウキが久しぶりにホウエンのミシロタウンに帰ったのは、チャンピオンとなり、さまざまなところへと行った後だった。もうすでに年も14となり、成長期を迎えて体格もそれなりに男らしくなってきた。
懐かしさのあまりユウキはミシロタウンの入り口から走って家にたどり着く。久しぶりに見る両親の顔や、自宅に置いて来たポケモンたちと再会する。オーレ地方では危険だからと精鋭しか連れていけなかったし、イッシュ地方では新しいポケモンを捕獲するのが忙しかった。だからこそホウエンでチャンピオンとなった時のメンバーとはだいぶ違ってしまったが、ユウキにとっては大切なポケモンたちだ。
しばらくゆっくりするつもりで帰って来た。そういえば友達たちは元気だろうか。あれから手紙を1年に一回送るか送らないかの仲ではある。新しいポケモンはいるのかな。病気は完全に治ったのかな。
自宅にいるとは限らないけれど、ユウキはまず同じ町内に住むハルカを訪ねる。オダマキ博士への挨拶という名目だったが、やっぱり友達に会いたいというのが強かった。あの時と変わらない。呼び鈴を押す。
「あら、ユウキ君じゃない。ごめんねえ、ハルカいないのよ」
用件を言う前にいきなり追い返される。昔からちょっとつっけんどんなお母さんだなと思っていたけど、こんなに冷たい覚えはなかった。
仕方ない。オダマキ博士への挨拶だけは済まそう。ユウキはオダマキ博士の研究所へと足を運ぶ。
「おやユウキ君。久しぶりだな。元気そうで何よりだ」
「はい。お久しぶりです。博士にいただいたポケモンもかなり強くなりました」
たわいもない世間話だ。昔話からチャンピオンになった後にどこにいったのか、そしてその間に捕まえたポケモンの話。
さらにユウキは気になったことを聞いた。
「家にいったんですけど、ハルカいなかったんですよね。やっぱりフィールドワークの手伝いを……」
「ああ、ハルカならどこかいるんじゃないか」
ユウキの言葉を遮ってオダマキ博士は答える。その雰囲気に疑問を持っても、もしかしたらいなかった数年に何かあったのかもしれないし、あまり詮索することではない。土産として持って来た向こうの珍しいモンスターボールをオダマキ博士に渡すと、ユウキは研究所を後にした。
やたらと知識だけはあったハルカのことだ。もしかしたらすれ違いで旅に出てしまっているのかもしれない。それで帰りが遅くて心配してるのかもしれないし。
ユウキは部屋でゴロゴロとしていた。オーレで買ったポケモンデジタルアシスタントを見ていると、お腹の上にプクリンが乗ってくる。気持ちよい手触りの毛並み。この毛並みを整えるためにシンオウのデパートではポフィンを探した。そのおかげでコンテストでも勝てた。けれど戦うことに関しては、毛並みが崩れるのを防ぐために自宅へ預けていた。
するとポケナビにメールが入る。久しぶりから始まるメール。ハルカだった。
「おかえり私のいない間に帰ってたんだねユウキ君血がほしいよどうしたらいい私に血がないの」
何のこったい。意味の解らないメールにユウキは返信に手がのびない。こんな気味の悪い文章を送ってくるような子ではなかったと記憶している。ズバットを育ててた時もそんなこと言わずにオレンの実をあげてたのに。
「どうした?クロバットがそんなにたくさんいるの?」
当たり障りない返事を打つ。数分もしないうちに帰ってくる。
「違う血が欲しい血があればよかったのに」
なんだかおかしいと思った。ユウキは上半身だけ起こして急いでメールをうつ。
「今から行く。どこにいる?」
ポケナビを置いた瞬間だった。再び受信のメールが来たのは。
「家」
ユウキは自分のモンスターボールから一つ選ぶ。あのお母さんに会わずにハルカに会える一つの方法はテレポートしかない。スプーンを二つ持ったフーディンがあらわれる。
いきなり部屋にテレポートするにはためらった。せめて部屋の前、二階の廊下にするべきだろう。そこまでフーディンが考えていたのかは知らないが、ユウキがテレポートした先はちょうど部屋の前だった。ノックして、返事のないドアをあける。
「なんだ、ここ」
前はエネコのぬいぐるみが飾ってあったのに、いまは殺伐とした風景だ。旅先で会った同い年くらいの女の子たちだってもっとかわいいものを身につけていた。それなのになんだここは。廃墟のような部屋にユウキは何も言えない。そして人の気配などなかった。
「まったく、あの子はどこいったのかしら。ハルカ!」
ハルカの母親の怒声が聞こえる。ここにいるのがバレたらヤバい。ユウキはクローゼットの中に隠れる。その直後、ドアが勢いよく開いた。
「抜け駆けだけは早いんだから。掃除さぼって何をしてるのかと思えば。全く。今日のご飯は無しね」
ユウキが聞いてるのも知らず、不機嫌な足音をたてて去って行く。遠くなったのを見計らい、ユウキはそっとクローゼットから出る。
「なんだなんだ、何が」
ハルカはいない。そして荒れた部屋。ハルカの母親の態度。そしてオダマキ博士の態度。それらを総合すると、ユウキはとてつもないことに関わってしまったような気がした。帰った方がいい。ユウキがフーディンのボールを出した時に気付く。
机の上にある古い日記。他人のものを見てはいけないと思いつつ、ユウキは手を伸ばした。何か解るかもしれない。
「今日はご飯なかった」「おとうさんになんで帰って来たって言われた。」「鍵をかけられた」
ユウキは読む手を止める。あの温厚そうな博士がそんなことを言うとは思いもよらない。ユウキはページをめくる。
「血が欲しい」
それだけ見開き1ページにでかでかと書かれていた。
「出て行きたい血が欲しい血があればやさしくしてもらえる」
また血だ。ユウキはさらにページをめくる。
「ミツル君は血がないのにどうして優しいの。どうして私にはない。消えてしまいたい血だって消えていくよ」
ミツルにあって、ハルカにない?ユウキはますます混乱する。最後のページを見るまで。それを見てユウキは固まる。そして。
「フーディン行くぞ」
フーディンに命令し、その場から去る。ハルカの行きそうな場所。そこは
「ハルカ」
ユウキは彼女の名前を呼ぶ。同じくらいの高さだったのが、今では頭一個分ユウキの方が高い。
「迎えにきた。帰ろう」
振り向いた彼女の顔は暗く、久しぶりに会うというのに笑顔一つみせない。
「血がないと帰れない」
「だから俺と帰ろう。ハルカの居場所はあそこじゃないよ」
「どこに帰るの」
「ホウエンは広いし、他の地方だってある。俺が行ったところはほとんどみんな優しかったよ。大丈夫、俺も一緒に行く。ハルカが博士の本当の子じゃないなら、ここに居続ける必要だってないだろ?」
血はクロバットの餌のことじゃなかった。血縁関係のことだった。最後のページには戸籍謄本が折り畳まれていた。そこに書いてあった事実はユウキにも衝撃を与える。
友達が困ってる原因がこれだ。これしかない。ならば少しでも助けたい。ユウキはそんな思いで来た。すでに旅立つ準備もして。
「それにハルカだってホウエンを一周したんだから旅慣れてるだろ。行くぞ」
ユウキはハルカの手を引っ張る。帰るところはミシロタウンではない方向に。
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Q何が書きたかったの
A解らん
オダマキ博士って主人公には色々してるけど、実子の方には多少つめたいのを大きくしてみた。
【お好きにどうぞ】
ある日、二匹のしあわせが出会いました。
僕はしあわせって言われてます。あなたはしあわせを知っていますか。
もちろん知っているわ。
しあわせはね、わたしのタマゴにつまっているのものよ。
私はしあわせって言われているの。あなたはしあわせって知っているかしら。
もちろん知っています。
しあわせは、ぼくの翼にこもっているのものですよ。
いいえ、いいえ。
僕の、私の、タマゴにこそ、翼にこそ、しあわせがあるのです。
二匹のしあわせは、言い合いをはじめてしまいました。タマゴにこそ、翼にこそしあわせがあるのだと言い張りました。
翼のしあわせは、タマゴなんて狭くて苦しいものにしあわせがあるはずがないと言いました。
タマゴのしあわせは、翼なんて軽くてふわふわしたものにしあわせがあるはずがないと言いました。
言い合いははげしくなるばかりでした。お互いにしあわせはそこにないと言い張りました。だんだん、二匹のしあわせはしあわせがなんなのかわからなくなってきました。
しあわせが分からなくなってきた頃、くさむらからこんな声が聞こえてきました。
しあわせなんてね、どこにだってあるものなのよ。たぶんね。
しあわせにね、形なんてないのよ。たぶんね。
そうやって探してるとしあわせを見失うと思うの。たぶんね。
出会えたことがしあわせなのよ。たぶんね。
出会ったばかりでいきなり殴られたって、わたしはしあわせよ。たぶんね。
二匹のしあわせは、お互いに顔を見合わせました。タマゴをみました。翼をみました。
たぶんね、しあわせはどこにだってあるんだなと笑いました。くさむらからも、そうかもね、ですよね、ほらね、やっぱりね、だろうね、たぶんねと笑い声がきこえました。
☆★☆★☆★
おかしいな、もそっとちゃんとするつもりだったんです。
タブンネさんがすべてを颯爽とかっ攫っていった気がするんです。一番最後はタブンネ隊から。
No.017です。
本日のふぁーすと3で作者・スタッフ配布分を除きまして、
「ポケモンストーリーコンテスト・ベスト」完売致しました。
ありがとうございました。
即売会中、再版問い合わせや通販問い合わせが10件くらい入ってます。
冊数は印刷代と相談ですが、サンクリ55(4月15日)再版の方向で動きます。
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