コトブキシティ中心街に現れた巨大な草体。それと対をなすかのごとく出現した虫状のポケモン。地下鉄の乗客を救出するべく出動した警察隊は、地下鉄構内に現れたそのポケモン達を相手に手も足も出ず、やむなく撤退せざるを得なかった。
「ここはやはりポケモンレンジャーであるあなた方に向かってもらいたい。」
警察隊のリーダーがアスカとチヒロに向かって言った。
「あたし達に・・・ですか?」
「ああ。私たちではどうにも手に負えなかった。もちろん、あなた方だけでと言うわけにもいかないだろう。レンジャーユニオンのシンオウ支部にも連絡は取ってある。あなた達だったら地下鉄に取り残された乗客達を救い出すことができると思う。」
「お姉ちゃん、あたし達にできるんだったら協力しよう!」
チヒロがアスカの方を向いて言う。
「(今回のミッションはあたしとチヒロがこれまで経験してきたのよりももっと厳しいと思うわ。だけど、こういった緊急事態に立ち向かうのが、あたし達ポケモンレンジャーだと思うわ!)はい。よろしくお願いします!」
アスカは大きくうなずいた。
「分かった。本当は、あなた達も最初から救出に同行してもらいたかった。だが、あのポケモンの行動は私たちの想像以上だ。あのポケモン達は私たちがこれまで知っているポケモンとは全く違う行動をとっている。気をつけてミッションを遂行して欲しい!」
シンオウ支部から派遣されたポケモンレンジャーも合流、アスカとチヒロはいよいよバンギラスデパート駅から地下鉄構内に入っていくことになった。
「テレビコトブキ前駅とバンギラスデパート駅の間に、地下鉄の列車が1編成取り残されているという報告がネットレールから寄せられている。レンジャー諸君、地下鉄構内に集まっている未知のポケモンに気をつけつつ、地下鉄の車両に入り、乗客達を救出して欲しい。」
号令をかけたのはレンジャーユニオン・シンオウ支部長のセイゾウ。自身はコトブキシティのポケモンセンターを総司令本部として、今回のミッションの総合的な指揮を執ることになった。
「警察隊の報告によると、未知のポケモンはエレキボールなどのでんきタイプの技に加えて、その外見や特徴などからむしタイプの技を使うものと推測される。十分に注意して向かって欲しい。」
「はい!」
レンジャー全員が敬礼の姿勢をとる。
「では、ミッション開始!」
アスカやチヒロをはじめとするポケモンレンジャーの一団が地下鉄構内に足を踏み入れていく。果たして、謎のポケモンの大群が迫る中、アスカ達は取り残された乗客達を無事に救出することができるのだろうか。
<このお話の履歴>
2011年5月1日、ポケ書内ポケボード・ラティアス部屋にて掲載。