マサラのポケモン図書館 カフェラウンジ
このフォームからは投稿できません。
name
e-mail
url
subject
comment

[もどる] [新規投稿] [新規順タイトル表示] [ツリー表示] [新着順記事] [留意事項] [ワード検索] [過去ログ] [管理用]
  • 以下は新規投稿順のリスト(投稿記事)表示です。
  • 48時間以内の記事は new! で表示されます。
  • 投稿者のメールアドレスがアドレス収集ロボットやウイルスに拾われないよう工夫して表示しています。
  • ソース内に投稿者のリモートホストアドレスが表示されます。

  •   [No.2443] 蛇足 投稿者:白色野菜   投稿日:2012/06/01(Fri) 21:08:44     100clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    数年前に有名なゲーム会社が数十年前のゲームのシリーズの最新作を最新技術を結束して出した。

    ゲームのシリーズの名前は「ポケットモンスター」

    使われた技術の名前は「AR」と「VR」

    ARは拡張現実。

    VRは仮想空間。

    ARでポケモンは何時でも何処でも人の側にいられるようになった。
    勿論マナーの問題はあるが、食事を共にすることも一緒に授業に出席することすら可能になった。


    VRによって、人はポケモンの世界へと行けるようになった。
    さすがに五感は完全には再現されていないが処理落ちもなくかなり快適だ。
    トレーナーとして、旅をしながらバトルを磨くもよし、ブリーダーとして美しさを磨くもよし脇道をそれて育て屋さえ持てる自由度は高くそれなりに評価されているらしい。


    ここはそんなゲームが流行っている世界。
    ここは少し遠い未来の世界。









    という話を、書きたかったけれど文章能力が足りなかったです。
    【書いてもいいのよ】【焼いてもいいのよ】
    【批評歓迎】


      [No.2442] 休日 投稿者:白色野菜   投稿日:2012/06/01(Fri) 20:56:55     86clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    「………ぴーかちゅぅ?」
    目蓋を抉じ開けると黄色いネズミが、私の顔を覗きこんでいた。
    寝不足の頭をフル回転させて、昨日の夜の事を思い出す…。


    「そうか、交換して………そのまま寝落ちしたのか。」
    てしてしと人のでこを叩いてくる黄色いネズミを無視しつつ、見覚えのある天井を見上げる。
    茶色い人の形にも見えなくもない染みがそっぽをむいていた。

    何も変わらない
    何時も通りの朝だ。

    「よし!」
    気合いをいれて上半身を跳ねあげる。
    黄色い毛玉がころりと転がったが気にしない。

    時計は気にしない、今日の予定は無くなった。
    外が明るいので朝か昼だ。
    とりあえず、ご飯だ。

    「ぴーかーー!」
    「……黄色もお腹減ったか?」
    「ぴか!」
    「仕方ないなぁ………てか、お前の名前も決めなきゃな。」
    名前を決めるにしても、種族すらわからない。
    いや、見たことはある。
    たしか、赤い悪魔が使ってた……思い出せない。

    寝起き特有の空回りする思考を楽しみながら、フライパンを火にかける。
    加熱している間に棚から瓶詰めのポロックを一粒取り出す。

    「ほら、ご飯。」
    「…………ちゃぁ。」
    「ん?辛いのは嫌いか…………あとは酸っぱいのだね。」
    「ぴか!」
    「えー、酸っぱいのか。ストックほとんどないから後で作りにいかな駄目かな。」
    瓶の底の方に辛うじてあったポロックを黄色に投げ渡す。

    投げた結果は見ずに自分の朝食に取りかかる。
    若干、加熱しすぎたフライパンに油をしき卵を割り入れ蓋をする。
    火力を弱火にして、待ってる間にトーストにベーコンを乗せて一枚焼いておく。

    布団をたたんで折り畳み式のテーブルを出せばいい案配に朝食ができた。

    「いただきます。」
    「ぴーかーぴっ!」
    重ねられた声に黄色を見るとポロックを両手に持ってぺこりと頭を下げていた。
    それから、美味しそうにポロックをかじりだす。
    挨拶なんて妙な物を仕込んでるんだなぁ等と思いつつ、目玉焼きに醤油を垂らす。

    空間モニターには今日の天気が写し出されていた。
    生憎の雨らしいが彼方には関係ないだろう。
    たまにはポロックを作る以外にぶらついてみるのもいいかもしれない。
    卵の黄身を潰し私はぼんやりと考える。

    あぁ、そうだ。
    姓名判断師も探さないとな…。












    私が交換したポケモンの名前が変えられないと言うシステムを思い出すのは大分先の話である。


      [No.2441] うおおお 投稿者:teko   投稿日:2012/05/28(Mon) 23:55:33     85clap [■この記事に拍手する] [Tweet]


     ふをおおおおおおおおおおお
     うおおおおおおおおおおおおおおお!!

     ということ、実はかなり取り乱したtekoです。そしてお久しぶりなのですw
     くいさん、あんなアホのためにこんなすんばらしい小説書いてくださって……うれしいです。僕としても!
     そして、このとき寝落ちしてすんませんした マジすんません

     自分でもすっかり忘れかけていたよーな話が、ここまでいいものになるとは感激です!
     あのアホ、こんなにかっこよかったですっけ?もっとアホじゃなかったですっけ?

     描写もいつものことながら、今回は動きいきいきですね!臨場感ぱないです
     格闘タイプのバトルって感じで本当に好きです!それも、本当にバトル技をベースとしてやるとなると・・・…ゲームに疎い自分には相当できない芸当ですが、だからこそポケモンらしくてスキです。アニメも見習ってよまったく

     姉さんの美しさが欲しいです。きっとしなやかでもふもふの毛ざわりなんでしょううう
     チビ君がどんな風に成長していくのか、先見たいんで宜しくお願いします
     でも、あんなのは見習わないほうがいいぞ!

     酒乱暴走というところにとても、なぜかわからないけど親近感を感じる!
     本当、あんなのをこんなにかっこよく書いてくれて本当うれしいです。こいつで何か小説書きたくなったじゃないですかどーしてくれんですかくいさんw

     また、ちゃっとでお会いしたさいに感想を吐かせていただこうと思います。
     筆舌に尽くしがたい!

     では、続きを期待しますw
     乱文失礼いたしやした!


      [No.2440] コメントありがとうございます 投稿者:穂風奏   投稿日:2012/05/28(Mon) 21:22:26     85clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    > 私も「ポケライフ」用に図書館ネタを考えてたのですが・・・・穂風さんの方が数百枚上手です。参りましたm(_ _)m
    > ポケモンの特性をこうからめようとは一切考えたことがなかったので、これからの参考にさせていただきます。

     数百枚上手だなんて・・・!
     私もaotokiさんの「ポケモンとのほんわかした日常」の書き方を見習いたいです。
     それでも、何かの参考になったのなら嬉しいです。


    > 確かにエーフィは、本読んでても違和感が全くない気がします。
    > 現実でもポケモンでも、犬系は主人の読んでる本を眺めてそうですが、猫系は自分で読んでそうですし。やっぱり図書館には猫ですね。

     ガーディとかポチエナの犬系なら「遊ぼ遊ぼ!」って邪魔しそうですが、エーフィとかチョロネコの猫系なら「あたしはあたしで好きにやってるから構わないで」って言いつつも一緒にすぐ横で本を読んでそうです
     確かに図書館にいるなら猫ですね
     それと本目当てじゃなくて、エーフィ目当てで来てしまう人もいたりしそうです。穂風もそのうちの一人になりそうです(笑)

     それでは、コメントありがとうございました!


      [No.2439] 本には犬より猫が似合う 投稿者:aotoki   投稿日:2012/05/27(Sun) 15:49:51     88clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    読ませていただきました。この図書館、すごい行きたいです。リアルに。
    私も「ポケライフ」用に図書館ネタを考えてたのですが・・・・穂風さんの方が数百枚上手です。参りましたm(_ _)m
    ポケモンの特性をこうからめようとは一切考えたことがなかったので、これからの参考にさせていただきます。

    確かにエーフィは、本読んでても違和感が全くない気がします。
    現実でもポケモンでも、犬系は主人の読んでる本を眺めてそうですが、猫系は自分で読んでそうですし。やっぱり図書館には猫ですね。
    あと個人的には記者さんが可愛いな、と思いました。


      [No.2438] 【ポケライフ】大図書館の司書 投稿者:穂風奏   投稿日:2012/05/26(Sat) 21:51:44     136clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

     とある休日。私は巷で噂の大図書館を訪れていた。
     なんでも、今まで来館者がほとんどいなかったのが、近頃急に多くの人が来るようになったらしい。
     そのわけを知るべく、雑誌記者として館長に話を伺うことにした。

    「どうぞ、おかけになってください」
     通された部屋は、二階にある小会議室だった。ソファが八つとテーブルが一台だけというシンプルな場所だ。
     ゆったりとしたスーツに身を包んだ女性――館長は私を中に入れると、ドアを半開きにしたままで私の向かいに座った。館長の隣ではエーフィが大人しく座っている。
    「さて、単刀直入に訊きますが、なぜ多くの人が訪れるようになったんですか?」
    「やはりその質問ですね。では逆にお聞きしますが、記者さん。この図書館を訪れた感想はどうですか?」
    「えっと、とても広くて多くの蔵書があり、さすが地方一の図書館だと思いました。ですが、ここから目当ての本を探すのは一苦労しそうですね」
    「そうでしょう。一生費やしても読めないほどの本の量がここの自慢ですから。そのおかげで、『探すのが面倒だ』なんて言われて、全然人が来てくれなかったんです」
    「それは今でも変わらないんじゃないですか?」
    「いえ、違うんです。――その秘密がこの子でして」
     そう言うと、館長はあくびをしていたエーフィを抱え、テーブルの上――私の正面に乗せた。
    「話すより実際に体験した方が早いでしょう。何か悩み事はないですか? 早起きできるようになりたいとか、手軽な運動法を知りたいとか」
    「悩み事ですか。そういえば、何か楽器ができたら、と最近思ってるんです」
    「わかりました。それじゃフィフィ、いつものお願いね」
     フィフィと呼ばれたエーフィは面倒そうにもう一度あくびをすると、一歩私の方へ近づいた。
     薄紫の瞳が淡く光り、じっと私を見つめる。「ねんりき」だろうか。
    「何が始まるんですか?」
    「もうすぐわかりますよ」
    「はあ……」
     よくわからないまま見つめられるのは落ち着かないが、こらえてエーフィの両目を見つめ返す。
     そうして、不思議なにらめっこがしばらく続いた後、エーフィは扉の方へ体の向きを変えた。まだ瞳は光っている。
    「そろそろですね」
     館長がそういったのとほぼ同時に、半開きにされていたドアから二冊の本が現れた。正確に言うと宙に浮いてやってきた。
    「この本はフィフィが今、本棚から『ねんりき』で持ってきたものです。どうぞ手に取ってみてください」
     館長に言われた通り、二冊のうち少女とオカリナの写真が表紙の本を手に取ってみる。
     タイトルには『フルーラの簡単オカリナ入門講座』とあった。
     数ページめくってみると、オカリナの持ち方から音の出し方、簡単な練習法などがイラスト付きでわかりやすく書かれていた。
    「どうですか? 今のあなたにピッタリな本でしょう」
    「これは……驚きました。ちょうどオカリナに興味があったんです。しかし、私はオカリナとは一言も口にしてませんよ」
    「それがこの図書館が人気の理由なんです」
    「というと?」
    「エーフィの特性はご存知ですか?」
    「はい。『シンクロ』――それと最近『マジックミラー』のエーフィも確認された、ですよね」
    「その中でこの子は前者の特性を持ってるの。『シンクロ』を使って相手の気持ちになり、その人の目線からぴったりな本を選ぶ。これがフィフィの図書館でやってることなんですよ」
    「『シンクロ』にそんな使い方もあるんですか。――けどそれは、エーフィが図書館のどこに何の本があるか把握していないとできないのでは?」
    「フィフィは本が大好きで、毎日本を読んでるんですよ。繰り返し読むうちに本の位置を覚えてしまったんでしょうね」
    「人間の文字で書いた本をですか?」
    「ええ。最初は絵本を楽しそうに読んでいたんですけど、そこから字を覚えていったのか、今では『多角的視点創世論』なんていう難しい本まで読んでいて」
    「聞いただけで頭が痛くなりそうな題名ですね」
    「ええ、前までは読み聞かせをしてあげられたんですけど」
    「さすがに、そんな本は読み聞かせできませんね」
    「フィフィがシンクロを使うと体力を消耗するので、一日1〜2時間ぐらいしか仕事はさせてないんですが、睡眠・食事以外はずっと本を開いているんです」
    「本当に本が好きなんですね。私も帰ったらこの本を読んでみることにします。返却期限はいつですか?」
    「二週間です。きちんと返しに来てくださいね。本に触れる人が多くなったのは嬉しいことなのですが、延滞や返しに来ない人も増えているので」
    「わかりました。記事でも借りた本は返すように伝えておきたいと思います。それでは、本日は取材に協力いただきありがとうございました。フィフィもありがとうな」
     フィフィの顎の下をなでると、彼女は気持ちよさそうに喉を鳴らした。
    「では、受付で貸し出し手続きをしましょう。私についてきてください」
    「お願いします」
    「そういえば、こっちのもう一冊は?」
    「あら、フィフィったら。記者さんが独身だと知って気を利かせてくれたみたいですよ」
    「はは……。そっちの方も頑張らないと、ですね」
    「応援してますよ。そうそう、オカリナの本の作者さん知ってますか? オレンジ諸島では結構有名なオカリナ奏者で――」

    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    こんばんは、穂風です
    「特性「シンクロ」をうまく使って、図書館のお手伝いをしてるエーフィ」を書いてみました
    エーフィがおすすめの本を選んでくれたらどんな本でも読んでしまいそうです
    毎日エーフィに会いに行って、おやつあげようとしたり、なでなでしたりしようとして館長さんに怒られる人がたくさん出そうですね


      [No.2437] どうも、数年ぶりのマサポケです 投稿者:天城のるあ   《URL》   投稿日:2012/05/26(Sat) 18:08:53     79clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    数年ぶりにマサポケに投稿しました、天城のるあです。
    はじめましての方は初めまして、久しぶりの方は久しぶりです。

    しばらく二次創作から離れてましたが、今年からレジギガスさんのスピードでスロースタートしました。


    久々に書いた結果がこの作品だよ!
    それにイシツブテを投げられる覚悟は出来てます。

    ちなみに作中の「僕」と名乗るポケモンは、伝説系や幻系以外で各々の想像にお任せしたいと思い、あえてはっきりさせないことにしました。

    今回はポケストのお題とは異なるが、重圧と責任、すれ違いと迷走とか混ぜたものになりました。
    ということで次はギャグでも書こうかと思ってます。


    天城のるあ


      [No.2436] ウィナーホーリクの狂宴 投稿者:天城のるあ   《URL》   投稿日:2012/05/26(Sat) 17:59:49     97clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    僕の主人の名前はルセア、ポケモンリーグのチャンピオンだ。
    全てのポケモントレーナーの高みに上り詰め、僕も共にその栄光と祝福を受けた。
    殿堂入りしたあの日から2年の時間が過ぎた今でも、主人はスタジアムに立ち続けた。

    「チャンピオンのルセア。これで68連勝です!」
    今日もスタジアムの実況が、僕の主人の勝利を伝えている。
    しかし、今は僕達がスタジアムで戦うことは無くなっていた。
    今の彼女がスタメンに使うポケモンは、殿堂入りした日とは全く違うからだ。

    海の神と呼ばれるルギア、超古代ポケモンのカイオーガ、夢幻のラティオス、
    天空の神と言われるレックウザ、北風の化身スイクン、時渡りポケモンのセレビィ、

    そう、全て伝説のポケモンとか幻のポケモンが、今の主人の戦力だ。
    今の僕達は控え席に座る、単なる傍観者でしかなかった。

    「連勝記録を重ね続けるルセアさんが、今や観客に向けて手を振っています」
    多くの観客の前で手を振る主人は、表向きでは喜びの表情を見せるが、
    僕は心の中ではそのような気持ちがあるように見えなかった。





    試合が終わった後、僕はチャンピオンに与えられる豪華な控え室で、同じくベンチに座って観戦していた仲間達に、今の主人に対する不満を告げる。

    「今の主人は楽しそうに見えない。それに奴らも調子に乗っているよ」
    「でも俺達がここまで来られたのは、ルセアのお陰だぜ」
    「野生ポケモンでしかなかった私達を、ここまで強くしてくれたのはルセアさんだもん」
    僕の不満を聞いた、最初の一匹であるリザードン先輩と、後輩のサーナイトは主人に対する不満は無かった。
    主人が勝ち続けるのなら、傍観者でもいいという立場に甘んじている。

    「僕も主人に感謝しているのだが、今の主人には昔の主人にあったものが見えない」
    「それはお前の気のせいだろう」
    「ひょっとして、奴らに対する嫉妬?それもとスタメンの椅子取られて悔しいのか?」
    初めて殿堂入りした仲間、ドサイドンやアブソルも、僕の不満を違う意味で取っている。
    もちろん、僕は今のスタメンの奴らばかり出るという不満もあるが、それが本当にいいのか、今の主人が道を間違えていないのかというのが僕の不満だ。

    「もういい。お前達より奴らに話をした方が早い」
    「ちょっと待ってよ」
    僕はベンチ入りした仲間達に話しても無駄だと思って、この場を立ち去る。
    そんな僕の姿を見たピカチュウが、後ろを追ってくる。





    「お前達が来てから主人が変わったんだ!」
    「お、落ち着いて!」
    僕は感情をむき出しにして、主人が変わった原因が奴らにあるとして強い口調で迫る。
    ピカチュウは冷静さを失った僕を必死に止めるが、怒りに任せて静止を振り切る。

    「俺達はルセア様に忠誠を誓っている」
    「ルセア様を思う気持ちは我々も同じ。我々が信じることが出来た唯一の人間だ」
    「だったら、お前達が本当に主人のことを思って戦っているのか?」
    僕は主人に忠誠心を示すカイオーガとスイクンに、その言葉の意味に対して苛立つ。
    奴らの忠誠心は伝説のポケモンである故の傲慢さが見えてくる。
    彼らの言葉が信頼の意味があるとしても、今の僕には聴く耳は一切持たない。

    「我々が居なければ、今でも勝ち残ることは無かった」
    「ひょっとして、スタメンを外されたことでの不満ですか?
    僕達より実力が無いポケモンの嫉妬が一番見苦しいことですよ」
    レックウサの言うことも事実だし、悪意の無い子供のように振舞うルギアの言葉も一理ある。僕は奴らと比べても実力も能力も差がある。
    僕の感情や不満は嫉妬だけではないことは、奴らには全く伝わっていない。

    「お前達に僕の何が分かる!?お前達新参者が本当に主人を理解しているか!?」
    「新参も古参も関係ない!それにお前が主人の心境を理解していないだけだろう!」
    「仲間同士、ケンカはやめようよ。落ち着いて」
    もう奴らの話を冷静に聴く耳を持たない僕は、ラティオスを強く睨みつける。
    仲間割れの危機を避けるため、ピカチュウはお互いに宥めるのだが、この状況をとめることは出来ない。







    「仲間同士でやめなさい!」
    一触即発の危機に陥ったその時、主人が大声で僕達を一斉に制止させる。
    彼女の声で、ハイパーボールにトレーナー登録されているポケモンの条件反射に従い、
    人知を超える伝説のポケモンであっても一気に大人しくなる。

    「一体何が原因でこうなったの?」
    控え室にいるポケモンの誰もが、僕に原因があるとして一斉に指を刺す。
    この騒ぎの原因が僕なのは確かだが、こんな事態にするつもりは無かった。

    「あなたが何に不満があってこういうことをしたの?」
    僕は主人に対する不満を声のトーンを変えつつ、身振り手振りで必死に伝える。
    主人に言葉が通じるなら、僕もジェスチャーという回りくどい遣り方はしない。
    人間とポケモンの間で言葉が通じないのは不便だ。
    それに、気持ちというものは伝わりそうで、すれ違う厄介なものだから、共通言語があるというのは偉大なことだと思う。



    僕は昔のように旅をしていた頃が一番楽しかった。
    常に主人と共に苦楽を共にして、競争とか勝利数とか関係なく、ゆっくり高みを目指す。
    ポケモンリーグも世界一のポケモントレーナーになるという通過点の一つで、
    主人が世界一のポケモントレーナーになれるなら、僕達は全力に走ることが出来た。

    でも、今の主人はポケモンリーグチャンピオンとして、戦っているだけだ。
    旅の中で仲間になった伝説のポケモン達も、最初は同じ志を持つ仲間だったが、
    今はチャンピオンとして勝ち続けるために必要不可欠な力となった。

    強いポケモンと弱いポケモンがいるのは、弱肉強食の世界である限りは必然的。
    旅をしていた頃の主人は、そんな道理は一切関係なく僕達と接してきた。
    今の主人を見ていると、ポケモンリーグチャンピオンであり続けることが目標となり、
    強いポケモンと弱いポケモンの関係でしか、僕達を見ていないのかと疑うようになった。

    僕は表現できるあらゆる手段で、今の主人に対する不満や疑問を投げ続ける。
    これで通じるのなら、僕の気持ちを分かってくれるはず。
    僕は主人を信じてメッセージを放ち続ける。



    「あなたが言いたいことは分かった。私は目的のために今を頑張っているの。
    でも、私はみんなのことを平等に愛しているつもりよ。
    私は旅していた頃と同じ気持ちを持って、チャンピオンであり続けたい。
    私は・・・目標のために強いポケモンの強いトレーナーとして強くならなきゃいけない」
    僕は主人の放つ言葉に強い絶望感を抱いた。
    主人は表面上では楽しくポケモンバトルというスポーツをしても、内面ではチャンピオンとして勝ち続ける義務と重圧が、戦うことを強いられている。

    「私は勝ち続けなければいけないの!
    勝たなければみんなに認められない。負けたら何もかも失うのよ!
    だから私はチャンピオンとして、戦い続けるの!それが分からないの!?」
    そんなこと僕は分かりたくも無いし、理解したくも無い。
    それでも主人は負けること、戦いをやめることが怖いことだけは分かった。
    勝利の美酒という快楽と、それを享受できなくなる日を恐れるジレンマ、敗北が喪失と同じ意味になって、ウィナーホーリクともいう依存に完全に陥っている。
    主人にとっての勝利は、薬物やギャンブルと同じ嗜癖を齎してしまった。

    僕のウィナーホーリクに苦しむ主人を見たくないという想いが、伝わっていない。
    伝わったとしてもチャンピオンとしての責務から拒絶する姿を見せる。
    主人に対する苛立ちが募ったことで、僕の中の何かがキレた。

    僕は主人に対して反抗の意志を示すように、技を放った。



    「何するの!あなたは私の気持ちが分からないの!」
    僕の気持ちが分からない癖に、自分の気持ちを分かれというのはおかしい。
    今まで溜めてきた不満が、主人への力づくの反抗という形として表に出た。
    もうこれ以上は、僕は主人の言葉を聞きたくなかった。

    些細な考え方の僅かなすれ違いが、大きな想いのすれ違いとして変質する。
    主人も僕もお互いの言葉や意志に、耳も心も傾ける気は無くなっていた。

    手持ちのポケモンとしてやってはいけないこと、主人に対する反抗を行った僕は、
    制御できない危険なポケモンとして、処分されることになったが、主人の最後の温情からか、野生のポケモンとして野に放たれた。







    手持ちの仲間が反抗したことで、野生に帰してから半月も経たない中、私はポケモンリーグチャンピオンとして再びスタジアムに立っていた。

    「四天王を破って、ポケモンリーグチャンピオンを目指すチャレンジャーの前に、
    ポケモンリーグチャンピオンのルセアが姿を見せる!
    彼女は王座を守りきることが出来るか!?」
    会場全体に響くアナウンスと観客の声に、私は落ち着いた素振りを見せて、チャレンジャーの目の前に立つ。

    《ルセア様、我々の力で愚かな挑戦者を退けましょう》
    《この程度の相手、ルセア様と私の敵ではない》
    《僕が最初に戦いたいな。ルセアさん、早く出してよ》
    伝説のポケモンと呼ばれる手持ちポケモン達は、中で控えているハイパーボールを振動させる。これは自分達が戦いたいという合図だ。

    「私の最初の相手はこれよ」
    私は強い意思表示を示す一匹が納められたハイパーボールを選び、宙で円弧を描くようにスタジアムの中央に放った。
    私は戦う意志を強く示したものを戦わせ、私は今日も勝ち続けなければならない。
    負けたら全てを失い、彼らも弱いトレーナーと見なして離れていくだろう。
    だから私はチャンピオンであり続けなければならない。







    「ねえお父さん。ルセアさんカッコいいよね」
    「ああ、カッコいいな」
    子供と一緒にポケモンリーグを観戦して、運良くチャンピオン戦を見ることが出来た。
    子供はルセアと手持ちポケモンに、目を輝かせて強者に対する憧れを見せたが、
    私は彼女が伝説のポケモンによって、戦わされているようにしか見えなかった。
    私のように周囲の熱気に呑み込まれず、彼女を冷静に見つめるものは少ないだろう。

    「僕もルセアさんのようなトレーナーになれるかな?」
    「お前も本気でポケモントレーナーを目指す日が来れば、その時に分かるよ」
    今の私の子供にはルセアがヒーローに見えるのだが、彼がポケモントレーナーになったとき、彼女がどのような想いで戦っていたのか分かる日が来るだろう。







    あの事件から主人と袂を分かち、野生に還った僕はさ迷い続ける。
    ポケモンリーグチャンピオンのポケモンだったから、大抵の野性ポケモンには負けない。

    僕は野生ポケモンという不安定な道を歩み、主人もまた勝ち続けるという綱渡りの日々を送っているだろう。
    僕もまた負けたら死という生存競争という綱渡りを通して、あのときの主人の気持ちが少しは分かってきた。






    ---------------------------------------
    Copyright © 2012 Re'Nopefu All Rights Reserved.  
    No reproduction or republication without written permission.


      [No.2435] ありがとうございます。 投稿者:aotoki   投稿日:2012/05/23(Wed) 20:57:35     87clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    コメントありがとうございます。感謝感激アメモースです。
    そして拍手をしてくださった皆さんも、ありがとうございます。感謝感激(ry

    >あんな状態であっても活気にあふれている「息子」の行動が良い意味で子供じみていて、微笑ましいです。
    今思ったのですが、デスマスの特性って・・・あれ、おかしいなおとうさん大丈夫だったのか・・・
    ・・・愛と可愛さがあれば特性は乗り越えられる、はずです。

    >あと、観覧車と時間の例えが上手だなあ、と思いました。どうしても止めようがないですものね。そのことを自覚したお父さんが今後どうなっていくかが気がかりです。
    おとうさんは書いているこちらとしても「この後どうするんだろうこの人」となっていました(笑)
    観覧車は本編でも(いろんな意味で)印象強かったので、もうすこし掘り下げたかったのですが・・・あくまで「ポケモンのいる日常」なので割愛してしまいました。
    今度きっちり書いてあげたいです。


    >それでは、また次の作品にも期待しております。
    あ り が と う ご ざ い ま す

    ・・・おやカイオーガがやってきたようだ


      [No.2434] With Tranquill and Voice 投稿者:ことら   《URL》   投稿日:2012/05/23(Wed) 19:33:00     90clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

     最近ポケモンが減って来た。原因など解っている。戦争が始まったからだ。
     優秀なポケモンはもちろんのこと、その辺にいる適当なポケモンだって戦力になると捕獲された。

     そんな戦争の初期、優秀なトレーナーはみんな徴兵された。この男もそろそろ自分の番とおびえている。
     殺し合い、奪い合い。なぜお上の決めたことに命をかけなければならない。いや原因は向こうの国が無茶難題を押し付けるからだ。そうでないと、今の裕福な生活はまもれない。そんなことは解っている。それでも殺される恐怖や徴兵される恐怖におびえていた。

     いつもならポケモンの鳴き声が朝からけたたましい。けれど最近はめっきり静かだ。静寂の朝を迎えて男は郵便受けを確認する。
     良かった、今日も来ていない。徴兵を知らせる紙が。
     
    「ぽぽくるぽー」

     男は上を見上げた。聞こえるはずのない声がする。
     この声は誰だ。確か、そうだハトーボーだ。ポケモンがまだいる。まだ鳴いている。野生のポケモンはまだ生きてる!
     しかし屋根を見ても空を見ても、ハトーボーの姿はなかった。鳴き声だけがそこにある。姿は見えなかった。

    「くるぽぽぽぽぽ」

     男はハトーボーに呼びかける。降りてきてくれ、と。
     野生のポケモンはいなくなった。朝も昼も夜も静寂。ひとたびその姿を見せればすぐに捕獲される。だからこそ男はハトーボーの野生に生きる姿を見たかった。

    「ぽぽぽぽ」

     ずっと右から聞こえる。どっちを向いても右から聞こえる。相当姿を消すのが上手いハトーボーだ。だからこそこんな時代でも野生で生きていられるのだろう。
     通りすがりの人が不思議そうな目で見ている。男は答えた。ハトーボーが鳴いている、さっきからずっと鳴いている、と。その人は何も聞こえないよ、と言った。
     
    「くるぽっぽー」

     姿は相変わらず見えない。けれどそこに確かにハトーボーが存在している。
     
     昼になってもハトーボーは鳴いている。増えてきたようで、さらに鳴き声はざわざわしている。
     ああそうだ、ハトーボーが集まるところには平和の国があると聞いたことがある。
     戦争しているこの時代に、ハトーボーが集まるのであれば平和に導かれているのかもしれない。そうだとしたらハトーボーたちを保護して住みやすいところにしてやりたい。
     平和の国のハトーボー。ああそうして戦争が終わって、平和な国になって。またポケモンたちが朝に鳴いて一日が始まるのに。

    「くるぽぽぽぽっぽー」
     
     なんだって、よく聞こえない。男はそう言った。
     男のまわりには常にハトーボーの鳴き声がしていた。心配になった家族が病院に連れて行く。
     
    「ぽぽぽくるるっっぽぽぽー」
     
     突発性難聴。そう診断された。
     ハトーボーの鳴き声もその症状だと。
     男は認めなかった。このハトーボーの声は確かに存在している。存在しているのに否定するのか、と。
     平和はそこまで来ているんだ。そんな病気ではない。
     邪魔するな。ハトーボーは確かにいる。姿は見えないけど確かにいるんだ!

    「ぽっぽー」

     戦争はやがて酷くなり、侵攻されるようになっていった。
     それでもハトーボーの鳴き声は止まらなかった。
     いつかこのハトーボーたちが戦争をとめて平和に導くと信じている。
     
     男の家も戦地となり、凶悪なドラゴンポケモンに焼かれるまで、ずっと。


    ーーーーーーーーーーー
    覚えてますか、エイプリルフールという名のマメパト襲来を。
    乗っ取られたタイトルを一つずつ見ていって爆笑したのが「ポッポ嫌い」と「よわむしピジョット」だったのはよく覚えてます。
    そして漏れず乗っ取られたのがマメパト。
    Tranquillは英語でハトーボーです。そろえた方がいいかと思ってこっちにしました。
    意外に冗談通じないかもしれません。
    外語ポケモン楽しいですね。
    ハトーボーの平和の国はいつか使いたいと思っていました。

    【なにしてもいいですよ】


    | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 | 39 | 40 | 41 | 42 | 43 | 44 | 45 | 46 | 47 | 48 | 49 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 | 55 | 56 | 57 | 58 | 59 | 60 | 61 | 62 | 63 | 64 | 65 | 66 | 67 | 68 | 69 | 70 | 71 | 72 | 73 | 74 | 75 | 76 | 77 | 78 | 79 | 80 | 81 | 82 | 83 | 84 | 85 | 86 | 87 | 88 | 89 | 90 | 91 | 92 | 93 | 94 | 95 | 96 | 97 | 98 | 99 | 100 | 101 | 102 | 103 | 104 | 105 | 106 | 107 | 108 | 109 | 110 | 111 | 112 | 113 | 114 | 115 | 116 | 117 | 118 | 119 | 120 | 121 | 122 | 123 | 124 | 125 | 126 | 127 | 128 | 129 | 130 | 131 | 132 | 133 | 134 | 135 | 136 | 137 | 138 | 139 | 140 | 141 | 142 | 143 | 144 | 145 | 146 | 147 | 148 | 149 | 150 | 151 | 152 | 153 | 154 | 155 | 156 | 157 | 158 | 159 | 160 | 161 | 162 | 163 | 164 | 165 | 166 | 167 | 168 | 169 | 170 | 171 | 172 | 173 | 174 | 175 | 176 | 177 | 178 | 179 | 180 | 181 | 182 | 183 | 184 | 185 | 186 | 187 | 188 | 189 | 190 | 191 | 192 | 193 | 194 | 195 | 196 | 197 | 198 | 199 |


    - 以下のフォームから自分の投稿記事を修正・削除することができます -
    処理 記事No 削除キー

    - Web Forum Antispam Version -