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  [No.115] SpecialEpisode-7(1) 投稿者:あゆみ   投稿日:2010/11/22(Mon) 19:09:52   54clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

スピンオフ作品の第7作は、管理人様に頂いたご意見も参考にしながら、本編も含めて初めての小説形式にしていきたいと思います。
今回スポットを当てるのはロケット団の幹部兼ナナシマ支部長・ケイです。本編ではマサト達の視点からダイヤモンド・パール・プラチナをめぐる攻防が繰り広げられましたが、ここではケイ達ロケット団の視点から見ていきたいと思います。
本棚収録はキキョウシティ編の後を予定しています。

SpecialEpisode-7「ロケット団!ナナシマに賭けた野望!!」

(1)


【はじめに】
この作品はナナシマ編・ネイス神殿の攻防の時期に当たるため、作中、例によって某ジ○リ映画のオマージュやパロディが多々見られるかと思います。
元ネタは恐らく誰でもご存知の作品ですが、元ネタをご覧になったことがない方は十分注意してご覧くださいませ。


「ああぁ!目がぁ、目があああ〜!!」
気がついたとき、私の視界は何も見えなかった。
さっきまで確かに見えていたはずなのに。激しい目の痛み。それを理解するまでにさほど時間はかからなかった。
周りから音が聞こえる。天井が、そして足元が今にも崩れ落ちそうな、激しい音。何も見えないまま、音だけが響く中、私は壁づたいに歩かなければならなかった。
だが何も見ることができない。その事が私の判断を、そして理性を完全に喪失させていた。
壁づたいに必死で歩く。だが私の足元もまた崩壊が始まっていたことに気づくはずもなかった。
「あ、あぁ!目がっ!」足元が何かにつまずく。その瞬間、手は壁から離れ、私は何も見えない中に放り出されてしまった。「あああああ、あぁぁぁ!!」
支えを失った私は、揺れる地面に足を取られ、下に向かって落ちていくのがわかった。
やがて全身に衝撃を覚えた。床に叩きつけられたのだろう。だが何も見えないのは変わらない。しかしこの階層も崩落するのは間違いなかった。
「ああっ、目がぁ!」私はどうにかして壁に手を触ろうとする。だが、私の口から出るのはこの言葉だけだった。「目が、目がぁ、ああぁ!!」
だが次の瞬間、聞いたこともないきしむ音がしたかと思うと、床が完全に抜け落ちていくのが分かった。
「あああああーーーーーっ!!!!」
私は抜け落ちた床――無数の瓦礫と一緒に、真っ逆さまに落ちていくのがわかった。

私はケイ。ロケット団の幹部にして、ナナシマ地区の支部長だ。
私はサカキ様からの命を受け、このナナシマに眠る超古代文明・ネイス神殿、そして伝説の宝石である、特別なダイヤモンドとパールを手に入れる使命を受けたのだ。
ネイス神殿を蘇らせて私が支配者となる。シナリオは完璧なはずだった。だが、まさかこんなことになろうとは・・・。
海に向かって落ちていく私の脳裏を、サカキ様から命を受けたときのことがよぎった。
(サカキ様・・・。)

(2)に続く。


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