マサラのポケモン図書館 カフェラウンジ
このフォームからは投稿できません。
name
e-mail
url
subject
comment

[もどる] [新規投稿] [新規順タイトル表示] [ツリー表示] [新着順記事] [留意事項] [ワード検索] [過去ログ] [管理用]
  • 以下は新規投稿順のリスト(投稿記事)表示です。
  • 48時間以内の記事は new! で表示されます。
  • 投稿者のメールアドレスがアドレス収集ロボットやウイルスに拾われないよう工夫して表示しています。
  • ソース内に投稿者のリモートホストアドレスが表示されます。

  •   [No.3894] エンジュ大学・前期・二次試験 投稿者:浮線綾   投稿日:2016/02/19(Fri) 21:00:50     69clap [■この記事に拍手する] [Tweet]



    エンジュ大学・前期・二次試験



     一次試験の判定はDだった。
     一次試験の結果を自己採点しその点数を予備校に提出すると、その時点での志望大学の合格率を判定してもらうことができる。その自己採点のために高校では午前の数時間が与えられ、そしてその点数の提出が終われば、午後からは二次試験の個々の勉強のために三年生は解散となる。帰って遊ぼうが勉強しようが、自由だった。
     最大で三つか四つの予備校に結果判定を申請できるのだったが、自分はさっさと帰って愛するポポッコの傍で勉強したかったので、クラスの中でも一人だけ一つの予備校にしか申請しなかったら、申請用紙を待ち構えていた教師に「一つしか提出しないのか」とでも言いたげな微妙な顔をされた。
     そんなわけで、その日はクラスどころか学年の中で浮きつつ一人でさっさと家に帰った。一人だけ浮こうが気にはならない。人間に興味などない。人間の多い場所に可能な限りいたくない。
     時計の分針は5分か、20分か、35分か、50分。それらの分数を示しているときに高校を出て駅まで向かえば、15分おきに出発する電車の乗り換えがスムーズに完了する。
     さっさと帰ってポポッコに会いたい。春の若草色のポポッコに。


     そしてその数日後、担任から一枚だけ渡されたものが、D判定だった。
     ABCDEの五段階判定の下から二番目。貴殿の第一志望の大学の合格率は一次試験の時点で3割以上5割未満だ、とその紙片はぬかしやがっているわけだ。
     結果にいちいち動揺するまいと決めていたから、特にショックも受けなかった。一目見た判定用紙を即座にファイルの奥に突っ込み、その存在を抹消してふんぞり返ってやった。
     それに、むしろ都合がいいのだ。もしここでうっかりA判定など出てしまえば、お調子者の自分は舞い上がってしまい二次試験に向けての勉強を怠るに違いない。それは中学から六年間、定期試験において絶えず成績の上昇と下降を繰り返してきた自分に対する分析からして、統計学的に確実な事といえた。
     虚勢ではないことを客観的要素により補強主張しておく。志望するエンジュ大学の入試の点数配分は、一次試験よりも二次試験の方が大きいのだ。自分は一次試験対策よりも二次試験対策の方に力を割いている。勝算はある。



     生まれた時から、ポケモンは好きだった。
     特に緑色のポケモン、草ポケモンを愛していた。おかげで部屋の片隅には草ポケモンを中心としたぬいぐるみが山と積まれた。
     物心ついた時にはお人形遊びならぬポケモンぬいぐるみ遊びに明け暮れ、最強のオリジナルポケモンを百種類以上も作っては空想のポケモン王国を築いた。幼稚園のスモックの背中には等身大のチコリータのワッペンを縫い付けてもらった。小学校に上がる頃には、姉が途中で投げ出したポケモン育成ゲームを自力で攻略本を読んでクリアさせたし、毎日のように友達と道端や公園でポケモンごっこ、トレーナーごっこをした。
     次第に人間の友達よりも家で飼っているハネッコの方が好きになったが、それはまあ置いておく。
     幼い頃の輝かしく幸福な記憶は現在の自分にも安らぎを与えてくれる、と評価できる。
     しかし別の見方をするなら、幼かったと思う。

     小学校低学年の時のクラスでは、半分が進学組で、もう半分がトレーナー志望組だった。
     平日の午前中は分け隔てなくクラスで授業を受けるが、トレーナー組の子たちだけは午後からポケモントレーナーになるにあたっての特別授業があったと記憶している。特別授業の他にも、トレーナー組の子たちには夏休みや冬休み中のキャンプが企画されており、そのキャンプの生徒の参加費というのが無料であったから、進学組からすればそのような特別待遇を受けるトレーナー組が羨ましい限りであった。
     このように、自分の通っていた小学校は町のトレーナーズスクールの役目を兼ねており、トレーナーを志望する児童に対し様々な支援活動を行っていた。他の多くの公立小学校でも大体同じだと思う。トレーナー志望の子供に対するサービスの手厚さが、その公立小学校のステータスだったのだ。何しろ多くの児童がトレーナー志望なのだから当たり前だが。
     そのようなトレーナー組の需要や保護者たちの要求に応えるためか、小学校の教師にはトレーナー経験者が多かった。教師の手持ちのポケモンたちは授業中はボールにしまわれているが、休み時間になると児童と一緒に校庭で遊んでくれたり、技を見せてくれたり、あるいは悩んでいる時には静かに寄り添ってくれたりした。教師の手持ちのポケモンの強さや珍しさなどによってその教師に対する児童による評価が左右されることも、しばしばあった。

     そして十歳になると予定通り、クラスの半分ほどが学校からいなくなった。いなくなった彼らは本当にポケモンの世界に飛び出して行ってしまったのだ。ペットとして愛でるポケモンの世界ではなく、戦いの中に生きるポケモンの世界へと。
     自分はポケモンバトルは、テレビの向こうのものを見るのは好きだった。それは自分がポケモンバトルというものを一種の芸術と捉えていたかららしかった。
     身近なところで行われるポケモンバトルは、洗練されていなくて愚鈍で、素人が傍目にもイライラするようなものばかりで、ちっとも美しくなかった。感動が無かった。学のないトレーナーに芸術性を求めるのは無駄だと思った。
     それはそうだ、彼らトレーナーは生きるためにポケモンを戦わせているのだから。基本的に美観など彼らの知ったことではないのである。
     しかし、であればこそ、自分にとってポケモンバトルとは価値が無かった。
     美しいものを見ていたい、という願望が自分にはある。
     それはトップコーディネーターたちによる華麗なポケモンコンテストであったり、古典の調べであったり、歴史の軸として通る因果律であったりした。
     普遍なるもの、実体を見たい。
     個別具体のポケモンバトルなど、たかが一形式に過ぎないのだ。
     ただし、研究対象としてならば、バトルほど興味深い文化は無かった。古代にもバトルは芸術とされ、それは時代を下れば命を懸けた決闘、さらには多くの人命を奪った戦争となり、そして現代に至っては若いトレーナー達の生活をかけた喧嘩になっている。それら多様なバトルの根底にある真理を探ることは、また別の意味で美しく面白い。
     彼らトレーナーには、理解できないことだろうけれど。
     自分がエンジュ大学法学部を志望したのも、美しきものを求めたためだった。もちろんブランド名欲しさだとか、タマムシシティ嫌いだとかも無かったとは言い切れないが。

     エンジュ大学には、総合人間学部、文学部、教育学部、法学部、経済学部、理学部、医学部、薬学部、工学部、農学部、そして携帯獣学部の、計11学部がある。その中で最も華があるのは、やはりポケモンの研究を行う携帯獣学部だろう。
     携帯獣学部はここ数十年で携帯獣学と共に急激に発展した。政府からの潤沢な助成金に恵まれ、卒業生の進学先の可能性も無数に開けており、今や全国いずれの大学も他の学部を圧倒する数の携帯獣学部生を受け入れている。
     携帯獣学とは、医学や情報技術といったそれまで個別に研究が進められてきた分野を統合し、学界に革命を起こした、近現代最大の注目を集める学問なのである。
     確かに自分はポケモンが好きだった。
     けれど、かといって携帯獣学部を選びはしなかった。
     なぜかというと、自分はポケモンの利用可能性といった実用的な研究には興味が無かったためだ。自分はポケモントレーナーではない、学問の道を選んだ人間だからだ。
     自分が知りたいのは、「ポケモンとは何か」ということだった。それを探求することに魅力を覚えた。実利より思惟を選んだ。携帯獣学部より法学部を目指した。携帯獣学部を目指さないからといってけしてポケモンを思考から排除するわけではないし、法学部を目指すからといってけして政治家や法曹や法学者を志したわけではない。
     自分はあくまで趣味の可能性を広げるために、エンジュ大学の中でも法学部を志望したのだ。
     きっと自分の学ぶことは国を守る力にはならないかもしれないが、それでも守る価値のある社会を作ることにはなる、かもしれない。



     居間の炬燵に陣取る。すぐ傍では愛するポポッコが春の陽気色に微睡んでいる。クッション代わりに腹に抱え込みたいのはやまやまだが、休憩時間まで我慢する。代わりに裏葉色のクッションを抱える。
     自分の部屋もあるのだが、寒いし、かといって自分のためだけに暖房をつけるのも勿体ない。また、食事室でパソコンに向かっている母の気配があると、だらけずに勉強に集中できる。支える立場にある母にとっても、常にこちらの勉強している姿が見られれば多少なりとも安堵もできよう。
     数ヶ月分の勉強計画は大雑把なものだ。どの科目の問題を解くのか復習するのか暗記するのか、適当に割り振ってあるだけだ。毎日割り振られたタスクをその日どのようにこなしていくかは、その日の気分で決める。やると決めた勉強が終われば、その後はもうポポッコと遊ぶ、絵を描く、ネットをする、ゲームをする、あるいは寝る。毎日たっぷり8時間は眠る。
     高校の授業はもう、無い。大学受験は生徒に最大限放任というのが、タマムシ大学やエンジュ大学に毎年数十名(浪人生含む)の生徒を突っ込んできた我が高校の方針であるらしい。そのおかげだか知らないが卒業生の半分くらいは浪人するのだが、それすらも既に予定調和である。
     自分にとっては、高校の放任主義は実に賞賛すべきものだった。毎日のフリーな9時間ほどをデザインした通りに動かしていく。外的なストレスを極限まで減らす、自由気ままな受験生活だ。
     中学高校とそこそこ優等生で過ごしてきたおかげか、母も信頼して受験勉強にほとんど口を出すことはしない。そもそも自分と母は小学校中学年以来ろくに口をきいたことがないのだが、けして仲が悪いわけではない。母は毎日温かい紅茶を淹れてくれるし、菓子も差し入れてくれるし、三度の食事も考えて作ってくれるし、自分と一緒にポケモンのアニメを観てくれるし、自分がゲームをしていると母まで呑気に観戦しにすら来るのだから。自分は恵まれている。

     左手側には温かいストレートの紅茶、日によっては緑茶やハーブティー。お伴は甘納豆。炬燵布団はもこもこ。視界にはポポッコ。
     そして自分を取り囲む、教材の要塞。勉強道具はすぐに手に取れる位置に。
     裏が白い広告紙は自分の勉強に必須のものであるため、見つけた端から集めている。英語、歴史、古文、これらは自分にとってはほとんど暗記科目も同義であったから、覚えるべきことをひたすら白紙に書きなぐるのだ。B4一枚に5万字ほど。それを毎日、二、三枚のペースで消費する。
     シャーペンの芯は2B。量を書くうちに自分の筆圧はひどく削ぎ落された。
     数学だけは、ノートに解答を書いていた。数学は見やすく解答しなければ、自分でも途中で訳が分からなくなる。けれどグラフとか表とか筆算とかを書くために、やはり白紙を要した。図が小さいと計算間違いが増えるということも学んだ。
     書けば覚える。読むだけでは駄目だということは、中学高校での定期試験の結果から分析済みだ。数十回は同じ単語を書く。通信教育のテキストは五周はする。
     そして休憩時間には、春色のポポッコに癒される。

     けれど付け加えておくなら、そのような自由気ままな受験生活もけして楽だったわけではない。
     毎日10回は、受験に失敗したらいかに惨めな気分になるかをまざまざと想像しては、恐怖をわが身に刻み込む。その不安から逃れるエネルギーを勉強に向かうモチベーションに変える。常に身を内的なストレスにさらすという戦略だった。
     大学受験なんて初めてなのだから、そして模試も面倒くさがってろくに受けていないのだから、合格する自信などあるわけがない。勉強の手ごたえなど何もない。ただひたすら教材に載っている情報の中で未だに知らないことを、紙に書きなぐって吸収しただけだ。
     だから、これだけ努力したのだからきっと合格するはずだなどと、安易で傲慢で稚拙な期待など微塵も抱いてはいけない。不合格の場合に、「落ちた」ときに、自分がどのように落胆し、自己嫌悪に陥り、自信を喪失し、空虚を抱えるか、至極真面目に至極具体的に日夜シミュレーションを重ねた。予想できることはおおよそ、予想した時点で回避済みなのだから。
     成功した未来を思い描けば、それだけで満足してやる気を失う。だから故意に自身を精神的に追い詰めた。そのような変態行為に溺れる余裕があったのだから、やはり恵まれていると言わざるを得ない。



     二次試験の前日にはエンジュシティに入る。
     愛するポポッコの世話は父に任せ、家に置いてきた。辛い。
     ホテルや大学までのナビゲートは母に委任し、翌日の試験科目の暗記項目を軽く復習して、21時に寝て翌朝6時に起きる。九時間睡眠というのはやや寝過ぎなのだが、慣れないホテルでの疲労を取り除くためには必要なものだったらしかった。付き添いの母もこのような過剰睡眠を内心では心配しつつも何も言わないのだから、本当に自分は親に恵まれている。
     ホテルから大学まで、1km以上延々と歩く。歩くのは好きだった。交通機関を利用するより好きだ。ぼんやりと歩きながら思考をまとめる作業は至福の時である。エンジュの街は平らかで、歩くにはもってこいだった。もし合格してこの街に下宿することになれば、毎日のようにこの大通りを散歩するだろうと思った。
     二次試験に通された試験会場は、正門から入って、エンジュ大学のシンボルでもある楠の大樹と時計台の向こう、法経済学部本館の一階の大教室だったが、そこで問題が発生した。
     机が狭い。
     問題用紙や解答用紙の縦幅よりも、机が狭いのである。これには難儀した。


     国語の試験には、現代文と古文と漢文の問題がある。
     回答欄は幅のある空欄。この空欄の幅から、どれだけの量の解答を本文中から抽出しなければならないかを判断することになる。
     先に設問を読み、次いで暗号の羅列のような現代文の文章を読む。これが物語とか随筆ならまだマシなのだが、評論となると本気で何を述べているのか分からなかったりする。自分が分からないときはたいてい他人も分からないので、焦る必要はないが。
     現代文とはいえ、ほぼ暗号文に変わりない。そういう時は、英文読解の時のように句ごとに補助記号を書き込み、文法的解読に努めることにする。言い換え部分を探し、問題文と意味の合致しそうな箇所を探し、そして解答の字は丁寧に、解答の文法にも気を付けて。
     国語の問題を解く“鍵”は、持ち前の知識ではない。
     “鍵”となるのは、設問だ。
     国語の問題を解くということは、すなわち設問という“鍵”を手に、文章という“扉”を精査し、“鍵”に対応する“錠”を探していく作業だ。
     いかにして“錠”を選び取り、そして“鍵”をどのように使うか、それが問われる。
     塾や通信教育などはしばしば「この要素が書けていたら+3点」などとほざくが、自分はそういった自己本位で画一的な採点基準というものを信用していない。
     なぜかというと、少なくともエンジュ大学の入試の国語で問われているのは、大学生が学術論文を問題意識をもって読み取る、その能力が備わっているか否かということであるためだ。
     文章をどのように解釈するかは、人それぞれだ。視点がどうであれ、採点する大学の人間が納得できさえすればいいのだと考える。そのため、単純な語彙といった知識よりも、妄想力だとか、問題文のテーマに関する諸説だとかの方が役に立ったりする。
     国語の試験の心得としては、解答を書く際に、ざっと目を通しただけで意味内容が理解してもらえるように、主語述語をきちんと揃えるようにしておく、ということを挙げておく。


     地歴の試験は、歴史2科目を選択しておいた。法学部のくせに公民科目による受験を受け付けないのが興味深い。
     正直法学部は地歴科目の配点が低いので、国語や数学や英語ほど念を入れて準備したわけではない。問題集や通信教育のテキストに出てくる単語をひたすら暗記していただけだ。
     歴史の問題については、知識という“鍵”をもって臨むほかない。
     両手にどれほど多くの“鍵”を抱え込めるか。問われているのはそれだけなのだ。


     英語の試験は、和訳が2問と、英訳が1問だけだ。合計たったの3問だが、それぞれにしっかり分量はある。
     ところで、この英語の試験ほどエンジュ大学とタマムシ大学の違いがはっきり出ているものはないだろう。
     タマムシ大学の英語は、定型句を確実に正確に使えるかというものを試すものであるらしい。自分はタマムシシティが嫌いだったからタマムシ大学の実際の試験内容などは露も知らないが。
     それに対して、エンジュ大学の英語は、意味さえ通じればすべて自由に書いていい。極端な例を挙げると、たとえ「フシギダネ」の英訳が分からなかったとしても、「カントー地方のトレーナーに最初に与えられる草タイプのポケモン」と勝手に解釈してそれを正しく英訳すれば、正解となる。
     問題文には必ず、知らない英単語や、英訳の見当のつかない突拍子もない表現が登場する。そのような見知らぬ英単語の意味をいかに文脈や接頭辞・接尾辞から推測し、難しい和的表現をいかに英訳しやすいように解釈し直すかがこの試験では問われるように思う。
     すなわち、英語の問題の“鍵”というのは単語や熟語や構文であるわけだが、試されているのは歴史の試験と異なり持ち鍵の多さではなく、“錠”の分析力や、“鍵”の使い方であるわけだ。


     二次試験といえば、午後からの数学の試験の直前に、心温まる出来事があった。
     試験教室で昼食をとり、次の数学に向けてテキストを軽く見直していたら、教室のチェックだとかで受験生は寒い外に放り出された。
     仕方がないので、火照った頭を冷やすべくのんびりと散歩をした。時計台の周囲を反時計回りに巡る。
     エンジュ大学の構内には、大きな楠が多い。太い幹枝は苔むして貫禄があり、その豊かな葉は冬を越して春まで常磐色に光沢を持つ。その枝はヤミカラスの群れの寝床となっていた。
     エンジュ大学を象徴する楠の木々は、自分を拒絶しているような気がした。それは自分にとっては良い予感だった。
     構内にはオニスズメとか、ポッポの姿も多かった。それらの群れがヤミカラスの群れと三つ巴になって、学生の昼食の食べこぼしなどを狙っているのだろう、堂々たる様子で石畳を闊歩している。茂みの向こうにニャースも見かけた。
     そのとき、綺麗なネイティオを連れた一人の在学生らしき男性が、気軽に話しかけてきた。
    「あ。受験生さん?」
    「はい、そうです」
    「次、数学? 楽しんできて!」
    「ありがとうございます」

     戻ってきた試験会場で更に呑気に十分ほど昼寝をして、運よくうまく頭をすっきりさせたところで、数学の試験となる。
     言うまでもなく法学部志望者は文系であるため、数学というのは鬼門だ。もちろん自分の周りにいる人間も全員漏れなく文系なわけだから、緊張する必要はないが。
     しかし法学部の入学試験は数学の配点が高い。そして文系だろうが構わずに難易度の高い問題を出してくる。ここで勝負がつくのだ。
     問題は大問が五つ。
     数列とか、微分積分とか、ベクトルとか、確率とか、そういったものがいくつも複雑に絡み合った、もはやなぞなぞのような奇妙な問題が出てくる。
     対策としては、問題に対する様々なアプローチ法を暗記していくくらいしかないだろう。そういった百を超える“鍵”の一つ一つの形状と特質を深く理解し、問題文という複雑な“錠”に、手当たり次第合致しそうな“鍵”を突っ込んで試行錯誤する。
     数学の試験において問われるのは、“鍵”の数、“鍵”に対する理解、そして“錠”の分析力だ。
     そういうわけで、自分にとって数学もやはりある程度は暗記科目だった。xy座標を置くのか、rθ座標を置くのか、ベクトルにするのか。いくつに場合分けするのか、イコールは含むか、図は正確か、プラスとマイナスは間違えていないか。
     丁寧に順を追って論証していくのは、部分点を狙うためだ。
     回転立体の体積とか、理系の範囲の内容を平気で出題してくるあたりがエンジュ大学なのだろう。もちろん積分の概念を理解していれば文系でも解くことができるが。
     数学は解ければ楽しい。それを知っていたから、幸運だっただろう。


     トレーナーになった彼らは正弦定理も知らないのだろうなと思うと、優越感に浸ることがある。
     けれどトレーナーには余弦定理なんて不要だし、また自分にとってもポケモンのタイプの相性など、テレビの向こうのバトルを楽しむ程度にしか意味がない。
     自分と彼らトレーナーでは、バトルの意味が違う。自分がバトルを考察するためには接弦定理が必要で、彼らはバトルのためにポケモンの相性の知識が必要だ。知識なんて、それを必要としない人間にとっては、知る者と知らぬ者を区別するものという意味しかない。知る者が知らぬ者を見下して知らぬ者に知る意欲が湧くかといえばそうではないだろう。知識は二つの意味で自己満足の具現だ。知りたいという欲望と、見下したいという欲望の。
     勉強は、努力が報われれば楽しい。たとえ目的が無くても、美しいものを見られれば幸福を感じる。必要とすることを必要としたい。
     彼らトレーナーは、勉強したいと思ったことがあるだろうか。
     それを考え、仮説を立てることすら、自分にとっては美しく楽しいことなのだが。無学な彼らを見下す意図はないつもりだけれど。

     あるいは、ポケモンの実用性を高める研究をする者たちへ。
     数字を駆使した研究も、なるほど尽きせぬ真理を追い求めるという意味で興味深いことだろう。彼らにも大いに励んでもらいたい。文系だろうと理系だろうと学業を志す者に違いがあるとは思わない。歴史学や文学、社会学、民俗学、法学などといった人文社会科学が自然科学に影響を及ぼすこともあり得る。
     携帯獣学部は、諸学問の統合を促し、各分野の活性化に貢献した。
     その多大な功績、メリットも認めるが、それでもすべての学問をポケモンの効率的利用という目的に収束させてはならないと考える。
     倫理的な問題、規範的な問題がそこには存在する。
     ポケモンの研究は大いに結構、けれど何のためにポケモンを研究するのかというメタ的視点を学問においても確保する必要があると自分は感じている。
     携帯獣学部の過剰な膨張は抑制されるべきだ。
     そういう気持ちもあって自分は法学部を選んだ。ポケモンに支配されない、人をつくるために。


     父が出勤し、母が出かけ、二人の姉が他地方へ出ていったその家でひとり、愛するポポッコを抱えて、パソコンを起動し、ネットで合格番号を確認するときは、さすがにひどく緊張した。
     合格発表の時刻の数分後にようやく意を決して、あるいはアクセスの混雑を避ける意図もあったのだが、エンジュ大学のサイトにアクセスするも、やはり混雑は解消されていないのか、なかなか接続されない。
     読み込み中の画面は、真っ白。
     その状態でポポッコと共に十分ほど悶えてから、何気なく更新ボタンをクリックする。
     するとあっけなく、その合格発表のページは表示された。
     真白な背景に、合格した受験生の受験番号が行列のごとく、細い線で浮かび上がっていた。
     両手で抱え込むポポッコは春の若草の色。





    ***
    <跋>

     二月末には国公立大学の前期の二次試験があったと思うので。
     ポケモン世界の教育制度や大学の社会内における位置づけなどをまとめてみても面白いと思います。


      [No.3893] トゲキッスVSサザンドラ 投稿者:空色代吉   投稿日:2016/02/16(Tue) 23:29:50     35clap [■この記事に拍手する] [Tweet]


    トゲキッスVSサザンドラのバトルものです。
    ※中途半端な所から始まります。
    ※技を四つ以上使っています。
    ※ポケモン同士なので会話してます。





    ************************


    (あんまりこういう使い方するもんじゃないけどね)

    心の中で溜息をつきながら、トゲキッスはサザンドラの動きを“みやぶる”で見破った。

    「フェアリー、殺す……!」と、サザンドラがわなわなと身体を震わせて呟くのを――トゲキッスは見る。
    そして、ワンテンポだけ遅れて放たれた光弾を集中して見やった。
    その光弾は僅かにだが膨れ上がっている気がする。

    (なるほど、火力が下がらないのは“ふるいたてる”を使っているからか……)

    “ふるいたてる”とは、己の心を奮い立たせ、その意気込みによって攻撃力と特殊攻撃力を1段階ずつ上げる技である。
    それをサザンドラは技の合間に入れて、“りゅうせいぐん”により下がってしまう特殊攻撃力を補っていたのだ。
    “ふるいたてる”の発動のキーは、おそらく『憎悪』
    言動から察するに、フェアリータイプを目の敵にしているサザンドラ。その殺気とも取れる気概の凄まじさは……想像に難くなかった。

    サザンドラが放つ雨あられの特殊技に気をとられがちだか、さりげなく上がり続けている攻撃力も、ばかにはできない。
    だが“はどうだん”は引きつけられたのち撃ち落とされ、“ぎんいろのかぜ”はサザンドラの“おいかぜ”によって届かないのは先ほどの攻防で明白になった。

    (距離を詰めなきゃどうしようもない!)

    相手の物理攻撃に恐れを抱きつつも、トゲキッスは接近戦に持ち込む事を決める。

    空気を蹴り、一気にサザンドラへ向かって飛び出すトゲキッス。
    どんどん幅が狭くなっていく、サザンドラの両手から放たれる光弾の連弾を、掻い潜り翔上っていく。
    すると突然、攻撃が止んだ。
    ――サザンドラの姿が、ボヤけて揺れる。
    トゲキッスはその意味を一瞬の思考停止の後に理解した。けれども、トゲキッスの身体は勢いづいて、立ち止まれない。

    思わずトゲキッスは天を見上げた。それは美しく、神々しい光景だった。

    悠々と蒼天に広がるは――ガラス細工を連想させる、水のカーテン。
    いつの間にかサザンドラの下方から迫っていた“なみのり”が、二人の間に割って入り、乗り越えてトゲキッスに襲いかかる。

    「しまっ――」
    「呑み込まれろ!」


    飛沫を上げてトゲキッスは高波に思い切り突っ込んでしまった。
    水のベールはそれほどの厚さはなく、トゲキッスはすぐに脱出し、また羽ばたいてホバリングする事に成功する。だが、トゲキッスの様子は、飛ぶのがやっとで仕方がないという感じだった。

    身体が、特に翼が濡れて重く感じる。
    自らを支援する筈の風に煽られて、急激に体温が奪われていく。

    「まず、さむ、い」

    とうとう膠着し、ゆっくりと降下し始めるトゲキッス。
    サザンドラから見れば、格好の的であった。

    「喰らえ――!!」

    サザンドラの咆哮。
    そして、三つの口から放たれるのは、銀色の光線“ラスターカノン”
    三本の光線が螺旋を描き一つの太い光の束になっていく。
    その光景を見て、トゲキッスは感嘆していた。

    (くっそう、いちいち綺麗な技を、使う方だなぁ……)


    溢れ出る敗北感とともに、トゲキッスの姿は“ラスターカノン”の光線の中に消えていった。
    ――こうかは、ばつぐんだった

    爛れた白いボールが、輝く粒子を纏いながら森の中へ落ちていき、姿を眩ます。
    だが、ボールの姿が見えなくなっても、サザンドラは警戒を解こうとはしなかった。

    「――まだだ」

    サザンドラの呟きと同時だっただろうか。
    ――緑の絨毯から、無数の針のような光が立ち上ったのは。

    「しぶとい奴め」

    すぐさま追い風に乗って、サザンドラはトゲキッスが落ちた辺りの上空へ移動する。
    地上では、ほのかに身体を光輝かせるトゲキッスが伏せの状態になって――“はねやすめ”と“あさのひざし”によるハイブリッド回復技を仕掛けていた。

    「させるか! “だいちのちから”!」

    サザンドラの一喝とともに、大地がばごんっと鈍い音を立てトゲキッスの周囲の木ごと押し上げる。
    岩盤がはね上がった際に放たれた礫が、群れをなして“はねやすめ”のせいで飛行タイプを失っているトゲキッスを射抜かんとする。
    トゲキッスは地面に押し付けていた、日差しによりすっかり乾いた羽を“はがねのつばさ”で硬化させ、その場でくるりと一回転。“つばめがえし”で礫を一気に叩き落とした。
    防ぎきれなかった礫が白い肌に食い込み、トゲキッスの特殊防御力を抉る。
    しかし痛みに気をとられる間もなくサザンドラからの猛攻は続く。

    紅蓮のような炎を従え、
    群青のような氷を抱き、
    黄金のような雷を囲み、
    トライアングルを描き発射する“トライアタック”で、敵を、トゲキッスを駆逐せんとする。

    回転し終えたトゲキッスも負けじとそのまま“トライアタック”を発動させ対抗した。
    両者の炎が、氷が、雷が激しくぶつかり合う。発動のタイミングが遅れた事もあって、トゲキッス側がやや不利である。
    撃ち合いが終わるのも、時間の問題である。

    (賭けに、出るか)

    そうトゲキッスは静かに決意し――自らの“トライアタック”を解いた。
    襲いかかるサザンドラの“トライアタック”の雨を、僅に残った林の中に転がりこんで避けようとするトゲキッス。
    寸刻前まで居た所に雷が迸り草を焼き、氷の礫が尾を掠め、そして、火球がトゲキッスの背中に直撃してしまった。

    トゲキッスが背中に火傷を負うのを確認するサザンドラ。
    その次の光景にサザンドラはほんの少しだけ驚きをみせる。
    トゲキッスの背中が元の白地に戻っていき、火傷痕がみるみる修復されていくではないか。

    「“いやしのすず”か? だが鈴の音はしていないはず――む?」

    サザンドラは眉をしかめる。
    サザンドラは己の比翼の付け根に痛みを感じていた。
    攻撃は受けていない。なのに何故痛みを感じる?
    この風が当たるだけで痛む、やけつくような痛みはまるで――火傷。
    この流れから推察出来る事は限られている。
    つまり、

    「自らの火傷を私に移したのか」
    「正解。“サイコシフト”でした」

    トゲキッスは何やら力を溜めながら、軽い口調で答える。
    “サイコシフト”。それは自らの状態異常を相手に移し、自分は回復する技。
    この技によりトゲキッスの背中の火傷がサザンドラの背中へと移されたのだ。

    「だからどうした。この程度、支障にはならない!」
    「そうは言っても動きが鈍いよっと、“しんそく”!」

    再び“トライアタック”を仕掛けようとするサザンドラに対し、トゲキッスは溜めた力を解き放つ。
    ジェット機のごとく、流線型になったトゲキッスが地上から飛び立ち、瞬く間にサザンドラの上を取る。
    更に、日の光を背にして、トゲキッスは技を放つ。

    「喰らえ必殺っ“マジカルシャイン”!」

    真っ白な太陽の欠片が、四方八方に散らばり、サザンドラめがけて溢れ落ちてきた。

    「くっ!」

    両腕から“かえんほうしゃ”を展開して防ぎきるサザンドラ。
    更にサザンドラは残り一つ、メインの口径に“きあいだま”をチャージし始める。
    そして炎の壁を突き破る存在を、火の粉を纏いながら向かってくる“はどうだん”を相殺した。

    「その手は読めている!」

    サザンドラの前方にエネルギー弾がぶつかりあった余波が、光が広がる。
    だがまもなくそのエネルギー波が、裂けることになった。

    ――光を突っ切って、サザンドラの目の前にトゲキッスが現れる。
    トゲキッスは、鞘を抜くように流れるような動作で、技を繰り出した――

    「“エアスラッシュ”!!」

    高らかな掛け声と共に、空気を切り裂く一筋の刃、“エアスラッシュ”が至近距離からサザンドラを斬りつけた。

    強烈な衝撃がサザンドラを、仰け反らせた――かにみえた。
    ……技を確実に当てようとして距離を詰めすぎたのがトゲキッスの敗因だった。
    すかさず、サザンドラの両手の頭がトゲキッスの両翼に“かみつく”。
    サザンドラの噛み付きを必死に振りほどこうとするも、モノズ時代から刻まれた噛む力は凄まじく、火傷でパワーが落ちていなければこのまま噛み千切られてしまっていたのではないかという恐怖をトゲキッスに植え付けさせた。

    「はなれろっ!! がっ?!」

    トゲキッスは最後の手段として“ずつき”をするも、サザンドラの“しねんのずつき”に押し返され、逆に怯んでしまう。

    「これで、終わりだ――」

    無慈悲な宣告ののち、主砲から放たれた“ラスターカノン”がトゲキッスを呑み込んだ。




    *********************

    勝者 サザンドラ
    サザンドラの設定は、あきはばら博士さんからお借りしました。


      [No.3892] Re: 夜告鳥 投稿者:小樽   投稿日:2016/02/16(Tue) 02:03:41     26clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    こんにちは。
    行燈の灯りにヒノヤコマがこれほどまでに似合うとは……。
    主題はヒノヤコマだと思うのですが、調度品の雰囲気もとても繊細で素敵です。保存させていただきました。


      [No.3891] ポケモン社会史概論 投稿者:浮線綾   投稿日:2016/02/10(Wed) 20:40:13     56clap [■この記事に拍手する] [Tweet]



    ポケモン社会史概論


    ※本作品は、ポケモン法学の基礎とする目的で、「ポケモンと人の関わり合いの歴史」を記述してみたものです。
     各時代において典型的と思われるポケモンとの関わり方を抽出しています。とりあえずモデルはうろ覚えの西洋史。

    ※完全に筆者の妄想から成り立っているので、実際のポケモン世界の歴史は異なる可能性があります。
     また、考察部分についても個人の見解であるため、反論・異説はむしろ歓迎です。

    ※本作品の内容はネタとしてご自由に使って頂いても構いません。つまらないものですが。





    ●狩猟採集時代
    ・野生の炎ポケモンや電気ポケモンが残した火を元に、人類が火の利用を始める。
    ・アンノーンの姿形をヒントに、表音文字を考案する。他にも、ポケモンや自然物を象った象形文字なども氾濫する。
    ・ポケモンは自然の驚異の象徴として神格化され、畏れられる。
     ポケモンと心を通わす(と言われている)人間がシャーマン的な地位を得て、ムラの精神的中心となり、祭祀を執り行う。
    ・ムラはしばしば野生ポケモンの襲撃を受ける。ポケモンの利用を知らなかった時代は、部族ごとに常に移動し生活していた。
    ・人は弓矢などを使って狩猟をしていたが、ある日野生の子ヨーテリーなどを見つけて、可愛いのでペットとして育て始める。それがなかなか賢く、狩猟に役立つようになる。
    ・狩猟の伴として、賢く忠実なポケモンが飼育・繁殖されるようになる。海辺では水ポケモンが漁を手伝い、また交易の運搬もポケモンが担う。野生ポケモンの襲撃に耐えることができるようになる。ムラが要塞化する。
    ・ムラの指導者は、多くのポケモンを従える実力を持つ者が選ばれる。
    ・当時から、ポケモンが操れるようになって一人前という空気がある。


    ●農耕牧畜時代
    ・定住生活が始まった後、主に大河流域において、農耕や牧畜が開始される。地面ポケモンや草ポケモン、水ポケモン、格闘ポケモンが重宝される。
    ・当時ポケモンは、強引に生け捕りにし、餌付けし、調教した。
    ポケモンは「人間に従えば餓えることはない」という理由により人間に従ったと考えられる。ポケモンはいわば人間との契約関係の下、人間に恭順していた。それは人間側も理解していたため、ポケモンを神の化身として敬った。
    ・膨張したクニ同士は、しばしば衝突した。その紛争にもポケモンが使われた。
     当時から飛行ポケモンが偵察に使われ、毒ポケモンに有力者を暗殺させ、悪ポケモンに他国の倉庫から物資を略奪させ、ゴーストポケモンに敵方を呪殺させたりしていた。
     敗者は奴隷として吸収され、土地もポケモンも強者のものとなる。ポケモンを使役する技術は集積され、洗練される。人と人、ポケモンとポケモンの間にも細分化された身分差が生じる。
    ・「神の化身」と畏れ敬われていたポケモンは、次第に「道具」視されるようになっていった。人の管理の下で繁殖し、ごく幼いころから厳しい躾を施されれば、ポケモンは人に逆らわなくなる。


    ●都市国家時代
    ・人間(それも最下層の奴隷身分)の主な仕事は、ポケモンの管理となった。ポケモンの仕事は農林水産業の実労働に始まり、土木工事や土器・青銅器・鉄器の製作といった工業、運送、戦争等々多岐にわたる。
    ・ポケモンの活躍分野が拡大するにつれ、生活は豊かになり、市民には余暇が生まれる。哲学や文学、数学、自然科学が発展した。
    ・ポケモンを擬人化したような神々の登場する神話が語られる。それによると、人の姿をした神は、人のために、神の力を持つポケモンを遣わした、ということになっている。
    ・神話やポケモンを元にした音楽や詩、演劇が発展する。
     ポケモンバトルやポケモンコンテストの原形のようなものも盛んに行われ、人気を博した。
    ・都市には上下水道が完備され、市民は奴隷とポケモンを財産として抱えた。市民は戦時にはポケモンを供出することが名誉とされ、普段からポケモンの育成に励んだ。
    ・巨大な武力を統率する王が国家を支配する。
     法律が敷かれ、他国と戦争をし、領土と人民とポケモンと産物を技術を吸収していく。
     戦争においてはやはりポケモンの扱い方が鍵を握る。飛行ポケモンが偵察し、地面ポケモンが足下を崩し、鋼ポケモンが圧倒的重量で押し潰し、悪ポケモンが敵の物資をかすめ取り、毒ポケモンが敵の陣地に病を蔓延させ、ゴーストポケモンが機密情報を奪い、エスパーポケモンが通信や輸送の役割を担う。
     前線に立つのはポケモンばかりだったため、繰り返される戦争で数え切れないほどのポケモンが死んだ。ポケモンの減少によって産業も衰え、市民社会にも困苦が忍び寄り、国内社会は不安定化した。
     やがて各国は疲弊し、巨大国家は分裂した。


    ●封建時代
    ・膨大な数のポケモンを基盤とする産業構造は瓦解した。
     人は再び小規模のポケモンを使い、農林水産業を営んだ。彼ら農民を直接的に支配したのは貴族であり、その貴族を王が取りまとめる。
     王の支配する国は互いに小競り合いを続けていた。
    ・その中で交易が発展し、貨幣経済が都市を中心に広まっていく。王権が度重なる戦争のために衰える一方で、貴族や商人は財を成し台頭していった。
    ・貴族は私的なポケモンの軍団を訓練し、領内の農民を支配する。農民も農耕等にポケモンを利用していたため、いざとなれば領主に反逆する武力は持っていた。いざというときのそれを鎮圧するために、優れたポケモンを操る人材が貴族には必要だった。
    ・当時ポケモンは、言葉も操らず裸のままの、野蛮な存在だと考えられた。ポケモンと対照的に、人の地位が高められ賛美された。人がポケモンを操り文化を与えてやる事により、ポケモンの魂は救われるなどと説く宗教も広く信じられた。野生のポケモンは畑を荒らし家畜を襲う悪魔であり、討伐の対象だった。また人が飼うポケモンが人に逆らうことは極度に恐れられ、その反作用として、ポケモンに対する躾は現代の基準からすると残虐な程度に苛烈なものとなった。
    ・農民は地面ポケモンや草ポケモン、水ポケモンに農作物の世話をさせた。ポケモンの力を利用することにより、農業の生産効率は大幅に向上した。逆に、破壊的な力を持つ炎ポケモンや毒ポケモン、ゴーストポケモン、エスパーポケモン、ドラゴンポケモン等の所持は領主によって厳しく禁じられた。とはいえ、当時はポケモンのタイプの分類は曖昧だったため、現代から見るとさほど厳格な基準が設けられていたわけではない。
    ・各国を旅する交易商人が特に恐れたのは、目に見えない力を操るエスパーポケモンやゴーストポケモンやフェアリーポケモン、物資をかすめ取る悪ポケモン、凶暴なドラゴンポケモンだった。
     氷ポケモンによる冷凍輸送が早期から利用され、比較的遠方へも生鮮食品を届けることが可能であった。
    ・都市には商人や職人が集まり、貴族の支配から逃れ、市民の手で発展した。
     商取引は人の手で行われ、金融が次第に発展する。
     一方、手工業においては、ポケモンの能力が盛んに利用された。鋼ポケモンによる木材や石材の加工、炎ポケモンによる金属加工やガラス細工や陶芸、水ポケモンによる製紙や酒造、等々。
     都市では特に、病を流行らせる毒ポケモンが忌み嫌われた。


    ●絶対王制時代
    ・台頭する都市部の市民層を保護する形で、王は貴族の権力を抑え込み、絶対君主として国家の頂点に君臨する。
     王は多様なポケモンから成る巨大な常備軍を持ち、他国と覇権を争った。海外へと侵出し、植民地を獲得し、新たなポケモンやそのポケモンを操るための奴隷が仕入れられた。人もポケモンも財物と見なされていた時代である。
    ・農村にも貨幣経済が浸透する。農村から都市部に出てくる者の数が増加し、そういった者の多数はポケモンの育成に携わった。多くの人間によって繁殖させられるポケモンが、当時発展しつつあった工場制工業を支えた。
     高い知能を持つエスパーポケモンが機械を操り、あるいは高性能の機械を開発する。地面ポケモンや岩ポケモン、鋼ポケモン、水ポケモン、格闘ポケモンが、石炭や鉄鉱石、金銀銅に宝石類等を採掘する。鉄鉱石を食べてしまうココドラの類や、石炭を燃料とするコータス、宝石を食べてしまうヤミラミなど、特定のポケモンは迫害され、世界各地の生息地を追われて急激に数を減らした。
     ポケモンでも操れる機械の登場と、都市部に生息するポケモンの爆発的な増加により、先進国や植民地に安価な製品が市場に溢れる一方、各地の人間は職を失った。失職した者の中には、人間から仕事を奪ったポケモンを排斥しようとする運動を試みた者もいたが、そのような運動は失敗に終わった。そうした人間は、ほとんどがポケモンを育成する道を選んだ。
    ・現在に言う「ポケモントレーナー」(当時では奴隷も同然の身分であったのだが)の数は世界各地で急激に増加した。そのほとんどが低所得者で、貴族や資本家との格差はすさまじいものとなった。
     しかし真に社会の底辺にあったのは、ポケモンだろう。ポケモンは言葉を操らず、そのため労働交渉も、また仲間内で団結するなどということも思いつかないまま、資本家によっていいように搾取された。トレーナー達の巧みな支配により、ポケモンが実力で資本家に抗うことは封じ込められた。ポケモンは戦争に使われ、あるいは最低の労働環境で酷使された。
    ・王の保護により、各方面の文化が開花する。
    ・ポケモンは魔術を使うと見なされていた。人はポケモンの魔術の威力を恐れつつも、その便利さに頼りきりとなり、科学技術の発展は遅れがちとなった。


    ●市民社会時代
    ・台頭した市民層が、革命により政治権力を勝ち取る。
     ポケモンは王や貴族の財産ではなく、個人の不可侵の財産として保障される。
     また、旧体制への反発として、ポケモン愛護の運動も活発化した。
    ・市民層の購買力の低さから過剰供給を招き、大恐慌が発生して、経済も社会も不安定化した。
    ・王制と共和制の争いは、宗教界の思惑との関わりもあり、各国で長く複雑に継続した。内戦があり、他国による内政干渉があり、いずれにしても勝敗を左右したのはポケモンの力とトレーナーの采配である。
    ・また、思想や民族独立等の諸要素により、また戦力としてのポケモンやトレーナーの増加により、各国間でも戦争が頻発した。外交関係が緊張し、各国の間で同盟が結ばれ、必然とも偶然ともいうべきポケモンの一つの攻撃が、巨大な戦争の引き金となる。
     トレーナー技術の進歩は著しく、より強大な力を持つポケモンが戦争で使われるようになった。タイプの相性の研究、ポケモンの種族ごとの特性の研究が進められた成果である。
     戦争は長期にわたり、各国は総力を尽くして戦い合った。
    ・ポケモンは兵器として、敵国でたくさんの人を死傷させた。ポケモンを操るトレーナー、あるいはポケモンやトレーナーを支える銃後の人間までもを殺さなければ勝利はなかったためである。
     各国は激しく消耗した。
    ・戦後は、ポケモンという資源は戦争より産業に振り向けることが得策と考えられ、ポケモンの力を利用しない兵器の開発も各国において進められた。そのために、各国はトレーナーでなく科学者を養成する必要性に追われ、教育制度が整備された。
    ・第三次産業の発展につれて、ポケモンの代替できない人間の仕事が増加し、経済が安定する。
    ・人とポケモンが協力するという伝統的な手工業が、現代になってなんとなくもてはやされる。
    ・世界的戦争の反省から、ポケモンの平和利用を目的とする条約が、各国により締結された。
     また、ポケモンをただの財産として見るのではなく、一定の権利を有する存在として保護することを宣言する条約が、各国により締結された。
    ・その後、人間の科学的アプローチにより、ようやく少しずつポケモンの生態の謎が解明されつつある。迷信や魔術からの脱却。



    ***
    ●メモ
    ・ポケモンの生態が近年まで謎に包まれていたのは、それまで人がポケモンを「ただの道具」としてしか見ていなかったからでは?

    ・近現代について
     批判:雑すぎる。
     反論:不勉強が露呈した。それでも時代ごとの長さで言えば狩猟採集時代など万年単位なので問題ないだろう。
     再批判:密度の問題だ。
     再反論:人がポケモンを育ててポケモンが戦った、くらいしか思いつかなかった。人は資本主義とか共産主義とか民族などという思想に振り回されたかもしれないが、それはポケモンとの関係においては重要度の低い要素と考えた。

    ・「ポケモンはすごい、でも人間にとって危険だ(軍事力的にも経済的にも)、だからポケモンにばかり頼っていてはだめだ」というのが歴史的な現段階での結論では。
     人はずっとポケモンを見下していたが、やっとポケモンの恐ろしさに気付いた。
     これから人間自身の力でポケモンに向き合っていこう(今度こそポケモンの危険さを管理しきろう)、という段階。
     そのついでのように、歴史上でのポケモンに対する残酷な扱いを反省しよう、みたいな。
     「ポケモンと共存する」というスローガンには、建前にしか聞こえない胡散臭さがある。

    ・ポケモンの恭順について
     批判:全時代を通して、ポケモンが人に従順に操られ過ぎではないか?
     反論:頭の良いポケモンはそもそも人に捕まらなかった。正義感の強い伝説ポケモンがポケモンの軍団を丸ごと離反させたというような事件も存在したかもしれない。また、ポケモンの本能として、ボスの命令には従う、敵は排除するというものがあり、それをトレーナーが巧妙に利用したのだと推測する。他にも、餌付けだとか、麻薬だとか、エスパーポケモンを利用して兵隊ポケモンたちを洗脳しただとか、ポケモンを強引に戦わせる方法はいくらでも存在するだろう。ボールが無くてもポケモンを操ることはできる。

    ・現代の悪の組織は、戦争によって蓄積された技術を利用しているかもしれない。
    ・個人的に、悪の組織は、「ポケモンの平和利用、ポケモンの保護」を掲げるようになった現代国家の暗部ではないかと考えている。

    ・メガシンカの一族などは、おそらく伝説のポケモンのように、何もかもを超越して時代を傍観していた(あるいは介入した)のではないか。ポケモンとの絆が重視されるような時代を、ただ技術を守ることを第一使命として待ち続けていたように思う。

    ・果たしてコンピュータを発明したのは人間か、ポケモンか?

    ・ポケモン世界の人間の意識の根底には、常に「ポケモンに世界を乗っ取られるかも」という恐れがあるかもしれない。その恐れが、トレーナーの権利強化となって表れる。マスターボールを開発させる。
     おそらく、大戦で多くの人間がポケモンによって殺されてからは、もはやポケモンを「ただの財産」として見ることは不可能となっている。自由意思を持った銃が社会に溢れかえっている状況。
     しかし慣れとは恐ろしいもので、戦争を経験していない世代は普段はほとんどポケモンの危険性を認識していない。





    ***
    <跋>

     ポケモンの産業利用と戦争利用の歴史でした。
     ポケモンに対する古今東西の思想などもまとめてみると面白いかもしれません。

     ほとんどどうでもいいことですが、本文において「〜〜タイプのポケモン」を「〜〜ポケモン」と表現しているのですが、「フェアリーポケモン」だけが異常に違和感を覚える表現だったのですが、これはフェアリータイプの歴史の浅さゆえでしょうか。
     あと、ポケモンのタイプと特性を特定する作業は大変だったと思います。スキルスワップやガードシェアとかいう変化技も、存在そのものを見つけるのも大変だったと思います。技「鳴き声」を発見した人とか確実に変態じゃないですか……いや案外古代からおばあちゃんの知恵袋的に知られていたのかも……。

     というネタ出しでした。失礼します。


      [No.3890] 雨の庭 投稿者:浮線綾   投稿日:2016/02/08(Mon) 20:48:07     40clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
    雨の庭 (画像サイズ: 3000×2000 449kB)



    Jardins sous la pluie


     波は霞、
     泉は埃。

     森は沈黙し、
     火男は野畑で踊る。

     気を付けろ、
     目を覚ませ。

     母が汝を連れてゆく、
     夜の家へと。


      ――“Die Regentrude”von Theodor Storm





    ***

    <跋>
     息抜きその4、これでひとまず終了です。ありがとうございました。

     本文の抜粋元の作者シュトルムはドイツの方です。訳は筆者。
     八行詩は『汝(雨姫)』を目覚めさせる呪文です。『火男』→イベルタル、『汝』→ゼルネアスという風にポケモン的解釈をしたら面白いかもしれない。

     絵の発想元は、モネの《睡蓮》、ジェームス・ティソの『休日』、ブラームスの《版画》より『雨の庭』でした。こちらは三名ともフランスの方です。
     ブラームスの《版画》とティソの庭園画は、現代的感覚にもかなり魅力的だと思います。


      [No.3889] [幽霊レイディオ] 投稿者:マクス   《URL》   投稿日:2016/02/08(Mon) 02:10:36     173clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
    タグ:ラジオ】 【会話のみ】 【地の文無し】 【ヨノワール】 【サマヨール

    ※本文中では作者の死生観が語られます。



    『生きとし生けるすべての皆様へ
     ヨノワールとサマヨールの幽霊レイディオ』



    「さ、やってまいりました幽霊レイディオ、略して霊レイのお時間です。
     メインパーソナリティは私、任せて安心ヨノワールと」

    「アシスタントをつとめます、至って健全サマヨールです」

    「当番組は生きている皆様や幽霊の皆様に、ほんの一時でも生活を愉快に感じていただければと思い配信しております。
     お聞きの皆様方、30分程度の予定ですがどうかお付き合いくださいませ」

    「よろしくお願いします。
     ……といっても放送してる現在時刻、ご存じでしょうが深夜です。おまけに……今何時?」

    「2時10分ぐらいだね」

    「前回は1時50分ぐらいにやってましたよね?
     この不定期ぶりです。正直なところこの番組、リスナーさんがどれだけいるんでしょうか」

    「というかリスナーさんに届いているかどうか、配信機器を担当するロトムの気まぐれによるところがあります。
     今回お聞きいただけてる方は案外幸運ですよ」

    「狙って聞けるものじゃないですからね。
     っていうかリスナーさん、人間の方だったら信じてくれないんじゃないでしょうか。
     ヨノワールとサマヨール、つまりポケモンが人間にわかる言葉でラジオまでやってるって」

    「ポケモン相手に何を疑ってるんだかねー。わざマシンひとつでサイコキネシスが使えるようになっちゃうんだよ? エスパーだよ」

    「いや、誰でもできるってわけじゃないですよね、それ」

    「確かにできるできないは種族によるけどさ、それだけエスパーの素質をいろんなポケモンが持ってるってことだよ。
     サイコキネシスじゃないけど、テレパシーを届けるぐらい、ある程度の通力を得たポケモンならだいたいできるって、ねぇ」

    「その『ある程度』が難しいですよ。通力の修行って説明できるポケモンがどれだけいるんだか」

    「いやー、これだ、て決まったやり方が未だに確立されてないんだもん。だから無闇に時間がかかる。
     みんな信じないのも、やりとげたポケモンがあまりに少ないからじゃないかな」

    「それだけじゃないでしょう。一応、これラジオですよ? 放送機器越しにテレパシーって、普通は通じるとは思いませんって」

    「そこはあれだよ、ヨノワールの霊界アンテナ。通訳は機器に取り付いたロトムくんの不思議パワーで」

    「うまく説明できないってことですね」

    「あー、っと。ディレクターさんから、ゲストが焦れてるってさ」

    「流しますね!? って、ぁ……ごめんなさい、前置きが伸びすぎました。最初のコーナー、いきましょう」



    『生きてるって素晴らしい』



    「はい、『生きてるって素晴らしい』のコーナーです。
     このコーナーではゲストにゴーストタイプの方をお呼びして、幽霊なりの苦労をお話しいただいております」

    「生きてる苦労に悩むリスナーさんも多いと思います。そんな苦労してる皆様に、死んでも苦労は絶えないよ、と伝えていくのがこのコーナーです。
     生きてても死んでても変わんないよ、だったら急いで死ななくても、と。
     毎度思うけどこのコーナー、名前変えない?」

    「いや、こんな名前で始めちゃったんですから、引っ込みつかなくなっちゃったんでしょう。
     俺だってこんな、前向きなんだか後ろ向きなんだかわかんない名前は……」

    「平たく言って諦めろってんだからねぇ。行く末を絶望させてるんだもん」

    「うらめしいなぁ。呼んどいてやらせることはそれかい? アタシそんな暗い感情は食べてないよ?」

    「ちょっ……えー、ゲストさん早いです。また前置きが伸びちゃって……」

    「いやま、いいじゃないか。コーナー始まってマイクの前に来たのに、まだ黙っててってのはー、ねぇ」

    「無理あるよねー」

    「というわけで今回お呼びしましたのは、ユキメノコさんです」

    「はーい、やっとね。呼ばれてきました、氷タイプのユキメノコです。どうぞよろしく」

    「ありがとう。それではコーナーの目的として、あなたしか知らないような苦労をひとつ、皆様に伝えていただこうと思います」

    「ゴーストポケモンの中には生まれた時から幽霊、てのも多いです。生き物としても幽霊としても中途半端、それが俺たちです。
     そこでユキメノコさん」

    「はい」

    「ユキメノコさんは先天的にゴーストタイプってわけじゃないんでしたね」

    「そうなんですよ、昔は普通にユキワラシの女の子でした」

    「そう、氷タイプだけだった。
     というわけで、ゴーストになってからどうだったか。それをちょっと話していただけないでしょうか」

    「なってから、てねぇ……やっぱり大騒ぎだったのはユキメノコになった直後だなー。進化するほど強くもなかったんに、オニゴーリでなくこれだもん」

    「ある日、出かけた娘が声まで変わって戻ってきたとか、どこのエステティックだよ、てねー」

    「なんということでしょう。ご家族の驚きは察するに余りあります」

    「あっはっは、あんたらねぇ……。ま、確かに急な進化にも程があったから、父ちゃん母ちゃん大騒ぎよ」

    「それはそうでしょう。
     あ、そうだ。リスナーの方は進化の事、ご存じと思いますが、一応。
     ユキメノコさんは『めざめ石』という進化の石の影響でユキワラシから進化します。別に経験とか実力とか高めなくっても」

    「極端な話、生まれた直後でも進化できる可能性はある。
     これは自身の能力に依らない、外的要因のみでの進化。言ってみれば不自然なんです、この姿」

    「不自然な姿ってちっと引っかかるわね。
     前置きでも似たようなこと言ったっしょ? そうなる素質があったからこうなれたの」

    「いやいやいや、すみません、不自然ってのは言い間違えた。希少な進化だったから、みんな予想外で騒いじゃった」

    「そう! そうなんよ。いつか大人になったらみんなと同じオニゴーリになるとは思っとったん。
     でも友達と山に石掘りに行ったときにな、きれーなピカピカ石めっけてぇ。持ち帰ろうって触ったらこれだわ」

    「あー、それが『めざめ石』だったんだ」

    「周りからは不良扱いだよ。とーちゃん、うちの娘がこんなんなるなんてって怖い顔するし、かーちゃんは育て方間違えたって泣くし。
     なりたくてなったでねーがに、だっも信じんがで、なんも良いことなかったよ、こっちは!」

    「訛ってる訛ってる。恨めしいのはわかるけど落ち着いて」

    「その辺、人間とかは良いわ。ただ大きくなるだけだもん。進化して手足なくなったり、ガラッと姿変わるポケモンって面倒くさいんだから、これ」

    「あ、わかりますよ、それ。俺だってサマヨールですもの。ヨマワルだった頃は浮遊してたんです。それが2本足になりまして……なんて言われてると思います?」

    「のろまー」

    「わ、すっごいムカつく言い方!」

    「大当たりですよ、ヨノワールさん……!!」

    「ごめんね、サマヨール君。でも私が吹聴してるんじゃないよ? 陰口を聞いたことあるだけだから」

    「サマヨール君、そんな言われてるんだ。一気に怒っちゃってまー。氷あるけど、頭冷やす?」

    「いりません。ったく!
     とにかく、俺みたいに形の変わる進化でも、成長に伴った順当なものなら、大人になった証拠みたいで分かりやすいし、群の中でも当たり前のことと受け入れやすいものです」

    「それがちょっと逸れたら不良扱いだもんねー。一応、可能性のある進化なんだけど」

    「逆にイーブイみたいな、枝分かれが当然の進化なら、何になっても騒がれにくいもんです。
     しかし、珍しいってだけなら私のようなヨノワールも、進化できるのは割と少数なんだよね」

    「そー……? 成長じゃないんで?」

    「“れいかいのぬの”っていう代物がありまして。強い霊の力が宿っている、と言われるこの道具がないとヨノワールにはなれないんです」

    「自身では生涯かかっても集めきれない力を、その布を介して集める、て感じ……と、俺は聞いています。
     で、その布がまた出回らないものでして」

    「へぇー……じゃ、なれた時どんな感じだった、ヨノワールさん?」

    「私はー、行くところまで行っちゃった、て感じだったけど、まー、周りはすごかったね。
     喜ばれる、誉められる。妬まれる、恨まれる」

    「あの時はすごかったですねー。俺が覚えてるのは、『ヨノワールの血で染めた布が霊界の布になるんだ』ってヤツが……」

    「キツかったよ、あれ。死にはしないけど気持ち悪いのがずっと続いて、なかなか快復しなくってさ」

    「やられちゃったんだ……」

    「今でも襲ってくる人間、いるよ? 迂闊に人前にでるとさ」

    「人間に!?」

    「そう。ヨノワールに憧れるのはサマヨールだけじゃないんだ。
     サマヨールのトレーナーがね、霊界の布を欲しがるんだよ。で、欲しがる人には高値でも売れるってわけで」

    「本当に霊界の布が作れるのかも定かじゃないんですけど、それでも信じてる人は多いみたいです。血液の神秘性ってヤツでしょうか」

    「ドラゴンの血とか、よく話題にあがるもんねぇ。
     ユキメノコさんは、そういう人間に襲われたとか、ありません?」

    「アタシはまー……ないかなー」

    「あれま。ユキメノコっていったらトレーナーに結構人気なんですけどね。強いとかめんこいとかで」

    「そんな人間に好かれたって知らないわよ。
     ん……多分だけども、住む場所が場所だから?」

    「あー、雪山」

    「そりゃ確かに人は来ませんなぁ。
     でもその分、出会ったトレーナーとか、血眼で追ってきません? 苦労した以上、珍しいポケモンの1匹でも捕まえないと勘定が合わないとか」

    「それがそうでもなくって。
     この間、トレーナーの坊ちゃんがね、雪ん中に頭埋めてたんで、引っ張りだして助けたのよ。そしたら悲鳴上げて、『氷漬けはイヤだ』って逃げてって」

    「ありゃー」

    「ははー、雪解けの頃に発見されるとか思っちゃったのかなー」

    「ホンっト失礼しちゃう。そんな人を捕まえて、なんてやったことないのに」

    「やったヤツがいたんでしょう、昔に。それに、ゴーストってだけでも変な目で見られますし」

    「夜道で出会った人に逃げられたこと、ホント多いよね。ヨマワルの頃は、誘拐される、て言われてさ。
     今じゃこっちが誘拐されそうで、夜道でもなきゃ出歩けないけど……」

    「苦労するねー、レアなポケモンは」

    「ヨノワールさん、しっかり……!」

    「しっかりってね、サマヨール君、私はちょっと君が羨ましいよ。
     この中で、表を出歩いても特に騒がれないのは君ぐらいじゃないか?」

    「それは、えっ……」

    「強くなって、能力も増えて、可愛い後輩もできたけども。私も、ユキメノコさんも普通に出歩いたら、悪いヤツに狙われかねないんだ。
     その点サマヨールはどうだい? ちょっとは珍しいかもしれないけど、そこまで話題にはならないだろう」

    「そう言われましても……。というかヨノワールさん、いくらサマヨールでも……いやヨマワルでも、白昼出歩いていたら変な目で見られますよ、ゴーストですもの。
     それに珍しさなら、ヨノワールさんは★でヨマワルが●、サマヨールでも◆ぐらいはあります。捕まえてやる、てトレーナーはいるんですよ、たまに。
     もしバトルを挑まれでもしたら、もう泥沼です。負ければ捕まる、撃退したら『こんな強いなら』ってますます狙われる。ヨノワールさんならどうです? 『勝てない相手だ』って恐れられませんか?」

    「えー……サマヨール君?」

    「サマヨールなら押し切れば勝てる、て微妙に舐められるんですよ。足遅いから逃げられないし。
     助けてもらうまでに、いったい何人のトレーナー、相手にしたっけなー……」

    「サマヨール君!? 君こそしっかりして!? いや、変なこと言い始めたのは私だけどさ!」

    「いやーもう、みんな苦労したのね、うん。
     どうよ、ヨノワールさん、コーナーの趣旨には沿ってるんじゃない?」

    「そって……確かに沿ってるけど、別にイヤな思い出に浸ろうってコーナーじゃないから!
     ほら、サマヨール君も沈まないで。こう言う時は……柏手2つ!」

     パン! パン!

    『空気を変えよう!!』

    「というわけで次のコーナーに移ります!」



    『お便りコーナー 教えて、ゴーストさん』



    「えー、ちょっと強引に進めましたが、お便りのコーナー『教えて、ゴーストさん』です」

    「世間の評価で揃って沈むとは、俺も反省です。
     というわけで、このコーナーはさっきと違って、生きているからこそ抱くお悩みや質問に答えるコーナーです」

    「こんな番組ですからお便りもそんなに多くないですが、0でもないんですよ。今回取り上げますのはこちら、ラジオネーム:風前のトモシビさんからのお便りです。
     えーと、ヨノワールさん、サマヨールさん、ゲストの方、初めまして、風前のトモシビと言います」

    「はい、初めまして、トモシビさん」

    「こんなラジオ番組がありますことを前回の放送で初めて知りました。幽霊への質問を募集しているとのことでしたので、普段から気になっていることを質問として投稿してみました。
     不躾で申し訳ありませんが、早速お伝えします…………」


    『死んでからなる幽霊はもう死なないと言われます。
     しかしいつか幽霊にも変化や寿命に近いものはあると、私は思います。
     そこで質問です。幽霊は月日の経過でどんな風に死ぬか消えるかするのでしょうか』


    「……お答えください、と」

    「どんな風に、かー。俺はあんまり……ユキメノコさんは?」

    「アタシも知らないなー。っていうか、アタシのところじゃ基本的に氷タイプのポケモンとして死ぬんだもん。ゴーストタイプはそんなに……」

    「あ、そうですよね。ヨノワールさんは? 何か……」

    「私は割と」

    「えっ?」

    「何か知ってる!?」

    「実際に誰かの死に目にあった、てことはないけど、聞いた話でよければ。
     とりあえず、このトモシビさんの予想はあってるね。
     幽霊も月日の経過で消失する。寿命がある、て言った方がわかりやすいかな。
     生き物のように老化して死ぬ、てわけじゃないけど」

    「確かに、昔からいる幽霊に会ったことありますけど、ヨボヨボの老人って感じはしなかったですね」

    「輪廻という概念があるように、死んだ命はいずれ新たな形に生まれ変わり、新たな命が世に生まれ出る、らしいから。
     もし命が増えるばかりで幽霊が消失しないなら、世の中は幽霊で溢れかえっているはず。
     と、こんな前置きの上で質問にお答えしようじゃないか」

    「……そうだった。質問は寿命の有る無しじゃなかったですね。どんな風に、と」

    「どう死んでいくか、だよね。これは、ある長寿のゴーストタイプの方から聞いた話ですが」

    「ある長寿の、ですか」

    「誰とは言わないよ。さて。
     幽霊は基本的に未練で動いてる。未練とは記憶の一部で、それを無くすことがつまり死ぬこと……に、近い」

    「未練を忘れると、死ぬ、というか消える? いきなりポンと忘れる訳じゃないですよね?」

    「まぁ、事故とかが起きない限り、そうだね。少しずつ、消失するまでに記憶が薄れていくんだ」

    「思い出せなくなる……痴呆、に近いんでしょうか」

    「近いね。ただ、順序があるんだな。
     まず自分が生前に何をしてたか忘れる。
     この辺りはまだ軽い。けど見た目が老けないから進行がわかりにくい」

    「あ、俺も見たことあります、そういう方」

    「まだ軽い方だからね、結構いるんだ。だからか、そのまま長いこといる幽霊もいる。
     ただこの先は進みが早い。次は物忘れが自分の名前にまで至る」

    「名前、思い出せなくなるんですか」

    「特にゴーストポケモンになったのなら、ポケモンとしての名前で呼ばれるから、むしろ忘れやすい。私らとしては軽い方なんだけどね。
     普通の幽霊なら、これは割と重い方だ」

    「それ、ヨノワールさんも……?」

    「いや、私は覚えているさ。まだまだね。
     で、名前の次は自分の姿。
     自分がどんな顔をしているか、どんな格好をしているか。それを忘れる」

    「姿って、水とか氷で見ません?」

    「いやー、それがわからない」

    「え」

    「というのも、なんと姿が朧気になって誰だかわからなくなるんだ。人間の幽霊だったら、人型の何か、て感じに。
     この段階から見た目でわかるようになる」

    「朧気に……え、まさか心霊写真とかの?」

    「あんな感じだよ。個人を判別できない程度に姿がぼやける」

    「うわ、俺も見たことある! あれが成れの果て!?」

    「そういうことさ。
     続いて忘れるのは、自分の種族、というか形を。
     ここまで忘れちゃうといよいよ種族もわからなくなる。いったい何者なのか、と」

    「さっきは人間なら人間の、ってわかる程度でしたけど、それがさらに?」

    「そう、さらにわからなくなるんだ。ほとんど霧みたいな漠然とした形になっちゃってさ」

    「そこまでいくと、じゃあ次はいよいよ……?」

    「いよいよね、未練を忘れる。
     これで幽霊としては、ほぼ体をなさなくなる」

    「ただの霧みたいになっちゃう……」

    「あれが……」

    「意外と身近にあるだろう、サマヨール君。
     でも、実はそれが最後じゃない」

    「まだ忘れるものが!?」

    「もう一声あるんだな。もう、一声。
     幽霊は最後に、自分の声を忘れるんだ」

    「声ですか?」

    「そうだよ。未練を忘れても声や言葉だけは伝えることができる。それが一般には空耳とかお告げとかに感じられる。
     しかし声も言葉も忘れてしまえば、いよいよ命の残滓のような霧だけが残る」

    「それが、幽霊の消失と……」

    「そういうこと。質問への回答は、幽霊を記憶を無くしていき、やがて何者でもない霧に姿を変えるのです、と。
     しかし霧になっても幽霊は幽霊。普通の生き物の目には見えず、霧は世界中に漂い続ける。
     と! ここで前置きの輪廻の話がでてくる」

    「前置きの、ってことはその霧が、新たな命の素に?」

    「そうなるわけさ。
     ご理解いただけたかなー、風前のトモシビさん。お便りありがとう」

    「ありがとうございました。
     そういえば、ヨノワールさん。俺、幽霊の霧というとゴースってポケモンを思い浮かべますけど、関連あるって思うのは無理がありますかね?」

    「いや、関連ありだよ」

    「え、なんかあっさりと?」

    「実際あるからには、ねぇ。
     ……そうだ、ここで問題」

    「え゛」

    「あっさりじゃつまらないんだろう?
     さて、今さっき幽霊が忘れていくものを挙げていったわけだけど、1つだけ、霧の中に残るものがある。
     それは、何が残るかな」

    「何って……えーと、記憶に、姿、声……」

    「アタシらの中にもあるもの?」

    「そりゃそうだよ。ヒントは、記憶に関連したもの」

    「じゃぁ、記憶を無くした時点でほとんど?」

    「だいぶん薄れちゃうねー。じゃ、次のヒントは、なぜ未練を感じるか、ということかな」

    「未練を……やり残し?」

    「あ、感情!?」

    「心ですか?」

    「はーい、ふたりともだいたい正解!
     霧に残るのは、ほんの少しの心だ。記憶を無くした以上、本能的な感情ばかりだけどね」

    「あー……確かに、記憶に関連してて、心に残ってるから未練になる」

    「でも、経験とかの記憶が無いから、漠然としてる?」

    「そうそう。声が残っているうちはそれを伝えることもできるんだけど、ね。
     というところで、霧のポケモン・ゴースとの関連性だ」

    「はー、待ってました」

    「お待たせしました。
     まず、幽霊が記憶をなくして霧になっても、ほんの少しだけ心は残る。
     次に、その霧なんだけども、霧と呼ばれるだけあって風に流れるし、空気が淀む場所には溜まる。
     そしてだ。溜まった霧の中に悪意や恨めしく思う心が多かった場合……」

    「そこにゴースが生まれる、と」

    「空気の淀んだところに幽霊がいる、っていうのは、そういうことだったんですね。いるっていうか、生まれる」

    「まぁね。さらに言えば、そのゴースがより多くの幽霊の霧を集めたり、力を高めることで記憶や意識がハッキリしていくと、その姿もやがてハッキリしていく。
     手があり、頭がある。自分の姿に気付いたとき、ゴーストに進化する」

    「じゃあ、ゲンガーはさらに姿形を意識できるようになったから? だからより生き物に近いシルエットになるんだ……」

    「なんていうか、ゴーストのアタシたちも勉強になったわ……」

    「私も結構、長生きしてるし、それ以上に長生きの方から聞いたものだし。
     ……と、ここでネタばらし。
     今の話、実は全部“らしい”ってこと。不確かなんだ」

    「は!?」

    「調べようとして調べたって話はひとつもないんだよ。
     最初に言った通り、私も聞いただけの話だし、幽霊が霧になるまでをじっくり記録・観察した例は、時間がかかることもあって、どこにもない。それこそ、あの『長寿の方』が見てきたって話だけでね」

    「ぇえ!? なんですか、それ。筋が通ってるだけホントっぽいけど、つまり子供だましじゃないですか!」

    「そうは言っても、だ。
     幽霊が霧になるのを見てきた者はいるわけだし、ゴースの進化も実際にゴーストになる前後に話を聞いたことがあるから、今回話せたんだよ。口伝てでもちょっとは信じてほしいなぁ」

    「はー……見事に納得させられた。
     でも、古い伝説とかって全部そんなもんよね」

    「た、確かに証拠自体が怪しい伝説とか、口伝てしかないとか、有りますけども……。
     でも、ヨノワールさん、そうやって俺を何度も騙してきたじゃないですか。俺がヨマワルの頃に適当な嘘いろいろ吹き込んでさ」

    「子供を納得させるってのはそういうものだよ。
     ややこしい真実を教えるより分かり良い嘘を、てね。子供だましも悪いばかりじゃないさ」

    「まぁ、わかりますけど」

    「ちなみに、その嘘ってのは?」

    「聞きますか!?」

    「私からお伝えしましょう!
     幼い頃のサマヨール君……いやあの頃はヨマワルちゃんだったな……いろいろ私に聞いてきてねぇ。
     まず『なんでヨマワルには足がないの?』と」

    「ほうほう、それは?」

    「それはね、足下に関係なく、どこへでも行くためだよ。
     そう答えると、今度は『じゃなんでサマヨールになったら足ができるの?』と来た。
     それは足跡を残すことで、ここは歩いたことのある場所だ、て記憶するためだよ」

    「おぉ、じゃ次はヨノワール?」

    「当たり。『ヨノワールになったらまた足がなくなっちゃうのは?』と聞かれたよ。
     それは足跡で歩いたことを覚えなくても良くなったから。自分の居場所を決めて、どこへも行かなくなったからだよ……とね」

    「はぁー……なるほど、そういう見方がー」

    「全部うそっぱち! 信じ込まされて、俺は恥ずかしいよ」

    「だーれも知らないことだからねー。私も、口から出任せでよくこれだけ言えたもんだ」

    「ヨノワールさんのバカ! その才能だけは尊敬に値しますけどね!
     ディレクターさん、笑ってないで!」

    「あっはっは! サマヨール君、そっちをつっついちゃダメよ」

    「目を向けたくなるのはわかるけどねー。
     って、え? お便りもう1通! はー、珍しいこともあるねぇ」

    「へ!? あー、お便り! まだあった!」

    「そうだよ、サマヨール君、気を取り直して。
     なになに? ラジオネーム:フランケン・シュタインの被造物さんから」


    『私は自然に生まれた命ではありません。様々な生き物の破片から作られた継ぎ接ぎの化け物です。
     このような私でも死んだときは、他の皆様と同じように幽霊となるのでしょうか。
     おそらく前例のないことでしょうが、お答えください』


    「……と」

    「人造の命とかいうのですか。近年、てほど新しくもないですけど、人造のポケモンっていましたね。カントーの方に」

    「まー、個体数がとにかく少ないからかな。生きてるのも死んだのも見たことはないね、私は」

    「ヨノワールさんもですかー。確かにこの、フラン……えーと、被造物さんの言うとおり前例がない」

    「でも答えは出せるよ。あってるかどうか、当分は分からないけど、とりあえずでよければ答えようか」

    「ですね。では被造物さん、『人造の命でも死んだら幽霊になれるか』という質問ですが」

    「なれると思いますよ、あなたも普通の幽霊に」

    「ですよね」

    「はっきり答えたねー」

    「そうさ。幽霊になるだけなら誰だってなれる。たとえ被造物さんが自然に生まれた命でないとしても、命である以上、死んだからには他の命の素になる」

    「植物で言うなら、枯れ葉が腐葉土になるまでの状態、てところでしょうか」

    「うん、命が人の手によって作られた、という事自体は幽霊になれるかどうかにそんな影響しないはずだから」

    「ヨノワールさん、それはなんか根拠があって?」

    「まぁね。その……」

    「な、なんです? こっち見て」

    「新しい命って、ほら、男と女が揃って、アレすることで生まれるでしょう?」

    「…………」

    「目を背けないでよ、サマヨール君。誕生ってそういうものさ。
     ともかく、命が生まれるには必ず誰かが何かをしたって原因があるんだ。
     交わらないようなものを混ぜ合わせたのだとしても、命を作る行いがあった以上、生まれたものは命だよ」

    「……サマヨール君、性教育って苦手?」

    「余所の話ですッ……!
     とにかく! ヨノワールさんはこう言いたい? 人造と不自然はイコールじゃないし、不自然でも行く末は同じ、と」

    「そうだね。それに、前の回答の時にも関係していること、言っているし」

    「え? な、何かありました?」

    「未練・記憶が幽霊を動かす、とね。
     さて被造物さん、幽霊になれるかどうかは、あなたの出自よりも経験が重要です。
     生きている間に多く、強く記憶を残せば、それだけ強い幽霊になれます。ご安心ください!」

    「ご安心……なのかしら。ん、この場合は……」

    「心配事は死んだ後どうなるか、だからね。ここは、そういうことで」

    「で、すね。俺たちも結構 強い記憶……っていうか、思い出、たくさんありますし」

    「あ、サマヨール君、それはキレイな言い方だ。
     思い出をたくさん残して、あなたも強い幽霊になろう! どうかな?」

    「どうかな、て……ギャグですか、ヨノワールさん」

    「……まじめなんだけどね」

    「ちょっと恥ずかしいわね。でも良いんじゃないかしら。
     大した思い出がないまま死んでもロクな幽霊にはならない。それって生きる事への励ましにならない?」

    「おお、良いまとめだ! 番組の趣旨に沿ってる!」

    「まるで締めみたいですね。
     ……あ、そう言えば今、何分ぐらいですか?」

    「えー……40分超?」

    「あれ!?」

    「あ、時間オーバー。長引いちゃったわ!」

    「キレイにまとまったんだ。サマヨール君、締めよ、締めよ!」

    「締める、はい!
     ユキメノコさん、今回はゲストとして楽しいお話を、ありがとうございました!」

    「いえいえこちらこそ。みんなそれぞれ苦労があるだなーって、アタシも楽しかったから。
     ヨノワールさんも、面白い話をしてくれましたし」

    「どこまで信じられるかは別だけどね。でも気に入ってもらえたなら、私も覚えていた甲斐があったというものさ」

    「うん、童話とか噂話とか、その程度で覚えておくわ」

    「それがいいですよ、ユキメノコさん。この人、結構 信用なりませんから」

    「はっはっはぁ、そりゃもう人じゃないからねー! 後で見てろ?
     それじゃ、サマヨール君、いよいよエンディングが流れてきちゃった」

    「よ、よし!
     今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました! 本番組では皆様からのお便りを募集しています!
     生きることに疲れた方、死んだらどうなるのか気になってる方、お悩み相談から疑問質問まで、俺たちがお答えいたします!」

    「また、幽霊やゴーストポケモンの皆様からもお便り募集しております。
     普段の悩み、気になること、ございましたらどしどしご応募ください。ゴーストポケモンの先達がお答えしますよー」


    「というわけで!
     生きとし生けるすべての皆様へ、ヨノワールとサマヨールの幽霊レイディオ」

    「メインパーソナリティは私、任せて安心ヨノワールと」

    「アシスタントをつとめました、至って健全サマヨール」

    「そしてゲストで呼ばれました、鮮度長持ちユキメノコ」

    「以上のメンバーでお送りいたしました!
     では、この番組が、皆様の生きる気力となりますように!」

    「たくさん思い出 作って、強い幽霊になっちゃいましょう!」

    「それでは、またの機会にお会いしましょう!
     最後に締めの一言、いきます。せーのッ!」



    『人生、死んでも終わりじゃないッ!!』


      [No.3597] ありがとうございます! 投稿者:きとら   投稿日:2015/02/07(Sat) 17:21:56     27clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    コメントありがとうございます。
    発売前にかいたので、ちょっとキャラが違うところがあるんですが、かわいいって言われて嬉しいです。

    そうなんですよー、それは恋ですし好きなんですけど、忠誠を誓うのはマツブサ様なんですね。でもどちらを取るかと迫られたら、悩むような気がします
    ありがとうございましたー!


      [No.3596] わあかわいい 投稿者:焼き肉   投稿日:2015/02/07(Sat) 16:58:49     38clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    なんですかこの素敵な距離感はと思いました。マツブサ様優先でもこれはイチャイチャ話ですよね!
    楽しいってそれは恋だよカガリちゃん。
    表紙のほのぼの甘々感も好きです。


      [No.3595] 表紙的なもの 投稿者:きとら   投稿日:2015/02/07(Sat) 16:13:35     66clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
    タグ:ホムカガ
    表紙的なもの (画像サイズ: 3472×2375 335kB)

    アップしてみました。


      [No.3290] シンオウ民話異聞 投稿者:   《URL》   投稿日:2014/06/13(Fri) 02:07:30     125clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
    シンオウ民話異聞 (画像サイズ: 885×400 170kB)

    昔むかしのこと。
    そのころ性は三つあった。
    太陽の子は角と口が一つずつ。男といった。
    月の子は角がなくて口二つ。女といった。
    地球の子は口がなくて角二つ。名前は誰もおぼえていない。
    男と女とあと一人。三人で愛しあっていた。
    助けあって村をつくった。力をあわせて畑をつくった。
    三人で愛しあっていた。生まれる子どもは、男と女とあと一人。
    けれど今では性は二つ。男と女。
    あと一人のことは誰もおぼえていない。

    昔むかしのこと。
    そのころ性は三つあった。
    あるとき男が嫉妬した。女を手に入れたくてあと一人を鞭打った。
    あるとき女が嫉妬した。男を独り占めたくてあと一人を縛り上げた。
    男と女、二人だけで愛しあった。生まれる子供は男と女だけになった。
    あと一人は口がないからもの言わず、それでも男と女を愛していた。
    鞭打たれても縛られても、二人をずっと見守っている。
    だから今では性は二つ。男と女。
    あと一人がどこから生まれるか誰も知らない。

    昔むかしのこと。
    そのころ性は三つあった。
    男と女はあと一人を求めていた。それは原初の愛を回復すること。
    ただ三人がもとの三人にもどろうとしているだけのこと。
    男と女はあと一人を恐れていた。いつか仕返しをされると思って。
    けれど罪を背負ったり赦しを乞う必要なんてなかった。
    なのに今では性は二つ。男と女。
    あと一人は二人をずっと見守っている。
    鞭打たれても縛られても、男と女を愛していた。
    いつか三人が抱きしめあって死ねたなら、ようやく原初にもどれるのだろう。
    三人がもう一度愛しあうこと。
    愛の起源。ポケモンの起源。


      [No.3289] Re: ポケッターにおける肖像権 投稿者:WK   投稿日:2014/06/12(Thu) 11:53:59     64clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

     お久しぶりです。コメントありがとうございます。

     最近小説じゃなくて、時事(でもないけど)とか、新聞のコラムに載ってそうなネタで書くのがブームです。
     お題は新聞を読んでれば無限に湧いてくるので、はっきり言って書きやすいです。
     ただし、きちんと資料や用語を把握していないと、赤っ恥をかくことになりますが。

     ……いや、そこらは小説と同じか?

     楽しいので、また書くかもしれません。
     では。


      [No.3288] ミルホッグににんじんあげた 投稿者:焼き肉   投稿日:2014/06/11(Wed) 20:15:38     86clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
    タグ:ミルホッグ

     俺のプクプクほっぺがかわゆいミネズミがミルホッグに進化した。俺は正直あんまりバトルの上手いトレーナーじゃないから、その日はやっと進化したのがうれしくてケーキを買って二人でお祝いした。

     ポケモンの顔をケーキに描いてくれる特別サービスをしているケーキ屋さんで買った、ミルホッグの顔のケーキだ。ポケモンフードも高いものに好物のモモンの実をブレンドしたスペシャルメニューだ。甘いものが大好きな俺のミネズミ改めミルホッグは、そこだけは進化前とかわらない表情でもひもひとケーキとポケモンフードを喰っていた。ミルホッグが元気だと俺も嬉しい。

     だがミネズミがミルホッグに進化してから数日くらい経った後。俺はなぜか落ち着かない気分になり始めた。進化して容姿が変わったのが嫌なわけじゃない。でなきゃお祝いなんかしない。人によっては姿が変わるのが嫌で進化キャンセルをさせ続けたり、かわらずのいしという特別な道具を持たせて育てたりするそうだけど、俺はそういうタイプのトレーナーじゃない。

     単に見慣れた姿が変わったから、嫌なわけじゃないけど戸惑ってるのかとも思った。確かに朝起きて、ミネズミの倍くらいあるあの姿がオハヨーと(いう意味合いの声で)鳴いているのを見ると未だにちょっとビックリするけど、またそれとも違う感じだ。大体姿が変わっても中身が変わるわけでもないし。相変わらず甘いものが大好きで、いつも陽気で楽しそうだ。

     だけど俺は頭の中の引っかかりを取り払えないでいた。うまそうにモモンの実を食っているミルホッグをじっと観察して、違和感の正体を探ってみる。何かと姿がダブって見える気がした。だが何かはわからない。でも引っかかりの正体の手がかりは掴めた。俺はミルホッグに似た何かを見たことがあるのだ。デジャヴというやつだ。だがそれが何なのかはわからない。

     俺はふと頭に浮かんだメロディーがなんなのか思い出せなくてずっと考え込むような面倒くさいタイプの人間だ。だからミルホッグが何と重なるのか、ずっと考え込んでいた。友達にも心当たりを聞いてみた。知らないと素っ気なく返された。

     俺は悩んだ。このくだらない悩みを聞けば、ピッピだって指を振らずに俺を指さして笑うだろう。だが気になるものは気になるのだ。ちなみにそれはそれとしてミルホッグとの関係は良好だ。朝部屋で俺が目を覚ますと俺の枕元でオハヨーと鳴いて、ポケモンフードに添えられたモモンの実(いそがしい日や疲れている時は混ぜずにそのままフードと一緒にモモンの実を出しているのだ)を喜んで食っている。

     だけど俺は相変わらず悩んでいた。ミルホッグと一緒に飯を食うときもバトルをするときも、一人でトイレできばっているときも、前を歩いているミルホッグの長いしっぽをサワサワしてセクハラしているときも。余談だがミルホッグは♂で俺はそっちの趣味はない。

     そのうち諦めた俺はネットで動画を漁っていた。あは〜んなエッチな動画じゃなくて、音楽やポケモンのかわいい動画目当てだ。ピジョットがケガをして飛べないエモンガを乗せて空の旅をしている心温まる動画を見て一息ついた後、脇にある関連動画が目に入った。こんな動画を見てる人はこういう動画も見ていますよ、というやつである。俺は何も考えずにそのうちの一つをクリックした。

     そして、俺の数十年間(注・体感時間。実際は一週間くらい)の疑問は崩れ落ちた。俺はイスを蹴飛ばし、ミルホッグのいるリビングに向かってドタドタと走った。

     ミルホッグはテレビを見ていた。オーキド博士が川柳を詠んでいるが今はそんなことどうでもいい。俺はテレビを遮るようにミルホッグの前に座って、そのミネズミのころからプクプクしているほっぺをつかみ前後にゆさゆさ揺すって、叫んだ。

    「お前バッグ●バニーじゃん!!! 体型とかほっぺがバック●バニーにそっくりなんじゃん!! どったのせんせーって言って見ろよ、なあ!!」

     もちろんミルホッグが吹き替えのキャラクターのように人間の言葉を話せるわけがない。なんのこっちゃという顔をしているミルホッグの代わりに、つけっぱなしの部屋のパソコンからどったのせんせーという音声が聞こえてきた。テレビでは「ミルホッグ 見る見るホット ドッグ食う」
    とオーキド博士が川柳を詠んでいた。

     ところで友人にこのことを長年の疑問が解決されたさわやかな笑顔で話したら「似てねーし」と一蹴された。いや似てるじゃん! 体型とかほっぺ以外にも雰囲気とか前歯とか!! ミルホッグにはバッグ●バニーそっくり記念に水を入れたコップに入れて冷蔵庫で一晩寝かせたにんじんをあげた。エグみのとれたにんじんを、ミルホッグは何のこっちゃという顔でかじっていた。



     あの世界にバッグ●バニーのアニメとかあるのか知らないけど、初代ポケモンでもポチっとなとか言ってるからいいかなと思って書きました。作中の猫可愛がりは言いがかりをつけたミルホッグへのお詫びのつもりです。

    ミルホッグににんじんあげた (画像サイズ: 300×360 19kB)

      [No.2992] 8月10日コミックマーケット出展のお知らせ 投稿者:No.017   《URL》   投稿日:2013/07/17(Wed) 20:01:33     127clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
    タグ:告知】 【カゲボウズ】 【夏コミ
    8月10日コミックマーケット出展のお知らせ (画像サイズ: 600×858 272kB)

    8月10日(土)、コミックマーケットに出展します。
    何事もなければカゲボウズシリーズ新刊が置いてある予定です。

    ●スペース
    東地区“ス”ブロック−36a「ピジョンエクスプレス」

    ●頒布物

    カゲボウズシリーズ
    (1)赤い花と黒い影
    (2)霊鳥の左目、霊鳥の右目
    (3)鳥替え神事 (新刊)

    イラスト集
    A LOT OF ピジョン 〜ぴじょんがいっぱい〜

    その他、委託があるかもしれません。


    尚、近くの東“ス”−38b ではフミんさんが出展されています。
    ぜひこちらにもお立ち寄り下さい。


      [No.2710] Re: マサポケノベラーさんへ77の質問 投稿者:あゆみ   投稿日:2012/11/04(Sun) 13:46:16     69clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    こんにちは。最近顔出しが少なくなっている気がしますが気にしないでくださいませ(えっ
    それでは答えさせていただきます。

    ■あばうと みー■ 

    > ●1.My name is ○○○. まずは名前を教えてください。
    そのまんま、「あゆみ」です。

    > ●2.↑とは言いましたが、実は×××とも名乗ってるんです…… HN複数持ってます?またそのHNは?
    ポケモンレンジャー・光の軌跡の通信協力ミッションのときは主人公につけた「まどか」の名前で呼ばれていました。縁でBW1の主人公はブラックであゆみ、ホワイトでまどかにしました。

    > ●3.年齢・性別・生息地などなど。あなたの正体プリーズ。勿論言える範囲だけでOK。
    HNが女っぽい名前ですが、正体は男です。カントー地方、東京をヤマブキシティに当てはめるとハナダシティ近郊の在住です。

    > ●4.オールジャンルで(※全てにおいて)好きなもの。
    やっぱりポケモンでしょうか。

    > ●5.オールジャンルで嫌いなもの。
    これを語ると荒れる原因にもなりかねないですので・・・。

    > ●6.あなたの性格。自覚している長所や短所……
    腰を据えてじっくりと取り組むが、ブチ切れたら手がつけられないらしい・・・

    > ●7.あなたを一言で表すと? 日本語でも英語でもスワヒリ語でもおっけー。
    ごく普通の人?えっスワヒリ語?

    > ●8.あなたの職業は? 真面目に答えてもボケてもいいですよw
    学生、と言っていいのでしょうか?

    > ●9.学校の教科で得意科目と苦手科目を一個づつ上げるとしたら?
    1つに絞るとすれば、得意科目は英語、苦手科目は体育です。

    > ●10.持ってる資格とか賞罰。何でもいいから書いてみると……
    聞かないでくれ・・・(えっ


    ■インターネットライフ■

    > ●11.インターネット歴。いつからだったかなぁ……今何年になるかなぁ……
    かれこれ15年以上になります。

    > ●12.自分専用のパソコンって持ってます?
    ありますが、古すぎてネットにも繋いでいないです。しかもシークエラーを起こして壊れました(えっ

    > ●13.ネットで便利だと思うこと。不便だと思うこと。
    多くの情報を得ることができる反面、情報が多すぎて見極めるのが難しい、と言うこともあるかと思います。

    > ●14.お気に入りのサイト、教えてくださいw
    昔はよく足を運んでいた情報サイトがありましたが、無期限更新停止となって3年弱、現在はここといくつかの小説サイトが主です。

    > ●15.自分のホームページ、pixivアカウント、twitterアカウント等ありますか? 良かったらここでCMタイム。無論ジャンル問わず。
    いずれもないですね・・・。


    ■ポケモンライフ■

    > ●16.ポケモン歴は何年? また、ポケモンにはまった原因って何?
    16年です。最初はそれとなく触ってみて、「自分でポケモンを育てていく」というのにはまりました(何

    > ●17.あなたの持っているポケモンソフトを教えて!
    赤・緑からブラック2・ホワイト2まで、本編は全部。派生作品もポケスタに始まって、ポケダン(時・空)、レンジャー全作、コロシアム、XD、ポケナガ、ARサーチャーと幅広く揃えています。
    今月発売のポケダン最新作も予約済みです。

    > ●18.こいつが俺のパーティだ! ゲームでのベストメンバー、教えてください。私はこんなコダワリを持ってパーティを選んでいます。なんてのもあったら。
    ミュウツー、ホワイトキュレム、ラティオス、ホウオウ、メタグロス、バンギラス・・・、ってこれでは伝説厨ですね(爆笑

    > ●19.アニメ見てるかー? ポケスペ読んでるかー? ポケモンカードやってるかー?
    アニメは毎週見ています。ポケモンカードはそこそこ集めていてそれなりのデッキも作ってはいますが、なかなか勝てないのが現状です(おい
    ポケスペは4巻までは揃えましたが・・・。

    > ●20.一番好きなポケモン! どうしても絞りきれなかったら複数回答も可。
    一番好きなのはやはりピカチュウです。サトシと15年以上も共に旅をするその姿はポケモンの象徴なのではないでしょうか。

    > ●21.一番好きなトレーナー! ゲームでもアニメでもポケスペでも……
    1人に絞るとすると、アニメのサトシなのでしょうか?

    > ●22.一番好きな、技? アイテム? 属性? シリーズ? ……何かある?
    どうでしょうね・・・。こころのしずく?(えっ

    > ●23.20、21、22で答えた中から好きなお題を1つ、全力をあげて語り倒してください。惚気OK。親馬鹿OK。妄想暴走勿論OK。
    こころのしずく。映画では超ネタバレですのであえて伏せさせていただきますが(えっ)、ゲームではラティアスとラティオスの能力を上げることのできる道具。そのため公式ルールでは効果を発揮しないor使用禁止ということもままありますが・・・
    (管理人様、番号がずれておりましたので、当方で少々修正させていただきました)

    > ●24.ポケモンファンの聖地、ポケモンセンター。行ったことある?
    関東在住と言う関係から東京・横浜が多いです。
    東京は日本橋時代は10回ほど、浜松町移転後は最近ではほぼ毎週末足を運んでいます。もはや数え切れないです(おい
    次に多いのが横浜で、リニューアル前を含めて20〜30回ほど。それから大阪に2回、名古屋に1回です。
    いつかは札幌・仙台・福岡にも足を運びたいですが・・・。

    > ●25.主人公の名前=ゲーム中でのあなたの名前は?
    メインロムではこれもそのまんま、「あゆみ」です。サブでは上述の通りホワイト(最初の)を「まどか」とするなど、別の名前を使っています。

    > ●26.あなた自身をポケモンに例えると、何が一番近いですか?
    ・・・。さすがにピカチュウでは無理がありすぎますね(爆

    > ●27.突然ですが、あなたはポケモンワールドのトレーナーだとします。名前、出身、手持ち、職業etc……「あなた」の設定を、参加型キャラメイキングの要領で。
    名前は男なら「アスカ」、女なら「アユミ」。アスカは元来女性名、かつ現在執筆中の作品にも「ポケモンレンジャーのアスカ」と言う女性キャラが登場しますが男性名でもふさわしいだろうと思いますので。片仮名にしたのはポケモンの世界に合わせたためです。
    (以下、共通)カントー地方ハナダシティ出身。手持ちは最初のポケモンとしてオーキド博士にもらったフシギダネ、職業は未来のポケモンマスターを目指すポケモントレーナー、・・・としたらあまりにオーソドックスすぎますが(えっ


    > ■ポケモン小説書きライフ■

    > ●28.なぜポケモン小説を書こうと思った? きっかけになった作品とかあります?
    アドバンスジェネレーション(AG)109話(話数はかつてお世話になっていた情報サイト様で調べてきました)、マサトが病気のラルトスを看病して、最後に「約束よ、必ず私を迎えに来てね」と言って別れたお話を見て、いつかこのお話の続きができればと思っていました。
    そして、マサポケ様をはじめとした小説サイトを拝見、こうしたお話を書くことができればと思って書き始めた次第です。

    > ●29.連載派? 短編派?
    今のところ連載一本ですが、できればいろいろと短編も書いてみたいものですね。

    > ●30.公式のキャラクターは小説に出すほう? それともオリトレ派? ポケモンのみ?
    元がアニメの続きなので公式のキャラも登場します(ex:ジムリーダー・四天王)、オリトレも適宜加えています。

    > ●31.あなたが今書いている小説。ズバリタイトルは!!
    ずばり(失笑)『Our Future 〜3 years after〜』です。
    後は金銀リメイクと私の実体験を元にした『金銀恋唄』と言う短編も執筆しました。

    > ●32.↑のあらすじ・特徴的なところ、ウリ等をどうぞ。
    マサトがサトシ達と一緒に旅をしてから3年。10歳となり、ポケモントレーナーとなったマサトは、あの日の約束を果たすためイザベ島に赴いた。
    ラルトスとの再会、旅に加わる新たな仲間、そして行く先々で出会う数々のポケモン達。
    マサト達の旅は、ナナシマからジョウト地方に、そしてさらなる冒険が待っている!
    ・・・と言う感じですがいいのでしょうか(汗

    > ●33.あなたの小説の中で、あなた自身が一番気に入ってるキャラは? どんな所が気に入ってる?
    現在の作品の主人公であるマサトでしょうか。アニメのサトシの立場に当てはめてしまうため主観が入りがちですが(おい)、サトシの背中を見てポケモントレーナーとしての知識を深めた後、ポケモントレーナー、そしてポケモンコーディネーターとして、夢に向かって成長していく姿を描写できればと思っています。

    > ●34.あなたが今まで書いた小説の中で一番気に入っている話はどの作品? どのエピソード?
    >  よかったらその部分、見せて欲しいなぁ……。

    ミキ「マサト君、コトミちゃん。あたしも、一緒にジョウトを回らせてもらえないかなぁ?」
    マサト「えっ?」
    コトミ「ミキさんが・・・?」
    ミキ「うん。あたし、マサト君とフルバトルして思ったの。マサト君とコトミちゃん、これからポケモンリーグにポケモンコンテストと、いろんなことを経験してもっと強くなっていく。だから、あなた達が成長して、あたしも一緒に成長できたらいいなぁって思ったの。一緒に行きましょう!ね!」
    マサト「本当ですか?」
    コトミ「いいんですか?」
    ミキ「うん!」
    ミキは大きくうなずいた。
    マサト「はい!」
    コトミ「よろしくお願いします!」
    ミキ「ありがとう!」
    マサト「僕、ミキさんにもっといろんなことを教わりたいです!」
    コトミ「あたしも、ミキさんみたいな方が一緒にいてくれると、心強いです!」
    ミキ「そんな、言ってくれると嬉しいわ!ありがとう!」

    Chapter-43、ミキがジョウト地方におけるマサトとコトミの旅に同行することになった場面です。
    マサトとコトミの旅を通して、ミキがどう成長していくのかもジョウト編のテーマにあげたつもりです。

    > ●35.オレの小説、何はなくともコレだけは頑張ってるぜ! ってのを最低でも一つ。
    やはりアニメの続きと言うことでどうしてもマサトとサトシが対比されがちですが、そう言ったことも踏まえつつ執筆しているつもりです。

    > ●36.逆に、ここんとこ何とかしたいな……これからの課題だ、ってのも一つだけ。
    元々は小説サイトではなく先に挙げた情報サイト様の掲示板で「アニメのオリジナルストーリー」と言う形で執筆していたものです。従って「台本形式」という形から本編が未だに脱却できずにいます。(このことはサイドストーリー執筆のときに管理人様からもアドバイスを受けました。)
    ジョウト編までは現行の台本形式のまま続けたいとは思いますが、その続きは一般の小説形式にしようと思っています。既にサイドストーリーの執筆スタイルは管理人様からのアドバイスを受けて小説形式に変更しています。

    > ●37.小説に出すキャラ(ポケモンも含)の名前、どんな感じでつけます? 例もあげて教えてくれたら嬉しいなぁw
    キャラクターは語感を考えてつけたケース(ex:ジョウトリーグ四天王→カントーリーグチャンピオンのルリカ)もあれば、ゲームの主人公につけた名前から由来したケース(ex:ジョウトにおけるライバルのマドカ)もあります。
    ポケモンのニックネームはネタに走ったケース(ex:マナミのメタグロスのニックネームが『リアじゅう』)もありますが(何

    > ●38.ついでだから小説のタイトルの由来や、副題(あれば)のつけ方も教えてもらおう。
    タイトルはアニメの3年後であることと「未来を自分たちの手で切り開く」という意味合いから来ています。
    サブタイトルは元々がオリジナルストーリーとして展開していただけにアニメ風のネーミングになってしまっていますが・・・。

    > ●39.インスピレーションキタ━━━━━(゜∀゜)━━━━━!! アイディアが湧いてくるのはどんな時?
    ゲームやアニメなどを見て参考になるものがあればそのままアイディアとして使っています。
    ナナシマ編におけるネイス神殿はまんまラ○ュタネタですが・・・(えっ

    > ●40.あなたの小説主人公は、実はあなた自身の鏡? それともどっちかというと、憧れの姿??
    マサトがアニメ由来なのでアニメのイメージを崩すことができないですが(おい)、それでも自分自身のあるべき姿を重ね合わせているかもしれないですね。

    > ●41.小説中にバトル描写って出すほう?
    表現に差し障りのない範囲、すなわちアニメチックになってしまいますが、文章だけで表現しています。ですが小説形式で書くとなるとこれも悩みどころですね・・・。

    > ●42.小説の中の性的描写、死ネタ、殺しネタ。あなたの意見を述べてください。
    私はとてもそうしたネタを書くことができないもので(R指定ネタは苦手です、はい。)、なるべくマイルドな表現に抑えたいと考えています。そう言う点では台本形式は一文で済ますことができるのに対して、小説形式だとリアルな描写が求められると言うことから悩ましいところではあります。

    > ●43.小説の中のやおいネタ、百合ネタ。あなたの以下同文。(意味が分からない人はパスOK)
    よく分かりません。パスさせていただきます。

    > ●44.小説の中のオリジナル地方、オリジナル技、オリジナルポケ。あな以下同文。
    元々アニメを題材にしていますので、極力アニメ・ゲームの設定に合わせていますが、カントーリーグとジョウトリーグの設定は少々メスを入れてオリジナル四天王を加えさせていただきました。
    後は個人的なある理由からあるポケモンを欠番として、それに代えてオリポケ2種を登場させていただきました。このオリポケを出しているのが現在ロングストーリーズ版で執筆している(と言っても停滞していますが・・・)エクストラエピソードです。ですがオリポケは認めないところが多く、現在本編を先行投稿している別のサイト様ではオリポケの使用が禁止されていることになっています。
    エクストラエピソードは現段階ではマサポケでの公開のみになるのでしょうか。(自分でサイトを持てば話は別か・・・)

    > ●45.打ち切り……
    最近諸事情でなかなか筆が進みませんが、打ち切りは考えておりませんのでご安心を。

    > ●46.アイディアが全然湧かない!!? どうしよう……。スランプと、その脱出法について一通り。
    私の場合は気ままな電車旅行(えっ)でもして気を紛らわしています。

    > ●47.後の展開に繋がる伏線を結構張る方だと思う。
    はい、伏線張りまくりです。で、後で上手く回収できずに困ってしまいm(強制終了

    > ●48.ぶっちゃけた話、やっぱり年齢が高いほど上手い文章が書ける?
    それはないのではないでしょうか。年を経ていなくても上手な文章は書けると思います。それは人の個性なのではないでしょうか?

    > ●49.この人の本が出たら絶対読む! この人の影響を受けている! 好きなプロ作家さん・同人作家さんっています? 愛読書でも可。
    以前、小松左京さんの『日本沈没』を読んでその描写に衝撃を受けた覚えがあります。阪神・淡路大震災や東日本大震災と幾たびも震災を経験した日本ですが、最初の対応が出遅れていると言うことに警鐘を鳴らしていたのではないでしょうか。
    そう言えば、もう一周忌が過ぎたのですね・・・。

    > ●50.同人とかサークルってやってますか? 自分の本って出したい?
    やっていないですが、もし出来るのであれば本にして出してみたいという気持ちは(ごくわずかですが)あります。

    > ●51.語彙(ゴイ、使える単語量)ってどうやって増やします?
    いろいろな経験を積み重ねていけば自然と増えていくのではないでしょうか。ですが語彙が少ないとまとまった文章が書けないかと言えば、それは違うと思います。

    > ●52.ムラムラと執筆意欲が湧いてくる……のはこんな時!
    これまで書いてきた作品に目を通してみたとき、でしょうか。

    > ●53.ポケモン以外の小説、書いたことありますか?
    あまりないですね・・・。

    > ●54.小説を書く者として、一番大事だと思うもの。
    立派な作品を書いたところでただの自己満足に終わっていたら、それは作品としての本質がないと思う。読み手が「読んでよかった」と満足できる小説を書いてこそ、本当に評価されるのだろう。
    ・・・と言っていますが、自己満足に終わりそうな作品になりつつある予感が・・・(だから何

    > ●55.他のポケモン小説書きさんの小説で、好きな作品を好きなだけ上げてください。
    うーむ・・・。強いてあげれば久方小風夜さんの『Restart←:→Start▼』でしょうか(参考URL:http://www.geocities.jp/hisakata_so_ya/library/another/restart.htm)。旧マサポケ時代、この作品を読んだことが金銀恋唄を書くきっかけになりました(失礼な

    > ●56.他のポケモン小説書きさんの小説登場人物で、好きなキャラっています? 誰ですか?
    えーっと・・・。強いてあげれば、他サイト様(本編を先行投稿しているサイトです)ですみませんがガーネットさんの『夜明けの月-ポケモンレンジャーバトナージ-』(参考URL:
    http://pokemon.sorakaze.info/shows/index/14/)に登場する「アカツキ」と「ヒトミ」でしょうか。

    > ●57.密かにライバルだと思っているポケモン小説書きさんはあの人だ! 最低一人は上げてくださいねw
    何を隠そう、このマサポケ様の管理人、No.017さん!(ご無礼申し上げます
    後は当マサポケ様や先行投稿のサイト様にいらっしゃる皆様方、いや、下手すれば全員がライバルなのではないでしょうか(ええっ

    > ●58.そういや今更だけど、ポケモン小説書き歴は○○年です。○○歳からです。
    現在のお話を書き始めたのは2008年4月、かれこれ4年半以上になります。これでも当時22歳でした。

    > ●59.ポケモン小説書きをやっていて嬉しかった事、辛かった事を一つずつ。
    嬉しかったこと:旧情報サイト様の掲示板時代でしたが、閲覧してくださった方から「映画で見てみたい」と言う評価を受けたことでした。
    辛かったこと:旧マサポケに移って間もなく、どこかの掲示板で辛辣な評価を下されたことです。
    ですが、いずれにしましても読み手の姿勢1つでいい印象、悪い印象、両方に転ぶ可能性があると言うこと。それでくじけてはいけないのではないのでしょうか。

    > ●60.何だかんだ言っても、自分の小説に誰よりハマッているのは自分自身だと思う……
    あり得ます(えっ)。

    > ●61.長く険しい人生。いつまでポケモン小説を書いていようかな……
    ポケモンが続く限り書き続けられるのではないでしょうか。
     
    > ●62.これからポケモン小説を書く方にアドバイスがあれば。
    初めて書くときは物怖じするかもしれませんが、一呼吸置いて思いを巡らしてみれば、意外とすぐ近くにヒントが転がっていると思います。そうした何でもないきっかけが、新しい扉を開くきっかけになるのではないでしょうか。



    > ■おぷしょん1〜マサポケについて〜■

    > ●63.いつ頃この『マサラのポケモン図書館』に辿り着きましたか?
    2009年12月半ば、上述の情報サイト様が12月末で掲示板を閉鎖、無期限更新停止と発表されたため、お話の続きをそのサイト様で書くことが出来なくなってしまいました。その後、当時の本棚に本作を収めることになったのが由来です。

    > ●64.『ほびぃすてぇしょん』『おきらく ごくらく』『旧・マサポケ』……何の事だか分かります?
    一番後ろはちょうど私がたどり着いた頃のマサポケでしたね。今先行公開している別のサイト様は、ちょうどマサポケの管理人が交代するときのてんやわんやのときにもしものことも考えて足を運んだものです。
    後の2つはその昔のサイト様なのでしょうが、その頃は私も存在自体知りませんでした。

    > ●65.リアルタイムの親善空間・チャット。行きます? どれくらいの頻度で?
    行ったことないですね・・・。のぞいたことはあるのですが、誰も参加していないというオチでした(何

    > ●66. 小説コンテスト出た事あります? 出てみたい?
    出たことはないですが、興味があれば参加してみたいものです。ですが私の文章ではどこまで皆様に太刀打ちできることやら・・・

    > ●67. ストーリーコンテスト・ベスト他、マサポケの本って持ってる? マサポケで本を出す事になったら参加したい?
    持っていません。ですが、本を出すことになりましたら、お声がかかれば参加したいものです。その場合は小説形式に大幅なリメイクを施すことになりそうですが・・・。

    > ●68.鴨志田さんや鈴木ミカルゲさんの事、どう思う?
    いつもご苦労様です。いつか私がツイッターのアカウントを取得した折には是非フォローを差し上げたいものです(待

    > ●69.我らがマサポケ管理人、No.017さんに一言贈ってください。
    いつも管理ご苦労様です。これから寒くなるかと思いますので、体調管理にはくれぐれも気をつけてくださいませ。
    これからもますますのご活躍をお祈り申し上げております。

    > ●70.これからマサポケではこれが流行る! これを流行らせたい!
    すみません、何を流行らせればよろしいのでしょうか・・・?(真面目な顔で


    > ■おぷしょん2〜どうでもいいこととか〜■

    > ●71.学校好きですか?(学生でない方は、好きでしたか?)
    まあそれなりに(えっ

    > ●72.ポケモン以外で好きなジャンル、アニメ・漫画・ゲーム。あります? 何ですか?
    ポケモン以外では、FFやドラクエ、デジモンなどです。

    > ●73.音楽って聴きます? 好きなアーティストとかジャンルをお一つ。
    あまり好きなアーティストやジャンルはないのですが、金銀恋唄を書いたときはリアルに青葉城恋唄を流して書いていました(何
    今の世代、青葉城恋唄と言われてもぴんと来ない方が多いかと思いますが・・・(さとう宗幸さんに謝れ

    > ●74.ジブリの名作「となりのトトロ」の主人公って誰だと思います?
    ねこバス??

    > ●75.ここでお約束、あなたの恋愛話v 言えるところまで言ってみよう!
    聞かないでくれ・・・(どこのタケシだ

    > ●76.♪なりたいな ならなくちゃ 絶対なってやる〜…… 将来の夢は? 恥ずかしがらなくていいですよw
    先の東日本大震災、とりわけ被災3県である岩手・宮城・福島では多くの心の傷を抱えた人がいらっしゃると思います。さらに福島では今も続く原発事故の影響があり、避難している方は数多くいらっしゃるのです。将来はそうした方達の支えになる仕事が出来ればと思っています。

    > ●77.さぁ、最後です。……邪魔するものは何も無い。今の想いを込め、好きなことを叫べ!!
    ポケモン、ゲットだぜーっ!(おいこら


      [No.2706] Re: マサポケノベラーさんへ77の質問(2012年版)ちょっと修正 投稿者:リング   投稿日:2012/11/03(Sat) 22:24:14     71clap [■この記事に拍手する] [Tweet]


    > ■あばうと みー■ 
    >
    > ●1.My name is ○○○. まずは名前を教えてください。
    リング

    > ●2.↑とは言いましたが、実は×××とも名乗ってるんです…… HN複数持ってます?またそのHNは?
    特にないかな

    > ●3.年齢・性別・生息地などなど。あなたの正体プリーズ。勿論言える範囲だけでOK。
    23歳 男 千葉県

    > ●4.オールジャンルで(※全てにおいて)好きなもの。
    美食……というほどのものでもないけれど、週に一回は美味しいものを食べるようにしている

    > ●5.オールジャンルで嫌いなもの。
    理不尽な出来事ですね。犯罪者が軽い罪で裁かれると、犯人も反省しないから、いつか自分の身に犯罪が降りかかるんじゃないかと思っちゃう。

    > ●6.あなたの性格。自覚している長所や短所……
    長所はおおらかなところ。短所は大雑把なところ

    > ●7.あなたを一言で表すと? 日本語でも英語でもスワヒリ語でもおっけー。
    あっけらかん


    > ●8.あなたの職業は? 真面目に答えてもボケてもいいですよw
    サラリーマン

    > ●9.学校の教科で得意科目と苦手科目を一個づつ上げるとしたら?
    得意は国語かな
    苦手は……歴史かも

    > ●10.持ってる資格とか賞罰。何でもいいから書いてみると……
    一応、弓道弐段

    > ■インターネットライフ■

    > ●11.インターネット歴。いつからだったかなぁ……今何年になるかなぁ……
    もう7年位前かな
    > ●12.自分専用のパソコンって持ってます?
    持っている。ノートだけれど

    > ●13.ネットで便利だと思うこと。不便だと思うこと。
    情報の送受信が楽
    その分、会いたいけれど会えない人が増えていくジレンマががが
    > ●14.お気に入りのサイト、教えてくださいw
    ポケモン小説wiki。ただ、18歳未満は入っちゃダメなので、貼れない

    > ●15.自分のホームページ、pixivアカウント、twitterアカウント等ありますか? 良かったらここでCMタイム。無論ジャンル問わず。
    ツイッター; https://twitter.com/ring_chatot

    ピクシヴでは細々と小説や絵を描いている

    > ■ポケモンライフ■
    >
    > ●16.ポケモン歴は何年? また、ポケモンにはまった原因って何?
    検索してはいけない言葉こと、イーブイスタジオのせい。その後探検隊をプレイしたことで本格的にはまる。
    > ●17.あなたの持っているポケモンソフトを教えて!
    Pt HG 救助隊青 探検隊時・空 レンジャーバトナージ BW BW2


    > ●18.こいつが俺のパーティだ! ゲームでのベストメンバー、教えてください。私はこんなコダワリを持ってパーティを選んでいます。なんてのもあったら。
    特にこだわりも持たずにパーティーを組んでいるけれど、スイクンとリングマのコンビはよく使う。

    > ●19.アニメ見てるかー? ポケスペ読んでるかー? ポケモンカードやってるかー?
    テレビがないからアニメ見ていない……でも、映画は見ている
    カードと漫画もノータッチ
    > ●20.一番好きなポケモン! どうしても絞りきれなかったら複数回答も可。
    ダークライたん

    > ●21.一番好きなトレーナー! ゲームでもアニメでもポケスペでも……
    シンジ君かな。あの子がどう成長するのか楽しみ

    > ●22.一番好きな、技? アイテム? 属性? シリーズ? ……何かある?
    好きな技は恩返し。小説での使用率がナンバーワン

    > ●23.21、22、23で答えた中から好きなお題を1つ、全力をあげて語り倒してください。惚気OK。親馬鹿OK。妄想暴走勿論OK。

    恩返しの使用率が高い理由……それは、恩返しは型にとらわれない技だからである。自分を育ててくれた親、師匠、兄妹などへの恩に報いるため、倣った事をフルに発揮する……それすなわち恩返しなり!!
    そのため、関節技とか首締めとか、そういう技はすべて恩返し扱いなんです。ゴーストタイプにも当たっているが気にしちゃいけない。

    > ●24.ポケモンファンの聖地、ポケモンセンター。行ったことある?
    トウキョウ トウホク ヨコハマに行った事があります
    > ●25.主人公の名前=ゲーム中でのあなたの名前は?
    毎回変わる。
    Ptではリング
    BWではナナカトルとローラ
    BW2ではコハクヌシともういいよ

    > ●26.あなた自身をポケモンに例えると、何が一番近いですか?
    陽気コジョンド

    > ●27.突然ですが、あなたはポケモンワールドのトレーナーだとします。名前、出身、手持ち、職業etc……「あなた」の設定を、参加型キャラメイキングの要領で。

    名前:リング 出身:カントー 手持ち:ゾロアーク 職業:ビジネスマン 特徴:変態

    > ■ポケモン小説書きライフ■
    >
    > ●28.なぜポケモン小説を書こうと思った? きっかけになった作品とかあります?
     昔は地球防衛軍の二次創作だったけれど、ポケモンにはまったので

    > ●29.連載派? 短編派?
    連載派だけれど、短編も出来ないわけじゃないよ

    > ●30.公式のキャラクターは小説に出すほう? それともオリトレ派? ポケモンのみ?
    公式キャラクターはたまに出す。オリトレの実力によっては互角の戦いだったり、かませになったりもする。

    > ●31.あなたが今書いている小説。ズバリタイトルは!!
    BCローテーションバトル奮闘記

    > ●32.↑のあらすじ・特徴的なところ、ウリ等をどうぞ。
    小学5年生の男女二人が、ローテーションバトル大会での商品、ビリジオン捕獲権をえるために奮闘する物語。
    主人公が三人ほど殺したり、ヒロインの姉が異種恋愛をしだしたりと問題作
    > ●33.あなたの小説の中で、あなた自身が一番気に入ってるキャラは? どんな所が気に入ってる?
    ここには投稿していない作品『テオナナカトル』に登場した、セイス=シープソン→ナナ=シェパード→ナナ=ロースティアリさん

    普通の女性から魔女になる際に改名、結婚してまた改名したゾロアークの女性
    自身が信仰していた神を信じられなくなり、魔女となることで改宗。その後、主人公と出会って恋に落ち、結ばれ他のだけれど……色んな所で一途なところが好きなところ。


    > ●34.あなたが今まで書いた小説の中で一番気に入っている話はどの作品? どのエピソード?
    >  よかったらその部分、見せて欲しいなぁ……。
    ポケダン探検隊の二次創作、時渡りの英雄にてコリン=ジュプトルがアグニ=ヒコザルと語り合うシーンの全般。ここでは公開していないけれど、この二人中が良すぎていっそのことキス位させてあげたかった(男同士)。
    特に、幻の大地での語らいが好き。

    > ●35.オレの小説、何はなくともコレだけは頑張ってるぜ! ってのを最低でも一つ。
    戦闘描写、文化描写、矛盾を作らないこと

    > ●36.逆に、ここんとこ何とかしたいな……これからの課題だ、ってのも一つだけ。
    誤字

    > ●37.小説に出すキャラ(ポケモンも含)の名前、どんな感じでつけます? 例もあげて教えてくれたら嬉しいなぁw
    親やトレーナーのネーミングセンスや名付けの慣習が重要になる。
    上で例にあげたアグニ君はヒンドゥーの神なので、父親の名前は同じくヒンドゥーの神のヴィシュヌだったり。
    BCローテーションバトル奮闘記では、主人公のポケモンは名前のどこかに数字が入るとか。

    > ●38.ついでだから小説のタイトルの由来や、副題(あれば)のつけ方も教えてもらおう。
    直感でつけてる

    > ●39.インスピレーションキタ━━━━━(゜∀゜)━━━━━!! アイディアが湧いてくるのはどんな時?
    大抵、仕事中
    > ●40.あなたの小説主人公は、実はあなた自身の鏡? それともどっちかというと、憧れの姿??
    大体が、鏡のような部分もあるし憧れの部分もある。

    > ●41.小説中にバトル描写って出すほう?
    出す。そして全部が全部『これは酷い』
    > ●42.小説の中の性的描写、死ネタ、殺しネタ。あなたの意見を述べてください。
    全部自分が書いているので、それ自体に嫌悪感はない。ただし、節度は守るべきだし、エロのためのエロや、殺しのための殺しは物語が安っぽくなると思う

    あと、マサポケにはR-18を投稿する勇気がない……

    > ●43.小説の中のやおいネタ、百合ネタ。あなたの以下同文。(意味が分からない人はパスOK)
    百合には挑戦したことがないのでしたいのだが、出来ない……もっと頑張らなきゃ。

    > ●44.小説の中のオリジナル地方、オリジナル技、オリジナルポケ。あな以下同文。
    地方はまったく問題ない
    オリジナルポケモンは流石にダメだけれど……技もほどほどならいいんじゃないかな。ただ、馬鹿みたいに性能の高い技や、名前だけで描写の伴わない技を書く人は、半年ROMれといいたい
    > ●45.打ち切り……
    黒歴史です……今は黒歴史にならないように、完成が見えてから投稿しています

    > ●46.アイディアが全然湧かない!!? どうしよう……。スランプと、その脱出法について一通り。
    他の作品に手をつけて息抜き。絵師が落書きで息抜きをするのと同じです

    > ●47.後の展開に繋がる伏線を結構張る方だと思う。
    張る。あと、まだ投稿していなければ過去に逆上って貼ることがある
    > ●48.ぶっちゃけた話、やっぱり年齢が高いほど上手い文章が書ける?
    その傾向はあるけれど、ある程度で頭打ちにはなると思う。しかし、社会の描写とか、死生観に関しては年齢によっても色々変わるんじゃないだろうか

    > ●49.この人の本が出たら絶対読む! この人の影響を受けている! 好きなプロ作家さん・同人作家さんっています? 愛読書でも可。
    上橋菜穂子さん。守り人シリーズは私の原点です

    > ●50.同人とかサークルってやってますか? 自分の本って出したい?
    いつかは自分の本も出したいけれど……まだそのための作品がね

    > ●51.語彙(ゴイ、使える単語量)ってどうやって増やします?
    本を読むのが一番かな

    > ●52.ムラムラと執筆意欲が湧いてくる……のはこんな時!
    アイデアが出たとき
    > ●53.ポケモン以外の小説、書いたことありますか?
    モンハンと地球防衛軍ならば

    > ●54.小説を書く者として、一番大事だと思うもの。
    やる気

    > ●55.他のポケモン小説書きさんの小説で、好きな作品を好きなだけ上げてください。
    クーウィさんの『雪の降る夜』
    某所に生息する三月兎さんの『SOSIA』など
    > ●56.他のポケモン小説書きさんの小説登場人物で、好きなキャラっています? 誰ですか?

    上記。SOSIAのローレル君。ココの人になんのこっちゃですね
    > ●57.密かにライバルだと思っているポケモン小説書きさんはあの人だ! 最低一人は上げてくださいねw
    某所に生息する狸吉さん。言葉遊びの巧みさで彼の右にでるものはいないんじゃないかと。

    > ●58.そういや今更だけど、ポケモン小説書き歴は○○年です。○○歳からです。
    5年くらい、18歳からは書いていると思う。少しは成長したかな
    > ●59.ポケモン小説書きをやっていて嬉しかった事、辛かった事を一つずつ。
    いろんな人と触れ合えたこと。何度か企画や大会で1位になれたこと

    > ●60.何だかんだ言っても、自分の小説に誰よりハマッているのは自分自身だと思う……
    うん、自分がこういうのを読みたいと思って書いているからね
    > ●61.長く険しい人生。いつまでポケモン小説を書いていようかな……
    他にこれ以上に打ち込めるものが見つかるまでは

    > ●62.これからポケモン小説を書く方にアドバイスがあれば。
    図鑑設定くらいは読んでおけ

    > ■おぷしょん1〜マサポケについて〜■
    >
    > ●63.いつ頃この『マサラのポケモン図書館』に辿り着きましたか?
    一年ちょっと前に、チャット会に誘われて
    > ●64.『ほびぃすてぇしょん』『おきらく ごくらく』『旧・マサポケ』……何の事だか分かります?
    その頃のことは知らない

    > ●65.リアルタイムの親善空間・チャット。行きます? どれくらいの頻度で?
    たまに行きます。本拠地は毎日ですが

    > ●66. 小説コンテスト出た事あります? 出てみたい?
    でました。意外と私の作品も捨てたもんじゃないのが実感できる
    > ●67. ストーリーコンテスト・ベスト他、マサポケの本って持ってる? マサポケで本を出す事になったら参加したい?

    本は持ってます。参加……したいですね。

    > ●68.鴨志田さんや鈴木ミカルゲさんの事、どう思う?
    正義の味方である私には適わんな!! はっはっは!

    > ●69.我らがマサポケ管理人、No.017さんに一言贈ってください。
    ぴじょんぴょん!!(恋する女性になったら美しくなるかもしれないので、その日を待ってますよ)

    > ●70.これからマサポケではこれが流行る! これを流行らせたい!
    パンチラできるポケモンを……ダークライとかオーベムとか、サーナイトとか
    まぁ、パンツはいてないからチンチラ(ry

    > ■おぷしょん2〜どうでもいいこととか〜■
    >
    > ●71.学校好きですか?(学生でない方は、好きでしたか?)
    嫌いじゃなかった

    > ●72.ポケモン以外で好きなジャンル、アニメ・漫画・ゲーム。あります? 何ですか?
    好きなものといえば、戦国BASARAは結構……ゲームだけですがね

    > ●73.音楽って聴きます? 好きなアーティストとかジャンルをお一つ。
    Do As Infenity ですね。

    > ●74.ジブリの名作「となりのトトロ」の主人公って誰だと思います?
    サツキちゃんかな

    > ●75.ここでお約束、あなたの恋愛話v 言えるところまで言ってみよう!
    恋に恋する乙女です

    > ●76.♪なりたいな ならなくちゃ 絶対なってやる〜…… 将来の夢は? 恥ずかしがらなくていいですよw
    夢なんて……うわぁぁぁぁぁん!!
    > ●77.さぁ、最後です。……邪魔するものは何も無い。今の想いを込め、好きなことを叫べ!!

    ダークたん大好きだぁぁぁぁ!!


      [No.2705] Re: マサポケノベラーさんへ77の質問 投稿者:久方小風夜   《URL》   投稿日:2012/11/03(Sat) 19:46:26     105clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
    タグ:真面目に】 【答える】 【気なんて】 【ないよ】 【!!!】 【少しだけ】 【内容】 【充実】 【させた】 【かも

    77の質問を統廃合したり、今にあったものに改めてみました。

    ■あばうと みー■ 

    >●1.My name is ○○○. まずは名前を教えてください。
    久方小風夜(So−ya・Hisakata)と申します
    「久方」でも「そーや」でも「ゴミ野郎」でもお好きなようにお呼びください

    >●2.↑とは言いましたが、実は×××とも名乗ってるんです…… HN複数持ってます?またそのHNは?
    旧HNはありますが、今は特には
    チャットに久兵衛と名乗って混ざっていたことも何回かはありましたが

    >●3.年齢・性別・生息地などなど。あなたの正体プリーズ。勿論言える範囲だけでOK。
    年齢なんて移ろうものです
    性別なんて飾りです
    生息地は日本の某所

    >●4.オールジャンルで(※全てにおいて)好きなもの。
    まあいろいろあるけど総合すると面白いもの

    >●5.オールジャンルで嫌いなもの。
    まあいろいろあるけど総合すると面白くないもの

    >●6.あなたの性格。自覚している長所や短所……
    クズです。ただのクズです。どクズです

    >●7.あなたを一言で表すと? 日本語でも英語でもスワヒリ語でもおっけー。
    |ω・)

    >●8.あなたの職業は? 真面目に答えてもボケてもいいですよw
    学生のような何かだったような気がする。気がするだけ

    >●9.学校の教科で得意科目と苦手科目を一個づつ上げるとしたら?
    得意:地理 苦手:数学
    エセ理系です。数学滅びろと中学以来ずっと思ってます
    あとついでに英語も爆発すればいい

    >●10.持ってる資格とか賞罰。何でもいいから書いてみると……
    漢数英検は持ってた気がするけど既に錆びきって使い物にならなくなっている



    ■インターネットライフ■

    >●11.インターネット歴。いつからだったかなぁ……今何年になるかなぁ……
    初めての出会いは小学校の4年くらいだったと思う
    小5からパソコン部に入った
    しかし小学校のパソコンではほぼやふーきっずでとべるところのみだったので、まともにネットらしいネットをしたのはパソコンが家にやってきた中1夏ごろから……だったような気がする

    >●12.自分専用のパソコンって持ってます?
    寿命2年と言われるノーパソ(購入時すでに旧型)を酷使し続けて5年になりました
    新しいのが欲しいです切実に

    >●13.ネットで便利だと思うこと。不便だと思うこと。
    便利なのは家の中で大体何でもできること
    困るのはマジで引きこもりになってしまうこと

    >●14.お気に入りのサイト、教えてくださいw
    お気に入りの個人サイトさんたちも、今となっては次々放置・閉鎖されていくなぁ……
    とは思いつつ、自分も個人サイト巡りをやる頻度が下がったので何とも言えない

    >●15.自分のホームページ、pixivアカウント、twitterアカウント等ありますか? 良かったらここでCMタイム。無論ジャンル問わず。
    HPは「サボテン帝国」。上のURLより。管理人が度々失踪する超不定期更新サイト
    ぴくしぶは「久方(356646)」で在籍中。めったに新しいのあげません
    ついったは「久方小風夜(S_Hisakata)」鍵つき垢です



    ■ポケモンライフ■

    >●16.ポケモン歴は何年? また、ポケモンにはまった原因って何?
    初代の頃はゲーム持ってなかったけど、友人と絵を描いたり何だりしてた。この期間も一応ポケモンと触れ合っていたと考えるとポケモン発売当初からである
    友人がやっているのを横目で見て悔しい思いをしていた期間が非常に長いので、この間に蓄積された間違った知識が結構後々まで尾を引きずるのであった
    (例:一部のポケモンのタイプ、岩に電気は効かない、エスパーはゴーストに効果抜群、等)
    初めて手にしたソフトは銀。ただし本体を手に入れたのは更にそのひと月以上後のこと

    >●17.あなたの持っているポケモンソフトを教えて!
    メインソフト全種+北米版Pt+UK版HG、初代ポケスタ、スナップ、ポケパーク、ポケダン赤青時闇空、レンジャーバトナージ光の軌跡、タイピング(白)、ポケナガ、立体図鑑、ARサーチャー
    数え忘れてるのあるかもしれない

    >●18.こいつが俺のパーティだ! ゲームでのベストメンバー、教えてください。私はこんなコダワリを持ってパーティを選んでいます。なんてのもあったら。
    最初の周回は見た目が気に言った奴を適当に
    2週目以降は好きな奴を適当に
    ベストメンバー、ってのはあんまり決まってないし過去のバージョンから連れてくることもないけど、
    カントーでピカチュウ
    ジョウトでメリープとトゲピー
    ホウエンでサーナイト
    辺りはかなりの高確率で入ってるかも。シンオウとイッシュはあんまり偏ってないけど、この辺はあんまり周回プレイをしなくなったからだと思う(データ書きかえるのが面倒になったし)

    >●19.アニメ見てるかー? ポケスペ読んでるかー? ポケモンカードやってるかー?
    アニメは今は年1の映画のみ。無印のタマムシのちょい前くらいからコガネ周辺くらいまでは見てた
    ポケスペは単行本で読んでる
    カードはコレクション目的で集めてたけど色違いのヨマちゃんを手に入れるので色々燃え尽きた

    >●20.一番好きなポケモン! どうしても絞りきれなかったら複数回答も可。
    おk、ヨノワールさんで

    >●21.一番好きなトレーナー! ゲームでもアニメでもポケスペでも……
    一言で自分の厨二心を揺さぶってくれたアカギさん

    >●22.一番好きな、技? アイテム? 属性? シリーズ? ……何かある?
    技はかげうち
    アイテムはモーモーミルク……と思ったけどやっぱり自転車。次点で霊界の布
    属性……タイプってことならゴースト
    シリーズはどれも好きだけど思いで補正込みで金銀水晶。本編以外なら探険隊

    >●23.21、22、23で答えた中から好きなお題を1つ、全力をあげて語り倒してください。惚気OK。親馬鹿OK。妄想暴走勿論OK。
    これ21・22・23じゃなくて20・21・22かな
    とりあえずポケモン世界の自転車は万能すぎるから欲しいマジで割とマジで
    特にホウエンのマッハとダートがどっちも欲しい

    >●24.ポケモンファンの聖地、ポケモンセンター。行ったことある?
    残りがサッポロ、トウホク、ヨコハマ、フクオカ
    普段住んでるところも実家もポケセン遠すぎて悔しい

    >●25.主人公の名前=ゲーム中でのあなたの名前は?
    毎回変えてるけど、とりあえず抜粋すると
    赤緑青はあだ名がレッド・グリーン・ブルーになるのを考えて「レツ」「リン」「フウ」
    ピカ版はポケスペのイエローのパーティー再現をしょっちゅうやってたから「イエロー」
    銀・SSは当時の学年誌(小6)で連載していた某漫画の主人公から取った「ユズキ」
    金・水晶は自キャラ名の「トブヒサ」と「シキミ」
    UK版と並行してやってるHGは「マリー(Mary)」
    藍・翠・LG、紅・FRは自分と一番長い付き合いである自キャラの名前の「シュリ」と「シュン」
    DPtはそれぞれ別作品の自キャラ名の「セツナ」「セレナ」「シドー」
    黒白黒2白2は全部鉱物から「シアン(オブシディアン)」「マイカ」「ハルツ(ハルツバージャイト)」「コマチ(コマチアイト)」

    >●26.あなた自身をポケモンに例えると、何が一番近いですか?
    カビゴン(逆6V)

    >●27.突然ですが、あなたはポケモンワールドのトレーナーだとします。名前、出身、手持ち、職業etc……「あなた」の設定を、参加型キャラメイキングの要領で。
    ひきこもりの ひさかたが しょうぶを しかけて きた と おもったが めんどうなので やめた ▼
    ポケモンは全部ヨマちゃん
    趣味はポケトレ



    ■ポケモン小説書きライフ■

    >●28.なぜポケモン小説を書こうと思った? きっかけになった作品とかあります?
    これがきっかけ! っていう作品は残念ながら思いつかない……
    自分は元々漫画が描きたかった、これは事実
    でもどんなに頑張っても描ききれなくて、でも頭の中で爆発する妄想は整理したくて、気がついたら小説書いてた。別ジャンルだけど
    で、その流れでポケモン熱再燃したからその流れで書いてた
    おかげで今でも物語の構成の大半は、頭の中で漫画のネームみたいなのが出来てそれを文章にしてる

    >●29.連載派? 短編派?
    同じ世界の短編派
    連載も書きたい。昔書いてたけど色々あって……うん

    >●30.公式のキャラクターは小説に出すほう? それともオリトレ派? ポケモンのみ?
    公式キャラは個人のイメージがあるから出しづらいなぁと思ってる。それでもたまに出すけど
    そして悉くイメージをぶっ壊したり過去を大幅に捏造したりして怒られるんだ
    ポケモンのみって実はかなり苦手かもしれない。ポケダン小説は書くけどやっぱりどっかで人間は出る

    >●31.あなたが今書いている小説。ズバリタイトルは!!
    申し訳ない。今ストックがない。残念

    >●32.↑のあらすじ・特徴的なところ、ウリ等をどうぞ。
    というわけで残念ながら。申し訳ない

    >●33.あなたの小説の中で、あなた自身が一番気に入ってるキャラは? どんな所が気に入ってる?
    うーん、どの子も全員気にいってるからなぁ、難しい
    マサポケに持ってきた小説の中でなら、地学マニアとその相棒のヤミラミはやっぱりお気に入り
    特にヤミラミの方がすごく自由に動いてくれるから、書いてて楽しい

    >●34.あなたが今まで書いた小説の中で一番気に入っている話はどの作品? どのエピソード?
    > よかったらその部分、見せて欲しいなぁ……。
    うーん、「闇世の嘆き 時の護役」のChapter−6と8かな。
    この話で一番書きたかったのがここだし、それなりに形になったので気に入ってる

    >●35.オレの小説、何はなくともコレだけは頑張ってるぜ! ってのを最低でも一つ。
    楽しんで書く

    >●36.逆に、ここんとこ何とかしたいな……これからの課題だ、ってのも一つだけ。
    楽しんでもらう

    >●37.小説に出すキャラ(ポケモンも含)の名前、どんな感じでつけます? 例もあげて教えてくれたら嬉しいなぁw
    うーん、何かモチーフがあったり(例:ジョウ→地名の「西條」)
    引用元があったり(例:ミーナ→桑.田佳.祐さんの楽曲「可愛.いミーナ」)
    完全に思いつきだったり(例:キョーイチ)
    キャラによってばらばらだなぁ
    手持ちのポケモンはそのキャラならどうつけるか考えて、あとはまぁ適当(笑)

    >●38.ついでだから小説のタイトルの由来や、副題(あれば)のつけ方も教えてもらおう。
    これは引用元があるもの以外、ほとんど全部思いつきだなぁ

    >●39.インスピレーションキタ━━━━━(゜∀゜)━━━━━!! アイディアが湧いてくるのはどんな時?
    布団の中でごろごろしている時。バス待ってる時。歩いてる時。退屈な授業の時。スケッチブックに落書きしてる時
    総じて何か降りてきたとき

    >●40.あなたの小説主人公は、実はあなた自身の鏡? それともどっちかというと、憧れの姿??
    ところどころ自分の投影がある憧れの姿

    >●41.小説中にバトル描写って出すほう?
    苦手
    そもそもゲームの方のバトルが苦手だから

    >●42.小説の中の性的描写、死ネタ、殺しネタ。あなたの意見を述べてください。
    >●43.小説の中のやおいネタ、百合ネタ。あなたの以下同文。(意味が分からない人はパスOK)
    >●44.小説の中のオリジナル地方、オリジナル技、オリジナルポケ。あな以下同文。
    全部同じ答えだからまとめるね
    書きたきゃ書けばいいよ。ただ公開するならそれなりに気を使うべき
    好き嫌いが激しくわかれるものはしっかりとした注意書きがあってしかるべきだし、年齢制限をかける必要があるならちゃんと鍵のかかった場所を選ばなきゃならん
    自分の部屋で全裸になっても誰も文句は言わないけど、ネットはそうじゃないんだよ

    >●45.打ち切り……
    自分もしたことあるから何も言えねぇorz

    >●46.アイディアが全然湧かない!!? どうしよう……。スランプと、その脱出法について一通り。
    特に何もしない。湧かない時には何やっても湧かない

    >●47.後の展開に繋がる伏線を結構張る方だと思う。
    張ろうとして失敗している方
    上手く張りたい

    >●48.ぶっちゃけた話、やっぱり年齢が高いほど上手い文章が書ける?
    年齢は直接的には関係ない
    でも長く書いてる人の方がいい文章書いてる割合が多い気はする
    自分はもちろんダメな方です

    >●49.この人の本が出たら絶対読む! この人の影響を受けている! 好きなプロ作家さん・同人作家さんっています? 愛読書でも可。
    すぐ影響受けるからなぁ……
    愛読書は前からしつこく言ってるけどリサ・ランドールの「ワープする宇宙――5次元時空の謎を解く」
    あとは「図解雑学シリーズ」のいくつかと絵本の「おおきなき(ほんだきんいちろう訳版)」
    プロ作家さんでも同人作家さんでも、気にいったら既刊とその後発刊する本を根こそぎ買おうとするのが非常に悪い癖

    >●50.同人とかサークルってやってますか? 自分の本って出したい?
    サイトなら
    本はいずれ出したい気がしないこともない

    >●51.語彙(ゴイ、使える単語量)ってどうやって増やします?
    増やそうと意識したことは特にないけど本でも読めばいいんじゃないの? 多分

    >●52.ムラムラと執筆意欲が湧いてくる……のはこんな時!
    いいものに出会った時はやっぱり何か書きたくなるなぁ
    あと現実から全力で逃避したい時

    >●53.ポケモン以外の小説、書いたことありますか?
    ある。公開はしたことないしする予定もない

    >●54.小説を書く者として、一番大事だと思うもの。
    テンション

    >●55.他のポケモン小説書きさんの小説で、好きな作品を好きなだけ上げてください。
    No.017さんの「砂時計」「遅れてきた青年」
    586さんの「壁は夢の(ry」「或る管理者の嘆き」
    きとかげさんの「狐の子」
    クーウィさんの「雪の降る夜」
    はる○さんの「怪獣大決戦」
    乃響じゅん。さんの「飽食のけもの」(コンテスト版も連載版も)

    とりあえず思いつくままずらずら並べたけど書ききれてない感が満載

    >●56.他のポケモン小説書きさんの小説登場人物で、好きなキャラっています? 誰ですか?
    レンリ姐さんに踏まれt……ごめん何でもない
    CoCoさんの毒男さんと仲良くなりたいです割と本気で

    >●57.密かにライバルだと思っているポケモン小説書きさんはあの人だ! 最低一人は上げてくださいねw
    MAXさんは永遠の好敵手と勝手に思っている

    >●58.そういや今更だけど、ポケモン小説書き歴は○○年です。○○歳からです。
    公開したのはサイト始めた頃なんで、2004年の12月30日です

    >●59.ポケモン小説書きをやっていて嬉しかった事、辛かった事を一つずつ。
    嬉しかったのは面白いって言ってもらえたこと
    辛かったのはどんな時も妄想が頭からずっと離れなくて困ったこと

    >●60.何だかんだ言っても、自分の小説に誰よりハマッているのは自分自身だと思う……
    はい(即答)

    >●61.長く険しい人生。いつまでポケモン小説を書いていようかな……
    アイデア出尽くすまでは書いてるんじゃないかなぁ多分

    >●62.これからポケモン小説を書く方にアドバイスがあれば。
    キャラがどうのとか文章がどうのとかあーだこーだ言うのは書いてからでいいよ。外野も本人も
    (要約:とりあえず書けよ)



    ■おぷしょん1〜マサポケについて〜■

    >●63.いつ頃この『マサラのポケモン図書館』に辿り着きましたか?
    覚えていない
    少なくとも「ピジョンエクスプレス」は完結してなかった
    ネット始めた時期を考えると2002〜2003年くらい? かもしれない

    >●64.『ほびぃすてぇしょん』『おきらく ごくらく』『旧・マサポケ』……何の事だか分かります?
    旧マサポケをちらりと見たことがある気がする……
    いや、今はもうないけどあのサイトデザインには確かに見覚えがあったんだ……

    >●65.リアルタイムの親善空間・チャット。行きます? どれくらいの頻度で?
    チャット会があれば出来る限り
    人がいれば手が空いていれば大体見てる<●><●>

    >●66. 小説コンテスト出た事あります? 出てみたい?
    その節は大変お世話になりました

    >●67. ストーリーコンテスト・ベスト他、マサポケの本って持ってる? マサポケで本を出す事になったら参加したい?
    多分大体全部持ってると思う
    参加は紛れ込ませていただけるならば是非とも(

    >●68.鴨志田さんや鈴木ミカルゲさんの事、どう思う?
    鴨鍋食べたい

    >●69.我らがマサポケ管理人、No.017さんに一言贈ってください。
    今度おすすめの喫茶店教えてください

    >●70.これからマサポケではこれが流行る! これを流行らせたい!
    自分はブームを作るより、それを見て無視しつつたまにちょっかいを出すのが好きです



    ■おぷしょん2〜どうでもいいこととか〜■

    >●71.学校好きですか?(学生でない方は、好きでしたか?)
    空間自体は嫌いじゃない
    空気は嫌い

    >●72.ポケモン以外で好きなジャンル、アニメ・漫画・ゲーム。あります? 何ですか?
    野球(広島東洋カープ)
    ゼルダ
    逆裁・戦国BASARA
    手塚治虫作品
    ジョジョ(今一番アツい)

    >●73.音楽って聴きます? 好きなアーティストとかジャンルをお一つ。
    パンクロックからクラシックまで雑多に聴きます
    好きなアーティストはサザン

    >●74.ジブリの名作「となりのトトロ」の主人公って誰だと思います?
    とうもころし

    >●75.ここでお約束、あなたの恋愛話v 言えるところまで言ってみよう!
    ぶっちゃけ特に興味がない。申し訳ない

    >●76.♪なりたいな ならなくちゃ 絶対なってやる〜…… 将来の夢は? 恥ずかしがらなくていいですよw
    それなりに幸せに暮らしたいです

    >●77.さぁ、最後です。……邪魔するものは何も無い。今の想いを込め、好きなことを叫べ!!
    そろそろおなかすいた。コーヒー飲みたい


      [No.2417] にほんばれ 投稿者:紀成   投稿日:2012/05/13(Sun) 14:29:10     74clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    あめが ふりつづいている

    あめが ふりつづいている

    あめが ふりつづいている

    あめが ふりつづいている

    ハスブレロの あまごい!
     
    あめが ふりつづいている

    あめが ふりつづいている

    あめが ふりつづいている

    あめが ふりつづいている

    オタマロの あまごい!

    あめが ふりつづいている

    あめが ふりつづいている

    あめが ふりつづいている

    あめが ふりつづいている

    あめが ふりやんだ!

    キレイハナの にほんばれ!

    ひざしが つよくなった!

    ひざしが つよい

    ひざしが つよい

    ひざしが………


      [No.2416] 晴れ狐 投稿者:穂風奏   投稿日:2012/05/12(Sat) 23:58:28     58clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

     心までどんよりしそうな雨雲をどこかへ飛ばしたくて
     誰よりも早く飛び出してみる

     吹雪で凍えそうなときも、砂嵐で目が開けられないときも
     私がいればすぐに太陽が顔を出す

     天気がいいと気分も晴れて
     いつもより元気に駆け回りたくなって
     いつもより強くなれたような気がして

     お日さまのあたたかい光が気持ちいいから
     みんなの笑顔を見られることが嬉しいから
     私は「晴」が大好きだ

     雨の方が好きだなんて言わないで
     砂に紛れて隠れたいと逃げないで
     せっかくの「晴」なんだから

     誰もが笑って過ごせる
     そんな「晴」が、いつまでも続きますように


    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

     「晴」と言ったらキュウコンさん! ということで書いてみました
     晴れパを使う自分としては、ほぼ毎回出てくるバンギやニョロトノのおかげで、キュウコンを活躍させてあげられないのが残念です。私の力量不足もありますけど

     さて、今回のような形は初めてでした。詩っぽい形式もまた小説とは変わった良さがあって、難しさもありますね。またいつか挑戦してみたいと思います
     それでは失礼いたしました


      [No.2415] 晴空の理 投稿者:巳佑   投稿日:2012/05/11(Fri) 14:17:58     86clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

     
     むかしむかし、その世界の空はまっくらでした。
     まるで黒い紙がべったりと貼られているようなもので、消える気配は一つもありませんでした。

     それより以前は、その世界の空は綺麗な青で澄んでいました。
     しかし、この世界の人やポケモンが何かに悲しんだり、誰かに憎しんだりすると、その気持ちが風に乗って空にたまっていくことがありました。
     それがつもりにつもって、最初はにごったような灰色に、だんだんと黒いまだら模様が広がり、最後はまっくらになってしまいました。

     もう、このまま笑うこともなく、その世界は終わってしまうのかと思われたときのこと。
     もふもふとした白い毛を乗せた龍が一匹、この世界にやってきました。
     人々やポケモンたちはその龍がこの世界にトドメをさしにきたのかと恐れていました。

     誰も手を出せないままでいると、白い龍は青い焔を吐きながら踊り始めました。
     大きな翼をはためかして、右にくるりと回ったり、左にくるりと回ったり、または空をおおきく泳いでいました。
     
     枯れ堕ちた空に青を咲かせましょう
     凍え堕ちた空に青を咲かせましょう
     人の子や
     獣の子や
     笑えや笑え
     喜べや喜べ
     枯れ堕ちた空に青を咲かせましょう
     凍え堕ちた空に青を咲かせましょう

     白い龍の青い焔が空に登っていくと、なんと不思議なことに黒い空が燃えていきます。
     そこから一筋の光が現れたかと思えば、その焼けた隙間からは青い空が顔を覗かせていました。
     人々やポケモンたちは手を取り合って喜びあい、手をたたきあって笑いあいます。
     その感情が幾重(いくえ)にも青い焔に乗って、どんどんと青い空が広がっていきました。

     やがて全ての黒い空が焼き払われ、空は一面、綺麗な青が澄んでいました。
     
     その青には人々とポケモンたち、そして白い龍の笑顔が咲いていました。
     
      

    【書いてみました】
     お久しぶりです、巳佑です。
     テーマが晴れということで、何を書いてみようかなぁと思って、『晴』という字をよく見たら……日と青という文字が出てきて、想像を膨らませたのが今回の物語です。レシラムが花咲じいさん的なことになっておりますが、『あおいほのお』と『晴れ』がうまく組み合わさっていたら幸いです。

     ありがとうございました。

    【何をしてもいいですよ♪】
    【一ヶ月ぶりに投稿させてもらいました】 


      [No.2414] ゴーヤロック神からアドバイスを頂いただと…… 投稿者:moss   投稿日:2012/05/07(Mon) 17:10:49     93clap [■この記事に拍手する] [Tweet]



    > ヒロイン(と呼んでいいのか……)の窪田さんは、一見勇敢で生き物への思いやりを持つ少女のような印象を受けますが、
    > その実態はとんでもない性質を持つ、狂人と呼ぶに相応しい存在だった、という展開が面白かったです。


    ありがとうございます! 実はヤバイ人という展開をやってみたかっただけでもありますがw

    > 欲を言うなら、
    >
    > >植物に向かって謝らせたり。それだけでも十分変人なのに、彼女は死んだ生き物ーーつまり死骸までもを大切にした。あの事故の多い電信柱の前を通ったとき、車に轢かれた可哀想なポケモンの死骸を見つけると、彼女は駆け出して僕に埋めてあげようと言いだす始末である。
    >
    > 上の文のある段落で初めて窪塚さんの名前が出てくるわけですが、結構早い段階で「変人」というネガティヴな印象を与えるワードが出てきています。
    > これは読者に「窪塚さんは普通じゃ無さそうだ」と警戒心を与える結果になっているので、後半の狂気的なシーンのインパクトが若干薄れているように思います。

    確かに展開がある程度予想できてしまいますね。ありがとうございます。


    >
    > 上二つで言いたかったのは、後半の窪塚さんの狂気染みたシーンをさらに活かすために、直前まで窪塚さんをまっとうな人間に"偽装"しておいた方が面白いんじゃないか、ということです。
    >
    > 参考になれば幸いです(´ω`)


    参考になりすぎてヤバイですありがとうございます!!
    面白さを私ももっと追求しなきゃ駄目ですね。

    ありがとうございましたっ!!


      [No.2413] 血桜舞う季節 投稿者:   《URL》   投稿日:2012/05/06(Sun) 22:47:47     87clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    すっかり桜は散ってしまいましたが感想を。

    ヒロイン(と呼んでいいのか……)の窪田さんは、一見勇敢で生き物への思いやりを持つ少女のような印象を受けますが、
    その実態はとんでもない性質を持つ、狂人と呼ぶに相応しい存在だった、という展開が面白かったです。

    欲を言うなら、

    >植物に向かって謝らせたり。それだけでも十分変人なのに、彼女は死んだ生き物ーーつまり死骸までもを大切にした。あの事故の多い電信柱の前を通ったとき、車に轢かれた可哀想なポケモンの死骸を見つけると、彼女は駆け出して僕に埋めてあげようと言いだす始末である。

    上の文のある段落で初めて窪塚さんの名前が出てくるわけですが、結構早い段階で「変人」というネガティヴな印象を与えるワードが出てきています。
    これは読者に「窪塚さんは普通じゃ無さそうだ」と警戒心を与える結果になっているので、後半の狂気的なシーンのインパクトが若干薄れているように思います。

    また、

    >だが窪田結衣はとある事件を引き起こし、小学五年生のときに転校してしまった。それ以来彼女に会ったことは無いし、何の噂も聞かなかった。

    同じ段落にこの文も入っていますが、これは別の段落へ移動させて、かつ引っ越した理由をぼかしてみると、より面白い展開になると思います。

    上二つで言いたかったのは、後半の窪塚さんの狂気染みたシーンをさらに活かすために、直前まで窪塚さんをまっとうな人間に"偽装"しておいた方が面白いんじゃないか、ということです。

    参考になれば幸いです(´ω`)


      [No.2412] 走馬灯 投稿者:   《URL》   投稿日:2012/05/06(Sun) 22:22:29     81clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    短めですが感想を。

    私は「ゼルダの伝説」シリーズの中でも、64の「ムジュラの仮面」が一番好きです。
    三日後に滅びてしまう世界の中で、人々はそれぞれの形で死と滅亡に向き合おうとします。
    人によってその姿勢は多種多様ですが、どれもとても人間らしく、記憶に残るシーンばかりでした。

    このお話も、回避できない滅びを前にした二人の心情をつぶさに描いたものになっています。
    二人の安らかな語りと、行を追うごとに壊れていく世界の対比が、悲しくも美しい模様を描いています。

    二人の死という結末は変えることができず、読者はかなり早い段階でその事実を知ることになります。
    ずっと前にどこかで書いた記憶があるのですが、結末の読める物語というのは通例、つまらないものになりがちです。
    しかし、このお話のように「結末(=滅び)を前提とした」形を取る場合は、結末が明確に、かつ動かしようが無いと分かっているほど、かえって強い印象をもたらします。

    以前、同じように「滅亡を前にした人々」をモチーフにして一本書いて、今一つ綺麗に決まらなかった経験があるので、
    いずれどこかでリベンジを決めてやりたい、そう思わせてくれるお話でした。

    今後の更なるご活躍を期待しております(´ω`)


      [No.2411] 世界で一番の貴方へ 投稿者:ことら   《URL》   投稿日:2012/05/05(Sat) 23:03:12     108clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

     爆発音が聞こえる。

    ダイゴさん。
    どうしたの?久しぶりにそう呼ばれたな、ハルカちゃん。
    ダイゴさんに会ったのは、ちょうど今の私くらいの時で、石の洞窟でしたね!
    ああ、そうだね。真っ暗なところに手紙届けに来たのがハルカちゃんだったね。女の子一人ですごいなぁと僕は思ったよ。

     続くコンクリートが崩れ落ちる音。

    私、その時なんてかっこいいんだろうって思いました。一目惚れっていうんですかね、とにかく好きです。
    ふふっ、知ってるよ。僕もハルカちゃんが大好き。
    でもそれ以降、全く会えなくて寂しかったんです。だから川の向こうで会えた時は凄い嬉しかったんですよ!
    ハルカちゃんが僕を好きでいてくれたから、とても嬉しいよ。
    その頃からではないですよね?
    知ってたのか。もう少し後だったけどね。でもとにかくハルカちゃんは僕のことを一人の男として好きになってくれたことは嬉しかったよ。
    前にも言いましたけど、ダイゴさんを好きって言って、ダイゴさん以外のどこを見ればいいんですか。
    ハルカちゃんは本当に人を見るんだね。世の中には人ではなくて、お金とか地位しか見ない人間が多いんだ。

     異変に気付いた人々が次々に通報する。

    それからカクレオンにぶつかった時は、道具くれましたよね。デボンスコープ、もう動かないけど。
    ものはいつか壊れてしまうものさ。あれから長いこと動いたし、長持ちした方だよ。
    でも私がダイゴさんからもらった初めてのプレゼントはあれなんですよ。だから大事にしてたんです。
    そうだったの。もう少し気の利いたものをあげれば良かったね。

     集まってきた人は、モンスターボールからポケモンを繰り出した。

    次にもらったのも、トクサネのダイゴさんの家に行った時の秘伝マシンです。
    あれ、そうだっけ?ハルカちゃんにはたくさんプレゼントしたから覚えてないな。
    もう、ダイゴさんはどうして私の気持ちを考えてくれないんですか。女の子が好きな人から貰ったものは、全部覚えてるものです。
    そうなんだ。やっぱり僕は幸せだな。こんなに好きな人に愛されてるなんて。
    …愛してますよ。ずっと。初恋は実らないとか言いますが、私が好きになって愛した人は生涯でダイゴさんだけです。

     それぞれ状況にあった技を指示する。

    それから、グラードンと戦った時もカイオーガと戦った時も、ずっと側にいてくれた。私はダイゴさんが側にいてくれるだけで頑張れました。
    僕は本当に何も出来なかった。空をみて現状を嘆くくらいしかできないのに、ハルカちゃんは惨事に立ち向かっていったね。なんて強い子だろうって思った。同時に勝てない、いつか負けるって思ってたよ。でもその頃から好きだったのかもしれない。ずっと気になってた。
    だから私が帰って来るまで待っててくれたんですよね。凄い嬉しかった。

     人だかりになっていた。

    でもチャンピオンって黙ってたのは今でも思い出すとムカムカします。
    前も言ったけど、怖かったんだよ。ハルカちゃんが僕自身を好きになってくれても、チャンピオンっていう地位に目移りしちゃうんじゃないかって。
    だから私はダイゴさんの元カノじゃないんですから!ダイゴさんの役職を知ったところで、目移りするわけないじゃないですか!それに…

     上空にはヘリコプターが飛んでいた。

    何も言わずダンバルおいて行っちゃうし!
    だからちゃんとエントリーコール出たじゃない。
    出ればいいってもんじゃありません。おいてかれた私の気持ちはどうなんですか!
    だからシンオウの珍しい石をお土産に…冗談だよ。知ってたから怖くて逃げ出した。僕は臆病だからハルカちゃんより弱い男なんて受け入れてもらえないんじゃないかって思ってたんだよ。
    ずっと思ってましたが、ダイゴさんは考えすぎです。考えたことを話してくれないから不安になるんです。
    そうだね。付き合うようになってから会話の数は増やしたつもりだったけど、やっぱり不足だったかい?
    私は欲張りだから、ダイゴさんともっと話したかったです。ダイゴさんと恋人になれて嬉しくて、たくさんダイゴさんのこと知りたいと思いました。初めての夜は、最後までできなかったこと覚えてますか?
    そんなこともあったね。あの時は僕も緊張しててね、隠すのが大変だったよ。

     それでもこの状況は変わらなかった。

    ダイゴさんがプロポーズしてくれた時は凄い緊張してたのを覚えてます。ダイゴさんは緊張すると物凄い早口になりますから。私の聞き違いかと思いましたもん。
    そりゃあ緊張するよ。ハルカちゃんは解らないかもしれないけど、受け入れてもらえなかったら僕はただのロリコンじゃない。それに結婚した当時でさえ出来たから結婚したって散々陰口いわれてさ。3年後に一人目が出来た時は僕の容疑も晴れて嬉しかったな。
    妊娠したって一番喜んでくれましたよね。不安で仕方ない時もずっと励ましてくれた。そのことを友達に言ったら、有り得ないって言われたんですよ。
    えっ、なんで?
    旦那がそんな優しいのは有り得ないんだそうです。
    そうなの?だって僕がハルカちゃんの青春を全部持って行っちゃったようなものなのに、優しくしないのがおかしいと思うんだよなぁ。
    ダイゴさん。だから私はダイゴさんが好きです。初めて会った時からずっと好き。
    ありがとう。僕も大好きだ。ハルカちゃんが僕の妻で、とても嬉しい。

     さらに人は集まるが、事態は一向に収まらない。

    子供が大きくなって、ポケモンが欲しいって言われた時、ユウキに頼みましたよね。ユウキは自分の子供の面倒も忙しいのに、大変そうでしたよ。
    ああ、ユウキ君には悪いことしたね。いきなりポケモンが欲しいって言って、困らせた。けどお世話になってるからって最優先で用意してもらえて。僕はとてもいい人たちと知り合っているんだね。
    あの子たちも大きくなって、世界大会まで行きましたね。やっぱりダイゴさんの子なんだなぁって思いました。
    ハルカちゃん、自分の功績も忘れないでね。ハルカちゃんも強いよ。僕たちの子だもの、強いに決まってるさ。

    「父と母がいるんです!」

    私たちを必要としない年齢になった。ポケモンたちも支えてくれる。
    もう行こうか。僕たちはここに留まってはいられない。
    ねぇダイゴさん。世の中にはどんなに愛し合っていても、最期は一人だって言うじゃないですか。私は違う。最期の瞬間までダイゴさんの隣で、ダイゴさんの顔を見て。
    僕も同じだよ。最期の瞬間に愛してる人を見ながら死ぬことが出来る。残された方はこんな事故で悲しいかもしれないけどね。
    あなた。
    ハルカ?
    ううん、やっぱり何年経っても、ダイゴさんはダイゴさん。呼び方が変わっても、ダイゴさん。
    そうだね。ハルカちゃん。僕たちはずっと一緒だ。…もう行こう。ここではないどこか遠くへ。幸せな人生だった。だからこそ次の人たちも幸せであるように。
    はい。ダイゴさんと一緒で、私は幸せでした。


     リニアが爆発した。ほとんど原型を留めずに散っていた。
     テロと思われたが、原因は整備不良によるもの。
     乗客乗員全員が死亡。大惨事に連日新聞のトップを飾る。
     その中に大企業デボンコーポレーションのトップとその夫人がいたことは、マスコミがいち早く嗅ぎ付けたが、その子供たちは毅然と彼らを避けたという。

    ーーーーーーーーーーーーー
    スパコミで手に入れたダイハル小説があまりに感動しすぎて、その勢いで書いたもの。
    【好きにしてください】


      [No.2410] 川原の石 投稿者:ことら   《URL》   投稿日:2012/05/03(Thu) 01:23:53     120clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    やぶ蛇とはこのことだろうか。ゴーヤロック神に「ダイゴさんくださいいい!!!」と頼み込んだら、同じようで神の方が深く読み込んだダイゴさん像ができていた。しかしこのままでは引き下がれない。一度消えたこの話、もう一度書くべし。評価なんぞ知らん。書きたいからかく。

    前書き:ロンスト「流星をおいかけて」の前の話。読んでなくても解る。


     平日の穏やかな晴れの日は、道行く人もまばらだった。春の風がダイゴのスプリングコートを撫でる。首筋から入る風に、思わず身を縮めた。春とはいえジョウトはまだ肌寒い。薄い手袋では指先が冷たい。
     それでもこの大きな川沿いの道が一番好きだ。人でごった返していないし、野生のポケモンをたまに見ることができる。都会の鬱蒼とした人の中にいると、息が詰まりそうになる。対岸では暇なおじさんが釣りやゴルフをしていた。ガーディの散歩をしている人もいる。
     ダイゴは足を止めた。まだ平日というのに真新しい制服を着た女の子が川を見つめて座っている。
    「こんな時間からサボりかい?」
     なぜ声をかけたのか解らなかった。ただ何となくかけなくてはいけないと思った。ダイゴの声に、女の子は顔をあげる。横から見たときは気付かなかったが、左頬に大きなガーゼがあって、涙で濡れていた。
    「学校はどうしたの?」
    「行かない」
     手に握られていたくしゃくしゃになった紙を見せて来た。その要約はーー二度と来るな。
    「またどうして?」
     ただ黙って女の子は座ったまま左側にあった石を掴む。ダイゴは信じられなかった。その体格からは想像できないくらいに強い力で石は飛んだ。そしてそれは普通の人間ではとても届かないような川幅を越えて対岸にめり込む。
    「普通の人は対岸に石なんて届かない。届く私は異常なんだ。異常だから必要ないんだ」
     たまにポケモンと同じような力や特性を持つ人間がいるとは聞いたことがあった。集団行動を好む学校からすれば、こんな強い力を持つ人間は不穏分子でしかないのだろう。
     ダイゴは黙って足元の石を拾う。手首をひねってそれを投げた。水面に落ちるとぱしゃんと跳ねて、生き物のように水上を進む。そして対岸の草むらに消えて行く。
    「向こうに石が届くのが異常なら、僕も異常だね」
     驚いたように女の子がダイゴを見上げていた。
    「こんな真っ昼間から君を見てる先生は授業中だ。つまり君がどこ行こうが関係ない。それにもうすぐお昼だ」
     ダイゴの差し出す手を掴んだ。その時、初めて彼女が笑った。

     昼間から制服を着た中学生の女の子を連れてる男は、不審者とうつっているようだ。コガネシティですれ違う人の視線が言っていた。けれどダイゴは気にもせず、たわいのない話をしながら歩く。そして都会の中の静かなレストランへと入った。
    「そういえば君の名前聞いてなかったね。僕はダイゴだよ」
    「ダイゴさんですか」
     彼女の視線はやや下を向いた。そして消え入るような声で話しだす。
    「私は……その、ガーネットです」
    「へぇ」
     宝石や鉱物の話になると聞く名前だ。それが人の名前になると、ガーネットの反応を見る限り苦労してきたのだろう。
    「変な名前なのは解ってるんですけど、生まれた時からこの名前ですし」
    「いや、いい名前だよ。努力、友愛、勝利を意味する石だ。赤く燃える美しい色をしている。気高い宝石だね」
    「あっ……そう、ですか?」
     少しだけガーネットの顔色が明るくなった。
    「うん。僕はそう思うな。僕の友達がね、宝石の名前を持つ子はとても大切な役割があって、どんな困難にも立ち向かうんだと言ってた。古いホウエンの昔話なんだけどね」
    「ホウエン?」
    「僕はホウエン地方に住んでるんだ。普段はポケモントレーナーをやっているんだけど、たまにこうしていろんなところに出向くんだよ。ガーネットちゃんはホウエンに来たことあるかい?」
    「ないです。私のお父さんもトレーナーなんですけど、あちこちの大会にいっててほとんどいませんし、お母さんは仕事に行ってるので」
    「なるほど。ホウエン地方はね、とにかく海が綺麗なんだ。家の近くの海も、ポケモンが多くてね。緑も豊かでね、とにかくおいしい木の実が多いんだ。一度来てみなよ。本当にいいところだから」
    「私のお父さんもホウエン地方の出身らしくて、昔はそっちに住んでたらしいんですけどあんまり覚えてなくて」
     料理が運ばれてくる。デミグラスソースの乗ったおいしそうなオムライスが二人分。スプーンを左手で取るガーネットを見て、ダイゴもスプーンを持った。彼女はちゃんと食べるか気になったが、心配は無用のよう。
    「ガーネットちゃんの名前は、その昔話にあやかってつけたのかもね」
    「へ? 昔話ですか? 宝石の名前ってやつですか?」
    「お父さんがホウエンの人なら知っててもおかしくないだろうしさ。紅玉と青玉という名前を持った人たちがいてね、その人たちは陸と海とつながっているっていう話だよ。今で言えばルビーとサファイアって名前かもしれないし、違う国の言葉での名前かもしれない」
    「ルビー、ですか」
    「そうだよ」
    「私が生まれた時、お父さんはルビーにしたいって言って来たらしいんです。でも突然、絶対だめだ、っていきなり言い出したらしくて」
    「ああ、やっぱりその話を知ってるのかもね」
    「だからって、こんな名前ないと思ってたんですけど、ダイゴさんが初めていいって言ってくれたし、少し自信もてました」
     普通に笑うんだな、とダイゴは思った。中学生にしては淀みきった顔だったのに、今では年相応の女の子にしか見えない。
     それにしてもただ力が人より強いというだけで、学校が来るなと言うのだろうか。それと頬のガーゼのことも。出会ったばかりで深くは聞けない。話したくなるまでは聞かない方がいいとダイゴは思った。

     食後のコーヒーを飲む頃には、すっかり打ち解けてしまっていた。初対面であるはずなのに、そんな事を思わせないくらいに。ガーネットはフルーツの乗ったおいしそうなケーキを食べている。それを正面からダイゴは見ていた。じろじろ見ていたら失礼かなと目をそらすけど、自然と彼女も見ている気がする。そして目が合うとガーネットの方からそらした。
    「もうこんな時間なんだね」
     ダイゴは左腕にしている時計を見た。すでに午後2時になってしまっている。
    「ガーネットちゃんは家に帰るんだよね」
     帰りづらいのだろう。ガーネットは今までのテンションから一段落ちたトーンで話す。
    「あんまり帰りたくないです」
    「けどちゃんと今のことは話さないとね。一緒に説明しよう。きっと解ってくれるよ」
     店を出る。小さな子供と歩くように、ガーネットの手を握って。すれ違う人々は相変わらず怪訝な視線を向けるけれど、二人は気にしていなかった。

     不審者を見るような目で見られる。それはそうだ。娘が知らない男を連れて来て、親が警戒しないわけがない。特に父親が見る目は、敵を近づけまいとする目だった。その警戒を解くには、まずダイゴは自分から情報を出す。
    「ホウエンでポケモントレーナーをしているダイゴと言います」
    「これはどうも。私はトレーナーのセンリです。それで、ホウエンのトレーナーがうちの娘に何のようですか」
    「川原で会いました。さっきのことですよ。僕はそれを伝えにきました」
     センリに伝えるのは、ガーネットのこと。学校のこともそう、特性のこともそう。トレーナーがポケモンを語るのと同じくらいにダイゴは話す。事件のことは知っていたが、ガーネットに来た紙は知らなかったようだ。
     話して行くうちに、センリはかなりガーネットの特性のことは注意していて、絶対に人を叩いたり掴んだりしてはいけないと言っていたことが解る。それが例え嫌なことを言われても、絶対にダメだと。それなのに……
    「集団で金銭を?」
    「カツアゲっていうのかな。新入生だからやりやすいのだろうって学校の先生も言っていたね」
     生徒を正しく指導できない学校ではよくあること。集団で自分より大きな人間に囲まれ、銀色の刃で斬りつけられて、どんなに禁止されていてもそうするしか自分の身を守れなかった。見た目からは全く想像できない力で、一人一人を殴り、骨を折って戦闘不能にさせる。
     その時のガーネットは必死だったのだろう。左の頬から血が流れてることも気付かなかったと言った。自分の血か相手の血か解らないけど、床は赤く鉄の匂いがしていた。物音に気付いた先生が来た時には、ガーネットはそこに立ち尽くしていた。
    「とにかく娘がお世話になったようで。どうもありがとうございます」
     これ以上は出会ったばかりの人間が関わることではない。ダイゴは一礼すると玄関に向かう。ノブに手をかけると、それは勢いよく外に開いた。
    「ただいま!」
     ダイゴは目を疑う。ガーネットを一回り小さくしたような女の子が入って来たのだ。
    「あれ、おきゃくさん!? こんにちは!」
     使い込まれたランドセルを背負って、にこにことダイゴを見ている。ガーネットの妹で、くれないという名前らしい。すっと家の中に入って行く。
    「くれないちゃんとそっくりなんだね」
    「違いは身長と性格だけってよく言われます」
     さっき家に入ったばかりのくれないは、ダイゴを見送るようにガーネットの隣にいた。見送るというのは口実だろう、どちらかといえば姉の側にいたいといった感じだ。
    「じゃ、僕は帰る。今日は楽しかったよ、ありがとうねガーネットちゃん」
    「いえ、こちらこそ、ありがとうございました」
     ガーネットが一礼する。それに倣ってくれないもお辞儀をした。
    「あの、また会えますか?」
    「そうだね」
     ダイゴは鞄から予定の書かれた手帳を取り出す。
    「もう少しジョウトにはいるから、また会えるかもね。よかったらこれが連絡先だから、渡しておくよ」
     この日はそうして別れた。くれないが最後まで嬉しそうな顔でダイゴとガーネットを見ていた。

     ジョウトでの用事は忙しく、コガネシティからエンジュシティを往復する毎日だった。空いた時間をみつけては、観光のためにスズの塔や焼けた塔の近くまで行く。スリバチ山を歩いて気に入った石を集める。
     石はその土地の神様が宿っているという。だからこそ持ち帰ってはいけないと言われていた。それを信じるわけではないが、どうしても気に入ったものは手に入れたくなってしまう。
     ダイゴは半分あの時のことを忘れかけていた。石をながめ、ジョウトに来た時のことを思い出していた。突如、突き上げるようにガーネットの顔が浮かぶ。予定は空いている。帰るまでにもう一度会っておきたい。ダイゴはモンスターボールを取り出した。鋼の翼エアームドがあらわれる。
     コガネシティに降りると、わずかな記憶を頼りにダイゴは歩き出した。一度行っただけだが、何となく道は覚えてる。この川を上流に沿って歩いて、そしてウバメの森が遠くに見える橋を……
    「なにするのよ!」
     激しく言い争う声が聞こえる。
    「俺たちにこんなケガさせといて、なんでお前が平気で歩いてんだよ! 金くらいだせ」
     白い包帯を巻いた集団が、女の子の髪を引っ張っている。
    「こいつ校長にもう二度と人を殴らないって誓約書かかされたんだぜ」
     抵抗しない相手を殴りつける。それが上級生のすることなのか。
    「エアームド」
     鋼の翼から風の刃が飛んだ。数人の髪の毛を切り落とし、空へ消える。
    「うわっ!」
    「なんだ!?」
    「んだよおっさん」
     振り向いた不良たちがダイゴに気付く。
    「ダイゴさん!?」
     驚いたようなガーネットの声がした。
    「知り合いかよ」
    「うぜえよおっさん、ナンパに」
     再びダイゴは命令する。エアームドは固い翼を振り切った。エアームドの抜けた固い羽が地面をえぐりとって落ちる。
    「ナンパって言うのね、誘う側を不快にさせないことを言うんだよ」
     ポケモントレーナーがポケモンを使って人間に攻撃することなんてまずない。不良たちもそうくくっていたから、ダイゴの行動には誰もが黙った。
    「と、トレーナーのくせに」
    「そうだそうだトレーナーが人間攻撃したら」
     ポケモントレーナーが意図的に人間を傷付ければ、その資格は簡単に剥奪される。そんなことは常識だからこそ、不良たちはダイゴを挑発したのだ。
    「……想像以上に頭の悪い人間っているんだね」
     もう一つボールが開く。そこから出て来たのは土偶ネンドール。目のようなものがたくさんあり、その場が静かになる。
    「ポケモンは攻撃するだけじゃないんだよ。お家に帰って、パパやママから常識を学んでおいで」
     ネンドールはダイゴの意図を汲み取った。まばたきしている間に不良と共に姿は消え、数秒後にネンドールだけダイゴの元へと戻ってくる。
    「大丈夫かい?」
     ガーネットは何が起きたか解ってないようだった。誰もいないことを確認して、ダイゴの顔をみた。
    「いや、あの、ダイゴさんまさか・・・」
    「ああ、彼らはそれぞれの家に帰しておいたよ。大丈夫だ、あれなら傷付けたわけじゃないから責任は問われない」
     ネンドールとエアームドがボールに戻っていく。そしてガーネットを抱き起こした。
    「一緒に帰ろう」
     ガーネットは何も言わず下を向いてダイゴの少し後ろを歩く。ダイゴが声をかけても、生返事しか返ってこない。
    「さっきのやつ」
     ガーネットが消え入りそうな声で言った。
    「昨日家にも来ました。親つれて、こうなったのは私のせいだから治療費はらえって、なんで私はこんなにまでされても何にもできないんですか?」
     ダイゴは何も言わずポケットからハンカチを取り出して、ガーネットの涙をぬぐう。彼女がハンカチをつかむと、肩を優しく叩いた。
    「ガーネットちゃんは何も悪くない。あんなことされても我慢していたのは本当に偉いと思う。僕だったらできない。何があっても絶対に手を出してはいけないなんてことは、僕はあり得ないと思う」
    「ダイゴ……さんっ!ダイゴさん!」
     今まで押さえていたものを一気に爆発させたかのように、ガーネットが声をあげていた。小さな子をあやすかように、ダイゴはガーネットを抱きしめる。

     対岸では暇なおじさんが釣りやゴルフをしていた。ガーディの散歩をしている人もいる。野生のペルシアンが川の魚を狙っていた。その後ろではニャースが見ている。どうやら子供に狩りを教えているようだ。
     その様子を見ながら、ダイゴはガーネットと一緒に川原で話していた。いつの間にか世間話になっていて、あのことなどなかったかのようだ。
    「ダイゴさんってポケモントレーナーなんですよね」
    「うん、そうだよ」
    「ポケモンってかわいいですか?」
    「かわいいよ。愛情をこめた分、期待に応えてくれる。言葉は話せないけど、僕にとっては人生のパートナーだ」
     自分のポケモンを持っていないとその辺りはいまいちピンと来ないのだろう。ガーネットは目の前のポッポを見て、不思議そうな顔をしている。
    「そうだ、ガーネットちゃんもポケモンもってみたらどうかな?」
    「えっ、私育てたことないですし」
    「大丈夫、ポケモンだって色々いて、懐いてくれる……そうだ実家にエネコっていうかわいいピンク色の猫がいるんだけど、どうかな?」
    「そんな、もらっちゃ悪いような……」
    「大丈夫だよ。会社の近くにはよくいるんだ。大人しいポケモンだからすぐ慣れてくれるよ」
     そうと決まったら。ダイゴは立ち上がる。

     ポケモンセンターでエネコの入ったボールを受け取った。そして外に出ると早速ボールから出してみる。
    「これがエネコなんですね。笑ってるみたいでかわいい」
     喉をごろごろ鳴らし、エネコはガーネットに甘えた。エネコをおそるおそる抱き上げて、頭をなでている。ふんわりとした猫の毛がガーネットの腕に収まる。
    「でも、もし力いれすぎてつぶしちゃったりしたら……」
    「考え過ぎだよ。技もそんな強いの覚えないから扱いきれなくなることはないよ。大切にしてね」
    「はい。ありがとうございます」
     ガーネットはとても嬉しそうだった。ダイゴからの贈り物、それを今までで一番大切というように。
     完全には打ち解けきれてないコンビではあった。帰り道、エネコはずっとガーネットの後ろをついていく。主人だと認めているかは解らない。途中、目につくもの全てに飛び掛かろうとしたり、ガーネットの髪にじゃれつこうとしたり、それはもうイタズラの大好きなエネコだった。
    「おかえり!」
     家につくと、元気よく向かえたのはガーネットの妹のくれないだ。身長差がなかったら、見分けはつかないだろう。
    「あ、おねえちゃんのせんせい!」
     ダイゴに向かってそう言った。くれないからはそう見えるようだった。けれど興味はダイゴからすぐに違う方に行く。そう、エネコだ。
    「かわいいーーー!!おねえちゃんどしたのそのこ!」
    「エネコだよ。ダイゴさんからもらったの」
     エネコも大きな声にひるんだが、くれないに捕獲され、なで回されては逃げ場はない。
    「ねえねえおねえちゃん、エネコかうの!?かわいい!」
     頭をなで回され、細い目で一生懸命助けてくれと訴えてるようだった。
    「くれないちゃん、エネコはぎゅっと抱くんじゃなくて優しく抱いてあげて。それから喉を撫でてあげると喜ぶよ」
    「え?そうなの?」
     ダイゴに言われた通りに抱くと、先ほどの苦しそうなエネコの顔から、普通のエネコの顔に戻る。
    「わあ、ほんとうだ。きもちよさそう!」
     エネコはくれないの腕の中でゴロゴロと喉をならしていた。
    「エネコまで区別ついてないのかな」
     ガーネットが小さく言ったのを、ダイゴは聞き逃さなかった。

     明日にはホウエンへ戻る。長い休暇が終わり、また現実へと戻るのだ。帰ってしまう前に、一言つたえた方がいいだろうとダイゴは道を歩く。
     家の近くまで来ると、ガーネットがギャロップを連れた同い年くらいの女の子ととても楽しそうに話している。最初はダイゴのことを気付いていなかったが、視界に入ると大きく手を振った。
    「ダイゴさん!こんにちは!」
    「やあ!こんにちは。ガーネットちゃんのお友達かな?凄い立派なギャロップを連れてるね」
     角は太く、蹄は固そうだ。そしてなにより燃え上がるようなたてがみ一つ一つが美しい。撫でようとしたら、ギャロップに睨まれてしまった。
    「はいそうです。ネネが言ってたトレーナーさんですよね!私はキヌコです。ネネと小さい時からの友達!」
     とても嬉しそうにキヌコは今度から一緒の学校に通えると話していた。ダイゴはそれを聞いて安心する。この短期間ではあったけど、妹のように思っていたガーネットと仲良しな子が同じ学校へ通う。誰にも助けを求められない性格だからこそ、キヌコの存在は救いに思えた。
    「あ、ディザイエの散歩の途中だから、じゃね」
     キヌコはギャロップを連れてそのまま去っていく。最後までギャロップはダイゴを睨んでいた。
    「ダイゴさん、キヌに先越されましたが、私は転校できることになったんです!」
    「うん、みたいだね。仲良さそうなお友達だね」
    「はい。中学が別で不安だったけど、一緒になってよかった!」
     ガーネットはとても嬉しそうに話している。何も進まず、完全につまったかのように思えた現状は、とてもよい方向に向かっているようだ。
    「良かった。僕も心置きなくホウエンに戻れるね」
    「あ、そうか……」
     少し曇りかけた表情を隠し、笑顔でガーネットは続ける。
    「ダイゴさん、ホウエンのトレーナーなんですよね。あの、連絡してもいいですか?」
    「いいよ。次は夏にジョウトに来る予定なんだけど、その時また連絡するよ。その時また元気な顔みせてね」
    「……はい!」
     ガーネットはダイゴに手を振る。ダイゴはまたね、と言って笑顔で去っていく。まだ春の寒い日だった。


    ーーーーーーーーーーーーー
    そして流星プロローグへ続く
    初恋は実りません。
    ゴーヤロック神に勝負を挑んだ事自体が間違ってると言われても気にしない。かきたいものをかくんだ!
    【好きにしてください】


      [No.2409] ダストシュート 投稿者:紀成   投稿日:2012/05/02(Wed) 20:41:13     86clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    今日も、 皆が、 誰も見ていないところで、

    静かに、でも確実に

    それを吐くのです



    『最悪』
    『消えて』
    『死ねばいいのに』

    思わず耳を塞ぎたくなるような言葉の数々。だがあえて塞がないのは、それらを戒めることが出来ないからだろう。自分は吐いたことがないと、どうして証明できようか。
    こういう時、毒タイプを嫌えない。街中に生息し、ゴミを漁ったり汚い跡を残していくことで人間からは度々非難の的になる。

    だけど。

    掃除をすれば消えるそれと違って、人間が吐く毒はナイフのようだ。
    一度飛んでいけば何かに突き刺さるまで速さは落ちない。
    突き刺さって止まっても、傷はジクジクと痛む。すぐには治らない。

    「……『めんえき』が、必要かな」

    だが、人間の『ダストシュート』を防ぐ方法を、私は知らない。
    誰も、知らない。


      [No.2408] 経験軽減ボランティア 投稿者:フミん   投稿日:2012/04/28(Sat) 17:40:21     110clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    都心部から離れた築数十年経つアパートのある一室。男は、もう何日も干していない古い布団に、着替えもせずに倒れ込んだ。服装は、仕事に行くときのまま、スーツのままで全身の力を抜く。

    「もう、限界だ」

    誰に話しかける訳でもなく、男はそう呟いた。
    時刻は夜の十一時。平日の真只中。朝七時に出勤したにも関わらず、帰ってきたのは真夜中。当然のように、明日も同じ時間にアパートを出なければならない。休日は週に一度。まだ二十代の若者は、とても厳しい環境で働いていた。
    給料も少なく。ボーナスも余り出ない。そして自分の時間を確保することが叶わなかった。貯金も出来ない、趣味に金を浪費する余裕がない。良い女と仲を深める時間もないし、たまの休みはひたすら体を休め続け、また働く。そんな虚しい毎日の繰り返し。
     
    このままでは、いずれ潰れてしまう。
    仕事を変えようか。しかし、先ずは転職先を決めなければいけない。
    頭の中で葛藤する男。そんな彼に、話しかけてくるポケモンが居た。


    「夜遅くに失礼します。お困りのようですね」

    外見は灰色。人間に似た大きな手、目は一つで大きな体。胸には閉じてはいるが大きな口があるポケモン、ヨノワールだ。噂では、その姿を人前に見せた時、あの世に導くポケモンと言われている。
    窓を開けもせずに、男に断ることなく部屋に侵入する。

    「勝手に、僕の部屋に入らないでくれるかな」

    「失礼しました。でも、あなたの手助けが出来るかと」

    男は、起き上がりもせずに頭だけを動かしヨノワールを睨みつける。彼には全く恐怖心がない。動くのも辛い程の疲労が、恐怖をかき消しているのだ。

    「手助け。お迎えかい? 僕はもう直ぐ死ぬから、こうして迎えに来てくれたのかな?」

    「まさか。あなたはまだまだ長生きしますよ。ゴーストタイプである私が保障します」

    「じゃあ、手助けってどういうことだ?」

    「簡単です。あなたの辛い思い出を食べてあげるのです」

    男は眉を寄せる。

    「よく分からないよ。君が言っているのはゆめくいをするということだろう? なのに、何故辛い思い出を食べようとするんだ。普通、良い思い出を欲しがるんじゃないか?」
    「確かに素敵な思い出は美味です。私にとっては極上のご馳走です。しかし、人間だっておいしい食べ物ばかり食べていては飽きてしまうでしょう。ポケモンだって同じです。美味しい物も良いのですが、たまには苦いものも口にしたいのです」

    ヨノワールは、見た目よりもずっと紳士な態度で言う。

    「失礼ながら、あなたの行動はここ数日ずっと拝見させて頂きました。日の出と共に起きて直ぐ仕事着に着替えて家を出る。自分の身を削り、何時間も働く。昼食はお金がないから、おにぎりとペットボトルのお茶のみ。お昼休みはたった四十分。昼を過ぎてからも働き続け、気づけば辺りは真っ暗。同僚や上司はさっさと帰宅してしまうのに、あなたは仕事を残してはいけないとサービス残業。そして誰もが家に帰り就寝する準備を終えた頃に帰宅。あなたの上司は責任感がない方です。普通部下はさっさと帰らすのが普通でしょう。それなのに、仕事を上手く割り振らず、自分は有能な上司だと信じて疑わない無能です。潜在能力で言えば、あなたの方がよっぽど努力家で人の上に立てる人間――いや、これは関係ない話ですね」

    こほんと間をあけて

    「ともかく、あなたはもう少し救われるべきです。ポケモンという立場でありながら、私は同情しました。最近裕福な夢ばかりを味わっているので、たまにはと思っていたのです。是非、あなたの今までの辛い夢、食べさせてくれませんか?」

    男は考える。人というものは、楽しいことはあっさり忘れてしまうというのに、辛いことは時々脳裏に浮かんでくる生き物だ。幼い頃につい出来心でしてしまった悪さ、思い出すのも恥ずかしい黒歴史、そして現在のような苦痛。それらを忘れることができるとしたら、どんなに素敵なことだろう。体の疲れは寝れば取れる。しかし、心の疲れは簡単には取れることはない。

    けれど、見返りなしということはないだろう。


    「悪くない話だ。でも、僕は君に何をあげればいい。当然、ただでできるなんて甘いことはないだろう」

    ヨノワールは心配なく、と呟く。

    「いいえ、対価は取りません。私はあなたを気に入ったのです。いつもなら寿命より早めに霊界へ――と言うところですが、今回は何も求めることは致しません。あなたの失敗した時にできた辛い記憶、今まで蓄積した苦い思い出を綺麗さっぱり食べてあげましょう」

    「本当に? 僕を騙そうとしていないよな?」

    もし事実なら、魅力的な話だと男は思った。嫌なことを忘れることができる。どんなに楽しいことがあってもふと頭に浮かんでくる苦痛な記憶。それらを、綺麗さっぱりと消してくれるというのだから。

    「ポケモンは、人間よりずっと正直者ですよ。あなたの辛い思い出を私が食す。それで私が満足する。それで対等です。その後何も求めることはありません。あなたも私も得をする。良い取引だと思うのですが」

    「いや、僕としては是非お願いしたい話だ。直ぐにやろう」

    「ありがとうございます。こうして了承を得てからゆめくいをするのは気分がいいものです。無理に食事をしても後味が悪いですからね」

    ヨノワールはそう言うと、手を使わずに寝そべっている男を起こす。サイコキネシスで浮かされた男は、最初は慌てたものの大丈夫ですと、ヨノワールに宥められて大人しくなる。声からしてヨノワールは雄だったが、体を弄られるのは悪くない気がした。男は、つい先程まで全く他人だったポケモンに親切にされ、自分の祖父を思い出した。両親言いつけを破り、家から追い出された時、誕生日に欲しいゲームソフトを買ってくれた時、男はいつも近くに住んでいた祖父に甘えていた。自分の親よりも、祖父との思い出の方が濃いかもしれない。あれは間違いなく良い思い出だ。他人からの愛情を受けていない男は、ヨノワールの些細な一言で歓喜余ってしまう程に疲れ果てていたのだった。

    祖父との思い出のような綺麗な思い出だけが心に残ったら、どんなに幸せだろう。寧ろ、そうして悪いことがあるのだろうか。
    ヨノワールは、腹にある大きな口を開く。桃色の舌が男に少しずつ近づいていく。


    「では、あなたの苦痛な記憶、思い出を頂きます。ゆっくり目を閉じてください」

    最早、男に抵抗する気はない。彼は、言われたままに目を閉じる。独特な舌が男の頬に触れる。一瞬寒気が走ったが、直ぐに気にならなくなる。途端に、段々と男の意識が遠退いていく。

    「またいつか会いましょう」

    それが、ヨノワールの最後の言葉だった。





    翌朝、日が昇る前に男は目を覚ました。
    服装はそのままだが、きちんと布団に入り熟睡していた。気を失った後、ヨノワールがベッドまで運んでくれたようだ。時刻を確認してみるとまだ五時半だった。しかし、やけに目覚めがいい。

    昨日は、まるで夢を見ていたみたいだった。本当に、辛いことをさっぱり忘れてしまったのだろうか。
    あまり実感が湧かない男だったが、直ぐに自分の変化に気がついた。
    体が軽い他に、心境が変化している。胸の中に詰まっていたものが綺麗さっぱりと消えてしまったようだ。昨日だって、些細なミスの責任者としてたっぷりと怒られた。そのことは覚えている。しかし、あの瞬間に感じた苦痛というものがまるでない。そもそも何故自分は怒られたのか、まるで覚えていない。

    昔のことを思い出してみる。小さな頃は外でも家でも沢山遊んだものだ。家の隣に住んでいた可愛い女の子。道ばたで怪我をしたときにおんぶをしてくれた近所のお兄さん。どれも大切な思い出だ。じっくり記憶を辿る。すると、ところどころにぽっかりと穴が開いている気がする。まるで意図的に、その部分だけごっそりと抜き取ったような、そんな感じ。

    間違いない。昨夜ここにはあのヨノワールがいたのだ。そして本当に辛い思い出・記憶を食べてくれた。
    辛い記憶が胸に詰まっていないことがどんなに楽か、男は身を持って知ることができた。山登りをする際に背負っていた重たい荷物を捨ててしまったみたいに、心が身軽になっている。辛いこと忘れてしまうということは、とても気分がいい。
    男は、晴れやかな気持ちで着替え始めた。こんな爽快な朝は久しぶりだ。久しぶり喫茶店でも行き朝食でも食べようと思った。





    「おはようございます」

    「おはようございます、男さん」

    男は、近所の喫茶店でモーニングを済ませ、少し早めに会社に出勤した。同僚に挨拶をしながら自分の席へと座る。同時に、同じ歳の女性社員に話しかけられた。

    「昨日は大丈夫でしたか? 男さん、随分落ち込んでいましたけど」

    「昨日?」

    男は首を傾げた。

    「そうですよ。昨日凄く上司に怒られていたじゃないですか。しかも理不尽に。私達も悪いのに狙ったように男さんだけを叱るなんて。男さん半泣きのまま帰ってしまうので、皆で心配していたんですよ」

    ああ、と男生返事を返す。その記憶は、つい先日抜かれてしまったので何も覚えていない。だから気を遣われても逆に困ってしまう。同僚の女性社員は平然としている男を本気で気遣っているようだった。
    男は言う。


    「ああ、もうあのことは良いんです。いつまでもくじけていてはいけませんから」

    「強いんですね。でも良かった、あんなの気にすることはありませんよ。今日は食事に行きませんか? 私、奢りますよ」

    女性社員は、声を小さくして男の耳元で呟く。

    「それは、二人きりで?」

    「ええ」

    男は冷静に対応するつもりだったが、思わず笑みがこぼれてしまう。普段からこの女性社員とは仲良くしているが、こんなことは初めてだった。久々に良いことが男に訪れる。男の中には苦い思い出がない分、嬉しさが直に心に来る。

    「じゃあ、仕事が終わったら駅で飲みましょうか」

    「そうしましょう」

    さり気なく約束を交わした二人は、それぞれの持ち場で仕事を始めた。今日すべきことを早めに終わらせて早めに帰るためだった。
    黙々とやるべきことを終わらせていく。男の効率はとても良くなっていた。心に引っかかることが何もないからだ。仕事は確かに楽ではないが、やり慣れた内容なので問題なくこなすことが出来る。
    気分は爽やかだった。彼は改めてヨノワールに感謝した。
    その時、男はある中年の男に話しかけられた。


    「男君。ちょっと今外せるかな」

    それは、昨日男を叱った上司だった。

    「はい。問題ありませんが」

    男は座ったまま上司の方へ振り向いた。上司は少し苦い顔をしている。着いてきてくれと言い残して上司はオフィスの奥へ歩いていく。男は急いで立ち上がり、後を追いかけていく。
    上司が入った部屋は、使用していない会議室だった。上司は男に空いている椅子へ座るように促し、男はそれに従う。

    「昨日はすまなかったね。私もつい大人気なく怒鳴りすぎてしまった。ここのところ寝不足が続いていて、つい言い過ぎてしまったよ」

    上司は申し訳なさそうに軽く頭を下げた。もちろん男は、そのことを覚えていない。

    「大丈夫です。もう気にしていません」

    上司は驚いた。男は、本心で言っていることが分かったからだ。

    「そうか。許してくれて良かった。しかし、今日はやけに明るいな」

    「ええ、元気を出して仕事をしないと楽しくありませんから」

    男の上司は、明らかに戸惑っていた。いつもあんなに気の小さい部下が、まるで手本のようにハツラツとした様子だったからだ。昨日とはまるで別人。中身が入れ替わってしまったようだった。
    上司は、戸惑いながら何かを言い出そうとしていた。そんな様子を見た男も、自分の上司の異変に気づく。

    「どうかしましたか?」

    男の返事に上司は更にうろたえる。言うことがあるならどうぞ遠慮しないでくださいと、男は笑顔で返す。ますます上司は踏ん切りがつかなくなる。
    数分ためらった後、上司ははっきりと述べた。


    「男君、冷静に聞いてくれ」

    上司は辛そうに言う。

    「君は、今月でクビだそうだ」

    男は、言葉を失った。

    「君はあのプロジェクトの責任者だっただろう。あれが失敗し多大な損失が出てしまったんだ。それで、ついに社長が怒ってね。私は今朝きちんと反対したんだ。だが、なんとしても君を解雇すると」

    上司の言葉は耳に入らない。

    「君からきちんと辞めると言ってくれれば、退職金等はちゃんと出すということだ。私にはどうすることもできなかった。すまない」

    今度は更に深く頭を下げるが、男は何も見てもいなかった。それよりも、またもや自分の体の異変に気が付いた。

    辛い。会社から去れと言われて辛くない訳がないのは分かっている。しかし、心に残る傷の深さが尋常ではないことに、男は気が付いた。

    彼から辛い記憶は確かに消えた。しかしそれは、未経験になるのと変わらない。誰でも初めての経験は良い事でも悪い事でも、本人には未知の刺激。つまり心構えができないのだ。男は、実は一度解雇された経験があった。しかしその体験もなかったことにされている。昨晩、あのヨノワールによって。

    今の男は負の経験に対しては、一度も叱られたことがない子どもと変わりない。クビにされるというとても辛い出来事は、直接彼の心に突き刺さった。何も耐性がない男にとって、この痛みは計り知れない。
    精神的な痛みは、とうとう男の体にまで異変を起こす。頭痛、吐き気、めまい、そして動悸が激しくなる。彼は胸を押さえて椅子から落ちた。側にいた上司が駆け寄り、大丈夫かと呼びかけるが返事を返すことができない。慌てた上司は、直ぐに会議室から飛び出して助けを求めた。

    朦朧とする意識の中で、男はヨノワールにして貰ったことを後悔した。





    同時刻、別の場所にヨノワールはいた。
    大理石の床に磨かれた壁、天井からはシャンデリアが釣られている豪勢な部屋。大きな窓の側には、柔らかくて立派な部屋に座る中年の男性がいる。歳は四十を過ぎているにも関わらず体は引き締まっていて、腹に多少脂肪があるが全身に筋肉がついている。髪はワックスで固められ髭も剃られている。歳相応の、格好良い中年のおじさん。
    その直ぐ側に、あのヨノワールはいた。


    「どうだ。あれは持ってきたか?」

    「はい。今回は、とても極上の夢を持って参りました」

    「では早速夢を頂こうかな。金は、そこの机のテーブルに置いてある分で足りる筈だ」

    「いつもありがとうございます」

    ヨノワールは金が積まれた机に向かい、中年男の前で札束を数え始めた。時間をかけてじっくりと。そして確認を終えると、ヨノワールは頷く。


    「確かに、指定した金額が置いてあります」

    「なら良いだろう。今日はどんな夢だね」

    「環境が悪い企業で、働き疲れ果てた青年の思い出です。これは、私が口にした夢の中ではかなりきつい
    ものだと思います」

    「それは楽しみだ。さあ早くその夢をくれ」

    急かす男性に従って、ヨノワールはかしこまりましたと返事を返して行動を起こす。腹の口を開け自分の手を口に入れ、何かを取り出した。それは、不可思議な物体だった。手でつかめる程の球体で色は紫色、ヨノワールの手の中にあるその瞬間も、球体の中心ではドロドロと渦を巻いている。球体は、音も出さずに存在感を醸し出していた。

    「数十年分の、辛い思い出です」

    男性は身動きせずじっと座っている。ヨノワールは男性に近づき、球体の一部を米粒程の大きさに引きちぎる。それを慎重に男性の口の中へ入れた。
    暫くの沈黙、すると男性が痙攣を始める。目を見開き口を大きく開けて全身を震わせる。喉からは嗚咽が漏れ、空中に手を差し出し何かを掴む動作をした後、直ぐに頭を抱えて悶えだす。数十秒その症状は続き、やがて男性は正常な状態に戻る。
    肩で息をして激しい運動をしたように呼吸が荒いが、その表情には至福の気持ちが混じっていた。

    「素晴らしい」

    男性は、それだけ呟くと水を口に含んだ。そしてもう一度だとヨノワールに促す。ヨノワールは先程と同じ量をまた男性の口に含ませる。そして悶える。ただその繰り返し。
    夢の球体が三分の一に減るまでそれは続けられた。もう今日は止めましょうというヨノワールの制止に男性は素直に従った。全身汗だらけで、ヨノワールに差し出されたおしぼりで顔を拭く。

    「最高の時間だったよ。お前の主人は良い仕事をする」

    「ありがとうございます」

    ヨノワールは、深くお辞儀をした。

    「これでまた記憶が入っていくのか。少しずつしか入れることができないのが残念だが」

    「仕方ありません。これには何年分もの辛い思い出が詰まっています。一瞬でそれ程の負を取り込んだら、あなたはショック死してしまいますよ」

    「分かっている。しかし人間というのは不便なものだな」

    男性は、葉巻をふかす。


    「私は産まれながらにして金はあった。将来は約束されていたし、同じ地位の友人も裕福でない友人もいる。しかし、辛い目に遭って来たことはなかった。高度な勉強も嫌いではなかったし、親戚と立場争いをしている訳でもない。友人にも恋人にも恵まれていたし、両親もまだ元気だ。だから辛い経験を少しでもしておかなければならない。世界有数の社長になったのだから、もっと失敗や苦悩を学んでおきたいんだ」

    「分かっております。だから私の主人は、こうして私に苦い思い出を集めさせているのです。普段我々は、幸せな夢を売るのが商売です。しかしあなたは特別なお客様ですから、こうして少々危険なことをしているのですよ」

    「分かっている。もう私も歳だし、忙しくて自分の時間があまりないからな。座ったままさま様な体験ができるなら、これくらいどうってことない金だ。寧ろ安いくらいだ」

    「この続きは明日の同じ時刻で宜しいでしょうか?」

    「ああそうしよう。今日はありがとう。いつも済まないね」

    「いえ、これが私の仕事ですから」


    そう言い残し、ヨノワールはケースに入れられた札束を持ち、いつも通りに姿を消した。




    ――――――――――

    いつも見てくれてありがとうございます。再び作品を置かせて貰います。
    自分の人生思い返してみれば、辛い思い出の方が圧倒的に多く感じてしまいます。

    フミん


    【批評していいのよ】
    【描いてもいいのよ】


    | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 | 39 | 40 | 41 | 42 | 43 | 44 | 45 | 46 | 47 | 48 | 49 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 | 55 | 56 | 57 | 58 | 59 | 60 | 61 | 62 | 63 |


    - 以下のフォームから自分の投稿記事を修正・削除することができます -
    処理 記事No 削除キー

    - Web Forum Antispam Version -